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銅管を巡る困った施工例(続き) [困った業者]

 前回記事URL:

 ひとまず、仕事仲間の助力を得て修理はけりがついた。
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 冷媒補充を二回行ったので合計三回のチャ−ジで使用量は訳12kg、ボンベ一本をまるまる使用した事になる。

 これで全て終わりのめでたしめでたしというわけではない。懸念材料は消えていない。
ガス漏れの発生した配管を眺めているうちに俺は段々訝しい気分に襲われた。この障害にはどうしても腑に落ちないところがある。

 前回記事で書いたように、冷媒の漏れは殆ど全てと言っていいほど接続箇所で起きるか、配管途中で起きる場合は冷媒管が保温材で保護されていない状態で他の何かと摩擦が起きている時かのどちらかなのだが今回はそのどちらにも該当していない。
 配管途中でピンホールが発生する事例にまだ俺は遭遇していない。
思い出してみると、配管の腐食がひどかった。まるで硫黄のきつい温泉場とか塩素の影響を受けた銅管みたいに真っ黒になっていた。保温材の中に収まっていてそうなる事例を先に書いたような温泉場のような特別な周辺環境以外では俺はまだ見ていないのだ。何故そんなことが起きるのか。

 切り取った銅管を拾い上げてしげしげと眺めているうちに何か変な気がした。
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 黒ずんだ錆び方、ざらついた表面はあばたのように凸凹している。特に気になるのはパイプベンダーで曲げ加工をしたその痕跡で、ベンドした箇所にこれまた凸凹の皺が生じている。加えて、手に持った感触として何だか軽い。

 切り取った漏れ箇所を家に持ち帰り、あれこれ調べてみた。
帰り道の途中で思案していたある事を確かめておこうと思ったのでゴミ箱行きにはせずにおいたのだった。
 手持ちの、冷媒管と切断面を見比べてみると明らかに配管の肉厚が薄いし、長辺方向を手に持って曲げようとしても曲がらない。俺は自分の仮定に確信を持った。
 それは冷媒管ではないのだ。ずばり言えば給湯用の銅管を冷媒管として使っている。曲げ加工をした時に皺が発生するのはそれがなまし管ではなく直管だからで、肉厚が薄いのも流動摩擦による摩滅ではなく元々そういう肉厚だったからだ。
 錆による表面の荒れ具合も銅の純度が低い給湯管だからだと考えれば説明がつく。

 誰がやったんだか知らんが、それにしてもひどい工事だ。
現場では、冷媒漏れこそ起きていないものの錆は相当広範囲にわたっており、いつ、どこから漏れてもおかしくない状況である。
 学校給食センターという官庁施設でこんな工事がされているのかと信じられない気分だ。何といっても所有者である町役場にこんなとんでもない話を報告するわけにはいかない。直接の依頼元には全容を伝えておく必要があるが,末端ユーザーにまではまずいだろうな。

 使用者の方でこのブログを読んでおられる方はさほど多くなさそうだが,あんまり施工業者を叩いて値切りまくるとこういう工事をされるかもしれんぞ。物事程度というものがあるということは知っておいた方がいい。
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コメント 3

007

給湯用を使用したとは!!!驚きました、、、
お品を保存して正解でしたね、、、

まあこれは、施主側の値切りや価格競争の結果とも言えるし、施行者の不正とも言えるしで、、、
で、再発も今後考えられて、、、

電気の現場でも、ビス止めせずガムテープを両面テープ代わりに使ったり、
電源穴開け面倒ゆえに、ケーブル毎器具固穴から引き出して全ネジボルトにナットで共に閉め込んだり、酷いのがあります(^_^;)
by 007 (2013-06-22 17:09) 

くるみ

これは 都市伝説的な噂かもしれないけど たこ焼き屋さんでタコより安価なイカの足で代用する事もあるらしいです!? そんな感じでしょうか(^^; お客様の無理な金額提示なのか、業者さんの少しでも儲けたい気持ちなのか、どちらでしょう?
by くるみ (2013-06-23 01:30) 

ぶーやん

熾烈な入札競争の末、落札価格が厳しいと当然下請け、孫請けの施工業者には強烈な価格で施工を強いることになります。当然使えるものは何でも使って価格を抑えて予算内にまとめなければなりません。地方公共団体の入札では使用する機材、機器の型式指定はありますが使用する材料についての指定や基準は無い場合が多いので勢いこういう施工がまかり通るのでしょう。真面目な業者は赤字入札以外で落札すらできないのが現状ではないでしょうか?
by ぶーやん (2013-06-25 17:22) 

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