虫のいい依頼ごと [困った客]
世間に於ける自営業者とはどういう立ち位置なのかをここ数年絶えず意識し続けて来たと思う。
何故意識的になるかというと,自営業者はしばしば世間の仕組みの不条理さを押し付けられて甘んじなければならない場面が大変多いように俺は常々感じているからだ。
仮に俺が月給取りの雇われ人であり,年がら年中ルーチンワークに明け暮れて時間から時間の勤務形態である立場だったら自分の立ち位置に関してもう少し無自覚だったのではないだろうか。
本日は8月14日で,世間的には役所や企業は夏期休暇であり,俺もまた建前上は休業とさせてもらうことにしている。
大体,休日中に発生する障害なんていうの殆どの場合その日一日では解決しない。メーカーは休み,材料問屋も休みで修理屋の手持ち材料だけで解決できる確率は物凄く低いのが現実であり,休日の出張修理なんていうのは現調を行って『今日のものにはなりませんわなあ」と言うために動いているようなもんだ。
しかし世間に於ける業務用厨房機材の使用者というものはその大半が以前の記事で書いたようにバカなので,故障が発生した場合には条件反射のようにとにかく修理屋の携帯電話を鳴らしまくって催促しさえすればどんなことでもその日のうちに解決するものだと思い込んでいる。
もう一つ書き加えると,この手のバカはその障害が当日のうちに解決できず,日延べされることに対して物凄い被害者意識を持つ傾向がある。修理屋を逆恨みする奴さえ珍しくはない。挙げ句の果てにはおまえは自営業者なんだから年がら年中,24時間365日,得意先の都合に合わせて死んだ気になって働けなどと説教を始める極めつけのバカさえいる。
大きなお世話だ。
俺は俺の生活のために金が必要だから働いているのであって使用者の不都合を解決するために働いているわけではない。当たり前の話ではないか。世の中どんな職業だろうがそうではないのか?
そもそも俺に対して休日中に修理対応しないのは怠慢だの生意気だのと抜かすそいつ自身の日常,社会人としてのありようはどうなのか,休日といわず深夜早朝と言わず,24時間365日、他人の不都合を解消するために不眠不休で自分の生業を貫徹している奴がそういう偉そうな事を抜かしているのか。
今日も某所から午前10時頃に修繕の依頼があった。
結構大きな飲食店で,いけ好かない得意先だが日頃は金のためにポーカーフェイスで接している。
5,6年前までは結構良好な取引関係だったと俺は思っているが現在は幾つかの例外的な場面を除いて特に深い関係ではない。
その使用者は『厨房屋なんてなんぼでもいる』というのが口癖らしく,俺はここ数年の間に徐々にオミットされ続けて現在に至っているのが実相だ。
仕事の発注量が減っていることについて文句を言うつもりはない。俺の仕事には不手際が絶えないし、こんな零細自営業でしかないのだから依頼元が不安なり不信感を持って地元に出先の看板を掲げているメーカーの営業所に重心を移動していくのはやむを得ない。
しかしだ。それならそれで,誰かを排除していくのならばそこで生じた空隙をどのようにして埋め合わせていくかくらいのことは考えていてもらいたいもんだ。
話を元に戻す。
その得意先には既に主要な取引先として某厨房機材メーカーがある。あるにも拘らず今日,俺のところに修繕の依頼が来た。それは今日という日はその会社の夏期休暇に当たっており,社員が帰省しているかなにかで即応できないせいだろう。もう一つには故障している機材が家電製品の冷凍冷蔵庫であり,障害の内容によってはそのメーカーには独力での解決能力がないからだ。
ここで三つ目の憶測が出て来る。壊れたブツの成り立ちから言って,それは業務用の厨房機材メーカーに依頼をしずらいのかもしれない。家電製品は扱わないと断られてしまいかねないので誰か押し付ける奴はいないかと物色したところ徐々に居場所を失いつつあるこの俺が人柱よろしく浮上してきた、そういう事ではないのか?
