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33年目のプレハブ冷凍庫に何が起きるか [含蓄まがいの無用な知識]

 考えてみると、俺が担当する修繕というのはどれもこれもとうの昔に耐用年数を過ぎた廃物みたいな物体ばかりである事に最近やけに意識的になってきている。
 勤め人をしていて営業職も兼務していた頃だったらまず間違いなくリプレースを薦めていたような個体が俺の周辺には随分多い。同業者の鼻つまみ者である野良犬自営業に当たる仕事というのはそういうものだ、と割り切るしかない。俺も喰って行かねばならんので。

 某総合病院は築33年になり、およそ五年後には移転新築の計画がある。
俺はかれこれ20年以上その得意先のご厄介になり続けてきたわけだが、これにてお役御免だろう。新しい施設は全ての機材を新調するだろうから俺のような者にはもう用などないはずで、ある種の開放感と同時に寂しさを覚える状況ではある。

 とは言え、これから先五年程度はグダグダの機材をサポートして行かなければならないわけで、それが生業ではあるが色々と頭の痛い事も多い。
 33年前に竣工した時には某総合病院は色々と先進的なオペレーションを取り入れた給食施設であり、現地では結構話題になったのだがそのうちの一つにウォークインタイプの保冷庫があった。俗にいうプレハブ冷凍庫とか冷蔵庫がそれで、当時の設備設計の考え方としてはストレージ(貯蔵、この場合は食品庫)は現在に比べると大して容積を求められる事がなかった。
 その理由としては、今日ほどチルドや冷凍食品が多様でなく、調味料や半加工食品の種類も少なかったからだ。扱う食材の割合は生鮮品が現在に比べて高く、当日入荷して当日中に調理を済ませるのが一般的な行程だった。
 翻って現在の設計は、ピーリングや切截といった下処理に割く面積を削減してその分ストレージを増やすのがゾーニングの方向性である。

 話題が横にそれたので話を元に戻す。
建築施工と同時進行でこしらえる保冷庫というのは矩体に合わせて造作し、庫内は床面と同一とする事が多い。具体的には冷凍庫の場合、組み立て予定場所はスラブを予め250から300mmくらい下げた造作とするように建築設計側と打ち合わせを済ませておく。パネル組み立ての際には、
(1)50mm程度のスキッド(下枠)を組む。
(2)その上に冷凍庫の床パネル(一般に100mm)を組む。
(3)残りの段差分、例えば床仕上がりから100mm程度の段差にシンダーコンクリートを打設する。
これで保冷庫の床面と他の箇所との高さは揃い、俗に言うバリアフリーの状態となるわけだがその一方で、こういう造作は保冷パネルの解体撤去がほぼ不可能となる。壁パネルまで土間に埋まっているのだからもうどうしようもなく、病院のように365日三食必ず業務が行われる使用者の現場に於いては建物の解体までとにかく使い続けなければならない。

 そんな状況が33年続くというのはどういう事か。
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 件の総合病院に造作された冷凍庫のドアである。

 日がな一日、ひっきりなしに開閉動作を繰り返す事で当然ヒンジが減る。バリアフリーの造作に於いてはドアの下端と床との隙間ができるので、ここにゴムパッキンをつけて庫内に外気が入らないように遮蔽するのだが、ヒンジが摩耗するとドア全体がずり下がるのでパッキンを取り付けるどころかドアパネルの下端自体が床とこすれるようになる。
 
 ヒンジがどのくらい減っているのかというと下の画像くらいというと諸兄にはイメージが湧くだろうか。
IMGP0006.jpg

 上下に分割されたヒンジにマイナスドライバーを突っ込んで1cmくらい上方向にこじって初めてドアパネルが床をこすらなくなった。

 今年はじめのことになるが,この保冷庫はドアヒンジの軸が腐蝕して折れ,ドアが倒れてくる事故があった。幸わい調理員が近くにいなかったのでけが人は出なかったが,本当に危ないところだった。
 それなら破損したヒンジを交換すれば良いではないか,と,言葉で表すのは簡単だが現実としては色々と障害が出て来る。

 そもそも,ドアヒンジを固定しているビスが錆び付いていて回らない。錆びたビスの扱いは修理屋の本分だがトラスねじや鍋ビスならいざ知らず,皿頭のビスは始末が悪い。取り付け面と面一なので削りようがない。
 ならばいっそのこと,ヒンジ自体を削り取ってしまい,別の場所に新しいヒンジを取付ければいいではないかとこの依頼を受けた俺は考えた。 
 ああしかし、腹立たしいことにドアのヒンジ取り付け面には画像で示したヒンジの取付け箇所以外には新しく取付けたヒンジを固定するために雌ねじを立てるための下地材が入っていないのだ。要するにドアパネルの薄っぺらい外装板があるだけでここにはビスが効かない,ということは取付けようがない。

 大枠での解決策としては、いっそのことドア自体を新しく製作して取付ける。しかしこれを試算したところ、使用者である某総合病院はその金額を見て即座に却下した。あと5年しか使用しないものにそこまで費用をかけて修繕は出来ないからおまえ(俺だ)が何か考えろとのたまう。
 
 何といっても頭が痛いのはこの保冷パネルの製造元である昭和アルミという会社はもう20年くらい前に消滅してることだ。悪いものでこの保冷庫に取付けられているドアハンドルやヒンジといった金物は全てメーカー純正のカスタムパーツであって,タキゲンのような汎用パーツメーカーの製品でそっくり代替出来るものがない。

 ずれたドアは当然気密が悪く,冷凍庫の中は外部から流入した空気のせいで霜だらけだ。33年も稼働し続けるとパネルの断熱性も著しく低下する。内部のウレタンは空気中の水分を吸い取り続けて飽和状態になっており,ウレタン断熱などとうの昔に無効化されていて現在は氷の壁によって断熱されていると言った方が正しい。
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 画像は壁パネルと天井パネルの合わせ目である。でっかい氷の塊が形成されているのが歴然で,33年も稼働し続けるというのはこういうことだ。

 全くもってババ抜きみたいな話で,こんな物体を何とかしなければならないのは大変気が重い。もういい加減に見切りを付けて放置してしまい,新しく業務用の冷凍庫でも買い込んで代替すればいいのに,と思うがそんな投資を期待できるわけもなく,いつものように俺は袋小路に追いつめられて猿知恵を捻り出さなければならなくなる。(この項続く)
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債務名義はどうなるか [同級生の再起にまつわる話]

 既に大勢に於いては決着がついた話であり、このカテゴリーの主人公である守内巧君もはっきり言って人生詰んだに等しい。
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 税金も年金も払わず、他人との相互扶助関係も持たずにひたすらさぼれるところはさぼり、横取りと詐取を繰り返して利己的に生きる人物がひとたび障害を負い、ある共同体から糾弾されるとどういう人生模様が待ち受けているかをこの歳になって目の当たりにするのはある意味いい反面教師であり、俺のような者はそこから何をしてはいけないのかを学ぶ事になった。

 カテゴリー全般を読み返してみると、お人好しがどのようにして騙され、利用されてそこから復讐心を育んでいくかのドキュメントと見えなくもないのではないだろうか。但し、大してドラマチックなものではない。
 このカテゴリー:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302343518-1

 守内巧は先月末頃、債務整理のため弁護士に委任を行ったので現在この男と直接交渉する事はない。これは全ての債権者について言える状況でもある。
 性根の根本から愚劣な人物というのはそういう状況をどこまでも狡猾に利用する事に何ら痛痒を覚えないものらしく、先月末時点で俺への送金は途絶えた。俺の債権は約8万円程度を残しているという事だ。
 
 同時にこれは送金の遅滞が2回発生した事になるわけだが、調停調書によれば守内巧はこれで期限の利益を喪失し、俺はこの事実を裁判所に申し立てる事により仮執行権を得る事が可能となる。
 しかし債務の整理に関しては既に弁護士が受任の手続きを済ませている。先月末時点では裁判所に対して弁護士からの何らかの通告はなかった模様だが、俺の仮執行権は効力を持つのかどうかは俺に知識がないので現時点では良くわからない。

 債権者の中には俺と同じく裁判所に調停の申し立てを行い、支払時期を延ばされるだけ延ばされて一回の送金しか行われなかったところで債務整理の委任を行われた方もいると聞く。
 更に気の毒なのは守内巧の罰金50万円を納付するために金を立て替えた方々で、金を貸して一ヶ月も経たないうちに弁護士から債務整理受任の通知が届くのだからこれはもう、取り込み詐欺に引っかかったようなものだ。

 守内巧はこうして困惑する債権者を尻目に、現在のうのうと療養中である。

 俺個人の過去の経験から察するに、こういうケースに於いて弁護士が進める方向性は自己破産手続きである。任意整理では殆どの債権者が納得せずに交渉が難航するだろうし民事再生では完済の実行能力に疑問がありすぎるからだ。
 俺はかねがね、弁護士という稼業はこの世で最もダーティな職業のうちの一つだと思い続けてきたが今回あらためてそう思う。世間一般の相場として,弁護士に自己破産手続の依頼をするとその料金は30万かららしい。法律相談は税別五千円,着手金は税別10万円から。
 会社を倒産させたり自己破産するにもカネが要るということだ。
そして守内巧のような男は,これまで自分がさんざっぱら利用し,だまくらかしてきた方々には幾ら不義理を働いて合法的に借金を踏み倒すのは平気の平左でもこういう時に弁護士を利用するだけのカネはどこかに隠し持っていたということなのか。弁護士は弁護士で,こういう奴であってもカネ次第で幾らでも防護壁となる。取り込み詐欺の刑事犯となってもおかしくないような奴を,だ。

 風聞によると,守内巧は就職活動の最中だと言う。 
日払いで月給16万以上というのが彼の条件らしい。左半身に障害があり,自動車の運転は出来ず(欠格二年間),前科二犯であり,数々の金銭トラブルを抱え込むこのクズを雇い入れる経営者とはどういう御仁であるか。俺は俺自身の債権の成り行きよりもむしろそちらの方に興味が出てきたりもする今日この頃w
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バカ客をあしらう様子 [日記、雑感]

 最近になればなるほど,飲食店の得意先オーナーと雑談しているとタチの悪い客についてのぼやきを伺うことが増えてきたように思う。
 俺自身についても使用者の質は間違いなく劣化していく一方で全く困ったもんだ。
要するに世の中全体が地盤沈下するように人心は劣化しつつあるのだろう。勿論その中には俺も含まれており,自身の劣化に無自覚でいることは殆ど間違いない。

 デスクワークの合間に日頃暇つぶしで眺めるニコニコ動画を貼付けておく。解説めいたことを多少書いておく。
 この飲食店は,動画配信者である主が経営している。
たまたま本人の虫の居所が悪かったのかもしれないが,そこに現れた客の振る舞いが主の癇に触った。
以前主とトラブルのあった他の配信者の話題を持ち出してあれこれ訊ねたのがその原因らしい。

 主はキレまくる。

 現実にこういうことは中々やらかすわけにはいかないので,他人が大爆発する様子を眺めて感情移入することで多少はストレス解消に役立つかもしれない。お暇な方はどうぞ。
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理研機器ゆで麺器修理の経過(3) [含蓄まがいの無用な知識]

 交換用の湯槽が届き,実行編となる。

前記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-09-28

 実は,俺はこれまで理研工業のゆで麺器を修理したことがない。出回り数が多くはないことと製品自体単純な構造で故障が少ないことの両方がその理由だ。
 一つ気になったのはこのゆで麺器は湯槽がどのように組みつけられているのか見当がつかないことで,どこからどう見てもビスやリベットが見当たらない。
 元の勤務先でもゆで麺器は製造しており,湯槽の交換は結構手間を食う作業だったので事前に作業手順くらいは頭に入れておこうと思い,製造元に電話して訪ねたところ交換は簡単で特に道具らしい道具は必要ないと言う。

 それで,交換用の湯槽が届き,梱包を開けて現物を取出してみるとどこにもビス穴が明いていないので俺はひびの入った油槽の縁にマイナスドライバーを差し込んで力任せにこじってみると呆気なく浮き上がってきた。ただ単に,外装の枠に落とし込まれているだけの構造だったのだ。
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 湯槽を引き抜いたあとを上から見たところだ。本当に呆気なく外れる。
 但し,理研機器の名誉のために書いておくと,単に落とし込むだけの構造であるということはそれだけはめ込みの精度が出ているということでもある。一般的な厨房屋の製品だと外枠に湯槽をはめ込んだだけだとかなり大きなガタがある。だからビスなりリベットで固定しなければならない。
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 取り外した破損品。白く粉を吹いたような状態になっているのは漏れた水が伝った跡で、下方からの加熱によって水分が蒸発した結果,鉱物質が張り付くようにして残ったものだ。
 左側に見える黒い三角状の跡は煤で,燃焼中のバーナーに水滴が落下して燃焼温度が下がることで発生する。

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 交換用の湯槽。何事につけ新品の輝きは安心感を与える。

 先に俺は理研のゆで麺器は製作寸法の精度が出ていると書いたが,これを言い換えるとはめ合わせがきついということでもあって湯槽を落とし込む時に少しでも傾けるとつっかかってなかなか入らない。唯一コツを要する場面である。
理研 ゆで麺器-12.jpg

 繰り返すが,新品は気持ちがいい。

 事前に作成した見積りではそれなりの交換作業費を想定していたので『これは儲かったわい,俺の人生,たまにはいいことあってもバチはあたらんだろう』と俺は内心ほくそ笑んだ。
 が,しかし,世の中そんなに甘くはないのだ。どこに落とし穴が待ち構えているかわからんのだ。

 上に示した新旧の湯槽の画像を見比べて頂きたい。右上の方,加熱パイプの近くに突き合わせ溶接された配管は湯槽の排水配管なのだが歴然とその位置は異なっている。
 つまり,湯槽の交換に伴って排水配管は一部加工しないと排水の立ち上げ位置と合わない。今回のケースで言うと横引き部分の長さを詰めなければならないのだがゆで麺器の排水取出し位置と床に埋設された排水立ち上げ位置が少しの芯ずれであり,接続できない。

 俺は落胆し,頭に来た。問い合わせの時には製造番号まで伝えてあるのだから製造元はロットまで割り出せるはずであり,現行品の湯槽は問い合わせのあった個体とは配管の取出し位置が異なっている,よって交換作業の際には排水配管の変更が付帯作業として発生することくらい事前に教えてくれても良さそうなものではないか。こういうところがこの業界の適当さなのだ。
 
 現場が市内で,規模の大きな病院であり,俺が長いこと出入りさせて頂いていることが幸いした。
俺は病院の売店で買い込んだ缶コーヒーを持ってボイラー室を訪ねた。そこには配管のねじ切りマシンがあるからだ。ボイラー技士に愛想笑いともみ手で缶コーヒーを渡し,平身低頭でねじ切りマシンを使わせてもらうお許しを頂き,そこら辺にある鉄管の端材を切り出して外来食堂に引き返し,どうにか収まりを付けた。

 こうして作業が終わってみると,湯槽の交換そのものは全体作業のうちの大した比重を占めていない。半分以上は応急処置と届いた湯槽の整合性が取れていない部分の手直しであり,この件全体で言うと事務方とのやり取りに費やした時間は作業そのものよりもずっと長いのだ。
 とは言え,とにもかくにも一段落ではある。使用者の事情によってはリプレースに近い費用をかけてでも修繕した方が好ましい場合もある,という一例でございました。(この項終わり)
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理研機器ゆで麺器修理の経過(2) [含蓄まがいの無用な知識]

前回記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27

 組織立った施設で,使用現場と決裁部署が別であり,更にはどこか遠くに本部があり,といった場合は手続に時間がかかるのは世の中の通り相場で仕方がない。
 それが医療機関となると食品関係の機材はどうしても扱いのランクが低い。直接お金を生み出す固定資産でもないので使用者の発言力は決して高くはない。
 どんな処置も必ず事務方の事前承認が必要で、しかもその事務方は2,3年で異動してしまうとなると医療行為に直接関係ない老朽化した固定資産の扱いは担当者にとっては交通事故のようなものだろう。

 今回のようなケースで事務方の行う労務は結構大変なものであり、仮に老朽化したゆで麺器をリプレースするとなると以下のような手続を経る。
(1)資産台帳をひっくり返し,該当品目を探す。自分が着任する以前のいつ購入されたかもわからない固定資産一点を台帳の中から拾い出すのは大変難儀な話だ。何しろ院内に固定資産と名がついている物体は山のようにあり,それぞれ資産番号が割り振られている。
(2)資産番号の一致を確認した後は過去数年の補修状況を調べる。いつ,どんな故障があり,どれくらいの修繕費がかかっているかを拾い出す。
(3)減価償却期間を経過しているかどうかを確認した上で例えば「修理不能報告書』といった書式の書類を作成する。俺の経験則では,減価償却が済んでいない機材はほぼ必ず更新の申請は却下されるのでどんな面倒臭い修繕でも行わなければならない。修理不能な状態である,またはリプレースされた方が現実味のある措置である理由を報告書に書かなければならないが事務方に機械の専門知識があるわけでもないのでこの文面は出入り業者が代筆するのが通例だ。
(4)予算要求用のリプレース見積りを業者から徴収する。固定資産の予算要求は大体の場合年に一度であって,人身に関わるような重大事故が予見される場合でもない限り緊急購入などという温情はない。年度明け早々に大きな障害が出ると最悪の場合はほぼ一年近く,仮処置で運用できるような対応が修理業者に求められる。 

 俺はここで格段自慢するつもりはないが 、医療給食では大規模になればなるほど出入り業者を頻繁に変えたり担当者が変わったりするのを嫌う傾向が強いのは上に書いたような事情があるからだ。固定資産の更新は大変な事務手続を要するので一回購入した物品は出来るだけ更新せずに使えるだけ使い倒す。延命のためなら改造でも何でもやる。おまけに学校給食などとは違って365日三食の稼働なので大掛かりな整備も出来ず、修理屋のスキル次第でイニシャルコストもランニングコストも大違いとなる。

 今回のケースで言うと,修繕費と新品の購入費用とではさほど大きな差がなかったにも拘らず修繕となった。固定資産の購入に比べると修繕費は事務手続が楽で予算がつき易いのがその理由だ。ゆで麺器は湯槽が命綱なのでこれは事実上更新であり,判断としては賢明だったと思う。

