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在庫の現金化に励む 2 [日記、雑感]

 これまで何度か取り上げた事のある某国立病院で稼働中の温冷配膳車は松下電工製のもので,修繕の際に融通が利かないとか何とかいう理由である時期から俺が修理を受け持つようになった。
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 不運なことに,その病院に収まったロットの個体は膨張弁が詰まって冷えない不具合が納入後二年くらいから多発した。

 膨張弁は配管溶接で取り付けられているため、修繕の道具立ては厨房屋にしては結構大掛かりなものになる。
 俺は商売だから金のために修繕を行うのだが、こういった比較的費用のかかる修繕を要する障害が保証期間が切れて幾らも経たないうちに多発するようでは使用者の立場としてはたまったものではないだろう。
 この配膳車は冷蔵室が3室独立しており、冷却器と膨張弁もそれぞれ3個ずつの構成である。納入されたのは3台で合計9カ所の膨張弁がついている事になる。
 正確な数は思い出せないが膨張弁の詰まる障害が起き始めたのは3年目位からで、その後3年くらいの間に5カ所かそこらは交換したと思う。

 製造元の松下電工は販売店でもない俺のような野良犬業者に対しては対応が大変冷たい。
まあ、松下という企業の技術的な問い合わせに対する対応の陰険さは昨日や今日の話ではないのであって今更ここでグダグダ言っても始まらないのだが、俺の知る限り国内電器メーカー中最低だと考えている。
 純正パーツである膨張弁を取り寄せるにしてもああでもないこうでもないと御託を並べ、散々待たせるだけ待たせておいて補修パーツは定価販売ときた。これが日立や東芝なら俺に対する仕切価格と末端宛の販売価格が明示されてくるのだが松下はそうではない。

 おまけに純正パーツであるのをいい事にその価格は安くない。純正とは言ったって勿論松下が社内で膨張弁を制作しているわけなどなく、冷媒管工事関係者にとってはお馴染みの富二工機製で、R-22,0.3t,内部均圧式で何の変哲もないカタログスペックである。
 汎用品として販売されている膨張弁との違いとはその外見で、本体と感温筒を結ぶキャピラリーが短い事と接続用の配管が短い事くらいしかない。要するに外寸を切り詰められるだけ切り詰めた、ただそれだけだ。
 しかしその実装は特段窮屈な場所でもなく、一度などは導入後4年ほどで故障した機体の膨張弁つまりで納期があんまりかかるので仕方なしに在庫していた手持ちのフレアー接続の膨張弁で代用した事があったがその後6年経っても何のトラブルも起きていない。パーツの価格は4割くらい純正品が高価なのだから笑わせる。

 実際のところ、今日日は配管のシール剤に優れた素材が沢山出回るようになってきたので接続箇所からのガス漏れの可能性を低減するために溶接タイプの膨張弁という仕様には大して説得力がないと俺は考えている。
 溶接だろうがフレアーだろうが取り付けスペースには差がないのだし、不具合があって交換する時には溶接機を持ち出さなくてもモンキー2丁で事が済むのだからかえってフレアー接続の方が有り難いくらいだ。

 そんなわけで俺は以後、その病院での配膳車修理の際には胸くその悪い松下電工から純正品の膨張弁を仕入れる事をやめて日頃取引のある問屋から汎用品を仕入れて済ませるようになった。
 修理屋の良心として、当然ながら仕入原価の低減は修繕費に反映させて頂く。配膳車に限った話ではないがどんな修理であれ同一スペックであれば代替品の方が安く済むと修理屋に言われて高価でも良いから安心のために純正品を使ってくれというリクエストは今のところまだない。
 
 但し、この修理が多発するせいで一個は持っておこうと数年前に取り寄せた純正品の膨張弁が一個、俺の作業場の肥やしのようになって眠り続けていた。俺はそれを大変忌々しく思い、なるべく思い出さないようにしていたのだった。何しろ奇矯な形状なので配膳車の補修用意外には殆ど使い道がなく、肝心の某国立病院でもここ3年くらいは同種の障害が起こっていない。

 そんな中で最近、数年ぶりに配膳車の膨張弁が詰まって冷えない故障が起きた。
当然俺は作業場の肥やしに成り果てた件の膨張弁の事を思い出して出庫する事にした。
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 画像は交換直後の様子である。左上に見える金色の物体が俺の長期在庫品で下方に見える同一形状のものが故障品だ。さすがに10年使っただけあって真っ黒に変色している。

 前段で書いたように純正品の膨張弁は外寸を無理矢理切り詰めているために接続用の配管が短く、溶接が大変やりにくい。同業の諸兄は既にご存知と思うが冷媒管のヤクモノを配管溶接する際にはトーチの熱で破損する事を防護するためにパーツに濡れた雑巾などを巻き付けておくが、接続配管があまり短いと接続箇所の温度がなかなか上がらず、溶接に手こずる。
 画像を見て頂ければ容易に判断できると思うが、膨張弁の周辺はスカスカに空いていて何もこんな、無理矢理小型化した特注品でなければならない必然性は全然ない。値段は高いし取り付けはやりにくいしていい事など一つもないのだ。

 ともあれ俺はこうして一点、作業場の肥やしをマネタイズできてちょっと嬉しい気分な訳だが、あらためてこういった有象無象を眺めていると俺の決して多くはない稼ぎがこういったわけのわからんパーツ類に化けて眠り続けている事にがっくり来る。商売を始めた頃からこういう状況を薄々覚悟はしていたがこんなやり方では俺は金持ちになれない事は間違いない。
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在庫の現金化に励む [日記、雑感]