その大馬鹿者は、俺が家電製品の修理業者ではない事を承知の上で、しかも現在俺をオミットし続けているその最中に、加えて世間の習わしに従って俺が休業中である事を承知の上で今すぐ修理に来いと抜かす。だめ押し気味に書くとその場所は俺の住んでいるところから数十キロも離れたところにある。お盆の夏期休暇で俺の親族が集まっているその時に、だ。
目の前にその野郎がいたらパイプレンチで脳天を叩き割ってやりたいくらいの殺意に俺は駆られた。
そいつが雇われている施設には冷蔵庫など山ほどあるのだ。一台調子が悪いのなら電源を切って他の冷蔵庫に中の物を移し替えればいいだけの話ではないのか。リスクマネージメントのイロハのイだ。
この大馬鹿者は調理師経験が30年を超えるにもかかわらずこんな程度の発想も出てこない。
あるいはこう考える事もできる。
この男は調理師経験が30年を超えるにもかかわらず緊急対応の初歩もわかっていないのではなく、発注者の立場を笠に着て何か俺に嫌がらせでもしたいいとがあるのではないのか。声をかけてもらえるだけでも有り難いと思えと俺に言いたいのか。
俺は腹立たしい気分で即座に依頼を断った。
家電製品の修理なら電器屋に依頼すればいいのだし、厨房屋に解決してもらいたいのであれば日頃交流のある業者が既にいるではないか。世の中全般がお休みである中で、こういう時だけ何故俺なのか。
大馬鹿者は憮然として電話を切った。夕方頃その男は再び俺のところに電話をかけて寄越してきた。故障した冷蔵庫を修繕すべきかどうかについて意見を求めたいと抜かすので自分で考えろと突っぱねて俺の方から電話を切った。
どうせ使用できない機体だしメーカーだってあと数日は休みなのだから盆休み明けにならないと検討のしようもない事を休業中の業者のところに思いつきで電話をかけて寄越して、あたかもこれに答える義務がおまえにはあると言わんばかりの高飛車な調子なので俺は完全に頭に来た。
ここ数年、バカの性質について俺はあれこれ考える機会が多いのだが一つ、徐々にイメージが明確化しつつある属性がある。
バカはTPOをわきまえない。頭に思い浮かんだ事を一度脳内で検証する能力がバカにはない。バカは思いついた事を後先考えずにすぐに口に出す。これには俺はかなりの確信がある。
発注者の立場を笠に着て俺のような零細自営業者を小馬鹿にするような振る舞いを繰り返す奴は枚挙に暇がないわけだが、それと同じくらい冷ややかで屈折した視線が自分に跳ね返ってくる事をこの手のバカは自覚できない。こちとら零細自営業とは言え経営者なのだからいざとなればケツをまくって逆ねじを喰わせる事くらい朝飯前という事がわかっていないようだ。自分が雇われ人で手かせ足かせの中で仕事をしていると世の中の人間はみなそうだとでも思っているのだろうか。発注する立場でありさえすれば何でもかんでも上から目線の高飛車な調子で押し通してでも行けるのだと考えているのだとすれば本当のバカであって悩ましい事にこの手のバカは年々増殖しつつある。
何故意識的になるかというと,自営業者はしばしば世間の仕組みの不条理さを押し付けられて甘んじなければならない場面が大変多いように俺は常々感じているからだ。
仮に俺が月給取りの雇われ人であり,年がら年中ルーチンワークに明け暮れて時間から時間の勤務形態である立場だったら自分の立ち位置に関してもう少し無自覚だったのではないだろうか。
本日は8月14日で,世間的には役所や企業は夏期休暇であり,俺もまた建前上は休業とさせてもらうことにしている。
大体,休日中に発生する障害なんていうの殆どの場合その日一日では解決しない。メーカーは休み,材料問屋も休みで修理屋の手持ち材料だけで解決できる確率は物凄く低いのが現実であり,休日の出張修理なんていうのは現調を行って『今日のものにはなりませんわなあ」と言うために動いているようなもんだ。
しかし世間に於ける業務用厨房機材の使用者というものはその大半が以前の記事で書いたようにバカなので,故障が発生した場合には条件反射のようにとにかく修理屋の携帯電話を鳴らしまくって催促しさえすればどんなことでもその日のうちに解決するものだと思い込んでいる。
もう一つ書き加えると,この手のバカはその障害が当日のうちに解決できず,日延べされることに対して物凄い被害者意識を持つ傾向がある。修理屋を逆恨みする奴さえ珍しくはない。挙げ句の果てにはおまえは自営業者なんだから年がら年中,24時間365日,得意先の都合に合わせて死んだ気になって働けなどと説教を始める極めつけのバカさえいる。
大きなお世話だ。
俺は俺の生活のために金が必要だから働いているのであって使用者の不都合を解決するために働いているわけではない。当たり前の話ではないか。世の中どんな職業だろうがそうではないのか?
