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仕事で使うデジカメについて [便利そうな商売道具]

 仕事とは直接関係のありそうななさそうな話をさせて頂きたい。
実は俺はカメラが好きだ。好きだった,と過去形で語るのが正しいかもしれないが。
写真を撮影することは大して好きでなく,また,その資質もないのだが機材としてのカメラは好きだ。カメラを撫で繰り回し、からシャッターを切っているのが好きなのであって,とどのつまり一種,機械フェチというのが実相なのだろう。
しかし現在,俺のカメラに対する執着は以前ほど強いものではなくなっている。
カメラが光学機器から電気製品へと変質していていく過程に歩調を合わせるように俺のカメラへの思い入れは弱まりつつあり,携帯電話にまで結構な画質のカメラ機能が内蔵されるに至って最早完全に興味が失せた。

 記録形式がフィルムの頃,仕事で写真を撮るということはそれが結構重要な場面であることを意味していた。
 
Pentax_LX_dgfanCN6.jpg

俺が愛用していたPENTAX LXである。現在もたまに趣味の領域でフィルム撮りしてみたくなった時には登場する。


 デジカメというのは会社員だったころ職場で支給されたものが最初だった。画質はひどかったがそれ以上にすぐにバッテリーがなくなって肝心なところで使えない不便さに閉口した。
 だから自前でデジカメを買ったのは会社員をやめて今の商売を開業してからだ。俺は人生の節目にカメラを買う癖がある。勤め人をやめて商売を始めるのもれっきとした人生の節目なので、このときには奮発してCONTAXのTvs Digitalをほとんど値引きもなしに買い込んだ。
01.jpg

 これは本当にしょうもないカメラで今は使えなくなって単なるオブジェとなっているが、かかわっている間は本当にろくな事がなかった。あんまりたくさんありすぎるのでここでは書かない。

 それから一年して段々商売も軌道に乗り、金融機関からの融資も受けられるようになった頃、CONTAXでは仕事上使い物にならないのでもう少し真面目なカメラを買おうと思い立ち、Pentaxのist Dsというのを買い込んだ。
 最大の理由はそれまでフィルムカメラで使っていた一眼レフのレンズが流用できるのでレンズの追加購入が節約できるところだった。同時候補にCanon EOS kissあたりも思案したが、フォーカシング性能以外は全てPentaxのほうが上と俺は見た。 
frontview.jpg


 長年フィルムカメラをいじくり回していた習慣で、俺は未だに液晶のビューファインダーを見ながら撮影するのが苦手だ。ist Dsが販売されていた頃はLCDディスプレイは諸々の設定や記録画像の確認をするためのものであってライブビュー機能を持っていないが、どこのメーカーもこのランクのカメラは製造コストをケチってペンタミラーだったところがペンタックスだけは出血サービスでプリズムファインダーをおごっていたのでフィルムカメラに馴れ切っている俺にとっては余り違和感なくデジカメに移行できる好材料だった。
 電池が普通の単三乾電池が使えるところも緊急時の回避措置を勘案した親切な設計だ。今はカメラバッグに充電式のエネループを2セット分と充電器を詰め込んで携行している。
 画素数600万は今となってはお笑いぐさだがそこは腐っても鯛で一眼レフだ。デジカメは撮像素子が全てではない。レンズが良ければ画素数なんざ多少しょぼくても実用上問題ない写りにはなるもんだ。

 フォーカシングの性能はキャノンあたりに比べるとはっきり劣るペンタックスだが元々動体撮影など俺はしないし、ましてや仕事の場面では静物ばっかりだから関係ない。
 何より造りが結構頑丈だ。もう6,7年バリバリ使いまくっているが未だにへこたれる様子がない。
この間、防水仕様のコンパクトデジカメも買い、これはこれで便利なのだが当初考えていたほどには出番が多くない。