 この作業は先月末頃に行ったもので,ブログを再開するにあたって何だかバツが悪いのだが,更新のやる気を失ったわけではないという弁解みたいな記事だ。大した内容ではないし,長文化する俺の悪癖を踏まえ,手短にやっつけ記事みたいなことを書く。

 ある夜,夕食を摂りに行った某中国料理店でのこと,そのお店のオーナーは俺がもう20年以上もご厄介になっている方なのだが,ホールに出て来て飯を食っている最中の俺にタイマー制御されているはずの屋外照明が点きっ放しなので修繕しといてくれとの御依頼が来た。
 得意先というのは大事にしとくもんだな,と我ながら思うぜ,諸兄。

 最近,時間を見つけてはあれこれと制御回路を書いているPLCを活用する場面か!と俺は嬉しくなったが親方との相談によればあまり込み入った制御にはして貰わなくていいからとにかく安くあげてほしいとのご意向である。
 余談だが,打ち合わせをする上ではお金を出す側がどうして欲しいのかを明らかにしてもらうのは大いに助かる。それが金銭的に旨味がなかったり現実味がなかったりのものではあってもだ。

 3日後,現調もしないで俺は行き当たりばったりに作業場にあったデッドストックの部材を幾つか携えて件のお店に乗り込んだ。間違って買い込んだまま、材料屋に返品するのを忘れてデッドストックになってしまったタイムスイッチが俺の作業場には幾つか転がっていたのでどれかが使えれば儲け物だというスケベ根性が働いていたことは白状しておく。

 乗り込んでみると随分古めかしいタイムスイッチがついていた。100V仕様の同一回路で、俺の持ち込んだ部材に一致するものがあり、安価な材料でもあったのでそれを使うことにした。
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 交換後の様子だ。タイムスイッチ一個,開閉器一個の簡単な制御回路であり回路図は添付されていなかったがまあこの程度なら俺の頭でも目視で配線を追うことで何とかならないこともないが、手書きのスケッチ程度でもいいから添付しておくのが流儀だろう。俺は今回,書き残してボックスの蓋に貼付けておいた。

 電気の作業は無電圧で,というのは鉄則だが屋外照明をタイマー制御するこの回路がどのブレーカーであるのかが分電盤には記述されていない。営業中に背中を押されての作業だったので,仕方なしに今回は活線作業となった。本職の電気工事屋ではないのでビビりながらの修繕だ。
 幸い店内照明を落としたり爆弾スイッチをこしらえるようなチョンボはなく,試運転は無事に済んだ。

 親方は随分気前がよく,一週間程して見積書を届けに行った俺の前でいきなり財布を開けてお金をくれた。
修繕費は税別一万二千円也だ。廃版になったタイムスイッチの現行品との交換,回路図なし,活線作業と考えれば特段高くもないだろう,と俺は恩着せがましく考えておる。
 頂いたお金は翌日,京都から見えられたお仕事仲間との晩飯代としてこれまた俺のある得意先で消えた。

 修繕の依頼元は一万二千円で完了,俺はデッドストックをうまい具合に現金化,別の某得意先は売り上げが立ってそれぞれにハッピーなわけだw
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ガチで凹む日々 [日記、雑感]

 考えてみると,日々の仕事に於いて快心の出来などというのは幾らもない。殆どないと言った方が正しそうに思う。実のところ,ぼろを出さずに済んだとか,何とかなったという程度の結果が大半ではないのか。

 日増しにややこしい仕事が増えつつあり,そこへ持って来てしくじる仕事だの手こずる仕事だのが出て来て,目下俺は結構凹んでいるのである。
 
 沈む気分に追い討ちをかけるように,しばらくぶりに結構気合いの入った修理記録を記事にしておこうと意気込んでいたのだが,一気に書き上げようとしてあと一息で長文をものにしかかっていたところ,So-netのサーバーエラーで俺の修理記録の記事は電脳世界にに於いて粉々に飛び散り,無情に消え去った。

 やる気がなくなるぜ,もう。
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得意先での外食で生じる副産物 [日記、雑感]

 俺の商売は飲食店を得意先とする事はあり、多くの人類がそうであるように一日に三度は腹が減り,飲食店での外食は当然あるし,日頃はお世話になっているので自分の得意先を利用する事もまた当然ある。

 昨日日曜日の夕食,俺は知人と一緒に晩飯を外で食う事にした。
どこに行こうかと思案した結果,俺がかれこれ二十年来お世話になり続けている某ステーキレストランに予約を入れた。
 このレストランは特にドレスコードがあるわけではないが,俺の住む田舎町では結構敷居の高そうな店で,ある種のお偉いさんたちの接待用に使われる事が多い。ホールの面積のうち半分はプライベートルームであると書けばどういう店であるか諸兄には大体ご想像がつくと思う。

 特段贅沢自慢をしたいわけではない。
長らく仕事でお世話になり続けていることもあって、恩返しとまではいかないまでもこちらの懐具合が悪くない時には何かしらお返しをしておきたいとは思う、その程度の倫理観は持ち合わせているつもりだということ。

 俺の連れは遠慮が働いたのか比較的簡素なセットメニューをオーダーしたのだが,出て来たのは俺と同じ内容でそのセットにはないはずの豪勢な前菜で,サーブに現れた店長が意味ありげな笑いを浮かべてウィンクしていった。何というか恐れ多い話で,役得と言えば役得ではあるがとにかく恐縮する。
 