 恥ずかしながら理研機器との取引は初めてであり,初回取引は現金先渡しとのことで貧乏自営業にとってはなんともつれない対応だ。それで問題の湯槽はと言えば仕切り価格が約8万円とのこと。
 追い討ちをかけるような展開で,件の総合病院は支払のサイトが60日である。俺は脳天から煙が上がりそうな気分で銀行に向かい,振込手続を済ませた後で通帳の残高を見て凹んだ。
 このへんは本題から脱線した話題で恐縮なのだが,支払が怪しいとか,サイトが長いとかいった得意先ほど現金の持ち出しを余儀なくされることが確率として高そうに思える。貧乏自営業は辛いぜ。(この記事続く) 
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理研機器ゆで麺器修理の経過(1) [含蓄まがいの無用な知識]

 更新をすっかりさぼりがちなこのブログだが書くべきことがないわけではなく,むしろ逆である。
 考えてみるとこれまで本業である修繕の成り行きを画像を追ってまじめに記事にしたことは殆どなさそうに思う。元々世の中に広く認知されるべき高尚な仕事をしているわけでもないし,ブログ記事を書くために仕事をしているわけでもないのだからまあどうでもいいことではある。

 某総合病院は今から約15年ほど前に移転新築した施設で,この時俺は転職して間もない頃だったがそれ以前の勤務先の頃からお世話になり続けており,プランニングの段階からご依頼を頂き,機材の納入と施工管理までを手がけさせていただいた。
 以後は現在に至るまで,修繕の仕事を頂いてもおり,何と言うか職業人としての俺の時間がそのまま重なり合っているような関係にある。

 外来食堂で使用しているゆで麺器は理研機器という製造元の製品で,認証を取得していない製品なのでどこにでも設置可能というわけにはいかないが値段が安いのと新築物件での設置なので建築工事の防火構造を厳格に行ってもらうことで最終的に選定した経緯がある。
 15年も使用していれば故障の一つや二つ,それはあるだろうし、いつかはリプレースを検討することを余儀なくされる場面は訪れる。

製品のURL:http://www.riken-kiki.co.jp/assets/img_1103.jpg
さすがに15年もの間,毎日使用しているとやつれは出て来る。
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 障害の内容は水漏れというものだ。
漏れ箇所は比較的簡単に発見できたが漏れの箇所が問題で、配管系統の継ぎ目からのものであれば修繕は楽だし費用もそこそこで済むが今回は湯槽を加熱するためのパイプにクラックが入っている。
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 よくある構造だが湯槽に突き合わせ溶接されたパイプの中を燃焼排気が通過することで加熱される仕組みだ。湯槽の下部にバーナーがあり加熱されるが,燃焼中は当然,加熱パイプに熱膨張が発生し,消火時にこれは収縮するので応力ひずみによる金属疲労が蓄積していくことになる。
 結果としてどこかの時点でこのような亀裂が発生し,水漏れが生じるが一般に,15年使用してこのような状態だとリプレーズを検討すべきである。湯槽の交換は高額であり,もう少し頑張れば新品に手が届くほどのものとなるからだ。

 新品の購入は固定資産の購入であり,組織上は色々と手続が必要なので対処について結論を出すまでには検討するための時間が必要であり,だからといって使用を中止するわけにも行かないし水漏れを放置したまま使用を続けるわけにもいかない。色々な意味で俺が板挟みとなる。
 当面なすべきことは方向性が定まるまでの間応急処置を施して仮運用できるかどうかの可能性を探ることで,物事はだんだん面倒臭い方向に転がり始める。

 応急処置,と素人は簡単に言うが修繕は応急の方が難しい。これは声を大にして言いたい。
加熱パイプには目視で歴然とわかる亀裂が発生しているが,幸いなことにパイプの断面には大きな歪みが発生しているわけではないので何かしらペースト状のものを塗布することで一時的に水漏れを塞ぐことは可能なわけだが使用時には先に書いたように熱膨張が起きる点が問題で,耐熱性と弾性が両立できるような素材でないと応急処置の効力が持続できない。
 勿論,そういう場面に於いて回避策としてこういう材料を用いてくれなどという裏技の答えを製造元が用意してくれているわけなどない。メーカーの答えは「速やかに湯槽を交換してください」しかないに決まっている。立場を置き換えれば俺だってそう答えるに決まっているのだ。

 応急処置の大変さとは,正規の答えが適用できない場面で即日、自分がその場で別の答えを捻り出して実行しなければならないところにある。 
 加熱パイプの外側は水で,沸騰時の温度は摂氏96℃であり,激しい対流が起きている。内部には燃焼排気が流れていてその温度は大体400℃を幾らか割り込むもので、熱膨張による応力が発生している。

 応急処置は大なり小なりギャンブル的な判断を求められるものであって、成功の確率を高めるためには知識なり経験が必要だ。
 用いる素材として俺の頭の中で残ったのは金属粉を練り込んだエポキシパテと蒸気配管に用いる耐熱性を持ったシリコンシーラーの二つで,前者はその弾性に,後者はその耐熱性に懸念が残る。
 ギャンブルというのはそこから先で,俺は今回後者を選んだ。

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 補修後の状況。亀裂箇所に刷り込むようにして範囲は広めに,厚めに塗布するのがコツだ。

 今回,仮処置はラッキーなことにあたりと出た。
経過を見るために数日期間を置いたが問題はなく,水漏れはどうにか塞がった状態で使用は再開され,リプレースするか修繕するかについて事務方との協議に入る段階となる。(この記事続く)
タグ:ゆで麺器
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弁護士より受任通知が届く [同級生の再起にまつわる話]

 終わりそうで終わらないこのカテゴリーだが大枠の中では終盤だ。
先々何か書く事があるかもしれないがそれは既に現在進行形の出来事ではないだろうと思う。大きな流れとしてはここで書くトピックは一つの区切りと見ていいかもしれない。

 タイトルの通り、今日の昼、俺は配管工事の現場から帰宅すると郵便受けに法律事務所からの受任通知が届いていた。
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 債務整理がどのようなものかはまだ明らかではない。任意整理、個人再生、自己破産のいずれであるかは本日段階ではまだ明らかではないということだ。

 8月末に閉店し、9月の今日、弁護士からの受任通知が来るというのはどういう事か。
過去記事を振り返ってみる。

(記事名)悪徳店主にご用心(3)
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-08--12
(引用)「突然では御座いますが、病気治療のため8月末までの営業となりました。つきましてわ、継続して頂く居ぬき即営業可 125万円位でお売りいたしと思います。店舗改装1年10ヶ月 ご希望の方是非連絡お待ちしています。20年間ありがとう御座いました 0155-67-1148 2階宴会出来ます、料理2000円より6品付き
 
 病気療養のためなどと抜かしているが実のところは借金がかさんでケツに火がついていたのだ。金が続かなくてやって行けないと言うと決まりが悪いので健康問題に原因をすり替えているに過ぎない。
 俺はこの見方に確信がある。何故かというと一昨年の今頃、今の二つ前の店舗を畳む時にも同じような口上を述べ立てていたからだ。

 更に言えば守内巧は今年の初め、裁判所での調停の後俺に自分の店が同級生の来訪で大にぎわいして儲かっているなどと自慢たらたらだったのだ。
(記事名)クズ人間の思考回路に卒倒した話
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-04-11

 もう一つ書いておく事がある。
 今年4月の飲酒運転による逮捕の結果、守内巧は書類送検されたのだがさすがに前科持ちには世の中は甘くない。起訴猶予は得られずに有罪判決が下り、罰金刑が確定した。
 今月初めに耳にした風聞によると守内巧はそこら辺中から借金をしまくって罰金50万円を納付したとの事だ。貸した側にその金が戻ってくる事がないのは間違いないわけだが、今なおこの男に金を貸す人が存在するという事実に俺はこの世間がまだまだ寛容さを持ち続けている事を実感する。

 刑事処分としては罰金刑が確定したわけだが行政処分はおそらく25点の減点で2年間の欠格となる。田舎町での自営業者にとっては致命的だ。

 要するに、あらゆる意味でこの男は8月頃には人生、詰んでいた。
閉店の理由が健康問題などというのは見栄であり、虚勢である。仮に健康であったにしても守内巧は店の経営を続ける事などできない状況にあった。
 破滅する奴というのはこのようにして、ケツに火がついた状況をひた隠しにして最後の最後まで粋がりたがるものだというごくありきたりなサンプルであり、陳腐と言えばまあ陳腐ではある。
 
 ここで俺は、この一件の当事者であるある方の言っていた事を思い出す。服役も、自殺も、この男にとってそれは救済であり開放ではないのかというもので、俺は大いに考えさせられた。
 その一方で、守内巧のような最高度に愚劣な男は既に開き直った人生を前提に生きているのであって前科が増えようが自己破産しようがとにかく目先の実利さえ貪れるのであればそれで充足しているのだと指摘される方もおられる。
 生産的でもなんでもないが、どちらの見方も一理あるな、という気はする。

 俺自身の売掛残については弁護士宛に連絡を入れておく事にするが、最早俺の内部には怒りも達成感もない。ただ虚無感だけが充満している。先に書いた守内巧の心象風景についても今や配慮などしてやるつもりも毛頭ないのだが、それはある種の謎としてこれから先も俺の中で燻り続けるのだろう。
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昨今の心象風景 [日記、雑感]

 ブログの更新が滞りがちである。
 これまで何度も書いたように俺は元々怠け者なので,格別身辺に慌ただしい動きがあって更新する暇もないといった状況ではない。この停滞具合は俺の本来的な姿である。

 このブログを始めた当初,ランキングはいつも5桁でアクセス数は一日20件くらいだった。
ネットの世界の広がりは今よりも狭く,その中での一日20アクセス程度というのは現実社会の中での俺の立ち位置を良く反映していると,俺は妙に納得していたものだった。

 今,管理者としての画面を開くとこのブログはSo-netブログ全体中ではギリギリ3桁くらいのところに常駐している。仕事をテーマとするグループ内に於いてはほぼベスト10以内に常駐している。
 
 正直なところ,この現状は俺に何だか重苦しい義務感を植え付けている。現状のアクセス数はこうして更新をさぼりながらも一日大体1200位を維持している。どの程度の関心を持って読まれているのか知らないが俺がこれまで垂れ流し続けてきたテキストは好むと好まざるに関わらずそれくらいのアクセス数を毎日生み出している。
 現実の来訪者数は大体一日当たり400名くらいだと思うがそれにしたって現実の日常生活で俺が接する人の数から考えればとんでもないボリュームだ。
 しかしそのアクセス数1200は日本の人口のうちの0.001%に過ぎない。俺のへそ曲がりな性分は管理者ページを見るたびに俺自身の存在の小ささを実感するのである。

 現実の俺は,まあしがないものだ。
身体をずり減らし,心労に追われ,いずれどこかで野垂れ死にするのだろうが差し当たりこのブログはごくごくチンケな誰かさんが存在していたことの証明として,記事全体が削除されるまでは残り続けることになる。
勿論,何かを変えるほどの影響力などはなからありはしない。そんなことはこのブログを始めた当初からわかり切っていたことだ。

 常々思うことだが,現実の俺の生業にせよこのブログにせよ,何か意味があるのかという一種の虚無感がじわじわと俺の内部で膨れ上がりつつある。



 ガキの頃にラジオで聞いた時にはシニカルなコミックソングのように受け止めていたが今になってみると怖い歌だ。

とん平のヘイ・ユウ・ブルース

とん平のヘイ・ユウ・ブルース

  • アーティスト: 郷伍郎,大野真澄,里吉しげみ,深町純,村岡健
  • 出版社/メーカー: アルファレコード
  • 発売日: 1995/01/25
  • メディア: CD


 人生の折り返しを過ぎてなお,俺は誰の,何の役に立っているかがよくわかっていないすりこぎなのだなw
タグ:左とん平
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同類の匂いを嗅ぎ取る [困った業者]

 とある山間部の集落にあるベーカリーショップでの修理が本日のメニューである。
 ここ数日の俺は土曜日の仕事はテンションが上がらんなどと悠長なことを言っていられる状況にない。ありていに言って金がないからだ。金がないときの俺は精神に張りが出る。土曜日の弛み具合と相殺勘定すると大体ちょうどいい具合というのが本日のコンディションである。
 コンディションはさておいても金欠にならないと仕事に気合が入らないというのは大変困った傾向で、これは俺はこの先絶対金持ちにはなれないことをあらわしている。

 本日のメニューは冷蔵庫の修理で吐出弁の破損したコンプレッサーの交換だ。
割合と利益率のいいお仕事ではあるが俺は最近、余り出来の良くない冷媒漏れの検知器を無理して買い換えており、これの支払額は今回の修繕で出てくる利益からもう3万円くらい上乗せしなければならないのでぬか喜びしている場合ではないのだ。

 作業は順調に進んだ,と言いたいところだが実際はそうでなく,本日も俺にはトンマな出来事が襲いかかって来る。
先月末頃の修理でそろそろ残量が心許なくなっていたのが溶接機の酸素だ。あと一回分くらいの残量はあるのではと甘い見通しでいた俺がバカだった。
作業途中で,エンジンがかかり始めたところで溶接機のトーチはだんだん炎が赤くなり,火力の勢いが落ちたので俺は懸念が的中したことを知った。安定器の圧力ゲ−ジは無情にゼロを指しており、これ以上は溶接の作業が続行できないことを表している。

 しかしまだまだ先行き長い作業途中で,現場は山間部の集落だ。どうするよ?と俺は困惑した。
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画像は本文とは関係ありません


 俺は得意先に状況を説明し,どこかこの集落に鉄工所か何かがありはしないかと訊ねた。時刻は夕方近くになろうとしていたが,何とか酸素のボンベを貸し出してもらって仕事にケリを付けておきたかった。

 幸いなことにその集落には一件,鉄工所があるらしかった。得意先のオーナーに所在を教えてもらい訪ねてみるとある商店の隣にあまり普請の立派そうでない,鉄工所というよりは鍛冶屋と形容した方が適当そうな建物があった。

 工場というか作業場というか,とにかく工作機械や溶接機が散乱する場所は脚の踏み場がないほどで、俺はそこでエントロピーという言葉のことを思い出した。
 恐らくここは一人親方の営む鍛冶屋で,どこに何があるのかは本人だけが知っている,そういう場所だ。何故そういうことがわかるかというと,これを書いている俺自身がそのような性癖を持っているからだ。

 作業場に繋がった住宅の玄関先から出てきた主はまさにそのような人物で,無精髭を生やして牛乳瓶の底のようなメガネをかけた風貌は彼が長年,溶接の仕事を続けてきたことを物語っていた。
 こと溶接に関しては,俺のような者が長年鉄工関係に従事してきた職人に太刀打ちできるわけはない。貸し出してもらえることになったでっかい酸素ボンベを転がす俺の手つきを見てかれはたちどころに俺の溶接の造詣が付け焼き刃程度であることを見抜いた。

 俺の身長ほどもあるでかくてクソ重たい酸素ボンベをひいひい言いながら車に積み込むと既にその時点で俺の呼吸は乱れていた。
 まあ頑張れや,という親方にお礼を言い,俺は件のベーカリーショップに引き返した。ボンベの取り回しには本当にくたびれた。重量を量ったわけではないが容器の重量だけでも60kg以上はあったのではないか。本筋のコンプレッサー交換の何倍も馬力を要する作業だったと書いておく。
 
 冷蔵庫の修理はさておくとして,俺は鉄工所の親方のことが気になっている。
何というか,彼は俺と大変似た傾向の人物であるような気がしているからだ。酸素ボンベを借り出す相談に於いて俺は当然,その使用料を支払うことを伝えたが彼はそれは終わってからにしようとか大して溶接箇所が多いわけじゃないだろうと言い,はっきりした金額を取り決めないまま出掛ける用事があるからと言い残していなくなってしまったのだ。

 断言してもいいが,彼から請求書が届くことはない。幾ら幾らという使用料が提示されることもない。
俺の側から持ちかけない限りこの件はなし崩しで有耶無耶になっていくに決まっている。
 仮に次回,あってはならないことだが同じことがあった場合頼み事をしづらくなるのでここは何としても金銭的な解決を付けておかなければならないがきっと彼にとっては関心外のことではないか。”俺に大変似た傾向”というのはそういう側面であり,平たく言うと商売っけがない。

 こう言っては失礼だが,山間部の集落で長いこと一人親方として鉄工所を営む彼はその職人的実力に見合った境遇にありそうには見えなかった。何によらず,職人とか技能職というのは田舎に引っ込んで自営開業するにあたってはそれまで覚え込んだ多くの抽き出しを活用する機会を失い,日銭を稼いで生活できる程度の収入があればそれで良しとする一種の諦念と、どうせ誰にも自分の仕事の本質はわかってもらえないという虚無感と無縁ではいられない。
 そういったものと向き合いながらモチベーションを保つのは大変なことだが,働かなければ食っていけないのでその必要に迫られて日々を過ごす構図に俺は何かしらの同一性を見出すのだ。明らかな違いは,俺の腕前はさほど大したものではないところだな。
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中古パソコンを巡る追加購入の備忘録 [日記、雑感]

 何事につけ,中古品というのは素人が手を出すべきではないと俺は常々考えている。

 これまで何度か書いたように,公私ともに俺の常用パソコンはMacだ。
プログラムリレーのラダーを読み書きするためにWindowsの走るパソコンが必要になって中古品を買い込んだのが5月のこと。
 関連記事:windowsパソコンが届く
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-05-18-1

ものはヤフオクで落札した。代金は一万円強。
詳述するまでもなくマシンスペックはお笑いぐさだ。そしてこれは世の常で,俺はこれぞ安物買いの銭失いともいうべき迷走を続けた。

最初の買い物は外付けの光学ドライブだった。
ラダーソフトのインストールをすべくCD-ROMを放り込んだが認識しない。本体に同梱されてきた外付けドライブは一回だけ動作してその後は本体が認識しなくなったので新たに購入することにした。
BUFFALO Boostケーブル搭載 ポータブルDVDドライブ ブラック DVSM-PC58U2V-BK

BUFFALO Boostケーブル搭載 ポータブルDVDドライブ ブラック DVSM-PC58U2V-BK

  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • メディア: Personal Computers


 ラダーソフトのインストールが済むと他にも色々と欲が出てきた。
届いたパソコン本体にはビジネスアプリが一つも入っていない。ないならないで構わないがHDDには結構な空き容量があったので使用頻度はともかく何か入れておくことにした。