 実のところ、俺の仕事の場面で最も多用されるカメラは携帯電話、それも旧態依然としたガラケーのカメラ機能だという事をここで白状しておこう。
 このブログで貼付けてある修理の現場での画像は殆ど全て携帯の写メである。修理のたんびに毎度毎度一眼レフを現場に持ち込む事はない。俺は修理屋であってカメラマンではないのだから、気合いの入った単体としてのカメラを現場に持ち込むのはある程度解像度の高い画像が予め欲しい時だけだ。だから現実問題として、商売道具として最も便利なカメラとは携帯電話だと最近の機種の高画質ぶりを見るにつけ改めて思う。現場に持ち込む道具は少ないに越したことはないからだ。
それにしても,視覚的に物事を伝えるというのは便利なものだ。うんと以前であればへたくそなスケッチを描いたり口頭でああだこうだと言わなければならなかったので随分手間ひまかかっていたところを画像データを渡すだけで済むのだからかなり横着しながら意図を伝えられるご時世にはなったのだ。

 特に人生の節目というわけでもないが,実はそろそろまたカメラを買い込もうかと画策している。どんなご立派なカメラであれ,所詮肉眼で見たとき以上の鮮明さで写るものなどこの世に一つもないことを俺は既に知っているが,まあ人生,一つくらいは無駄遣いをさせてもらってもバチは当たるめえ。仕事の合間にふらりとカメラ屋を覗いてはうろつき,中古の一眼レフでも物色してみるか。

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コメント 5

くるみ

人生の節目にカメラ購入…ステキですね(^o^ゞ 幼い頃の話ですが私もカメラに何故か興味を持ち、親からお下がりで貰った事あります。当時そのカメラは勿論フィルムでピントも手動でずっしり重く…。フィルムも手動で巻き戻し。フラッシュも起動するのに時間がかかり。ある日気付いた衝撃的な事…日付が入るのですが その時以上の日付がなくなりました!?時間が止まったまま しばらくは使ってたように思いますが、メーカーの取り決めた寿命が過ぎたのですね?いつも首から下げる位 大好きでした(^^)d 記事を拝見して懐かしい思い出が蘇り、ありがとうございました。ちなみに今、節目?に買うのは、時計です。
by くるみ (2013-06-21 00:43) 

007

昔ニコンF4かペンタLXで随分迷いましたがF4を選択、レンズ資産活用で、デジ一はニコンで、仕事用コンデジはキャノンです、、、

より広角重視でパナのミラーレスも購入も、フル使用はコンデジ主体で他は休眠中です(^_^;)
by 007 (2013-06-21 05:47) 

HarryTuttle

くるみ様,いつもコメントありがとうございます。
 金属製,フィルム,マニュアルフォーカス,今から思えば不便さの塊だったのかもしれませんが使いこなす楽しみやうまく撮れた時の嬉しさは携帯電話のおまけ機能に成り果てた今とは比べ物にならなかったように思います。
 時計,というのもカメラと似たような立ち位置のアイテムですね。これまた今や色々なものの付録に成り果てて腕時計を持つことの必然性は大変薄くなっていますがそれでも私は身につけることにしています。

 お仕事中はもっぱらG-Shockで既にギタギタの傷だらけですが,プリントされた文字の擦れなど眺めていると仕事の相棒といった風情で何だか思い入れが湧いてきますね。
by HarryTuttle (2013-06-21 08:41) 

HarryTuttle

 007様,コメントありがとうございます。
 私はカメラについて語りだすと結構粘着質なのですw
私がペンタLXを買い込む時に最後まで迷った候補はニコンF3でした。20数年前のことです。
 F4は歴代フラッグシップ機の中ではやや地味な印象で、ライバル機だったキャノンのEOS-1と比べると保守的なイメージがありましたが、今になってみるとボディの頑健さといい、レンズの適合範囲の広さといい、ニコンの良識が大変わかり易い形で実感できますね。ガンガン使ってもへこたれない頼もしいカメラです。時間が経つほど設計思想の偉大さがわかるというか。
 私はニコンのAFでは弟分のF90を使っていて、今でも手放さずに時たまフィルムを詰めて出かけることがあります。フラッグシップ機は腕前や覚悟を問いただされているようで何だか気後れしてしまうのですが,それでもニコンの信者でいたいという,ある種屈折したありようをこれは表していますw
by HarryTuttle (2013-06-21 09:45) 

007

そうでしたか!、、、

小生はフィルム中判カメラ(マミヤRB67Pro-sd)迄やりました、、、
プロから大判の勧めも、さすがにこれは止めましたが(泥沼化しそうで)、、、

自営の今は、貧乏暇無しでフィルム撮影は御無沙汰です(^_^;)
by 007 (2013-06-21 15:52) 

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