 それでメインディッシュであるステーキを見て俺は仰天した。
お恥ずかしい話だが俺は身体に染み付いた貧乏根性が働いて部位はロース,ポーションは半ポンド(230g)でオーダーしていたのだがサーブされたステーキプレートに鎮座していたのは部位はサーロインでそのポーションは間違いなく2/3ポンドはありそうな代物だった。プレートからはみ出した巨大なステーキに俺は大いに怯んだ。
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 サーブに現れたのは日頃ホールに出てくるのが大嫌いなはずの料理長だった。彼もまた意味ありげな笑いを浮かべていた。プレートをテーブルにセットする彼に俺は部位もポーションも自分のオーダーとは違っている旨を伝えると料理長殿は薄笑いを浮かべながら「いやーこれは間違いで」と言い置いてそのままバックヤードに引っ込んだ。
 何か気を利かしてくれているのだとすれば大変有り難い話ではあるがしかし,人生の折り返しを過ぎてすっかり馬力の落ちたオヤジにでっかいステーキは物凄い威圧感を持って迫ってくるのである。見ているだけで腹一杯になりそうな物体だ。

 俺は必死の思いでそのステーキをどうにかこうにか平らげた。食い意地が張っているのは確かだがせっかくご好意を働かせてくれているのだから食べ残しては失礼だろう。
 会計はメニュー通りの値段で、ホールマネージャーである店長殿は至って事務的に特別なことはしていませんから、と恐縮する俺をたしなめた。そんなわけは絶対にないのだが。

 それで問題はそのレストランを出てからだ。 
 以前,別のあるところで似たような場面があったが同じポーションでも例えばハンバーグの350gとステーキの350gではわけが違う。正真正銘,350gの牛肉の塊は大いにヘビーなものだ。
 鶏や豚なら話はまた別だが牛の350gで、焼肉やハンバーグではなくステーキとなると猛烈に重い。胃にもたれることも胸焼けすることもないのだがとにかく丸一日くらいは食欲が全く湧かずに妙な満腹感が体中を支配する。
 ほぼ24時間後の今日の夕方,ようやく俺の体は幾らかの空腹感を訴え,俺は日常通りの貧乏飯を摂ることにした。何というか,非日常的な場所で非日常的な食事をとる経験は色々な意味で強い印象を残す。

タグ:ステーキ
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篭城計画四日目 [日記、雑感]

 タイトルの通り。篭城は四日目を迎えた。何もなければこの後6日から仕事始めとなる。

 分刻みとか秒単位が仕事の中で出てくる関係で,こうしてのんべんだらりと時間を浪費する事で何か自分の時間感覚は幾らか補正されるように思う。
 暗くなったら眠り,明るくなったら目覚め,くたびれたら休み,腹が減ったら食う。元々人間の生活はそういうものではないのか。

 他人が休んでいる間にせっせと働くとか一円でも安くとかいうことが無条件の美徳のように褒めそやす価値観を突き詰めていくと,奴隷を山ほどかき集めてのべつまくなしにこき使うことで大儲けする誰かのビジネスモデルに行き着くに決まってる。
 
 こうして数日,ぼーっとしながらこれまでも自分の成り行きを思い返してみるに,世の中全てが段々上に書いたような状況に近づきつつあるように思う。そういう風潮は更に進んでいくだろう。
 大きな資本を持つ組織が二束三文の人件費で沢山の貧乏人をこき使って安い商品を大量に販売する。沢山の貧乏人は金がないので何でもかんでも安いものに飛びついて消費する。俺は経済については全く無知だがデフレスパイラルとか格差社会というのはそういう構造だと認識している。

 日曜とか祝日に俺の携帯電話に連絡を寄越して来て(お休み中のところ申し訳ないが)の一言もなしに切り口上でいきなりあれが故障したから今すぐ修理しに来いとか抜かす大馬鹿者は少なくない。という過去の手の輩は年々増えつつある。
 ついでに書くとこの手の連中は大体,俺が日曜だの祝日だのに対応した場面で(お休み中のところ無理を言って済まなかった)の一言もない。
 出向いて直に顔を合わせ,働いているところを仕事の傍ら横目で見ていると彼らの多くは上に書いたような奴隷のなりかけみたいな勤務形態の人間だ。手厚い保障があるわけでなく,年中無休の施設で時間から時間の労務に明け暮れ,金については何の決裁権もなく,決まりきった手順のルーチンワークを飽きる事もなく繰り返して安い給料に甘んじている。そういう人達だ。自分が雇い主からは半ば家畜やモノのように扱われているので他人にも同じように接する事に疑問を感じないのだろうと俺は常々見ている。

 しかし,こういう構図を良しとせずにその仕組みから脱却しようとする人達は一定の割合で必ず発生する。人にはやはり個人としての実存があるのであって,俺自身も以前はこういう人達に近い環境で社畜としてこき使われており,色々事情があってそこから抜け出した手合いである。

 今のところ篭城中はまとまった時間が出来ているので,学生の頃に一度読み,働くようになってから数年前に買い直した本をまた読み直している。


失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)

失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)

  • 作者: ミルトン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/01/16
  • メディア: 文庫



失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)

失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)

  • 作者: ミルトン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/02/16
  • メディア: 文庫


自分を取り巻く仕組みを疑い,時に抗う事によって人は実存に目覚めていくものだ。自分で決断し,自分で責任を取る。自由というのはそういう事であって,重苦しく緊張したものだ。繰り返して読むに,改めてそう思う。

 そんな時間が今年の6月で10年目を迎える。こんな調子でどこまでやっていけるのか見当がつかないが9年と半年くらいは色々失いながらもどうにか続いた。
 人を家畜のように扱う事や家畜に甘んじる人達の構図は今年,消費税の増税を境にますますエスカレートするだろう。信念という程のものではないがそんな中で俺のやり方はどれくらい受け入れてもらえるのか,読了してから漠然とそんな事を思案した。年頭雑感のような記事だ。
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篭城計画 [日記、雑感]

