ナイログの正しい用法に迷う [含蓄まがいの無用な知識]
俺が駆け出しの小僧だった頃を思い出すに,近年冷媒管工事は随分親切なツールや材料が増えてきた。配管工事諸々のうちにあって冷媒管というのは結構特殊な分野に属していた時期がある。今のようにエアコンの工事が沢山なかった頃で,水回りを扱う設備屋と冷凍機屋の間には結構きっちりした棲み分けがあった時代があったのだな。
工事高や就労人口などから言えば前者の方が圧倒的多数なので,長い間冷媒管の扱いというのは一種,閉鎖社会に代々伝わる秘技のような見られ方をされる側面があったと思う。作業工具や工事材料で便利なものがどんどん出てきたのは物品税の廃止によってエアコンが広く一般に普及し,冷凍機屋の手が回り切らなくなったせいで住設屋までもが工事に手を出すようになってきた時代背景と重なっている。
そうなってくると,工事初心者でもしくじらないようにとメーカー再度で色々とご親切な工事の手引きみたいな資料を用意してくれて,余程トンチンカンな施工をしない限り余り不具合は起こらないことになってくる。
従来からの従事者にしてみれば長年手探りで身体に刷り込んだ技能を文書化されてそこら辺中に配布されるのは愉快でないかもしれないだろうが物事が一般化して敷衍されるというのはそういうことなのだな。
冷媒管の接続は溶接によるかフレアー接続かのいずれかに限られるといっていいと思う。他にもあるのかもしれないが俺は見たことがない。どちらの方法もそれなりにコツみたいなものがある。
同業者諸兄が散々見慣れたフレアー接続である。銅管のカットとバリ取り,ツバ出しの際の飛び出し量など色々コツはあるが二昔くらい前に比べれば今日日はフレアーツールの出来が飛躍的に良くなったので余程変なことをやらない限り成形の失敗はまずない。
但し,いたちごっこみたいな話だが現在の混合冷媒は漏れ易い傾向がある。このことは以前記事にしたことがあったかもしれない。俺は自分の腕が悪いせいだと凹んでいたが周囲の仕事仲間に聞くとどうもやはり混合冷媒にはそういう傾向があるらしく,配管接続には気を使うようになったという人は結構いた。
それまではたいして気にしてもいなかったシール材に関心が向いたのは10年くらい前だったと思う。随分長い間無頓着な施工をしていたことを反省すると同時にシール材を上手く活用すると腕の悪さがある程度カバーできるご利益も実感できた。
漏れ止め用の補助材料としてはアサダが販売しているナイログが結構一般的ではないかと思う。
赤いパックはR-22などの旧単一冷媒用
青いパックが塩素を含まない新冷媒(混合冷媒)用である。品種は違うが仕様管はどちらも違いはない。
使い方については俺がここで駄文を並べるまでもなく親切な動画がある。
使い始めてからフレア部分の冷媒漏れ事故は確実に減少した。但しその使用方法について俺の周辺では見解が分かれている。
一方はフレアのコーン部分裏表を始め,全域に塗るものだといい,もう一方はあれは単なる弛み止めであってネジ山部分だけに限定するのが本当の使い方だと言う。非常に粘性が高いので配管内部に入り込むと膨張弁やドライヤーを詰まらせる原因になりかねないというのがその主旨だ。
動画によれば前者の用法で問題ないはずだが後者の意見にも一定の信憑性を感じているので正直,俺には判断がつかない。
判断基準としては冷凍機の製造元がどういう指針で施工の指導をしているか、なのだが困ったことに各社の統一見解はなく,件数的にもほぼまっぷたつに割れている。どんどん積極的に使用して構わない派と,あくまでフレアーコーンの奇麗な成形と締め付けトルク管理の厳格化で対応して頂きたい派の構図である。
俺自身の現状としては,少し前まではフレアーコーンへの使用は慎重だったが製造元の動画を見てからはバンバン使い始めるようになった。施工現場で結果が出るのは数年後だろうが一件こなすたびに落ち着かなさが堆積してくような気分である。
工事高や就労人口などから言えば前者の方が圧倒的多数なので,長い間冷媒管の扱いというのは一種,閉鎖社会に代々伝わる秘技のような見られ方をされる側面があったと思う。作業工具や工事材料で便利なものがどんどん出てきたのは物品税の廃止によってエアコンが広く一般に普及し,冷凍機屋の手が回り切らなくなったせいで住設屋までもが工事に手を出すようになってきた時代背景と重なっている。