 まずは手持ちのデータベースソフトであるFilemaker Pro。せっかく買ったパッケージだし外付けドライブも買ったことだし、あれば色々と活用範囲は広い。

FileMaker Pro 10

FileMaker Pro 10

  • 出版社/メーカー: ファイルメーカー
  • メディア: CD-ROM


 暴れ者の困ったアプリだがこれならではの使い勝手はあり,フリーソフトでは代替がきかない。俺の手持ちパッケージは二つ前のバージョンであり,現在はグラフ機能が大幅に強化されたと聞くがここまで行くと表計算ソフトが不要になってしまうのではないかと思えるくらいだ。

FileMaker Pro 12 Single User License H6316J/A

FileMaker Pro 12 Single User License H6316J/A

  • 出版社/メーカー: ファイルメーカー
  • メディア: CD-ROM


安いパッケージではないので今回は見送り。現行のバージョンでも俺には充分過ぎるくらい高機能だしな。

 ビジネスアプリについては今更MS Officeでもないだろうと常々俺は考えている。
開発費の協力金千円を払ってWindows版をダウンロードすることにした。

URL:http://ja.libreoffice.org/

 既に私用ではMac版を活用しているアプリである。Exel,Wordで出来ることは殆ど全てと言っていいくらい可能だしデータのやり取りにも今のところ不具合はない。
 Libre Officeは手持ちのMacでWindows版をダウンロードして外付けドライブに保存し,PC/ATにインストールすることが出来ない。
 俺には知識がないのでよくわからないがどうも,サーバーに現在どんなクライアントがアクセスしているかを判別してそのOSに応じたもののダウンロードを許可するというシステムのようであり,MacからWindows版をダウンロードは出来なさそうなので、ここで買い込んだ中古パソコンをネットに接続する必要性が出て来る。

 がしかし、ここでまた障壁が現れる。
俺の自宅でのネット環境は現在,無線LANで運用されており、ルーターはお約束のこれだ。
アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

  • 出版社/メーカー: アップル
  • メディア: Personal Computers

 これまた俺には知識がないが、Airmacと新参者のWindowsパソコンの折り合いがどうにもつかない。何をやっても弾かれてネットに繋がらない。
仕方がないので中古パソコン用に無線ルーターを購入。
BUFFALO エアステーション 11n/g Qrsetup対応 無線LAN親機 WHR-300

BUFFALO エアステーション 11n/g Qrsetup対応 無線LAN親機 WHR-300

  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • メディア: Personal Computers

 設定に取りかかってみると,改めてApple製品で固めているパソコン環境はいい意味でお仕着せというかラクチンであることを実感する。

 ネットに繋ぎ,Libre Officeのダウンロード以前にやるべきことがある。
何といってもwebブラウザを決めておきたい。ここ10年近く,俺はFirefoxしか使っていない。Macに最初からついてくるSafariでさえもろくすっぽ使っていないのだ。ましてやWindowsでは標準であろうIEは全く触ったことがない。以前Mac版を少しの間使った時期があったがメモリーリークがひどいのですぐに止めてそれっきりだ。
 余談だが俺のブログはその最初から現在に至るまで全てFirefoxでだけ出来上がりを確認しており、他のブラウザでの見え方は確認していません。不具合のある方は・・・・
 URL:http://www.mozilla.jp/firefox/からブラウザをダウンロードしてみてください。

 こうしてLibre OfficeのHPからダウンロードを済ませ,ようやくこの中古パソコンで仕事の出来る環境は整った次第,と思いきやここでまた問題が発覚した。
 使用状況を想定するに,当然,家の外に持ち出して使用者の現場でPLCに接続するわけだがパソコンに内蔵されているバッテリーは既にへたばっており,絵に描いたような容量抜けを起こしているのでこれを買い直す必要に迫られた。

ThinkPad X60*.X60s*.X61*.X61sの40Y7003対応バッテリー

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  • 出版社/メーカー: ロワジャパン
  • メディア: エレクトロニクス


 高価な純正品には目もくれず,ひたすら安いものを探しまくった結果だ。
世間では偏狭なナショナリズムに洗脳されて中国製や韓国製のものは買わんなどとたわ言を抜かす奴がいるが馬鹿も休み休み言えというのが俺の見方で,否応無しに,今日日どこの国製の何を買おうがこれらと無縁でなどいられるわけがない。こういう話題はややこしい展開になるのでこれ以上は書かない。

 このようにしてやっと何とか中古のモバイルノートはお仕事で使える体裁を整えたわけだが、ここに貼りまくったAmazon.comのリンクのうち,俺がネットで購入したものは最後のバッテリーだけだ。
 それ以外のものは全て俺の電材の仕入れ問屋である地元の電器店で購入した。勿論それらは量販チェーン店やネットショップで購入するよりも多少割高なわけだが俺はそれで構わないと思っている。
 可処分な金は出来るだけ地元で回そうと俺はいつも考えている。郊外の大型量販店とネットショップによって俺の地元の商圏は既にズタズタに疲弊しているのだ。俺一人が端金を地元に落とし続けたところで何かが変わるわけなどないのだがしていることには何らかの意味はあるのだと思いたい。
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理不尽な目にあったフリーターは狂った世間に対して復讐すべし [困った客]

 ここでの話題は伝聞混じりであり真実性には疑問もあるが、昨今の消費者の根性の腐れ具合を如実に表していると思えたので記事として残しておきたい。

 近所の某所で昼飯を食っていたときのこと,俺は午後のスケジュールが空いていて暇だったのでついつい店主の息子さんと雑談に及んだ。彼は時たま,俺の仕事をアルバイトとして手伝ってくれる人物でもある。
 他愛もない話題で特に脈絡もなくあれこれ話した中にこんな下りがあった。働く人のモラルがだんだん低下傾向にあるのではないかといったようなやり取りの中で彼が語った。

 少し離れたところにあるマクドナルドでテイクアウトの買い物をしたとき,家に戻ってナゲットのパッケージを開けるとソースが入っていなかったので腹を立てた彼はその店舗に電話をかけて自宅までスタッフを呼び出し,玄関先で懇々と苦情を申し立てた。
 現れたのはアルバイトと思しき若い姉ちゃんで,終止真面目に聞いているんだかどうか疑わしい面持ちで機械的に申し訳ありませんでしたを繰り返すばかりで全く誠意が感じられなかった。
 この時そのスタッフはソースのパッケージとナゲットの代金とを持参して現れたが、商品が冷めてからそういうものを持ってこられても自分のナゲットを食う楽しみが削がれた感情の埋め合わせになどなるものではないので,自分はさんざっぱらそのスタッフを怒鳴りあげて溜飲を下げた。といった内容だ。

 以前このブログのどこかで『消費者のヤクザ化』みたいなことを書いた覚えが俺にはあるが、こんなところにもその発露はあるのだな,と,暗い気分になった。マックナゲットというサイドメニューは300円かそこらの商品ではなかったかと記憶しているが,そんな金額の買い物にさえここまで大袈裟に問題視するのが当たり前の世の中なのか。

マックナゲット:http://www.mcdonalds.co.jp/quality/basic_information/menu_info.php?mid=1610
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(画像は本文とは関係ありません)

 商品の提供に手落ちがあること自体は良くないし,クレーム対応にアルバイトを使っているのだとすればマクドナルドという企業の姿勢には疑問がある。しかしまあ、やる人はここまでやるのだな。

 自分がその立場であればどう感じるか,という配慮の働かない奴は本当に増えた。俺は彼に対して諭す意味でこんな事を言った。

(1)ナゲットのソースがどんなものかを俺はよく知らないが,何が何でもマクドナルドでついてくるものでなければならないか。あんなもの(マクドナルドには失礼だが)はトマトケチャップであってそんなものは家にあるのだからそれをかけて食って,舌打ちの一つもすれば終わりの話ではないのだろうか。

(2)支払う人によって負担感の大小はあるにしろ,300円かそこらの買い物でそこまで大袈裟に騒ぐ必要があるのか。それを食って腹痛でも起こしたとでもいうのならともかく,たかがソースが付いていなかったというだけのことでだ。せいぜい苦情の電話を一本入れて終わりの話ではないかと俺は思うが。

(3)常識的に考えて,何かペナルティを与えたいのならば,その店舗では今後買い物をしない,或いはマックを利用しないのが実効性のある対応であり,相手が正社員ならまだしもアルバイトを玄関先で怒鳴り上げたところで状況は何も変わらない。

 言うまでもなく日本マクドナルドは外食産業最大のチェーン店であり,直営,FCの如何を問わずクレーム対応をアルバイトに押し付けているなどとは考えにくい。
 正社員だろうがアルバイトだろうがお客さんから見れば同じマクドナルドの店舗スタッフなのだから正社員と同じ挟持でもって仕事に臨め。同じ仕事を同じようにやれ。といった教育が社内でアルバイトに対してされているのだとすればその教育がおかしい。時給800円かそこらの給料で正社員と同じことを求められて納得できる人などいるわけがない。

 それもさることながら,距離を置いてみれば俺の視点からはこの兄ちゃんも相当きているな。
思うに彼は,プロフェッショナリズムやサービス業の何たるかについて諭したいわけではなく,ただ単に日頃鬱積する何かのフラストレーションをぶちまける機会がこれだったというに過ぎないのではないのか。
 300円くらいのマックナゲットにソースが付いていなかっただけのことでバイト相手にここまでやるのは俺から言わせればヤクザを通り越して最早キチガイだ。消費者のヤクザ化というよりは消費者総発狂と言った方が現実に近いかもなw

 100円ショップの商品の出来に目くじらを立てて文句を言ったり298円の弁当や牛丼の美味い不味いに口角泡を飛ばして論じ合ったりと,デフレスパイラルの最中では人間性もこういう風に狂ってくるものなのだな。
 世間一般が砂漠化する中で理不尽なアルバイト稼業に甘んじている諸君に対して俺はこういう場合の復讐方法を伝授する用意があるがご近所さんの店舗なのでここでは書かない。

 敢えてヒントのようなことを書いておくと,飲食店というのはその大半が客単価が千円かそこらである。財布に万札が何枚も入っていないと入れない店というのは世の中に幾らもない。ということは,君の懐に千円くらいの自由になる金があれば君はいつでもその飲食店に対して『お客様』になれるのだぞw
 ここから先は書かないが,俺はある時日頃仕事で接する傲岸不遜でクソ生意気で高飛車な飲食店の主に対してそういう風にして仕返しをしたことがある。あまり思い出したくない不毛な記憶だ。

 他者に対しての寛容性がどんどん失われて,いつとは思い出せないがそれはある一線を越えてしまったと最近の俺は考えている。
<おまけ>某ネット配信者がキレまくる。派遣労働者のフラストレーションについて。前半20分過ぎ位から火がついてきます。お暇な方はどうぞ
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大風呂敷を拡げる時には他人を巻き込むな [困った業者]

 会社四季報という株に関係した本を書店で立ち読みしていたら北沢産業の項で「24時間対応のサービス体制を売り込む」みたいな記述を目にして背筋が寒くなった。もう,たちの悪い冗談だとしか思えない話だ。

 まずは断りを入れておくが、俺は北沢とは良い関係にない。だからここで俺の書く事はそういったフィルターのかかった、上増し気味の否定的見解で感情論がかっていると指摘されても全面的な反論はしない。
 しかしそれを抜きにしても同業者間の風評に於いて北沢産業の修理が素晴らしいなんていう話は聞いた事がない。俺自身が接した何度かの場面でもおよそ感心できない事ばっかりだった。
 
どこの会社と言わず、今の厨房屋業界で保守業務24時間対応など全くもって絵空事でしかない。そういう運営体制の実現に最も近いところにいる会社は疑問の余地なくホシザキだが,販社レベルでサービスマンの24時間365日体制を思案し始めたのはもう20数年前のことだ。
 ホシザキの20数年前と現在では出先機関の数といい擁しているサービスマンの人員数といい段違いの成長ぶりだが、現在に至ってもホシザキは決して365日24時間対応などとは少なくとも表立って謳っているわけではない。
 現在,北沢産業の社員数は400名強であると聞く。その数は20年前のホシザキの一割にも満たないばかりでなく,俺が見る限り営業所レベルでは専従のサービスマンの存在さえ怪しく,営業技術職との兼務という何とも人使いの荒い勤務形態だ。
 現場レベルではかくもお粗末な運営実体の会社が一体どんなマジックを弄して365日24時間修理対応などという業務形態を実現できるのか。大風呂敷とはまさにこういうことを言う。

 俺には容易に想像のつく様相がある。
 修理専門の別会社を作り,コールセンターを設けて修理依頼は一切合切そこに押し付け,自分たちは商材を売り抜けるだけの会社になって身軽になる。
 そして実際に24時間365日,道具箱をぶら下げて深夜の0時とか元旦に修理に駆けずり回るのは北沢の社員ではない。サービス専門の別会社の社員でもない。
 もう少し詳細に書いておこう。
*時間でいえばウィークデイの昼間から夕方にかけて
*扱う品目でいえば自社製品や日常取り扱う汎用的な機器類
*作業内容でいえば特殊な測定機器や溶接機などの高額な装備を使用しないで済む軽作業
 こういう楽なところ『だけ』を社員が行い、残りの時間的,作業内容的にイレギュラーな修繕やややこしい不良判定を擁する場面は全て協力会社という部外者に丸投げする。いずれ北沢産業という会社がビジネスに加えるかもしれない24時間365日修理受付の体制とはこういうものであり、極論すればサービス会社などと謳ってはいてもその内実は電話の取り次ぎと修理代のピンハネしかやっていないような実体だってあり得ない話ではない。

 大体,北沢などという会社は自社の生産工場を持たない商事会社に過ぎない。
俺はここで,製造業と商事会社の優劣を付けたいわけではない。世の中全般で言えば物凄い専門知識を持った人材を擁する商事会社は山ほどある。しかし業務用厨房という分野について言えばそんな商事会社は俺の知る限り一つもないし,北沢も例外ではないということだ。
 
 得意先の前では出来もしないことで大風呂敷を拡げて安請け合いし,会社に戻ってからは都合の悪そうなところを仕入れ先や協力会社に全部押し付けておいて手柄は独り占め,というのは腹立たしい世の常だが厨房屋という業界に於いてはこれが実に幼稚なレベルで,しかも露骨に行われる。
 困るのはそれがしょうもない社員という個人レベルではなく組織立ったものとして行われることで,これは業界全体が品性に劣っていることを表している。

 だから問題なのは北沢産業だけではない。設備設計を行い,現場施工を行う総合厨房の会社は全ていずれこの動きに追随していくだろうし,その過程で仕入れ元の専業メーカーや輸入商社,俺のような自営業者を巻き込んで深夜や休日に理不尽な無理強いをして来る。これにはかなりの確信がある。
 
 「確信がある」というのは実は正しくなく,真相は『既にそうなりつつある』だ。
現在この手の商事会社も兼ねたような業務形態の,総合厨房を手がける会社については二社,俺は協力会社として取引があるが、どちらも依頼内容は概ね次のようなものだ。
*社外の仕入れ商品,同業他社の製品の修理
*深夜や早朝に作業時間が限定される得意先
*冷媒管に関係した修理(総合厨房を手がける会社のうち,これは社内で出来ない場合が大変多い)
*生産時期が古く,管理台数が極小になってきた機種
*日曜日や祝日の突発的なオンコール対応
*厨房メーカーがオンコールから時間を置いており,得意先が感情的になっている場合(これは事前に協力会社に明かされない)
 要するに,自分たちは定型業務と時間から時間の仕事だけをしたいので都合の悪いところは外部に押し付けるいいとこ取りとピンハネ体質の塊だ。

 更に始末の悪いことに厨房屋というのは深夜や早朝,日曜祝日といったイレギュラーな時間帯に於ける業務依頼に対する労務経費の割り増し請求を受け付けない。どこかで埋め合わせをつけるから今回は貸しにしておいてくれと言いながら返ってきた試しは全くなく,毎度うやむやだ。
 理由を問いただすと割り増し分を得意先に請求できず、請求通りの注文書を切ると赤字になるからだと言う。何故得意先に請求出来ないのかと追求すると,修繕費でがめつい商売をしているという印象を与えると次のビジネスチャンスがなくなる可能性があるからだとか。
 日曜や深夜に私生活を放り出して現場に急行することで請求額の割り増しが発生するのはがめついことなのか。これは依頼元の厨房屋というよりも使用者側の問題だが,それならばどっかのファストフードチェーンや居酒屋は営業時間外でも店長の自宅や携帯に電話をかけて腹が減ったと騒げばいつでも店を開けてメニュー通りの料金で飯を食わせてくれるのか。それが病院だったらどこでも24時間365日いつでも受信させてもらえるのか。自分たちができもしない事を周囲の業者には押し付けるような連中に媚びへつらい、振り回され続ける。こんな程度の交渉を得意先とすることも出来ない腰砕けの,何でもかんでも言いなりの情けない厨房屋が外部の協力会社に貧乏くじを押し付けて来る。
 厨房屋の謳う「24時間365日のオンコール受付体制」など所詮この程度のものだ。少なくとも,一人でその厨房にあるどんな機材だろうが修繕をワンストップで片付けていくスーパーマンみたいな社員がオンコールの一時間後に急行してくれるなどというバカな期待を使用者は持つべきでない。世の中全て,バカにはバカに見合っただけのものしかあてがわれないよう出来ているもんだ。
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プログラムリレーの活用は普及するのか [お仕事上のぼやき]

 このブログではこれまでに幾つか,オムロンのプログラムリレーZENシリーズのことを記事としてきた。

過去記事名とURLを下に列記しておく。

「また来た変な客」とは俺のことだ:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-02-21
プログラムリレーのスターターキットが届く:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-03-01
プログラムリレーにはまり続ける日々:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-03-10

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 購入後、仕事の合間を見てちまちまと独学でラダーを組むトレーニングにいそしみ、現在は電気熱源の食器消毒保管庫と小型の食器洗浄機の回路図が俺のパソコンの中にある。そういうものが書ける程度には俺のこのボンクラ頭も習熟はしたという事だ。
 当然だが、PLCは決してそれ一個で全てをコントロールできる魔法の箱ではない。各種のリレーとタイマー、カウンターとコンパレーターが主な機能であり、センシング機器などの外部入力や出力リレーや保護パーツなどは外付けとなる。