 昨年の歳末は30日の夜まで修理に追われ,大晦日にはよりによって自動車のパワーウィンドウがぶっ壊れて閉まらなくなくなるという災難に見舞われ,まあひどい目にあった。
 少し前の記事に書いたように今年は秋口の終わり頃が忙しく,歳末は比較的落ち着いており,俺も結構のんびりしている。先の事はともかく、のんびりできる事自体は喜ばしい。

 例年そうであるように,12月31日から1月5日まで6日間の俺はタバコとコーヒーを沢山買い込んで引きこもり生活を決め込む。来客はお断り,出かけるのもイヤだ。俺は元々人好きのする性分ではない。日頃は生活のために愛想笑いしてるだけだ。この時期に俺に仕事をねじ込むと安くないぞ。
 例年の習慣として,深夜からの俺は菩提寺に除夜の鐘を突きに行き,本堂で勤行をあげてから帰宅して映画を見る。演目は大体以下の二つのうちのいずれか。
 
2001年宇宙の旅 [DVD]

2001年宇宙の旅 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


近年は生きる事に疲れてきたのでこちらが多いか。

惑星ソラリス [DVD]

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  • 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
  • メディア: DVD


 いずれも長編であり,何とも濃密なモチーフなので単純明快な娯楽映画ではなく二本立て続けに見るものではない。
 見終える頃には既に午前6時近くになっており,そのまま寝る。初詣はパス。俺は人ごみが嫌いだ。それからの五日間を出来るだけ家の中でゴロゴロして何もせずに過ごす。俺はこれをてきとうに篭城計画と名付けた。
 思うに,人間何が贅沢と言って長い時間を無為に過ごすくらい豪勢な事はないことにある時俺は気づいた。何も生み出さず,思い出も作らず、ただただのっぺらぼうな時間をやり過ごす日々を俺は決め込むのである。
 
 それでは諸兄,良いお年を。来年また会いましょう。
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2013年歳末の状況 [日記、雑感]

 例年になく静かな歳末を過ごしている。
静かである事と仕事が暇である事が同義であっては困るが幸い,そのような事にはなっていない。
これは修繕一件当たりの単価が上がってきている事を表している。

 全体的な状況としては,厨房機材のメーカーはメンテに力を入れており,利益額確保のためになるべく外注による処理を減らす方向で動いている。
 しかし一方で,使用者の側は以前に比べて機材の運用期間を長期化させる傾向があり,中々リプレースに踏み切らない場面が増えつつある。
 加えて,一部では納入業者である厨房メーカーの提示する修繕の所見に疑問を抱かれるケースが増えつつある。そこでセカンドオピニオンと言うか,俺のような野良犬業者の事をどこでどうして知ったのか,お声掛かりが出てくるわけだ。
 好意的に見て,メーカー側からすると既に補修パーツの最低保有期間を過ぎ,その対策もなされない状況下での障害となると改造によらざるを得なくなるわけで,PL法などという法制度が敷衍されている昨今に於いては尚更好き勝手な改造まがいの修繕を製造元の責任で行うのはリスクが高いので足踏みの場面が出てくる。

 ある時期まで、それは所有者がリプレースの決断を迫られている事を表していたが現在は所有者の自己責任で改造もどきの修繕を行う事で延命を計るユーザーも微々たる数だが現れるようになって来て、そこに俺のような者が食い扶持を稼ぐ余地も生まれて来た。
 要するに俺のお仕事の内容はますます裏街道のモグリ業者的性格を強め、メーカーサービスが見放した機材を漁るハイエナ的性格を強めつつある。

 メーカーは内作した故障診断資料の手順に則った定型業務(それはしばしば単なるパーツ交換作業に過ぎない労務だ)の範囲内で、取りこぼしを最小限に留める事に余念がない一方、定型から外れた処置を行わなければならない場面はどのようにして捌くかを未だに定めきれていないように俺には見える。

 しかし考えてみればこれはおかしな話で、通常一般に工業製品の故障に於いて製造元の所見というのは厳然たる規範であり、最終回答ではないのか。
 家電製品や住設機器で言えば、街の販売店や設備業者がご用聞きのようにして提携業務を行い、彼らの手に余るデリケートな所見を要する場面においてお出ましになるのがメーカーだと言うのが一般的な図式ではないのか。そこへ行くと俺のところに転がり込んでくる依頼ごとは上に書いたような厄介ごとが段々増えて来ており、困った時の神頼み的な、何とも虫のいい利用のされ方をしているもんだ。

 これまで色々書いて来たように、メーカーの尻拭いや身勝手な使用者の駆け込み寺のような仕事を積み上げていくうちに俺の人間観は段々、シニカルなものになりつつある。 
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飲食店の経営とネットの影響力について愚考する(2) [日記、雑感]

前記事「飲食店の経営とネットの影響力について愚考する」のURL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-10-20

 その後,ネット上で件のバカ学生の画像が拾えたので貼付けておこう。
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 記事には大型食器洗浄機と書かれていたので,俺などはコンベアータイプの食器洗浄機を想像し,どうして蕎麦屋にそんな大それたものが必要なのかと疑問に思い,そもそもそんなバカな買い物をする蕎麦屋だから潰れるのだとか何とか思いっきりここで嘲笑してやる腹づもりでいたのだがこの画像を見て,早まった事をせずに良かったとは思った。
 まあ、幾ら何でも蕎麦店にコンベアータイプはないわw