そもそも俺に対して休日中に修理対応しないのは怠慢だの生意気だのと抜かすそいつ自身の日常,社会人としてのありようはどうなのか,休日といわず深夜早朝と言わず,24時間365日、他人の不都合を解消するために不眠不休で自分の生業を貫徹している奴がそういう偉そうな事を抜かしているのか。
今日も某所から午前10時頃に修繕の依頼があった。
結構大きな飲食店で,いけ好かない得意先だが日頃は金のためにポーカーフェイスで接している。
5,6年前までは結構良好な取引関係だったと俺は思っているが現在は幾つかの例外的な場面を除いて特に深い関係ではない。
その使用者は『厨房屋なんてなんぼでもいる』というのが口癖らしく,俺はここ数年の間に徐々にオミットされ続けて現在に至っているのが実相だ。
仕事の発注量が減っていることについて文句を言うつもりはない。俺の仕事には不手際が絶えないし、こんな零細自営業でしかないのだから依頼元が不安なり不信感を持って地元に出先の看板を掲げているメーカーの営業所に重心を移動していくのはやむを得ない。
しかしだ。それならそれで,誰かを排除していくのならばそこで生じた空隙をどのようにして埋め合わせていくかくらいのことは考えていてもらいたいもんだ。
話を元に戻す。
その得意先には既に主要な取引先として某厨房機材メーカーがある。あるにも拘らず今日,俺のところに修繕の依頼が来た。それは今日という日はその会社の夏期休暇に当たっており,社員が帰省しているかなにかで即応できないせいだろう。もう一つには故障している機材が家電製品の冷凍冷蔵庫であり,障害の内容によってはそのメーカーには独力での解決能力がないからだ。
ここで三つ目の憶測が出て来る。壊れたブツの成り立ちから言って,それは業務用の厨房機材メーカーに依頼をしずらいのかもしれない。家電製品は扱わないと断られてしまいかねないので誰か押し付ける奴はいないかと物色したところ徐々に居場所を失いつつあるこの俺が人柱よろしく浮上してきた、そういう事ではないのか?