 ここで、例えばボックスタイプの食器洗浄機について、PLCで制御回路のラダーを組む以外にどういった制御パーツが必要になるかを列記してみる。(注)すすぎ湯のブースターは別置きで熱源はガスであり、点火動作やその温調機能や保持動作は別制御でありここには含めない。洗剤やリンスの供給動作についても同様。

*入力系
1:ドアスイッチ
2:電源スイッチ、運転スイッチ
3:レベルセンサー(フロートスイッチなど)
4:温調器とその感温部分、またはベローズ式のサーモスタット

*出力系
1:リレー(電磁弁などのための接点容量の小さいもの)
2:電磁接触器(ヒーター負荷用)
3:マグネットスイッチ (洗浄、すすぎ各1個)

 各メーカーや機種によって必要なものも不要なものもある。量的な過不足も当然ある。ここで列記したもののうちにはその機体に既に取り付けられている制御パーツを流用可能な場合もあるし新たに取り付ける必要が生じる場合もある。

 明らかなのは制御の系統をまるっきり新調するにせよ、機体に既についているパーツを流用するにせよ、ワイヤリングはかなり錯綜したものになる事で、補修パーツとして供給の見通しが立たなくなったコントロール基盤を放棄し、PLCを用いる事によって制御系統を構成し直す改造は純正パーツとしての基盤交換よりも高額な費用となる事は間違いない。

 そうなると、この手の改造を実行するかどうかは費用の出所である使用者の胸先三寸となる。金額によっては食器洗浄機のリプレースを勘案する方が現実味がある、という場面はあり得る。

 ここで視点を少し変えてみる。
PLCを用いた制御回路の構成による修繕は、対象とする機材の筐体の大きさによって、有効性を持ったり持たなかったりもする。
 俺なりの見え方をここで示しておくと、でかい箱を持つ機材ほど有効性はある。具体的な例としては搬入据え付け後に間仕切り壁を造作してしまったせいで搬出できなくなった冷蔵庫や食器消毒保管庫などだ。箱さえ生きていれば何とかなる性格があるし、配線や取り付けのスペースにも余裕があるので改造は楽だ。
 逆に、内部の実装密度が高い卓上式のオーブンやレンジ類などは制御ボックスを外付けする事になるだろうから機能面以外にもスペースファクターの問題が出てくる。

 雑駁な結論としては、制御基盤が損傷して補修パーツの供給が見込めない場合に於いて、PLCを用いた代替回路を構成するという改造には普及の見通しがない。

 最低でも15年以上の長期運用を念頭に置いた機材であるとか、購入した中古機材で制御基盤が損傷したとかいった例外的なケースを別にすればこういう改造は言ってみれば密教的な、カルトチックな、マニアックな、といった際物的な位置づけから脱する事はない。

 販売する側からすると、制御基盤の損傷でその供給が絶たれているという状況はリプレースの口実として格好のものであり、ここでわざわざ多額の費用をかけてこのような改造を行う事は、特に製造と直販を兼ねる機材メーカーにとってはあり得ない選択である。
 使用者側からすれば、厨房機材などというものは実売価格が崩れてすっかり砂漠化した分野なのだから、減価償却が済んで大崩れすればリプレースを考えることには大いに現実味がある。
 何よりもこういった改造の施された機体は当然ながらメーカーのサポート対象外となるわけだが、厨房機材の分野というのは未だに大変未熟で、使用者の自己責任に則って改造するというカルチャーは今のところ全くない。業務用厨房機材は自動車や家電製品と同等の品質を有しているものであってメーカーの設計なり所見は絶対的なものだという誤った思い込みは未だに根強く、これが変化する兆しは今のところ全くない。

 そういう事情で、今年の春以来俺が取り組んでいる諸々の制御回路が実務の現場で活用される見通しは今のところ全くなく、これは田舎の修理屋が半ばホビーとして取り組んでいる試みに終わるだろう。 
 カスタムパーツとしての制御基盤をやめてPLCに置き換える事には技術的には大いに意味がある。その最たるものは制御の系統がブラックボックスではなく、ラダープログラムという可視化されたものとして示される事で内部の解析が可能とされるところにあると俺は考えている。
 PLCの機種によっては脱着可能なメモリーカートリッジを持ち、本体と双方向で書き込まれたデータであるラダープログラムのローディングが可能である。そうすると、
(1)PLC本体のプログラムをコピーして持ち帰り、データを吸い出して改良を加える。
(2)PLC内部のラダープログラムが壊れた場合にカートリッジ内のデータをロードして復旧させる。
といった措置が可能になるので、レスキューの確率は高まる。 

一般に、業務用の厨房機材に使われる制御基盤のうち、ROMソケットを持ちプログラムの差し替えが効く仕様のものは皆無と言って良い。基盤の損傷は機材の使用停止と同義と言って良いのであり、ここを回避できる可能性は出てくるのである。

 俺は折に触れて同業者にPLCのお勉強を呼びかけてみた事があったが反応は全くない。修理屋の仕事はパーツの交換であって設計サイドの仕様を改変するなどもってのほかという思い込みはここでも強固であり、俺はここまであれこれ書いたが最大のネックはここにありそうな気がしている。
 しかしだ、ごまめの歯ぎしりみたいな話で少々みっともないが、業務用の厨房機材というのはどんな拡大解釈も許さないほど考え抜かれたものなのか?修理屋の仕事というのはただおんなじパーツを取り替えるだけの作業員でいいのか?それは向上心を放棄したある種の奴隷根性とは言えないか?それでいいのか?
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稼働歴18年目の食器洗浄機で起きた障害のこと [含蓄まがいの無用な知識]

 ここで何度か取り上げたことがある俺の得意先であるところの某病院にある食器洗浄機はいまから大体20年近く前に増築,改修工事を行った際に導入されたもので,当時会社勤めをしていた俺が納めた。

 贔屓目抜きに,ここまで幾つかのマイナートラブルはあっても機材の使用停止という場面は免れ続けてきたのでIHIの食器洗浄機というのはやはり、障害に対する耐性は高い造りだったのだな、と俺は自分の眼力にちょっと自信を持つのだが,IHIは数年前にこの事業分野を北沢産業に譲って手を引いてしまったのでこの点は少し残念。

 IHIの製品ラインナップ中,アンダーカウンタータイプとブースター一体型のボックスタイプはMシリーズと呼ばれており、重工屋らしからぬ一般大衆路線で,細部のスペックは上位機種に比べると見劣りするがそれでもまあ,腐っても鯛ということではあるらしい。

 ここで取り上げるのはJMD-4Cという機種だが先月来故障が続いている。以下列記する通り。
(1)先月末頃にはドアスイッチが破損し,電源投入と同時に洗浄運転が始まるトラブルが発生
(2)今月初頭,ドア開閉部分のローラーが破損し,開閉動作に支障が出る。
(3)昨日,洗浄ポンプの運転時に異常音があり,噴射量の低下と思しき状態となる。

(1)と(2)は片付き,現時点では(3)について対処法の協議中である。

 検証を進める。
破損については全て樹脂成形のパーツという共通項がある。(3)での運転時の騒音と噴射量低下はインペラーとケーシングの機械的な接触によるものと考えられるが摩擦抵抗によって運転時の噴射量が低下するとは考えにくく,インペラーが破損して羽根部分が欠けているために時間あたりのかき出し量が落ちたものと考えられる。(ポンプを分解してのケーシング内目視確認はしていない。外見と運転音からの推測である)

 樹脂製パーツが割れたり欠けたりしており,弾性や可塑性が失われた結果これらの障害は立て続けに発生しており、食器洗浄機が10年程度の稼働年数でリプレースされていれば遭遇することはなかったはずの故障と俺は見ている。
 弾性や可塑性の低下は成型品から可塑剤が抜けていくことによって発生するわけだが,こういう症例を見ていると,金属パーツの有難味を改めて認識することになる。
 しかしプラスチックパーツの可塑性が低下して脆くなり,故障が発生するまでの時間が18年というのは製品寿命としては充分過ぎるものであって一般大衆路線の製品でさえこれくらいの耐久性を見込んでいたところはやはり重工屋的な挟持を感じるところではある。

 (3)の対処については洗浄ポンプの交換となるか,ポンプ自体の分解整備となって樹脂成形パーツ群であるケーシング関連の交換とするかについては現時点では未定だが,今回の修繕でこの先20数年の稼働歴を持つ機体となっていくわけで,低価格路線の製品でさえこういう製品作りをしていたのではリプレースは進まず,販売台数が低下していくのは明白であって,一般的な厨房機材の使用者にとってこういう稼働歴は最早想像可能な範疇外の出来事だろう。
 
 その製品群は一部を除く形で現在北沢産業が引き継いでいるわけだが、ホバートの製品の販売に軸足のあるこの会社が販促に力を入れていくとは思えないし、北沢という会社のカルチャーから見るにいつまでもネチネチと修繕を重ねて長い稼働歴を達成せしめるだけのサービスマンが現れて来るとも思えない。購入者にしたところで念頭にあるのは購入価格のとこしかないのが大半だから結局,正しく理解されないままIHIの食器洗浄機というのはこうして徐々に,市場から姿を消してくのである。
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中華バーナーと燃料の相性について一考 [含蓄まがいの無用な知識]

 これ見よがしに休日中の俺に出動を迫るバカ客だの詐欺師まがいの悪徳店主だの,どうも仕事の本筋とは関係ないところで精神衛生上よからぬ輩によってこのブログが使われるのは本来好ましい話ではない。
 本日8月15日は,俺はのんびりと休日を満喫しているので7月1日に書きかけたテキストに加筆し,プロの端くれとしてもう少し諸兄にとって有益となるような問題提起をさせて頂きたい。大半の同業者の方にとっては何を今さらの内容だとは思うが俺自身の備忘録というか記憶の整理の意味もあって書いておく。

 先月度の仕事内容を振り返ってみると,俺にしては珍しく燃焼器具を扱うことが普段の月より多かったように思う。
 それらのうち,多くの割合は中華レンジのバーナーだった。
 和洋中と並べてみた場合,俺の経験則としては一番刺々しい態度で口うるさいのは和食の調理師だが調理の中心である火口については中華のバーナーが一番シビアな調整を求められるように思っている。これまた経験則だが和洋中と並べてみた場合,中華のコックさんには比較的人当たりの円満な方が多い。よって,大して燃焼状態の良くないバーナーではあるが何とか使いこなされているケースは結構多いのではないだろうか。

 俺は元々高級な脳味噌の持ち主ではないので,燃焼という物理現象に関して理論だった説明が出来ない。大体この糞ブログは俺の垂れ流しが目的であって同業者の実務指導になんか役に立つわけがないのでここから先は俺が勝手に書き飛ばす。

 俺の住む土地は田舎町なので都市ガスの供給範囲はあまり広くなく、ほぼ市街地限定と言ってよい。数年前に全面的に熱量変更が行われ,現在は13A(天然ガス)が供給されている。
 これは例えば,若い頃に大都市圏で仕事を教わってからUターンして来た調理師にとって朗報であるようだ。とは言え需要家の大半はLPG(プロパンガス)であり,特に中華の調理師にとっては帰郷後の仕事に於いてしばらくの間違和感を覚えるもののようだ。

 横浜帰りの中華のコックが「いやあ,ここはプロパンガスだからちょっと調子が狂っちゃって・・」と帰郷当初ぼやくのを俺は一度ならず聞いたことがあり,ある時期まではそれが何のことだかわからなかった。
 どのメーカーのカタログを見てもそうだが,燃焼器具は全てガスの種別に関係なく定まった発熱量である。だからガス種が何であれ使用感は変わらないはずだ,と、ある時までの俺は信じ込んでいた。それは調理師の錯覚に過ぎないのだとばかり思っていた。
 一つ不可解だったのは,燃料の種類と使い勝手に言及するのは決まって都市圏で勤務経験のある中華の調理師だったことだ。何故か和食や洋食の調理師らはそのことを聞いた記憶がない。

 ヒントというか暗示というか,手がかりらしきことを耳にしたのはそれから何年も後,勤務先の先輩と雑談の最終のことだった。
 燃焼器具の燃料の種別のことでああでもないこうでもないと話している最中,その先輩がこういうことを口にした。
 片方はLPG仕様,もう片方は種別はともかく何かの都市ガス,同じ機種のガステーブルで,同じ大きさの鍋に同じくらいの水をはり、ごとくにかけて火をつける。よーいどんで二台同時に沸き上がる時間を測ってみる。
 現実にそんな比較検証を行うことは出来ないと言っていいのだが,うろ覚えの記憶,体感的なものとして都市ガスの方が沸騰までの時間は早いように思える,そういう内容だったと覚えている。

 その話は何年も俺の頭の中の引き出しで眠っていた。検証する機会も日常業務ではあるわけなどなく,ダラダラと時間が過ぎた。
5年ほど前,俺の住む土地では都市ガスの転換が大々的に行われた。この時,地元のガス会社からは俺のような者のところにも幾らかの発注があり,幾らかの売り上げにはなった。
 それまでの燃料は4Cであったものが13Aとなり、単位堆積あたりの発熱量は約3倍となるためこれから後は敷設する配管径が1サイズダウンでも何とかなる場面は増える。これはいいことだ。

 4Cから13Aへの切り替え作業を行い,点火試験をしてみてはっきりわかるのは炎の大きさが明らかに異なることだ。体積あたり発熱量の小さい4Cは当然ながらそれを補う意味で炎は大きい。
 使用者の方に言わせると4Cの頃の方がほんの少し,お湯が沸くのは早かったような気がするそうで、これは複数の方から伺った話なのであながち個人の錯覚とも言い切れないだろう。

 そこで俺の中には何年も燻り続けていた疑問が持ち上がり,ある憶測が働いた。
燃料の種別によって燃焼温度に若干の差はあっても,それは大体ある範囲の中に収斂する類いのものだ。だとすると炎の最高温度である先端部分と火にかけた鍋底との距離によって沸き上がり時間に差が生じてくるのではないのか。言い方を変えると同じ発熱量のバーナーであった場合には火脚の長い(単位体積あたりの発熱量が低い)燃料で燃焼させた方が炎の大きさとその先端と鍋底との距離が近い分だけ加熱には有利に働くのではないのか。

 俺は無学な人間なので,この辺りの関係性を数式立てて説明できる能力がない。ただ,使用者の方に折りに触れてこの話題を投げかけるとある種の見識ある方々は確かに違いはあると仰る。
 このブログでこれまで何度か取り上げさせて頂いた俺の得意先である方とあるときこの話題でしばらく雑談すると,LPGと13Aでは鍋が加熱される面積が体感的には異なる感じがすると仰った。具体的には前者に比べて後者は広い気がするのだそうだ。
 LPGは都市ガスに比べて小さな火でも発熱量を稼げる,ということは鍋底を焦がし易い燃料でもあるわけで,この方に言わせると確かにそういう傾向はあるらしく,都市部で調理の仕事を覚えた中華のコックが地方に帰郷してLPGの燃焼器具で仕事をするにあたって違和感を覚えるのがそれなのだそうだ。

 俺はここで燃料の種別に優劣をつけているわけではない。
同じカタログスペックの燃焼器具ではあっても燃料の種別と使用目的によっては伝熱のされかたに違い(差とは言わない)が生じ,ある種の調理師にとってそれは感知可能なものであることを言いたいのだ。
 
 某オーナー様のお話を続ける。
 横浜で10数年勤務して仕事を覚えて帰郷し,開業したときLPGでの調理に最初は軽い違和感を覚えたが火加減と鍋の扱い方を少し変えることでそれには適応した。
 一見何気ない話ではあるが、これをさらりと語るところにプロフェッショナリズムを感じない人はクラフツマンシップとは無縁の輩である。

 もう一つ,その方のお話を最後に書き残しておく。
LPGに比べると天然ガス(13A)のほうが柔らかい火に感じられる。

 俺はこれまで仕事で接した中で調理師から伺った火に関する言葉のうちでこれ以上に奥深さを感じたものはない。

 某店舗のURL:http://blogs.yahoo.co.jp/kamibi0125 
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虫のいい依頼ごと [困った客]

 世間に於ける自営業者とはどういう立ち位置なのかをここ数年絶えず意識し続けて来たと思う。
何故意識的になるかというと,自営業者はしばしば世間の仕組みの不条理さを押し付けられて甘んじなければならない場面が大変多いように俺は常々感じているからだ。
 仮に俺が月給取りの雇われ人であり,年がら年中ルーチンワークに明け暮れて時間から時間の勤務形態である立場だったら自分の立ち位置に関してもう少し無自覚だったのではないだろうか。

 本日は8月14日で,世間的には役所や企業は夏期休暇であり,俺もまた建前上は休業とさせてもらうことにしている。
 大体,休日中に発生する障害なんていうの殆どの場合その日一日では解決しない。メーカーは休み,材料問屋も休みで修理屋の手持ち材料だけで解決できる確率は物凄く低いのが現実であり,休日の出張修理なんていうのは現調を行って『今日のものにはなりませんわなあ」と言うために動いているようなもんだ。

 しかし世間に於ける業務用厨房機材の使用者というものはその大半が以前の記事で書いたようにバカなので,故障が発生した場合には条件反射のようにとにかく修理屋の携帯電話を鳴らしまくって催促しさえすればどんなことでもその日のうちに解決するものだと思い込んでいる。
 もう一つ書き加えると,この手のバカはその障害が当日のうちに解決できず,日延べされることに対して物凄い被害者意識を持つ傾向がある。修理屋を逆恨みする奴さえ珍しくはない。挙げ句の果てにはおまえは自営業者なんだから年がら年中,24時間365日,得意先の都合に合わせて死んだ気になって働けなどと説教を始める極めつけのバカさえいる。

 大きなお世話だ。

 俺は俺の生活のために金が必要だから働いているのであって使用者の不都合を解決するために働いているわけではない。当たり前の話ではないか。世の中どんな職業だろうがそうではないのか?
 そもそも俺に対して休日中に修理対応しないのは怠慢だの生意気だのと抜かすそいつ自身の日常,社会人としてのありようはどうなのか,休日といわず深夜早朝と言わず,24時間365日、他人の不都合を解消するために不眠不休で自分の生業を貫徹している奴がそういう偉そうな事を抜かしているのか。

 今日も某所から午前10時頃に修繕の依頼があった。
結構大きな飲食店で,いけ好かない得意先だが日頃は金のためにポーカーフェイスで接している。
5,6年前までは結構良好な取引関係だったと俺は思っているが現在は幾つかの例外的な場面を除いて特に深い関係ではない。
 その使用者は『厨房屋なんてなんぼでもいる』というのが口癖らしく,俺はここ数年の間に徐々にオミットされ続けて現在に至っているのが実相だ。
 仕事の発注量が減っていることについて文句を言うつもりはない。俺の仕事には不手際が絶えないし、こんな零細自営業でしかないのだから依頼元が不安なり不信感を持って地元に出先の看板を掲げているメーカーの営業所に重心を移動していくのはやむを得ない。

 しかしだ。それならそれで,誰かを排除していくのならばそこで生じた空隙をどのようにして埋め合わせていくかくらいのことは考えていてもらいたいもんだ。

 話を元に戻す。
その得意先には既に主要な取引先として某厨房機材メーカーがある。あるにも拘らず今日,俺のところに修繕の依頼が来た。それは今日という日はその会社の夏期休暇に当たっており,社員が帰省しているかなにかで即応できないせいだろう。もう一つには故障している機材が家電製品の冷凍冷蔵庫であり,障害の内容によってはそのメーカーには独力での解決能力がないからだ。
 ここで三つ目の憶測が出て来る。壊れたブツの成り立ちから言って,それは業務用の厨房機材メーカーに依頼をしずらいのかもしれない。家電製品は扱わないと断られてしまいかねないので誰か押し付ける奴はいないかと物色したところ徐々に居場所を失いつつあるこの俺が人柱よろしく浮上してきた、そういう事ではないのか?