 それはそれとしてこのバカ学生だ。
聞くところによればこの大馬鹿者は閉店した蕎麦屋から営業保証だか損害賠償の請求を受けており、民事訴訟の相手方となってしまったらしい。
記事名:ツイッターおバカ画像でそば店が初の破産
記事URL:http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/196150/

 記事から読み取れるのは元々この蕎麦店は先代が亡くなった後、経営は傾き始めていたらしい。そこへ持って来てこのアホの所行によって更に評判を落とし、閉店と相成った次第のようだ。
 バカ学生はネット上で素顔を晒しており、在籍している大学や実名も特定された模様。
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 バイトとは言え、こんなたわけ者を雇っている店となればそりゃあ首を傾げたくはなる。

 しかし元々大して経営状態が良くないところへ持って来てこの騒ぎだ。
バカ学生の投稿は蕎麦屋に大きな災難をもたらしたわけだが果たしてそれが全てなのか。
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 損害賠償5千万円とは何とも凄い話で、まさかそのままの金額で判決が出るとは思えないが、このノータリンが一生かかっても返済できなさそうな賠償額となるのはまず間違いないだろう。判決に仮執行権は付与されるだろうからバカ学生はこの先一生、差し押さえの恐怖と戦いながらせいぜい返済に務めれば良い。持ち家は諦めた方がいいな。
 考えようによっては経営者にとってこのバカの出現は僥倖だったとも思える。どれくらい負債の穴埋めになるかは知らないが、とにかく国のお墨付きを貰った上でむしり取ることのできるカモの登場だったわけだが、自分らの経営の良くなさは棚に上げてこいつに責任を全部おっ被せるようなやり方はちょっとずるくはないかw

 俺個人の見方として、このアホ学生の親は自分らのしつけの悪さがこういうカスを生み出した事の責任を肝に銘じるべきだが、きっと両親にそういう感覚はなく、ただただ自分の愛しい伜が性悪な蕎麦屋にひっかけられたという被害者意識しか持ってないだろう。
 自分は無条件に素晴らしい人間で、世界中の全ての人から注目され愛されており、やる事なす事の全てが周辺を幸福にしたり面白がらせているのだというトンチンカンな錯覚を抱いている困った輩は世間中に溢れており、俺の周辺でもゲップが出るほど沢山見かけるが、無制限に肥大化した自我というのは本当に困ったもので、自制が効かないのであればそれは何らかの制限が外部から加えられるべきだが、こういう困った奴が生まれてくる背景をやれゆとり教育だとか日教組がどうのとかいった点に原因を求めたがる連中もまたこのバカ学生と同じくらい愚劣な脳味噌の持ち主だと日頃俺は内心で嘲笑しているのである。(この項続く、かも)
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側湾 [日記、雑感]

 気付いたのは数年前の事だが、俺の脊椎は右側に湾曲しているのだそうだ。
健康診断の際にレントゲン写真を撮って医師に指摘された時、あらためて俺はこうして歳を取っていくのかなあと暗い気分になった。

 完全にまっすぐというのは現実にはなく、誰でも多少は湾曲はあると医者は言ったが俺の脊椎は指摘が出る程度の曲がり具合ということだ。
 障害が出る心配はない程度なので特に治療は必要ないとのことではあったが、歪んだ背骨の写真を目の当たりにしてこれが俺の身体なのだと思うとあまりいい気分ではない。

 仕事仲間にその話をすると、どうやら脊椎の即湾は俺だけではなく結構多いらしいことがわかった。
共通して言えることは現場施工よりも修理に従事する人に多い。それも定型作業が少ない人ほど多いようだ。
 
 改めて医者に聞いてみると、俺のように年がら年中道具箱をぶら下げて歩く人種の、一種職業病みたいなもので大体かばんは利き手で持つのでその方向に曲がってくるものらしい。
 ためしに俺が普段持ち歩くツールバッグの目方を量ってみると大体15kgあった。年がら年中、朝から晩まで、そういうものをぶら下げて歩き回る生活を30年も続けていればそりゃあ背骨だって歪もうというものではないか。

 身体をすり減らして働くというのは言葉の上だけの話ではない。
実際,俺の周囲を見回してみると仕事仲間は爆弾持ちだらけだ。やれ膝が痛い,腰が痛い,他にも色々ある。これまでの記事で何度か書いたと思うが俺は両側の手首で腱鞘炎がしょっちゅう起き,左側は7年ほど前に手術して腱鞘を切除してある。年に一度,一ヶ月程度は両手首の筋が炎症を起こして仕事に不便をかこつ。

 話題は少し飛躍するが,俺はきっと年金の恩恵にあずかる事の出来ない世代なのではないかとかなり前から確信に近いものを抱くようになった。
 社会保険庁から送られてくる案内を見るたびにこれこそ国家的な詐欺行為ではないかと腹立たしい気分になる。年金の積み立てなど本当に馬鹿馬鹿しいとしか思えないのだがサラリーマン時代から通算すれば鼻先に人参をぶら下げられた馬のような状況にあるので受給資格が得られるまでは我慢しいしい払い込みを続けておいた方が良いのだろうな,とは渋々思う。
 しかし,結局俺のような底辺層の住人はまともにおまんまを食い続けていこうと思えば受給される年金だけでやっていけるはずなどないのであって死ぬまで働き続けていかなければならないのは明白で,そうするとこうして日々,劣化していく身体がどこまで持ちこたえてくれるかが気になりはする。

 いずれどこかで野垂れ死に,というのが恐らく俺の終わり方だろう。
それがいつの事なのかを知る術はないのだが,とりあえず明日の飯の種のために壊れつつある身体をすり減らす毎日。そういう日常がこれから先も続く。
タグ:脊椎
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とあるホテルのスカイラウンジにて [日記、雑感]