そうなってくると,工事初心者でもしくじらないようにとメーカー再度で色々とご親切な工事の手引きみたいな資料を用意してくれて,余程トンチンカンな施工をしない限り余り不具合は起こらないことになってくる。
従来からの従事者にしてみれば長年手探りで身体に刷り込んだ技能を文書化されてそこら辺中に配布されるのは愉快でないかもしれないだろうが物事が一般化して敷衍されるというのはそういうことなのだな。
冷媒管の接続は溶接によるかフレアー接続かのいずれかに限られるといっていいと思う。他にもあるのかもしれないが俺は見たことがない。どちらの方法もそれなりにコツみたいなものがある。
同業者諸兄が散々見慣れたフレアー接続である。銅管のカットとバリ取り,ツバ出しの際の飛び出し量など色々コツはあるが二昔くらい前に比べれば今日日はフレアーツールの出来が飛躍的に良くなったので余程変なことをやらない限り成形の失敗はまずない。
但し,いたちごっこみたいな話だが現在の混合冷媒は漏れ易い傾向がある。このことは以前記事にしたことがあったかもしれない。俺は自分の腕が悪いせいだと凹んでいたが周囲の仕事仲間に聞くとどうもやはり混合冷媒にはそういう傾向があるらしく,配管接続には気を使うようになったという人は結構いた。
それまではたいして気にしてもいなかったシール材に関心が向いたのは10年くらい前だったと思う。随分長い間無頓着な施工をしていたことを反省すると同時にシール材を上手く活用すると腕の悪さがある程度カバーできるご利益も実感できた。
漏れ止め用の補助材料としてはアサダが販売しているナイログが結構一般的ではないかと思う。
赤いパックはR-22などの旧単一冷媒用
青いパックが塩素を含まない新冷媒(混合冷媒)用である。品種は違うが仕様管はどちらも違いはない。
使い方については俺がここで駄文を並べるまでもなく親切な動画がある。
使い始めてからフレア部分の冷媒漏れ事故は確実に減少した。但しその使用方法について俺の周辺では見解が分かれている。
一方はフレアのコーン部分裏表を始め,全域に塗るものだといい,もう一方はあれは単なる弛み止めであってネジ山部分だけに限定するのが本当の使い方だと言う。非常に粘性が高いので配管内部に入り込むと膨張弁やドライヤーを詰まらせる原因になりかねないというのがその主旨だ。
動画によれば前者の用法で問題ないはずだが後者の意見にも一定の信憑性を感じているので正直,俺には判断がつかない。
判断基準としては冷凍機の製造元がどういう指針で施工の指導をしているか、なのだが困ったことに各社の統一見解はなく,件数的にもほぼまっぷたつに割れている。どんどん積極的に使用して構わない派と,あくまでフレアーコーンの奇麗な成形と締め付けトルク管理の厳格化で対応して頂きたい派の構図である。
俺自身の現状としては,少し前まではフレアーコーンへの使用は慎重だったが製造元の動画を見てからはバンバン使い始めるようになった。施工現場で結果が出るのは数年後だろうが一件こなすたびに落ち着かなさが堆積してくような気分である。
結果が出るのは年単位なのですね!!それは日々落ち着きませんね(^^; 飲食店ではリピーターとしてご来店してくれるかが結果としての目安となります。味、雰囲気、接客等。自分個人としては、この刺身は食べれるのか傷んでるのかの基準は…食してみて3時間後、長くても次の日 健康に生きていれば、が目安になります(^^)d(笑)
by くるみ (2012-11-29 10:02)
くるみ様、いつもコメントありがとうございます。
現実的には良い運転状態が半年続けば修理としてはうまくいっているのだと身勝手ながら線を引く事にしています。
但し、老朽化した機材の修理で数年前の自分の処置に遠因があると思われる場面はやはりあり、気がとがめるというか忸怩たるものがあるというか、気にし過ぎなのかもしれません。
by HarryTuttle (2012-12-02 12:01)
塗り方にもよると思うのですが、確かに膨張弁関連のトラブルが後からやって来る気がしています。体感的にですけど…
ナイログおじさんが中熱交を交換すると、数ヵ月後に膨張弁関連でエラってくるんですよね…
ガスリークはなし。圧力見てると低圧側が瞬間的にゼロに近い所まで引っ張られてまた戻る!みたいな…
なので自分は基本使わない派です
by ヤマダ (2021-03-11 12:23)