 その大馬鹿者は、俺が家電製品の修理業者ではない事を承知の上で、しかも現在俺をオミットし続けているその最中に、加えて世間の習わしに従って俺が休業中である事を承知の上で今すぐ修理に来いと抜かす。だめ押し気味に書くとその場所は俺の住んでいるところから数十キロも離れたところにある。お盆の夏期休暇で俺の親族が集まっているその時に、だ。

 目の前にその野郎がいたらパイプレンチで脳天を叩き割ってやりたいくらいの殺意に俺は駆られた。
そいつが雇われている施設には冷蔵庫など山ほどあるのだ。一台調子が悪いのなら電源を切って他の冷蔵庫に中の物を移し替えればいいだけの話ではないのか。リスクマネージメントのイロハのイだ。
 この大馬鹿者は調理師経験が30年を超えるにもかかわらずこんな程度の発想も出てこない。
 
 あるいはこう考える事もできる。
この男は調理師経験が30年を超えるにもかかわらず緊急対応の初歩もわかっていないのではなく、発注者の立場を笠に着て何か俺に嫌がらせでもしたいいとがあるのではないのか。声をかけてもらえるだけでも有り難いと思えと俺に言いたいのか。

 俺は腹立たしい気分で即座に依頼を断った。
家電製品の修理なら電器屋に依頼すればいいのだし、厨房屋に解決してもらいたいのであれば日頃交流のある業者が既にいるではないか。世の中全般がお休みである中で、こういう時だけ何故俺なのか。
 大馬鹿者は憮然として電話を切った。夕方頃その男は再び俺のところに電話をかけて寄越してきた。故障した冷蔵庫を修繕すべきかどうかについて意見を求めたいと抜かすので自分で考えろと突っぱねて俺の方から電話を切った。
 どうせ使用できない機体だしメーカーだってあと数日は休みなのだから盆休み明けにならないと検討のしようもない事を休業中の業者のところに思いつきで電話をかけて寄越して、あたかもこれに答える義務がおまえにはあると言わんばかりの高飛車な調子なので俺は完全に頭に来た。

 ここ数年、バカの性質について俺はあれこれ考える機会が多いのだが一つ、徐々にイメージが明確化しつつある属性がある。
 バカはTPOをわきまえない。頭に思い浮かんだ事を一度脳内で検証する能力がバカにはない。バカは思いついた事を後先考えずにすぐに口に出す。これには俺はかなりの確信がある。

 発注者の立場を笠に着て俺のような零細自営業者を小馬鹿にするような振る舞いを繰り返す奴は枚挙に暇がないわけだが、それと同じくらい冷ややかで屈折した視線が自分に跳ね返ってくる事をこの手のバカは自覚できない。こちとら零細自営業とは言え経営者なのだからいざとなればケツをまくって逆ねじを喰わせる事くらい朝飯前という事がわかっていないようだ。自分が雇われ人で手かせ足かせの中で仕事をしていると世の中の人間はみなそうだとでも思っているのだろうか。発注する立場でありさえすれば何でもかんでも上から目線の高飛車な調子で押し通してでも行けるのだと考えているのだとすれば本当のバカであって悩ましい事にこの手のバカは年々増殖しつつある。
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悪徳店主にご用心(3) [同級生の再起にまつわる話]

 俺は執念深い性質の持ち主である。

 この男の件について書くべきことはあらかた書き尽くしたように思う。
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 クソ居酒屋は八月末で閉店し,主は療養生活に入るという。
同情する気は全くない。狂った人間性の持ち主に対してなまじ同情したり憐れみの感情を示すとどういう目に遭うかをこの3年ばかりの間に俺は学習したからだ。
 同情しても報われないどころかかえってそれが情けをかけた人にとって災厄の原因になる,そういう輩が確かに一定数この社会にはいるのだ。

 昨年の秋頃,堪忍袋の緒が切れて以来およそ一年が経とうとしている。
 俺が求めたものは何だったのかと思い返してみるにそれは勿論口先だけの謝罪ではないし,金銭的な清算だけで済むものでもなかった。
 これは周囲の当事者にだけ話していたことだが,今となってはこういう場で明かしてもいいだろう。
俺が求めたものとは,この輩,守内巧を廃業させることだった。
 俺自身が手を下した出来事が全てではないにしても,俺は俺の望んだことを成就させた。

 予想した通り何の満足感もない。ただ虚しい。ひどく虚しい。報われることなど何もない,ただ疲労し,虚無感しか残らないとわかり切っていても怒ったり呪ったりせずにはいられない。復讐心とはそういうものだ。

 一連の出来事をジグソーパズルに例えてみると,今俺は最後の1ピースがどうなるかを見届けようとしていることになる。
 それは居酒屋たくみが居抜き店舗としてクズ店主の思惑通りか、それに近い金額での売却が成立するかどうかを見届けることである。当然俺はこの商談が全く不調に終わり,捕らぬ狸の皮算用となってムシのいい目論見が水泡に帰して居酒屋たくみが閉店する状況を望んでいる。

 最近ある方と話していて改めて思ったことだが,ネット上でこうして店舗の売却希望を表明するというのは守内巧がいかに人望のない人物であるかを如実に物語っている。
 正しく言うと,居酒屋たくみの売却が最初に示されたのは地元で無料で各戸に配布される情報誌に於いてだ。一こま幾らかだったかの広告スペースに於いて閉店の告知がされた。
 一般にこういった閉店のご挨拶は新聞紙上で行われるものだがそれはなされていない。意地の悪い見方をすると情報市場でこの告知をすることで閉店前に最後の一稼ぎを目論んでいると見ることは可能だろう。

 ここで改めて居酒屋たくみのHPからコピペ。
「突然では御座いますが、病気治療のため8月末までの営業となりました。つきましてわ、継続して頂く居ぬき即営業可 125万円位でお売りいたしと思います。店舗改装1年10ヶ月 ご希望の方是非連絡お待ちしています。20年間ありがとう御座いました 0155-67-1148 2階宴会出来ます、料理2000円より6品付き (原文まま)

 小学生程度の作文も書けないこの男の知能を嗤うのはさておくとして,譲渡希望金が20万円下がったことに御注目願いたい。
 この記事を書いているのは2013年8月12日だが,本日現在買い手はついていない(つくわけないが)ことを示している。
 閉店まではあと大体二週間であり,このムシのいい売却希望は実を結ぶことなく終わるだろう。これまで書いたように,そもそも自分が持ち出したわけでもない内装工事費や何と20年落ちでたまたま機能しているに過ぎない産廃物同然の厨房機材に値段を付けて売ろうなどという魂胆が余りにも悪どい。

 俺のしょうもないブログが世間に対して持つ訴求力などこれっぽっちも期待できないが,この売却は成立させるべきではない。125万円が25万円だったとしてもこのクズにお金を与えるべきではない。この詐欺野郎はそのお金を元手に,ほとぼりが冷めた頃にどこかでまた同じようなことを始め,周囲を不愉快にさせながら迷惑をまき散らして生きていく。もしも現在,守内巧とこの件について交渉中の方がおられたら即刻打ち切って頂きたい。あなたのやっていることは取り込み詐欺師の延命を手助けしていることでしかないからだ。
 
 補足として一つ,最近の動向を書いておく。
俺との問題以外にも守内巧は従業員の給与未払いがあり,数ヶ月前に民事提訴されている。和解調停があり,今後の支払についての取り決めがそこでなされたが,このクズは支払の第一回目からして履行していないのだそうだ。勿論,申立人のところには一言の謝罪はおろか弁解さえないと聞く。
 他にも数件,何しろ狭い町なので変な噂が広まるのも早いしその気になれば拾える話もあるわけだが,守内巧は以前の自分の親方から借金をしたまま何年も塩漬けにしているなど本当にロクなことをしていない。ロクでもない噂しか聞かないと行った方がより正しい。
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 俗に言う計画倒産みたいなもので,この男は表向き病気療養を理由に閉店とか言っているが実のところは閉店によってこれまで溜まりに溜まった借財や不義理を一切合切うやむやにしてしまう算段なのではないのか。
 俺への支払についてもあと数回が残されており,既に一回分滞納があるわけだが,
逃がしませんよ


 どうもクソ居酒屋のHPを眺めていると,守内巧はこのブログの更新に反応しているらしいフシがあるのでクズ野郎がこれを見ているという前提で書いておく。
 閉店で不義理を誤魔化せるなどという猿知恵は通用しない。支払が履行されなければおまえの自宅に裁判所の執行官が動産差し押さえのために乗り込むことになる。自宅の玄関に強制執行通知の貼り紙がされることになるからそのつもりで。おまえの母親も含めて近所の笑い者になりたければ好きなだけ頬被りを決め込んで構わないが。 
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サービスマンは人材枯渇傾向 [困った業者]

 俺の周辺を見る限り,この業界について言えばサービスマンとは修理屋のことを指している。

 他の業界のことを俺は知らないが,俺の棲息する厨房屋の業界で見る限り,サービスマンが正当な地位を得ているとはとても思えないし,その地位は年々低下している。
 前回記事でも書いた通り,使用者の意識レベルが年々劣化していくことに安易に迎合し続けた結果,修理屋の水準もまた低下していく一方で,このまま進行していくとあちこちのバックヤードでは深刻な状況が現れてくるのが俺の予測だ。

 俺がこのブログで何度か言及したことのある元の勤務先のサービスマンである人物を,俺は『若い衆』だとか『あんちゃん』とかいった文字で表してきた。
 しかし彼は20代を終えるまでにそう長い時間がかからない戸籍年齢の男である。そういう人が上のような呼ばれかたをされるのがこの業界の現状なわけだ。

 俺から見れば彼は確かに親子ほども年齢の離れた人物だが、考えてみれば俺が世間様にデビューした頃,人生の折り返しを過ぎた同業者のオヤジが作業衣を着て軍手をはき,道具箱をぶら下げて修理に駆けずり回る姿を見た記憶がない。
 それどころか、当時の俺の職場では30歳のサービスマンというのは大ベテランであり,営業職への転向人事が取沙汰される年代だったのだ。
 翻って現在,冒頭書いたように30ちょっと前のサービスマンはまだまだあんちゃん扱いだ。40代のサービスマンなど珍しくも何ともない,というよりも現在この業界に於ける主力の年齢層がその辺りなのではないかと思えるくらい多い。考えてみるとこの十数年、顔を合わすことのある同業者のサービスマンはずっと同じメンツだったような気がする。グリーンボーイと接した記憶が殆どない。

 俺はここで三つのことを疑問として提示しておきたい。
一つ目は何故昨今,40代のサービスマンが珍しくなくなったのか?
二つ目は何故ここしばらく,20代前半のグリーンボーイを見かけることが極端に少なくなってきたのか?
三つ目はこの状態が推移してくとそのうちどういうことが起きそうなのか?

 かなり長い話になりそうなので,これから幾つかに分割してアップしていきたい。(この項続く)
タグ:修理 高齢化
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使用者の半端ない劣化ぶりが将来もたらすもの [困った客]

 最近特に強く思うのだが,色々なことが終わりつつあるような気がしていて,今はその断末魔の中にあるのではなかろうか。

 大きくは,何でもかんでも消費者至上主義みたいな風潮が明らかに行き過ぎたところにまできている。
業界を鳥瞰的に眺めてみると,設備工事がらみの一括納品での契約で追加チャージもなしに補償期間を3年に延長するとか,修理依頼に関してオンコール後2時間以内の訪問を確約するなどといったとんでもない迎合ぶりを見たり聞いたりもして俺は大変イヤな気分になっている。
 その土地に根付いており、購買者と個人的なしがらみのある住設業者や電気製品の販売店がではない。業務用厨房機材のメーカーがこういう馬鹿げた媚びかたをしてアホなバイヤーに取り入っているのだからもう,終わってる。

 メーカーがこういった安請け合いの大風呂敷を重い責任感覚のもとに貫徹するのかというとそんなことはなく、都合の悪いことは例えば俺のような協力会社のところに押し付けられて来る。
 使用者は大概が考えの浅い連中で,大風呂敷を拡げた担当者はアクシデントが起こるとさっさとどっかにトンズラし,現場に現れるのは社員でもない協力会社であることに対してさしたる疑問がないようだ。
 何でもいいからとにかく使えるようになりさえすればいいという考えを非難するつもりはないが、その営業担当者が障害が発生してから収束するまでの間に何故どっかに雲隠れしているのかという疑問は持たないことが大変多い。俺のような立場の者にとってここは癪のタネである。

 この業界を取り巻く構図には大変問題が多く,いずれどこかで全体的な機能不全を引き起こすことはほぼ間違いないと俺は考えているのだが,根本的な原因のうちの一つは使用者であり購買者である人達の無知にある。

*一度購入した機材はいつまで経っても購入当初の状態を保ち続けるものだ。
*故障があった場合は納入元は即応してくれて当日のうちにどんな問題でも解決してくれる。
*修繕費用は文句を言いさえすれば幾らでもタダにしてもらえる。

 書き始めるときりがないが,こんなたわけた考えの大馬鹿者に俺はこれまで胸焼けがするくらい沢山関わってきた。機器類は全知全能の神が造りたもうたものではなく人間が考えて作っているものなのだからどこまでいったって未完成なものだし,これまで繰り返しここでは書いているように利便性とリスクは等価のものだ。社会の構成要員は仙人ではなく霞を食って生きているわけではないから労務が発生すれば同時にコストも発生する。全て当然のことだが何故か俺の仕事の場面ではこれが通用しない。
 このブログを読まれている方の中にはバイヤーや使用者の方はあまり多くないらしいので,俺がここでこういうことを書いても状況には全く何の変化も起こらないのだが,上に青字で書いたようなしょうもない属性はどこかの誰かさんのことではなくお前らのことなのだぞ。

 あるとき何かで読んだか聞いたかしたことがあるのだが,サービス(Service)という英語に置き換えられる日本語は存在しないらしい。周りの人,それが誰であってもいいのだが「サービスってどういう事だと思う?」と訊ねてみるといい,代金をタダにしてもらえること、という答えかたをする人が圧倒的に多いはずだ。何しろある時期までの俺自身がそういう奴だったからこれには確信がある。
 正しくは,『神の代理として行動し,それを受けた側は純粋に感謝の念を持つ』ということだそうだ。これはキリスト教的な社会観であり,人間観である。だから欧米の社会ではサービス業務を行う人に対してチップをはずむという習慣が存在するのである。

 常々書くように,機材に関するコストというのはイニシャルコストだけではないし,修繕費用はれっきとしたランニングコストである。自分は機材を購入したお客様なのだから未来永劫導入したことのメリットを無償で享受し続ける権利があるのであってトラブルが発生した場合には瞬時に解決されるのが当たり前だなどというアホな考えが蔓延するとそれはいずれどこかでクライシスを引き起こす。その萌芽は既に現れているが俺が見る限り誰も問題意識を持っていない。(これについては別の機会に改めて書く予定)

 これはかなり確信のある未来図だが遠からず,故障して機能しない厨房機材に囲まれて手作業に明け暮れる厨房があなたの身辺のあちこちに現れるだろう。それは例えば夫婦二人で営む自営業の飲食店で,席数は30かそこらのところで冷蔵庫が5台もあって食器洗浄機があり,スチームコンベクションや真空包装機まであるようなところから始まっていくだろう。
 厨房を高機能化して調理業務を合理化していくという価値観は既にその足元が崩れつつあり、その根本には『安く済むなら何をやってもいい』というムシのいい感覚があることをバイヤーや使用者達は知っておくべきだ、どうせ聞く耳持たんだろうが。
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6年ぶりのやり取りとCSVのお仕事 [日記、雑感]

 俺の携帯電話は仕事と私用を兼用したものだが,見覚えのないところからかかってくることはあまり多くない。公私を含めて個人が築ける関係の数には上限があるということなのかもしれない。

 登録されていない番号表示が着信音とともに現れて電話に出た俺は少しの間誰を相手に話しているのかがわからないままで、相手方にしてみればさぞかしトンチンカンな受け答えに聞こえたと思う。
 相手方が名前を名乗って初めて俺はそれが誰だったのかを思い出した。

 わらべや日洋という社名を聞いて即座にどういう会社であるのかがわかる諸兄はそう多くはないのではないかと思うが,セブン・イレブンの弁当やサンドイッチ,惣菜を製造している会社となると実体が明らかになってくるのではないだろうか。
 電話の主はその会社の工務課長だった。

 6年ほど前まで、俺の住む土地にその工場があった。
俺はあることをきっかけにその工場から声がかかるようになり,担当が上記の工務課長殿だった。
俺が出入りしていたのは3年くらいだったと思うが,この間大変お世話になった。
あるときその工場は移転することになり,当然ながら俺の実入りは落ち込んだ。