 本当に久々の更新。
書きたい事がなくなったわけではない。むしろその逆なのだが書き残しておきたい事が多過ぎてついズルズルと書きかけのテキストばかりがどんどん溜まっていく現況である。
尾籠な話で恐縮だが,俺にとって書く行為は一種,精神の排泄だとある時気づいた。排泄には快感が伴うべきだがどういうわけだかここしばらくの俺は書けば書く程ストレスの貯まるような精神生活が続いていてどうにも自分のブログページを開くのが億劫になっていたのでございます。頭の中ではうまく整理がつかないが,言ってみれば精神の糞詰まり状態がここ一ヶ月以上続いていたわけ。

 本日の俺は午前中,とあるホテルの最上階にいた。
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 そこは以前,立派なスカイラウンジだった。レストランとバーの併設された見晴らしのいい場所だった。上の画像はそのバックヤードである。

 左側に見える冷蔵庫を見て,同業者の諸兄であれば疑問を抱く事と思う。
通常,業務用の冷蔵庫は箱の上に冷凍機が乗っているわけだが画像に現れているものはそうなっていない。
この冷蔵庫は6枚ドア相当の外寸だが,画像にある通り右下ドア一枚分は食材を納める造りになっておらず,水冷式の冷凍機が取付けられているのだ。内部の冷却器は自然対流式のヘアピンコイルで、とどのつまり数十年も前によくあった町の冷凍機屋さんが製作,施工した特注品だ。
 
 このホテルのオープンは40年以上も前で、件の冷蔵庫はそれ以来ずっとここに鎮座している。分電盤の開閉器を投入すると無骨なコンプレッサーの回る音がしたが冷え方の確認はしていない。
 一度止まった時間がまた動き始めた,そんな物音に妙な感慨を覚えた。

 オープン当時,世の中は高度経済成長期を過ぎて第一次オイルショックの最中だったと覚えている。うなぎ上りの成長は影を潜めたものの日本経済はまだまだ上り調子であり,バブルの崩壊までにはあと20年くらいの時間がある,現在の視点で振り返ればそこがこのホテルの出発点だった。
 当時の俺はまだ小学校の高学年程度の年齢であり,ホテルとはどういうところなのかもろくすっぽ理解できていなかったが、件のホテルは単なる宿屋ではなく結婚式の披露宴や各種のパーティが行われるところでもあるらしいというのは周辺の大人達の会話から何となく察しがついた。

 その後数年して中学生になった俺は、ある日同級生と一緒にこのホテルに入ってみた。ロビーに敷き詰められたふかふかの絨毯の感触やフロントに立つスタッフの身なりからして俺達がおよそ場違いなクソガキである事は歴然で,事実その時の俺はロビーに隣接したコーヒーラウンジで飲むお茶代程の持ち合わせも所持していなかった。
 何の目的もなく単なる好奇心だけで俺と同級生はエレベーターで最上階に辿り着いた。外見からすると最上階には大きなガラス窓が巡らされており,そこに辿り着けばさぞかし結構な景色が眺められるだろうといった他愛もない気分でいた。
 最上階でエレベーターのドアが開くと広々としたフロアーであるはずのその階は3方向に豪華な雰囲気のドアで遮られていた。それぞれが何であったのかを今は正確に思い出せないが,真正面にあったのはフロスティガラス製のドアではなかったか。Sky Loungeと書かれていた事は覚えている。周囲の雰囲気は明らかに洟垂れ小僧が遊び半分で踏み込んではならない場所である事を滲ませており,どちらからともなくひそひそ声で下りるか,と言い出し,俺達は神妙な気分で下りのエレベーターに乗り込んだ。

 そのホテルは今から10年と少し前,デフレスパイラルの最中に業績悪化により倒産し,閉館となった。俺は結局,ガキの頃には別世界への入り口のように見えたフロスティグラスの向こう側を体験する事がなかった。

 ホテルは閉館後,数年して別の出資者によって再開された。請け負った運営会社の方向性は宴会や最上階のレストランなどは切り捨て,安価なビジネスホテルとしての営業に徹するというもので冷え込んだ世相が如実に反映されていた。
 しかし,出張客相手のビジネスホテルというのは大体,移動の便宜上は駅の直近に立地していた方が営業上有利なのは明らかで,市街の中心から少し離れたところに建てられたこのホテルが、幾ら減量経営に徹してロープライスを謳ったところで良い業績をあげられる目算が立たないのは明らかで,これに加えて運営会社のありようは随分と無茶苦茶なものであったらしく,再建の出資者は数年してホテルに見切りを付け,市内の某不動産業者にこのホテルを売却してしまったのだった。

 俺が今日,訪れたのはそういう流れの中での事だった。
厨房機材に関係した要件ではなく,畑違いの電気屋としてで、長くクローズしていた最上階のスカイラウンジだったフロアーを宴会場として使いたいのでワイヤレスマイクやミキサーアンプの設置や動作確認を依頼されたのだった。この商売ネタを俺のところに持ちかけてきたのは奇しくも中学生の頃,この最上階のスカイラウンジの入り口であるドアの前で回れ右をして退散した同級生その人である。

 テーブルや椅子の撤去されたホールはがらんとしており,二方向に大きなフィクスドガラスが巡らされた窓からはすっかりシャッター通りとなってしまった市街地が見下ろせる。ホールの奥にはバーカウンターがあり,夜景を見ながら一杯引っ掛けられるような造作だ。