その大馬鹿者は、俺が家電製品の修理業者ではない事を承知の上で、しかも現在俺をオミットし続けているその最中に、加えて世間の習わしに従って俺が休業中である事を承知の上で今すぐ修理に来いと抜かす。だめ押し気味に書くとその場所は俺の住んでいるところから数十キロも離れたところにある。お盆の夏期休暇で俺の親族が集まっているその時に、だ。
目の前にその野郎がいたらパイプレンチで脳天を叩き割ってやりたいくらいの殺意に俺は駆られた。
そいつが雇われている施設には冷蔵庫など山ほどあるのだ。一台調子が悪いのなら電源を切って他の冷蔵庫に中の物を移し替えればいいだけの話ではないのか。リスクマネージメントのイロハのイだ。
この大馬鹿者は調理師経験が30年を超えるにもかかわらずこんな程度の発想も出てこない。
あるいはこう考える事もできる。
この男は調理師経験が30年を超えるにもかかわらず緊急対応の初歩もわかっていないのではなく、発注者の立場を笠に着て何か俺に嫌がらせでもしたいいとがあるのではないのか。声をかけてもらえるだけでも有り難いと思えと俺に言いたいのか。
俺は腹立たしい気分で即座に依頼を断った。
家電製品の修理なら電器屋に依頼すればいいのだし、厨房屋に解決してもらいたいのであれば日頃交流のある業者が既にいるではないか。世の中全般がお休みである中で、こういう時だけ何故俺なのか。
大馬鹿者は憮然として電話を切った。夕方頃その男は再び俺のところに電話をかけて寄越してきた。故障した冷蔵庫を修繕すべきかどうかについて意見を求めたいと抜かすので自分で考えろと突っぱねて俺の方から電話を切った。
どうせ使用できない機体だしメーカーだってあと数日は休みなのだから盆休み明けにならないと検討のしようもない事を休業中の業者のところに思いつきで電話をかけて寄越して、あたかもこれに答える義務がおまえにはあると言わんばかりの高飛車な調子なので俺は完全に頭に来た。
ここ数年、バカの性質について俺はあれこれ考える機会が多いのだが一つ、徐々にイメージが明確化しつつある属性がある。
バカはTPOをわきまえない。頭に思い浮かんだ事を一度脳内で検証する能力がバカにはない。バカは思いついた事を後先考えずにすぐに口に出す。これには俺はかなりの確信がある。
発注者の立場を笠に着て俺のような零細自営業者を小馬鹿にするような振る舞いを繰り返す奴は枚挙に暇がないわけだが、それと同じくらい冷ややかで屈折した視線が自分に跳ね返ってくる事をこの手のバカは自覚できない。こちとら零細自営業とは言え経営者なのだからいざとなればケツをまくって逆ねじを喰わせる事くらい朝飯前という事がわかっていないようだ。自分が雇われ人で手かせ足かせの中で仕事をしていると世の中の人間はみなそうだとでも思っているのだろうか。発注する立場でありさえすれば何でもかんでも上から目線の高飛車な調子で押し通してでも行けるのだと考えているのだとすれば本当のバカであって悩ましい事にこの手のバカは年々増殖しつつある。
自営を始めて五年で経営を安定させ、資金力を付けて、、、
その後自身のスタイルを確立する・・・のが理想と考えています。
依頼は場合に因り断る事も有り、と思います、、、
何故ならば、技術者としての誇りを基に生きる為に!
by 007 (2013-08-15 14:06)
007様,いつもコメントありがとうございます。
私の場合は自営を初めて4年目に足元が崩れ始め,その2年後にはあわや路頭に迷いかねない窮地に陥りましたから元々経営センスがないのですね。
幸い,その後多くの人達に助けて頂き,再浮上とまではいかないまでも溺死は何とか免れて今に至っていますが・・・・
フィールドの保守業務は難しいですね。とどのつまりは人間の心が相手なのであらゆることが不定形で、セオリーが見つかりません。
by HarryTuttle (2013-08-15 23:53)
私の生活圏で言うと、飲食店に来るお客様にたまにそうゆう傾向があります。メニューに無い物を注文したりカフェタイムなのにランチタイムのメニューを要求したりm(__)m 確かにお客様は大切ですが、お金を払うから偉いとゆうのは間違いと思います。自分が食べに行った時には、自分が食事を作る手間や美味しい物を、お金で提供してもらっているのですから(*^^*)。
by くるみ (2013-08-16 11:05)
くるみ様、いつもコメント有り難うございます。
いつの頃からかはわかりませんが、人間、あまりにも横着というか横柄というか、そういうものに成り果ててしまいましたね。
「そんなに好きな時に好きなものを食べたければ自分で食材買ってきて自分の家で調理しろや!」と私はくるみ様の胸中を勝手に想像します。
ここから先は文化論めいた話となり、長くなるので避けますが、
物事は何でもお金で解決がつくのであり、お金を払いさえすれば幾らでもわがままが通るものだと勘違いしているバカは本当に増えました。
更にもう一つ、何の根拠もなくいつでもどこでも俺様ルールを周囲は受け入れてくれるもんだと勘違いしているバカもここに含まれます。
by HarryTuttle (2013-08-16 14:00)