 電話の内容は移転先の工場での保全業務についてであり,遠距離となるので大変だろうが金銭的な問題として割り切って受けてくれないかというものだ。
 CVSベンダーの工場は24時間稼働であり,保全業務は殆ど必ず即時対応か,悪くても即日対応を求められる。ギャラは悪くないがスケジュールの組立が難しい得意先だ。

 即応性のある保全業務体制は都市部ならいざ知らず,地方となるとこれはほぼ実現できない。商業店舗のバックヤードなら一件の厨房屋とか一人の修理屋で何とかならないこともないがCSVベンダーの工場は生産量が桁違いであり,食品機材も専用機なので地方営業所の厨房屋程度では解決可能な職能範囲が大変狭い。メーカーのサービスマンを呼ぶとなると地理的な事情で交通費の請求額がバカにならない。機材が一点故障するたびに数万円の出張費がチャージされるわけでここはベンダーの工務課長にとっては頭痛のタネであるらしい。
 更に問題なのはこの手のベンダーはまだまだ若い業種であり,社内での保全業務要員が大変足りない。他の食品メーカーの生産工場を幾つか見てきた経験則から言えば間違いなく足りない。保全業務そのものよりもメーカーに修理依頼の手配をすることが本業になっているようにさえ見える。大手食品メーカーのように限定された商品を大量生産する設備と商業店舗のバックヤードのような手作業中心の多品種少量生産の中間にある微妙な立ち位置にCVSベンダー工場はあって,今のところメーカーの出先が集中する大都市圏近郊以外ではその設備運用には色々と課題が残っている。

 話を俺の視点に移動してみる。
移転前の工場では色々とお世話になった。見たことも触ったこともない機材をいきなり見せられてまともな技術資料もないまま何時までに使えるようにしてくれとかいった依頼が多く,俺はしばしば焦ったものだ。場合によっては手も足も出ずに退散することもあった。
 しかしまあ,地方の工場にあってはその程度の修理屋でもいないよりはマシということなのだろう。移転後6年にして仕切り直しと言うか,再度のオファーとなった。
 俺の住む土地から件の工場までは約100kmの移動距離である。夜中に修理依頼の電話がかかってくることもある。全て金と割り切れば悪くない得意先だが問題は俺の体力だ。

 俺はもう若くない。いつまでも馬力任せの仕事は出来ない。
ここで俺はこの商売を8年前に始めてからこのベンダーが移転するまでの時間のことを改めて思い返した。
移転のあった6年前は,その件以外にも色々なことがあり,俺の商売は危機に瀕したのである。クライアントが倒産したり,事業縮小によって食品関係の分野から撤退したり,たちの悪い得意先に引っかかって売り掛けが焦げ付いたり,俺自身の体調にも問題が出てまともに仕事が出来なくなったりと他にも色々あった。俺の人生が暗転し始めたのが6年前だ。
 開業してから3年くらいの間はまあまあ悪くない生活だった。その期間とわらべや日洋に出入りさせて頂いていた時期とはきっちりと重なっている。

 今こうしてオファーを受けて俺の実入りが劇的に良くなるのかといえばそれは期待できない。所詮,100kmも離れたところにいる業者のなのだから以前のような取引高になることはない。
 良くない性質だが,これは一種,義侠心みたいなところがあってこういうことをしているから俺の商売は儲からないのだろうが,定型業務からはみ出すババ抜きみたいな場面でだけ都合良く利用されるのが俺の運命であり,自分には何とかその場面を解決できる能力らしきものはあり、それによって何とか生活できる程度の収入は得られる。それが自分の一生を通じての立ち位置であり,運命なのだとある時期からは受け入れられるようになった。

 ひとまず,近日中に先方のお偉いさんと面談することになった。
有限会社でさえない単なる自営業の一人親方オヤジが年商一千億の大会社と対峙する構図というのも面白くはないかな?
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悪徳店主にご用心(2) [同級生の再起にまつわる話]

 見ているだけで胸糞の悪くなるこの面月だが、幼少時より筋金入りの嫌われ者である守内巧は皆から無視される村八分でさえなければ,頭を叩かれようが罵詈雑言を浴びせかけられようが,とにかく構ってもらえれば嬉しく嬉しくて仕方がない性分なのできゃつがこのブログを目にしているかどうかは知らないが,もしも読むことがあれば自分のために俺がこうして一つのカテゴリーを設けてくれたことに心底感謝するはずだ。

 本来的には,俺の知る同級生のうちで守内巧の評判は甚だ悪い。商売上の売り掛けを踏み倒されたり塩漬けにされた知人は俺一人ではないのだ。こういう人間のクズには所詮,当たり障りのない馴れ合い関係ではしゃぎ回るような程度の人間関係しか作れないのだから、俺のようにこうして人格の核心を突く言葉を発する人間は感謝されるべきだ。
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しかしある種の人間は生来的に感謝とは無縁である。自分が他人に感謝する心を持たない者が他人の感謝を喚起するような行いをするわけもない。


 低能児の作文を再掲する。
「突然では御座いますが、病気治療のため8月末までの営業となりました。つきましてわ、継続して頂く居ぬき即営業可145万円位でお売りいたしと思います。店舗改装1年10ヶ月ご希望の方是非連絡お待ちしています。20年間ありがとう御座いました 0155-67-1148 (原文ママ)

 突っ込みどころ満載とはこういうことを指している。一つ一つ取り上げていくとこのカテゴリーであと20個くらいの記事を書かなければならないかもしれないくらい突っ込みどころが多いのだがここではそのうちの幾つかをかいつまんで検証する。
 事前に断りを入れておきたいのだが、これは決して業務の妨害行為ではない。俺にはそういう認識はない。
本来ハナクソ以下の値しかないものを何とこの男は145万円で誰かに売りつけようとしているのであって、その行為が犯罪には抵触しないとしても,ある善良な心をもつ誰かさんが本来であれば廃却処分費を請求されてもおかしくないような代物に対して145万円もの出費をして泣きを見,なおかつそれがこの屁生狡い社会悪そのものである守内巧という男の懐を肥やして延命に寄与することを俺は懸念するので、購入希望者がこのブログを読むことはないのだろうが注意を喚起する意味で書くべきことは書いておこうと考えた次第だ。

 そもそも考えてみればおかしな話で,この店舗は賃貸物件である。毎月家賃を払うのだ。誰かさんが145万円也で商談がまとまったとしてもそれは店舗内の什器備品を購入したのであって店舗そのものを購入したことにはならない。

 では145万円という提示額の根拠は何なのか?その内訳は?
一般に,賃貸物件である居抜き店舗は内装や什器備品はそのまま手つかずで経営者だけが入れ替わる(新しい経営者が大家に家賃を支払う)か本来の店子が自分の家賃に上乗せして誰かに又貸しするかのいずれかで,今回取り上げるケースは前者に該当する。

 前回記事で俺は,営業してからまだ八ヶ月でしかないのに一年十ヶ月と謳っていることのおかしさを指摘した。守内巧が一年十ヶ月と謳いたい理由とは何なのか。
 経緯を書くと,この居酒屋は守内巧が店子として入るおよそ一年強前にそれ以前の店子によってスナックから居酒屋への改修工事が行われた。守内巧は145万円の根拠のうちにその改修工事費が含まれていると言い張りたいのだ。自分が出費したわけでもない内装工事費用をだ。

 以前の店子というのは元々スナックを長年その賃貸物件で営んでいたがあるときある事情で居酒屋に改修工事を行い,屋号を変えて再オープンした。守内巧はそのとき顔馴染みになった客である。
 その後何らかの事情でこの、以前の店子は居酒屋をたたみ,別の賃貸物件に移転してスナックを開業することになった。守内巧はその居抜き店舗に引っ越して来たに過ぎない。
 
 以前の店子と守内巧との間にどのような金銭上のやり取りがあったのかを俺は知らないし,こいつの汚らわしい店に行って内装の状態が以前とどう変わっているのか(俺もその店には行ったことがある)確かめるつもりもないのだが,何故改修工事後一年十ヶ月を謳いたいのかと推測してみると導かれてくるのは上に書いたような腹黒い思惑だ。

 内装工事はそれとして,残る店舗什器はどうなのか?
守内巧の作文中,『20年間ありがとうございました』という一節がある。守内巧が最初に自分の店舗を開業したのが20年前であることをここで言いたいわけだ。自分はこの商売を20年も続けてきた社会的にきちんとした足場をもった人物であることをアピールしたいのだろうが,内実を晒せば少なくともその後半十数年以上は塩漬けと踏み倒しの連続であり,世間に迷惑をかけ続けた期間である。
 話を元に戻すと,その店は俺が厨房機材一式を納めさせて頂いたのでよく覚えている。
 そして一昨年,守内巧は店舗什器を水洗トイレの暖房便座に至るまで洗いざらい俺の引っ掛けられた移転先に移設した。俺の係争事案になっているのはこの時の工事諸費用である。

 昨年12月,守内巧は現在の店舗に移転したわけだがこの時にも自分の厨房機材を移設して持ち込んでいるのだとするとそれらはなんと20年落ちの機材ということになる。冷機器類などは規制冷媒を使用しており,現在普通に機能していたとしても冷媒管系統の障害が発生した場合には対応策がない。廃却費用の請求が発生するだけの産廃物に過ぎないものにまで値段を付けて誰かに売りつけようとする,薄汚い魂胆と言うか強欲さにはただ呆れる。
 
 仮にどこかのお人好しが守内巧の口八丁を真に受けて145万円を支払ったとしよう。その金はどういう使われかたをされるかというとこの男が退院後にどこかで開業する時のタネ銭であるのは疑問の余地がない。

 引っかかった方には御愁傷様と言う他ないが,こんな話に額面通りの出費をする必要など全くない。間違いなく桁を一つ間違っている,というかフカしている。この記事を読まれた方の中に守内巧の知人は殆どいないと思うが,病気療養を理由に居抜きで店舗を売却しようとしているこの男は工事代金の踏み倒しや従業員の給料未払いで複数から提訴を受けている問題人物であり,返済状況によっては動産の差し押さえを食うかもしれない物品をここで売り抜けようとしている魂胆があることを知っておくべきだ。

 書いているうちにだんだん頭にきたのでこのカテゴリーはもう少し続くかもしれない。
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悪徳店主にご用心 [同級生の再起にまつわる話]

 このカテゴリーはそろそろ打ち止めとなりそうな成り行きであり,本記事をもってひとまず区切りとしたい。

 例によってこの男である。
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 飲酒運転によって逮捕され,免許停止の行政処分が発効されているはずだが生来,道徳観念の欠如したこの男にとってそんなことは屁でもなく、2ブロック先には交番があるにも拘らず逮捕以来堂々と無免許運転を続けている。
 この件について先月,某氏が地元警察署に通報を行ったそうだが逮捕された様子は全くないのでこのことを俺は大変不思議に思っていた。冤罪の不条理さが取り沙汰される一方で免停中の違法行為について場所や時間,持ち主の住所や氏名,車種やナンバーまでの詳細な通報を上辺では受理しておきながら塩漬けのまま放置され,逮捕どころか捜査される気配さえなく、行政処分対象者は今日ものうのうと紺色の三菱ミニカを転がしている。しかもだ,その男は喉元過ぎれば何とやらの謂れの如く,性懲りもなく飲酒運転をしているかもしれないのだがどういう事情か閉店後の帰宅時に職質に遭ったこともなさそうだ。

 俺個人としては何とも歯がゆいものがあるが最近,さほど苛立たずに済みそうなアナウンスがその男,守内巧からなされた。

 その男の経営する雑菌居酒屋のHP:http://www.obnv.com/dining/24/

ここで主である守内巧はこんなメッセージを残している。
 「突然では御座いますが、病気治療のため8月末までの営業となりました。つきましてわ、継続して頂く居ぬき即営業可145万円位でお売りいたしと思います。店舗改装1年10ヶ月ご希望の方是非連絡お待ちしています。」(原文ママ)

 文章自体の欠陥もさることながら,小学校低学年でも心得ているようなひらがなの使い方もろくすっぽわかっていないという点に既にこの男の無教養さ加減は如実に現れている。こんな知能程度の持ち主が他人に対する時の口癖が『バカ野郎』なのだからブーメランとはこういうことを指すのだ。
 知能程度のことはさておくとしよう。無教養であるそのこと自体を俺は非難しない。しかし無教養であることと人間の誠意とはまるっきり別だ。低能は低能なりに悪知恵を働かせて他人を陥れようとする時にはするし,知能程度は低いが他人を陥れる悪知恵には長けているという人種が世の中には一定割合で必ず存在するのであり、俺がここで取り上げる守内巧という人物は格好のサンプルであり理想的な条件を満たしている。

 こういう男を見ていると消極的優生学の意義を認めたくなる。守内巧の母親はこういう迷惑千万で有害な倅を出産して世間に放った犯罪的行為を関係者に平身低頭謝罪すべきだし,守内巧の元嫁はこういう男に好意を持って性交し,子供を産んだことに罪悪感を抱くべきであり,その倅は犯罪者気質のDNAを受け継ぐ要注意人物として未来の社会の安寧のために去勢手術を受けるべきだ。これは冗談でも与太話でもなく,俺は真剣に書いている。

 ここで読者である諸兄には,先に提示した引用文を今一度注意深く読んで頂きたい。
このブログ,このカテゴリーをこれまでは読まれ続けてきた方にとっては何かしら整合性の齟齬をお感じになられるのではなかろうか?
 一つ指摘しておこう。店舗改装1年10ヶ月という文中の一節は何なのか。この店のオープンは昨年12月であることはこのカテゴリーをフォローし続けてこられた諸兄にとってはご存知のことと思う。正確には開店以来まだ八ヶ月であり,一年二ヶ月分の違いがある。
 これは決してミスタイプでも何でもなく,守内巧は意図して営業年数を一年二ヶ月長く誤魔化している。少しでも長くして話をフカした方が安定経営と思われて信用されるのではないかという,これは守内巧の猿知恵なのは疑問の余地がない。確かにある時を起点とするとこの居酒屋は一年10ヶ月を経過している。そしてこの一年2ヶ月分の差にはこの、守内巧という人間のクズのクズたる所以が余すところなく現れているのである。(長くなりそうなのでこの項続く)
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脱力の朝と給茶機についての雑感 [修理屋から見た厨房機材]

 お仕事の気合いが入らないのは今日が土曜日だからだけではない。
昨日,俺は給茶機の修理で日付が変わるまでドタバタしており,しかもその修繕は完了しておらず,大変グダグダな気分で寝床に就いたのだった。

 完了できなかった弁解をするつもりもないのだが,給茶機というのは厨房機材の範疇で捉えていいものなのかに就いてある時から俺は疑問を持つようになった。何というか,扱い方の流儀が異なっているように思え始めたのはいつ頃からだろうか。
 俺があんちゃんだった頃,ウィークリータイマーとかコンピューターボードとかを持たなかった頃の給茶機はもう少し見通しのいい機材だったはずなのだが今はそうではない。
 ここ十数年の給茶機は随分とスタイリッシュになり,高機能にもなった。何といっても20年くらい前にはお湯とお茶のサービスした出来なかったのと同じ外寸の筐体にウォータークーラーの機能まで詰め込んでいるのだから内部構造が錯綜しない方が不思議なくらいのもんだ。

 給茶機は厨房内に置かれるものではないから狭義に於いて厨房機材なのかというとそこからは外れているがホールに置かれることはあり,サービスカウンター用の機材などと同列に扱われることは珍しくないから厨房屋が扱うことは珍しくなく,広義に於いて厨房機材ではある。
 但し,人間お茶を飲む場所は別段食堂に限った話ではないから事務所やら諸々の公共スペースやらにも給茶機は置かれており,コーヒーメーカーや飲料水の自動販売機と同じカテゴリーでくくることも不自然ではない。
諸兄もどこかで見覚えはあるだろうと思う。
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画像は本文とは関係ありません。


 給茶機の製造元は大きくは三社,ホシザキ,富士電機冷機,東芝である。
このうち東芝は製造をグループ会社に移管したとの情報がある。いうまでもなく東芝は超大会社であり,給茶機みたいなマイナーな商品を今まで作り続けていたことの方が不思議ではある。日立がいまだにミートスライサーを作り続けていたり,かつては三菱重工がソフトクリームのフリーザーを作っていたりIHIが食器洗浄機を作っていたりしたのと同じく,大企業にとっては盲腸みたいな位置づけの商品なのだろう。
 そういう意味では富士電機がいまだに給茶機を作り続けているのもやや不思議なのだが、ここは三洋電機の自動販売機部門を買収した事例からもわかる通り,サービス機器がしかるべき比重を占めているので当分,それなりのリソースを割いて商品開発を続けそうに思う。

 こんな風に製造元が全て電機メーカーであれば図式はわかり易いのだが、ここにホシザキという会社が登場すると複雑な色合いを帯びて来る。
 改めて考えてみると,ホシザキという会社は大変微妙なポジションにいる。
旧来の厨房屋と言うにはその組織は巨大で,指導層は官僚的でさえある。ブランドイメージは物凄く浸透しており,30年も前ならいざ知らず今であればどんな営業マンだろうがホシザキの製品でありさえすれば一定のセールスを期待できるのではないだろうか。厨房屋業界でいえば疑問の余地なくガリバーである。
 しかし反面,電機メーカーから見た場合,ホシザキを同業者として認識するメーカーは恐らく一つもないだろう。山ほどある事業展開のうちのある一部で競合することのある会社,という認識が関の山ではないだろうか。場合によっては自社で製造したパーツなり製品のバイヤー,という程度かもしれない。

 現に,ホシザキが販売するプレハブ保冷庫で使われる冷凍機は三菱重工製品にペンギンマークのプリントを施したものだし,冷蔵機器に組み込まれるコンプレッサーはほぼ全て東芝製である。ホシザキはあくまで製品のメーカーであってパーツメーカーではない。このへんが総合電機メーカーとの全体像の差であるとも言える。