 俺は脚立を担いであれこれと作業をしながらかつてここで展開されていたであろう風景の事を想像していた。ドレスアップした身なりで予約待ちの間バースツールに腰掛け,夜景を眺めながらカクテルなんぞを嗜み,テーブルに案内されてディナーと相成る。特別な時間と場所、非日常の世界を満喫し,記憶に刻み込んだ人達は今,どこでどうしているのか。
 自分自身のこれまでを振り返ってみて,ホテルのスカイラウンジにはおよそ似つかわしくないありようだったと思う。これから先の短い時間の中でそういう場所にふさわしい者になる事はない。たまさか小金を手にして見栄を張ろうと思ってもそれが実現できる場所は俺の住む田舎町にはもうない。視界に入るもの全ては貧相になり,荒廃していって以前の賑わいを取り戻す事はない。
 失う事と諦める事を積み重ねていく。人生の後半というのはそういう時間なのだな,と,俺はがらんとしたフロアーの片隅でミキサーアンプの配線を調べながら少しばかり感傷的になった。傍らの相棒である同級生は携帯電話を片手に仕事の打ち合わせに余念がない。彼の心中を察する術はないが,失われたものに対する郷愁でさえも取るに足らないとするような逞しさと言うか粗雑さと言うか,今日日のご時世で生き抜いていくためにはそういう属性も必要なのかもしれない。だとすると俺のような者は完全に落第だ。
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飲食店の経営とネットの影響力について愚考する [日記、雑感]

まずは元記事。出典は朝日新聞デジタルで記事名は「悪ふざけ画像投稿で閉店、多摩のそば店が破産手続き」
URL:http://www.asahi.com/national/update/1018/TKY201310180496.html?ref=dwango

以下,記事全文のコピペ
 帝国データバンクは18日、東京都多摩市馬引沢2丁目のそば店「泰尚(たいしょう)」が、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。アルバイトの男子大学生が、店内の大型食器洗浄機の中で横たわった画像を交流サイト・ツイッターに投稿した後、閉店していた。負債総額は約3300万円。 食の現場で「悪ふざけ」  決定は9日付。帝国データバンク東京西支店などによると、8月、男子大学生が画像をツイッターに投稿したところ、インターネット上で批判が殺到。店には衛生面で苦情電話が相次ぎ、閉店に追い込まれた。  同支店は「業績はもともと厳しかったようだが、ツイッター投稿が倒産の引き金になった可能性はある」と分析している。  泰尚は1984年創業。一時は町田市にも2店舗を構え、2011年5月期の売上高は約1億2千万円あったが、創業者が昨年亡くなり、経営が悪化していたという。

 
色々と考えさせられるところの多い記事ではある。
 まず第一に,「何を言っているのか」と同じくらい「誰が言っているのか」を考えたい。飲食店の閉店自体は市場に置いて特段珍しい話ではなく,日常茶飯事と言ってもいいほど年がら年中あちこちで起こっている。絶えず出来ては消え,の業界であることは同業者の諸兄には充分承知と思う。
 こう言っては失礼だが,たかだか蕎麦店一件の閉店に天下の朝日新聞が一記事を起こすほどのことがあるのかという疑問が俺にはある。そして文面からは容易に読み取れるが、大枠の意図とは「ネットというのはいかがわしくてけしからんものだ」だろう。これは決して極論ではなく,この一件にインターネットが無縁で単なる経営不振だけであったなら記事になることもなかったのではないかと俺は考えている。

 新聞業界は色々な意味で低落傾向にあり,既に数年前に金額ベースでは広告の出稿量をインターネットに抜かれて第三位に転落したという話を聞いたことがある(出典は覚えてません)。因に第四位は週刊誌,第一位はテレビとのことだ。
 俺の個人的意見をここで開陳させてもらうと,新聞が『社会の木鐸』であった時代などとうの昔に終わっていて今や典型的な御用メディアであり,殆ど大本営発表みたいなことしか伝えていないと思っている。だから数年前,俺は新聞の購読をやめた。それで特に生活に不便を生じているわけでもない。
 文面を良く読むと,件の蕎麦店は昨年来業績が芳しくなかったようだ。バカ学生のツイッター投稿によってネット上での炎上があったことは事実だがそれが倒産の直接の原因だという確証はなく,「引き金となった可能性がある」に過ぎない。だとすればヘッドラインの文句は何なのか。インターネットなどというメディアは胡散臭い,いかがわしいものなのだとこじつけたい印象操作の意図を感じるのは俺だけではないはずだ。

 考えてみると俺のネット歴ももう10年以上になる。思い返すに,確かにインターネットというのは新聞やテレビが事あるたんびに喧伝するようにいかがわしかったり胡散臭かったりするし、わけの分からんトラップがそこら中にまき散らされている世界ではある。しかしそれらは良くも悪くも自由さの現れとは言えないか。
 俺のこの糞ブログにしても,以前書いたように現在一日当たり1000件を超えるアクセスがあるわけだが現実世界に於いてここにそれだけの数の受け手がいるとは到底考えられない。本にして出版する程の内容でないのは誰よりもこの俺自身が自覚しているしここに書いた事を言葉として話したところで最初の三行分位を聞いたところで聞き手は退屈して話題を変えたがるに決まっておる。

 直接間接に読者からお金を頂けるような内容ではないが,とにかく天に向かって何事かを喚き散らしたい。それに反応する誰かさんが現れて来るかもしれない。但し,誰がどんな反応を示すのかは予想のつかないところがある。俺にとってインターネットでブログ記事を書くというのはそういう事で,今様にいうリテラシー,少々突き詰めた言い回しだとインターネットという世界での行動作法を弁えていれば,そこそこ円満な自我領域は形成でき,地雷を踏んだり炎上したりといった不幸を避けて通れるもんだ。
 