 恐らく現在,給茶機のシェアを調べてみたとすればトップに来るのは恐らくホシザキではないかと思う。給茶機には住設機器とか事務機,自販機がらみといった販売ルートはあり,そちらでは富士電機や東芝がそれなりの販路を確保しているとは思うがホシザキもいつまで経っても直販飛び込み営業一本槍の会社ではないわけで既にこの販路での橋頭堡は確保しており,いずれは独占的なシェアを占めそうな予想を俺はしている。

 改めて書くが,所謂旧来からの厨房屋のうち、給茶機を自社で製品開発しようという動きは現在のところ全くない。一部専業メーカーで給茶機と称して商品化された機材はあるが機能も価格も別物であり,同列に語れるものでは全くない隙間商品である。
 20年以上も前のように全てリレー制御で構成されるおおざっぱな機材であった頃ならまだしも,今日日のように込み入った内部構造だったり樹脂成形パーツが多用されるようになってくるととこれはもう厨房屋の出る幕ではない。言い方を変えれば電機メーカーの製品作りに何とか追随できる製造能力を持った唯一の厨房屋がホシザキである。

 諸兄は既にお分かりだろうが,開発能力とか製造能力に於いて電機メーカーは厨房屋の上位に位置するという見え方で俺はこのテキストを書いている。疑問の余地はないだろう。
 20年以上前の構図でいえば,東芝や富士電機の給茶機は明らかにホシザキ以上の品質だった。これはもう歴然たる差であって会社勤めをしていて営業も兼務していた頃の俺は第一に富士電機の製品を推していたがおよそ故障とは無縁で,売ったことを忘れるくらい修理依頼の来ない製品だった。

 しかしある時期から,給湯と冷水の機能を同一筐体に詰め込むようになったあたりからこの歴然たる差はかなり曖昧になってきたのではないか。ホシザキの能力が成長し,電機メーカーはこのニッチな商品についてさほど真剣に取り組まなくなってきたという,姿勢なり関わり方の変化がそこには見て取れるわけだが減価償却期間を過ぎて2,3年経過したあたりでリプレースを考慮してもいいくらいの派手なぶっ壊れかたをするケースに,どちらかというとホシザキの製品で遭遇するのがここ数年の俺の状況である。
 最適化を突き詰めると製品はこんな風になる。家電製品などではよくあるケースと聞いた。その意味ではホシザキという会社は電機メーカー並みの開発能力をこの製品については身につけたことになるのだろうか。これは半分賞賛,半分は皮肉である。

 修繕に当たっての俺のグダグダ具合についてはいずれ無様な記事を上げておきたいと思う。今日日,給茶機の修理というのはノーヒントで行うととんでもなくはまる。疲れた。
 
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仕事先で接した訃報のこと [日記、雑感]

 ブログの更新をさぼり続けている。書きたいことがないわけではなくてその逆だが色々とややこしい出来事がここしばらく俺の周辺には多く,何か書こうにもなかなかまとまりがつかなくて書きかけの記事が非公開のまま積み上がっているのであります。仕事帰りのオヤジが焼き鳥屋のカウンターでグダっている程度の垂れ流しに過ぎないが一旦書きかけたものだからそれらはおいおい文字として公開したいとは思っとります。

 今日の夕方過ぎ,とある病院で食器洗浄機の修理を行っていた時のことだった。
機種はIHIのJMD-4C,今から20年ほど前の機種である。障害の内容はドアスイッチの破損で,磁気近接スイッチのマグネット側のケースが破損し,中のマグネットが転がり落ちてしまったせいでドアを閉じても運転されないというものだ。
 幸い,機体の内部でそのマグネットは発見できたので破損したケーズにシリコンシールを流し込んでそこにマグネットを埋め込むことで応急処置が済んだのが約十日前のこと。今日は補修パーツを調達しての交換でここで一区切り,という日だった。
 その病院との取引の履歴はもう20年以上前にも遡る。俺は転職歴の多い男で開業前の勤務先のもう一つ前の勤務先だった頃からの取引で,有り難いことにこの間,同業者と競合するような場面を迫られたことが一度もない。どの同業者にも声がかかることがない,今日日希有な得意先だ。
 
 食器洗浄機の試運転を終えて,長年勤務している調理員のおばさんとちょっとした雑談をした。
「この食器洗浄機ももう随分働いたしねえ,あとどれくらい頑張ってくれるのか・・・」とおばさんは漏らした。
 この病院の給食室は19年前,増築工事の際に移転し,そのとき俺が納めたもののうちの一つだ。
「増築工事の時の栄養士さんも去年亡くなっちゃったしねえ。随分経ったねえ」感慨深げに彼女が呟いたとき,俺の中では何かしら色々な記憶がいっぺんに呼び起こされて何とも言いようのない気分が湧き起こってきた。

 享年42歳,死因は乳がんだそうで彼女は生涯独身だった。最後に会ったのは6年くらい前だろうか,彼女がその病院を退職して数年経ってから偶然ある食品スーパーで再会し,立ち話をしながらお互いの連絡先を交換し合い,その後一度一緒に夕食に出かけたことがある。通常,俺の流儀として,仕事で関わる,或いは関わったことのある方とプライベートで接することはなるべく控えることにしているのだがこれは例外。

 時系列で遡ると今から23年くらい前,当時の俺の勤務先の事務所に彼女は何の前触れもなく忽然と登場したのだった。
 どこで知ったのか,彼女は俺の名前を告げてその方に相談したいことがあると言った。
一面識もない俺は10歳くらい若いその女性に挨拶をして本題を伺った。彼女は某産婦人科病院の栄養士であり,これからカッターミキサーを購入したいので選定について助言が欲しいとの意向だった。
 男女に限らず,厨房機材の購入は大体感情任せの業者任せか、目先の金だけの中古品漁りが通り相場なので真面目なバイヤーなんだな,と妙に感心した俺は変に張り切って幾つかのメーカーの製品を提示してみせてそれぞれ説明し,FMIで扱っているロボクープが良さそうだとのことだったのでいずれ実機を使っているところを見に行って使用者の方に意見を伺ってみましょう,ということになった。

 そんな風にして彼女の勤務する病院との取引は始まり,その厨房にある機材の修繕の業務は全て俺が手がけるようになり,数年してから増築工事に伴う新しい厨房のプランニングの依頼が来た。
 当時,病院給食の分野では選択メニューの導入が予見されていて、これを前提としたオペレーションとなるように加熱調理のセクションを二つ有し、ホールにはサービスカウンターのあるレストランと病院給食の折衷みたいなレイアウトを俺は計画した。当時としては結構新しい試みで,オープン後も他の施設から見学者がそこそこ訪れたらしい。その基本構想はこの栄養士の発案によるものだ。

 彼女は何というか才気に勝るところがあり,仕事は物凄くできたがその言動はしばしば激越で周囲を狼狽させた。自分の親くらいの年齢の調理員を叱り飛ばすことなど日常茶飯事で,俺などもしょっちゅう罵詈雑言を浴びせかけられ,そんなに頭に来るのならいっそのこと取引先を替えればいいではないかと辟易することもあったが何故か毎度お呼びはかかり,俺がその会社を辞めて別の同業者に転職してからも取引は続いた。

 今から12,3年前,彼女はその病院を退職することになった。
職業人としては大変有能な方だったのでどこかからスカウトでもされたのかと思ったが、もう栄養士の仕事をするつもりはない。栄養士の仕事は自分が納得できるだけのことをここ数ヶ月で充分やり切ったのでこの仕事はもうしないと言う。
 調理のセンスが大変鋭い方でもあったので,そちらの方面で何か思うところがあるのかと言えばそうでもなく,自分の経歴はあくまで栄養士としてのものであって調理師の世界を下積みから経験したわけではないからそれはあり得ない。調理のことはあくまで趣味に留めておくと言う。
 要するに,これまでとは全然関係のない食品とか調理とか栄養管理といったこととは無縁の何かを生業としていくつもりだとのことで,随分思い切った決断をするものだと俺は驚きながらもその才能を封じ込めてしまうの惜しみもした。

 その病院で最後に彼女と接したのは退職を数日後に控えたある日のことで,俺が何かの修繕を済ませて報告を終え,お別れの挨拶をした後,退勤する彼女が「もうお会いすることもないでしょうけど」と俯き加減で俺とすれ違った。最後に交わす言葉としてはいささかしっくりこないものを感じたが,俺に何かしらその方の要望に応えられないところがあったのだろうな、という気がした。

 それから一年ほどして仕事中に偶然,街中で彼女と再会する場面があった。
俺は当時の上役である支店長と同行しており,三人でランチを取ることにした。彼女は某新聞社の系列会社で出版関係の仕事に就いており,意識がすっかりその分野に切り替わっているようで何とも鮮やかな転身ぶりに見えた。
 俺のように一つのことを延々とやり続けてやっと人並み、というのではない人種がやはりいるのだなと感心したものだ。

それから10年後の現在,こうして訃報に接すると生き急いだ方なのかという思いがある。
かの村上春樹の一節をパクらせてもらうと,「ある種の人生は最初からその長さに耐えられないように出来ている」というのが当てはまりそうにも思える。今となっては確かめようがないが,余りにも大きな才能は必ずしもその人を幸福にしないのではないかと常日頃から俺は漠然と考えている。

 そもそも彼女はどこで、どのようにして俺のことを知ったのだろうか?
これは23年前から今に至るまで明らかでない。今となっては確かめようもない。
タグ:訃報
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「●●祭り」という名の展示即売会 [日記、雑感]

 土曜日の仕事はテンションが上がらない。これは俺が元来働き者ではないことを表している。
しかもここ一ヶ月くらいの間,どういうわけだか土曜日のスケジュールが押し気味だ。別に好き好んで土曜日に予定を入れているわけではなく,ややこしい仕事が続いてその決着が土曜日の、しかも夜間にまでずれ込む。俺はこの間,結構ストレスが溜まっていた。

 残した仕事は午前中に片付く目処が立ちそうだな,と一息ついていると設備資材の問屋から電話がかかってきて会社の軒先で○○(会社の名前)祭りをやっているので焼き肉食いにきませんか?とのお誘いだ。
 ここしばらく,変な仕事ばっかりが続いてモヤモヤしていた俺は単純にタダ飯にありつけるような気がして仕事が一区切りついてから問屋に向かった。

 しかしまあ,この手のお誘いが単なるタダ飯で済むわけはないのは火を見るより明らかなのであって,敷地に入るとテントが設営されていて工事関係の資材がぞろりと並び,メーカーの営業マンが手ぐすね引いて待っている。飛んで火にいる夏の虫とはまさにこういうことでタダの焼き肉に釣られた俺が浅はかだった。
 受付名簿に名前を書いて屋外に設営された焼き肉のテーブルに案内され,辺りを見回すと日頃フロントで顔を合わす設備工事業者が何人も焼き肉をぱくついている。彼らも俺と同様,餌に釣られたわけだ。御愁傷様。

 焼き肉の代償は安くない。
半ば当然のように,このまま帰るわけにはいかないな,という変な義務感が出てくる俺はお人好しだろうか?考えてみれば少し前にもこの手の展示会で商売道具は買い込んでいる。

記事名:今年二度目の日立税
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-06-14

 あったらいいなアイテムは日頃意識の片隅に,それこそ山のように貯め込まれているのだが金はないので物欲を堪えているのだが一旦注文書にサインするとあれもこれもと雪崩を打って欲しいブツが飛び出してきて、後になってから届いた請求書を見て青ざめるのが俺の悪しき習慣だ。
 前回の,日立の特約店の展示会からまだ十日ほどしか経っていないのだからあんまり好き放題に買い物をするわけにはいかないぞ,と自制を働かせながら数点の買い物を済ませる。


ハタヤ 充電式LEDハンドランプ 屋外用 LW-04

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  • 出版社/メーカー: ハタヤ
  • メディア: Tools & Hardware


 昨年買い込んで幾らも経たないうちに某リゾート施設に置き忘れてきて,後で気づいて電話したが知らぬ存ぜぬで切り捨てられた。要するにネコババされた作業灯を買い直したのだ。頭に来るが忘れた俺がバカだった。こんな事をやっているからいつまでたっても金がないのだな。

 展示物中,使わせてもらってこれはいいわいと飛びついたのがワイヤーストリッパーだ。



 近年エコ電線というのが出回り始め,俺のような古臭い人間にはこれが扱いづらくてしょうがない。

エコ電線のこと:http://www.interwired.co.jp/electricwire/product/eco/qa.html

 一見,扱い馴れたVVFとおんなじなのだが被覆を向くのがえらく面倒臭い。今まで通りのカッターナイフとペンチ頼りの作業ではひどく手間取る。本職の電工ではないにしろ,最初俺は自分の腕がここまで落ちたかと大変落胆したのだが,後で電線の素材が変わったと知って責任転嫁することが出来,やや安心したもんだ。
 これから先はこういう配線がどんどん増えてくるわけだからこれは無駄遣いではないのだ,と自分に言い聞かせながら注文書にサインする。

 時代の流れにそって修理屋,工事屋の作業も施工法や処理法が変化していくわけだが,貧乏稼業であくせく働いて生まれたささやかな利益はこうして道具に吸い上げられていき,暮らしは一向に裕福になる兆しが見えない、この構図はいつも変わることがない。作業場の肥やし(大して出番のない道具類)をどんどん増やすために働いているみたいだ。
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銅管を巡る困った施工例(続き) [困った業者]

 前回記事URL:

 ひとまず、仕事仲間の助力を得て修理はけりがついた。
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 冷媒補充を二回行ったので合計三回のチャ−ジで使用量は訳12kg、ボンベ一本をまるまる使用した事になる。

 これで全て終わりのめでたしめでたしというわけではない。懸念材料は消えていない。
ガス漏れの発生した配管を眺めているうちに俺は段々訝しい気分に襲われた。この障害にはどうしても腑に落ちないところがある。

 前回記事で書いたように、冷媒の漏れは殆ど全てと言っていいほど接続箇所で起きるか、配管途中で起きる場合は冷媒管が保温材で保護されていない状態で他の何かと摩擦が起きている時かのどちらかなのだが今回はそのどちらにも該当していない。
 配管途中でピンホールが発生する事例にまだ俺は遭遇していない。
思い出してみると、配管の腐食がひどかった。まるで硫黄のきつい温泉場とか塩素の影響を受けた銅管みたいに真っ黒になっていた。保温材の中に収まっていてそうなる事例を先に書いたような温泉場のような特別な周辺環境以外では俺はまだ見ていないのだ。何故そんなことが起きるのか。

 切り取った銅管を拾い上げてしげしげと眺めているうちに何か変な気がした。
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 黒ずんだ錆び方、ざらついた表面はあばたのように凸凹している。特に気になるのはパイプベンダーで曲げ加工をしたその痕跡で、ベンドした箇所にこれまた凸凹の皺が生じている。加えて、手に持った感触として何だか軽い。

 切り取った漏れ箇所を家に持ち帰り、あれこれ調べてみた。
帰り道の途中で思案していたある事を確かめておこうと思ったのでゴミ箱行きにはせずにおいたのだった。
 手持ちの、冷媒管と切断面を見比べてみると明らかに配管の肉厚が薄いし、長辺方向を手に持って曲げようとしても曲がらない。俺は自分の仮定に確信を持った。
 それは冷媒管ではないのだ。ずばり言えば給湯用の銅管を冷媒管として使っている。曲げ加工をした時に皺が発生するのはそれがなまし管ではなく直管だからで、肉厚が薄いのも流動摩擦による摩滅ではなく元々そういう肉厚だったからだ。
 錆による表面の荒れ具合も銅の純度が低い給湯管だからだと考えれば説明がつく。

 誰がやったんだか知らんが、それにしてもひどい工事だ。
現場では、冷媒漏れこそ起きていないものの錆は相当広範囲にわたっており、いつ、どこから漏れてもおかしくない状況である。
 学校給食センターという官庁施設でこんな工事がされているのかと信じられない気分だ。何といっても所有者である町役場にこんなとんでもない話を報告するわけにはいかない。直接の依頼元には全容を伝えておく必要があるが,末端ユーザーにまではまずいだろうな。

 使用者の方でこのブログを読んでおられる方はさほど多くなさそうだが,あんまり施工業者を叩いて値切りまくるとこういう工事をされるかもしれんぞ。物事程度というものがあるということは知っておいた方がいい。
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銅管を巡る困った施工例 [困った業者]

 某学校給食センターの保冷庫(冷蔵)が冷えなくなったのでという修理依頼がきたのは先月末頃のことだった。
 冷凍機は二階屋上にあり,冷媒管長は10メートルを超える。
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 症状としてはガス漏れであり,冷媒を補充して再運転しながら漏れ箇所を調べ始めたところ少ししてから雨が降り始めたのでその日の作業は中断せざるを得なかった。

 その時にはいずれゆっくり調べましょう,と,結構呑気に構えて退散したのだがそれから一週間ほどで件の保冷庫が再度冷えなくなったとの連絡がはいった。
 冷媒の封入量は大体4kgであり,これが一週間でなくなるというのはただ事ではない。前回は降雨のために中断せざるを得なかったが今回はきっちり決めてやろうではないかと俺は結構意気込んで出かけた。
 しかし結果は無惨なもので,漏れ箇所の特定がその日は出来ずに終わった。弁解めくが,自分で施工した現場であればもう少し勝手が違ったはずなのだが他人の施工した現場は色々とわからない箇所がある。

 既に冷媒は合計で8kgを持ち出しており、それが一週間で抜けてしまうとなると一端に請求書を書くわけにも行かない。そして、これが最も頭を痛める事なのだが、障害の原因がどこにあるの見当がつかないままである。
 俺は自分の力量に限界を感じ、外部に助力を求める事にした。
仕事仲間である冷凍機屋と二名で三度目のトライを行ったのが今月の初めである。
しかしそこでも漏れ箇所の特定は難航した。俺と相棒は大いに頭をひねった。脳天から煙が上がりそうなくらい悩んだ。

 通常、冷媒が漏れるのは幾つかのパターンがある。配管の継ぎ目から漏れるか、狭い箇所に密集した配管が機械振動でこすれて線状の穴があくかが殆どだがどちらにも該当していなさそうなのだ。
 冷媒管の漏れで厄介なのは、保温材で被覆されているので怪しいと思った箇所はその都度保温材を割いて内部を調べる事になる。調査箇所が複数にわたれば勿論作業の終了後はその全てを修復しなければならないわけでこの作業量がバカにならない。

 配管のうちの殆どは天井裏に隠蔽されており、都度都度脚立を移動し、点検口を開けて天井裏に上がり、天井を踏み抜かないように歩み板を持ち込み、腹這いになったり体を丸めたりしながら冷媒管の保温を割いて接続箇所を捜しては漏れを調べる事を繰り返す。
 給食センターはオープン以来職員が異動を繰り返す上に、途中改修工事が行われていたりもして建築図面を手がかりに配管ルートを調べる事に困難がある。仕方がないので出たとこ勝負で点検口をひとつひとつ開けては天井裏に上がって配管を調べる作業を余儀なくされるのだ。

 複数の箇所から、保温材にオイルが滲んでいる事が確認された。スローリークでない限り、オイルが漏れている箇所は冷媒が漏れている箇所である事と同義であると考えて良い。
 しかしこの現場である給食センターではこのセオリーが通用しなかった。
保温材はオイルを吸ってグジュグジュしていながら、その箇所の保温材を割いて冷媒管の状態を調べてみると漏れている形跡はない。しかも、保温材と同感の間に検知器のプローブを差し込んでみるとリークの反応は出るのだ。
 俺と相棒は全ての点検口を開けて至る所保温材を割き、溶接箇所を露出させてその漏れ状態を調べたがどこにも漏れがない。しかし確かに封入量4kgの冷媒は約一週間で抜けるのだ。どこで損傷が起きているのか?時間の経過とともに俺と相棒はどちらも苛立ち始めていた。

 回答は意外なところにあった。
 作業を始めてから4時間近くが経過し、それでも漏れ箇所は見つからず、俺と相棒はそろそろ徒労感に苛まれる気分で湯沸かし室にいた。職員に出して頂いたお茶を啜りながら一体何が起きているのかと途方に暮れてお互いの見解を確かめ合い、しかしどちらにも確証は得られず、ため息をついた。
 「俺の安物感知器ではどうも調子が悪いなあ・・・」何の気なしに俺は感知器の電源を入れたそのとき、感知器が反応し始めた。
 「このザマだ」誤反応しているのだと思い込んだ俺が舌打ちして電源を切ろうとすると、不意に相棒が制して俺の手から感知器を取り上げた。
 「ちょっと待ってよ」相棒が手に持った感知器を差し上げると反応音が強まり、感知量のインジケーターが跳ね上がった。
 俺たちはどちらからともなく湯沸かし室の天井を見上げた。その天井裏には確かに冷媒管が通っており、湯沸かし室には点検口がない。つまり、湯沸かし室の天井裏配管はまだ調査できていない唯一の箇所なのだ。
 「ここ・・・・なのか?」「あり得るな」「そうだとしたら最悪だな」そんなやり取りがあった。
 天井裏を改めるためには点検口がないので天井一面に貼ってあるジプトンという建材をはがさなければならなかった。配管のルートから考えると一カ所、90°に曲がりの形成された部分があるはずだ。そこが怪しい。
 ジプトンをはがすためには天井面に取り付けられている照明器具や火災報知器の感知器を一旦外さなければならない。電気工事士の資格が実務で有効に生かされる数少ない場面だ。というか最早それは厨房屋の日常の作業とは全然かけ離れたものだ。
 すっかり汗だくになって天井裏の冷媒管を触ってみると明らかに保温材がオイルでグチョグチョになっていた。滴り落ちた冷凍機油でジプトンの裏面にシミができていた。
 「ここだな」見当をつけた箇所の保温材を割いてみると油でベタベタになっており、露出した冷媒管からはシューシューと冷媒の漏れる音がしていた。これだけひどければ一週間かそこらでカラッケツになるのが十分納得いくくらいの漏れ方で、石鹸液をかけてみるまでもない。直近で手をかざしただけでも皮膚感覚で漏れているのがわかる、そんな勢いだった。
「よりによってこんな所でよ・・・」相棒がため息をついた。他の配管やら配線やらが密集していて大変窮屈な、溶接のしづらい場所だったからだ。

 ため息をつきたくなる理由はもう一つあった。
 通常、冷媒管の漏れは配管接続箇所にピンホールやゆるみが発生しているか、配管がこすれて線状の漏れ箇所が発生しているかのどちらかだと先に書いた。
 しかしこのケースに於いてはそのどちらにも該当していない奇妙な漏れ方だった。保温材に収まった、ということはこすれがあるわけでもない配管途中箇所がある範囲にわたって腐食し、無数のピンホールが発生しているのだ。そんな漏れ方を見るのはこの稼業を始めて以来一度もない。

 処置としては腐食箇所の配管を切り取り、手持ちの銅管で溶接補修する。文字で書いてしまえばただこれだけの事で、実際の作業もさほどややこしいものではない。
 配管補修を終えて屋上に移動し、真空引きや冷媒のチャージを行い、保冷庫の試運転を始めて漏れのチェックを行い、と、作業は収束方向に向かった。保温材の補修や天井造作の復旧を終えると作業時間は実に7時間ほどになっていた。俺としては久しぶりのロングマッチだ。
(長くなり過ぎたのでこの項続く)
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仕事で使うデジカメについて [便利そうな商売道具]

 仕事とは直接関係のありそうななさそうな話をさせて頂きたい。
実は俺はカメラが好きだ。好きだった,と過去形で語るのが正しいかもしれないが。
写真を撮影することは大して好きでなく,また,その資質もないのだが機材としてのカメラは好きだ。カメラを撫で繰り回し、からシャッターを切っているのが好きなのであって,とどのつまり一種,機械フェチというのが実相なのだろう。
しかし現在,俺のカメラに対する執着は以前ほど強いものではなくなっている。
カメラが光学機器から電気製品へと変質していていく過程に歩調を合わせるように俺のカメラへの思い入れは弱まりつつあり,携帯電話にまで結構な画質のカメラ機能が内蔵されるに至って最早完全に興味が失せた。

 記録形式がフィルムの頃,仕事で写真を撮るということはそれが結構重要な場面であることを意味していた。
 
Pentax_LX_dgfanCN6.jpg

俺が愛用していたPENTAX LXである。現在もたまに趣味の領域でフィルム撮りしてみたくなった時には登場する。


 デジカメというのは会社員だったころ職場で支給されたものが最初だった。画質はひどかったがそれ以上にすぐにバッテリーがなくなって肝心なところで使えない不便さに閉口した。
 だから自前でデジカメを買ったのは会社員をやめて今の商売を開業してからだ。俺は人生の節目にカメラを買う癖がある。勤め人をやめて商売を始めるのもれっきとした人生の節目なので、このときには奮発してCONTAXのTvs Digitalをほとんど値引きもなしに買い込んだ。
01.jpg

 これは本当にしょうもないカメラで今は使えなくなって単なるオブジェとなっているが、かかわっている間は本当にろくな事がなかった。あんまりたくさんありすぎるのでここでは書かない。

 それから一年して段々商売も軌道に乗り、金融機関からの融資も受けられるようになった頃、CONTAXでは仕事上使い物にならないのでもう少し真面目なカメラを買おうと思い立ち、Pentaxのist Dsというのを買い込んだ。
 最大の理由はそれまでフィルムカメラで使っていた一眼レフのレンズが流用できるのでレンズの追加購入が節約できるところだった。同時候補にCanon EOS kissあたりも思案したが、フォーカシング性能以外は全てPentaxのほうが上と俺は見た。 
frontview.jpg


 長年フィルムカメラをいじくり回していた習慣で、俺は未だに液晶のビューファインダーを見ながら撮影するのが苦手だ。ist Dsが販売されていた頃はLCDディスプレイは諸々の設定や記録画像の確認をするためのものであってライブビュー機能を持っていないが、どこのメーカーもこのランクのカメラは製造コストをケチってペンタミラーだったところがペンタックスだけは出血サービスでプリズムファインダーをおごっていたのでフィルムカメラに馴れ切っている俺にとっては余り違和感なくデジカメに移行できる好材料だった。
 電池が普通の単三乾電池が使えるところも緊急時の回避措置を勘案した親切な設計だ。今はカメラバッグに充電式のエネループを2セット分と充電器を詰め込んで携行している。
 画素数600万は今となってはお笑いぐさだがそこは腐っても鯛で一眼レフだ。デジカメは撮像素子が全てではない。レンズが良ければ画素数なんざ多少しょぼくても実用上問題ない写りにはなるもんだ。

 フォーカシングの性能はキャノンあたりに比べるとはっきり劣るペンタックスだが元々動体撮影など俺はしないし、ましてや仕事の場面では静物ばっかりだから関係ない。
 何より造りが結構頑丈だ。もう6,7年バリバリ使いまくっているが未だにへこたれる様子がない。
この間、防水仕様のコンパクトデジカメも買い、これはこれで便利なのだが当初考えていたほどには出番が多くない。

 実のところ、俺の仕事の場面で最も多用されるカメラは携帯電話、それも旧態依然としたガラケーのカメラ機能だという事をここで白状しておこう。
 このブログで貼付けてある修理の現場での画像は殆ど全て携帯の写メである。修理のたんびに毎度毎度一眼レフを現場に持ち込む事はない。俺は修理屋であってカメラマンではないのだから、気合いの入った単体としてのカメラを現場に持ち込むのはある程度解像度の高い画像が予め欲しい時だけだ。だから現実問題として、商売道具として最も便利なカメラとは携帯電話だと最近の機種の高画質ぶりを見るにつけ改めて思う。現場に持ち込む道具は少ないに越したことはないからだ。
それにしても,視覚的に物事を伝えるというのは便利なものだ。うんと以前であればへたくそなスケッチを描いたり口頭でああだこうだと言わなければならなかったので随分手間ひまかかっていたところを画像データを渡すだけで済むのだからかなり横着しながら意図を伝えられるご時世にはなったのだ。

 特に人生の節目というわけでもないが,実はそろそろまたカメラを買い込もうかと画策している。どんなご立派なカメラであれ,所詮肉眼で見たとき以上の鮮明さで写るものなどこの世に一つもないことを俺は既に知っているが,まあ人生,一つくらいは無駄遣いをさせてもらってもバチは当たるめえ。仕事の合間にふらりとカメラ屋を覗いてはうろつき,中古の一眼レフでも物色してみるか。

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瓢箪から駒? [便利そうな商売道具]

 俺は貧乏自営業なので,仕事用と私用とで複数台の自動車を所有できるご身分では全然ない。恐らく一生無理だろう。
 その一張羅の自動車は昨年の大晦日に大変困ったトラブルに見舞われたことを半年くらい前の記事で書いたことがある。
記事名:2012年締めくくりの不幸のこと
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-12-31

 修理はなかなかうまくいかず長期化した。
中古品のパーツを使って一時しのぎはしたがロットによってマッチングでもあるのだろうか,車の電装系には不定期に色々変な挙動が現れて俺は困惑した。
 そんなところにもう一台の車が手に入った。ガソリン代が財布に優しい軽自動車で,俺の親が高齢化で自動車の運転をしなくなったので車検が残っている限り俺が乗ることにした。
そうなるとひとまず日常の用は足りるわけで俺は持ち前のケチ臭さを遺憾なく発揮して軽自動車ばっかり乗るようになった。

 元々の俺の自家用車に起こった不具合とはすぐにバッテリーが上がるというもので、そんなに古いバッテリーでもないはずだがと俺は不審に思いながらバッテリーを買い替えた。
 ところがその新品バッテリーも数日すると上がってしまう。新品のバッテリーのはずなのに電圧を測ってみるとたったの3Vかそこらしかなくなっている。完全にお陀仏だ。
 俺は大変腹立たしい気分で廃棄しないでおいた古いバッテリーの電圧を測ってみたところ10Vくらいはあったので何とか蘇生できないものかと藁にもすがる思いでカー用品ショップに出向き,バッテリー充電器を買ってきた。

Meltec [ メルテック ] バッテリー充電器定格8ADC-12V用 [品番] PC-200

Meltec [ メルテック ] バッテリー充電器定格8ADC-12V用 [品番] PC-200

  • 出版社/メーカー: メルテック(meltec)
  • メディア: Automotive


バッテリー充電器も新しい製品は電子化が進み,以前のような重たいダウントランスは内蔵されていない。嘘みたいに軽量だ。詳述しないがリフレッシュ充電という機能があり,サルフェーションという障害をある程度は解消してくれるのだそうだ。
 結果からいうと一度はダメかと思われたバッテリーは見事に蘇生した。その後俺の車も何とか修理はうまくいき,結果として一個バッテリーが無駄にはなったが自家用車の問題は目出たく解決した。充電器の出費は不本意だが,まあ仕方がない。

 今日日,自動車のバッテリーの充電などそうそう頻繁にある話ではない。
この先活用できる場面があるとすればそれはいつ頃なのだろうと俺は充電器をしまい込んでからやや虚しい気がした。
 しかし意外な場面でこの充電器は活躍の場面が出てきそうなのだ。
某病院で稼働している温冷配膳車はモーターで走行するバッテリードライブである。
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画像は本文とは関係ありません。


 その配膳車は昨年,バッテリーの電圧が下がるので交換した個体である。たかだか半年と少し前の話であって,その数ヶ月前にはスピードコントロールや進行方向切り替えのために電圧を制御するモータードライバーという高価なパーツの交換も済ませている。
 得意先はバッテリーの持ちの悪さにいささか不満そうだった。
製造元が言うには2.3年くらいが標準的な寿命なのだそうで半年ではいかにも短いし何かがおかしいと考えるのが妥当だろう。
 順当な見方として、充電回路の不具合を調べる事になるのだがこれは完全なブラックボックスな上に調べるこの俺はバッテリーの知識が殆ど全くない。学生の頃に触りの部分だけ教わったような気はするがとうの昔に奇麗さっぱり忘れた。

 それで元の勤務先にあれこれ問い合わせをしてみたがこれまたいまいち反応が鈍いので、やきもきする日々が続いていたのだが、先日作業場を片付けていたら一台分廃却されずにほったらかしだったバッテリーを発見した。
 電圧を測ってみると大体11Vくらいあったので俺の出来の悪いこの頭でも何かしら閃くものがあった。一度使ってお蔵入りになりそうな充電器でこの個体を蘇生できはしないかと猿知恵が働いたのだった。
 試してみるとリフレッシュ充電の効果はちょっとしたもので、再充電の結果電圧は13.6Vを示すに至った。再利用できるのならばしめたもので、バッテリーを交換する費用を考えれば割安な運用が可能になる。
 俺としては自分の車の問題で買い込んできた充電器を商売に活用できればこんないい話はないわけで、ひょうたんから駒というか何と言うか、バッテリードライブの配膳者を運用している使用者の方に呼びかけて営業してみようと思い立った、が、考えてみるとそれは高価な機材なので導入事例が大変少なく、俺のビジネスチャンスもさほど多くはない。世の中そんなにうまく物事が回るわけではないのだな、やっぱり。 
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今年二度目の日立税 [便利そうな商売道具]

 今年二月に日立の展示会に出かけて丸鋸を買った。
記事タイトル;日立税
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-02-04

 税金を自ら進んで出来るだけ沢山払いたい御仁などそうそういるわけはないと俺は日頃考えている。
欲しいものを買うのだからそこには特段義務感があるわけもないのであって,こういう買い物を税金と同じく捉えるのは適当でなく,お布施とか献金とかいう方が実体に近そうな気はする。

 今回の会場は俺の住む町にある日立工機の関連会社内で,いつもの通り機械材料の問屋から案内状が届いたので金もないのに物欲だけは人並みの俺はいそいそと出かけた。物欲とは言っても趣味や道楽に散財するわけではない,これは投資なのだ、無駄遣いではないと自分に言い聞かせながらこれから先の商売ネタで問屋に迷惑をかけずに代金を支払えるだろうかと勘案する。複雑な時間だ。

 展示会場では今回俺のお目当ての高圧洗浄機がデモを行っていた。

型式は違うがテレビショッピングでの実演風景。

 
 高圧洗浄機は既にドイツのケルヒャーという世界標準メーカーがあり,俺が今回購入した日立の製品はこれに対してカタログスペック上では噴射圧が見劣りするが実演を見た限りでは実用上問題なさそうなので良しとする。アクセサリーパーツの充実度はさすがに老舗である専業メーカーに比べると物足りないが俺のお仕事上必要なものはとりあえず揃ってはいる。
 本当は二月の展示会で買っておく気でいたのだがそのとき会場では春を過ぎてから出る新製品はかなりいいのでそれまで待った方がいいとアドバイスがあり、その時には手ぶらで帰るわけにもいかなかったので購入を勘案していた丸鋸を買って帰ったのだった。

今回購入に踏み切った理由は給水方式として水道直結と自吸式(ため水を吸い取る)の二通りの使い方が出来る製品がここにきてやっと日立からリリースされたからで,これが購入のポイントだった。
 何でもそうだがいざ購入しようとなると欲しいスペックがあれこれ出てきて結果として大型で高額なものになっていってしまうがこれはある程度仕方がない。



 追加購入したアクセサリーパーツは自吸式で運転する際のフィルターと配管洗浄用のキットの二点で,まあひとまず俺のお仕事上で想定される場面はクリアできそうだ。

 高圧洗浄機の話を済ませて会場をフラフラしていたら見ない方がいいものが随分並んでいた。問屋の営業マンがいつの間にか隣に立っていて悪魔の囁きを開始する。
 『この際何か欲しいものがあったらここで決めちゃいませんか?特別奉仕価格で提供させていてだきますから。支払?いやいやそんな、長いお付き合いじゃありませんか,出世払いで結構ですよ。何回分割でもいいですから,いや,うちもここで実績伸ばしておきたいんですよ。たのんます、是非!』

 抗う術もなく俺はもう一つの買い物をするために注文書にサインしていた。

日立 10.8Vコードレスドラバドリル [DB10DL-2LCSK]

日立 10.8Vコードレスドラバドリル [DB10DL-2LCSK]

  • 出版社/メーカー: 日立
  • メディア: エレクトロニクス


 インパクトドライバーがありさえすればドライバドリルは不要ということにはならない,と、かねがね俺は考えている。
 ドライバドリルについては過去二十数年,松下電工製を買い込んで以来の変遷があるのだがそれは別の機会に譲るとして,いつの間にか随分進歩したものだと改めて感心する。
 こうして俺の作業場は更に日立製品が増殖していく。今月末頃には町内の資源回収があり,物置を片付けることになるので一旦,電動工具を整理した方がいいかもしれない。
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