 喩えるまでもない事だが,自由の大きさとはリスクの大きさでもあると俺は思う。テレビや新聞といったメディアとインターネットを市街地に喩えてみると前者は安心して用足しが出来るが立ち入り禁止で封鎖されている小路が幾つもあり,用足しの範囲は制限されているし往来で少しでも変な挙動をしているとすぐにお巡りが飛び出してきて職務質問される。対して後者は思いつく限りの用足しは可能でどこでも好きな所に行けるが往来のあちこちにカツアゲやひったくりを狙うロクデナシがたむろしている,といった感じだろうか。
 どちらを良しとするかはその人の考え方次第だが,俺は後者が好ましいと考えている。確かにいえるのは両者は全く異なる行動様式を求められるのであって,テレビのニュース番組を見ながら一くさり文句を言うのとネット上の掲示板やブログに投稿するのとでは、当然ながら全く異なる反応が現れる。

 この辺りについては俺のしょうもない駄文などよりはしかるべきプロのテキストを読まれた方が有益だろうと思われるのでリンクを貼付けておく。
阿修羅掲示板,「バイト君の愚行とオトナの炎上  小田嶋 隆」
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/223.html

 そもそもインターネットはコンピューターの世界でいえばUNIXの世界であり,世界のありようはオープンであったもののその住人と言えば殆ど皆コンピューターの研究者をはじめとしたその道の専門家であり,狭い中ではあるもののモラルや調和が保たれていた。
 パソコンが32ビット化を果たした事でそれは拡大し,取っ付きは良くなったが同時に行儀の悪い門外漢や匿名性をいい事に悪さを目論むロクデナシも入り交じって殺到した事で混沌も生み出した。
 そして今また,パソコンとは縁遠かった情報弱者がスマホを足がかりに入り込み,混沌は更にスケールアップしているのが現況なのだろう。何の世界でもそうだが,底辺層とか素人に迎合するようになるとその世界は混沌の度合いを増してくるものだと俺はいつも考えている。(この項続く)
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バカ客をあしらう様子 [日記、雑感]

 最近になればなるほど,飲食店の得意先オーナーと雑談しているとタチの悪い客についてのぼやきを伺うことが増えてきたように思う。
 俺自身についても使用者の質は間違いなく劣化していく一方で全く困ったもんだ。
要するに世の中全体が地盤沈下するように人心は劣化しつつあるのだろう。勿論その中には俺も含まれており,自身の劣化に無自覚でいることは殆ど間違いない。

 デスクワークの合間に日頃暇つぶしで眺めるニコニコ動画を貼付けておく。解説めいたことを多少書いておく。
 この飲食店は,動画配信者である主が経営している。
たまたま本人の虫の居所が悪かったのかもしれないが,そこに現れた客の振る舞いが主の癇に触った。
以前主とトラブルのあった他の配信者の話題を持ち出してあれこれ訊ねたのがその原因らしい。

 主はキレまくる。

 現実にこういうことは中々やらかすわけにはいかないので,他人が大爆発する様子を眺めて感情移入することで多少はストレス解消に役立つかもしれない。お暇な方はどうぞ。
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昨今の心象風景 [日記、雑感]

 ブログの更新が滞りがちである。
 これまで何度も書いたように俺は元々怠け者なので,格別身辺に慌ただしい動きがあって更新する暇もないといった状況ではない。この停滞具合は俺の本来的な姿である。

 このブログを始めた当初,ランキングはいつも5桁でアクセス数は一日20件くらいだった。
ネットの世界の広がりは今よりも狭く,その中での一日20アクセス程度というのは現実社会の中での俺の立ち位置を良く反映していると,俺は妙に納得していたものだった。

 今,管理者としての画面を開くとこのブログはSo-netブログ全体中ではギリギリ3桁くらいのところに常駐している。仕事をテーマとするグループ内に於いてはほぼベスト10以内に常駐している。
 
 正直なところ,この現状は俺に何だか重苦しい義務感を植え付けている。現状のアクセス数はこうして更新をさぼりながらも一日大体1200位を維持している。どの程度の関心を持って読まれているのか知らないが俺がこれまで垂れ流し続けてきたテキストは好むと好まざるに関わらずそれくらいのアクセス数を毎日生み出している。
 現実の来訪者数は大体一日当たり400名くらいだと思うがそれにしたって現実の日常生活で俺が接する人の数から考えればとんでもないボリュームだ。
 しかしそのアクセス数1200は日本の人口のうちの0.001%に過ぎない。俺のへそ曲がりな性分は管理者ページを見るたびに俺自身の存在の小ささを実感するのである。

 現実の俺は,まあしがないものだ。
身体をずり減らし,心労に追われ,いずれどこかで野垂れ死にするのだろうが差し当たりこのブログはごくごくチンケな誰かさんが存在していたことの証明として,記事全体が削除されるまでは残り続けることになる。
勿論,何かを変えるほどの影響力などはなからありはしない。そんなことはこのブログを始めた当初からわかり切っていたことだ。

 常々思うことだが,現実の俺の生業にせよこのブログにせよ,何か意味があるのかという一種の虚無感がじわじわと俺の内部で膨れ上がりつつある。



 ガキの頃にラジオで聞いた時にはシニカルなコミックソングのように受け止めていたが今になってみると怖い歌だ。

とん平のヘイ・ユウ・ブルース

とん平のヘイ・ユウ・ブルース

  • アーティスト: 郷伍郎,大野真澄,里吉しげみ,深町純,村岡健
  • 出版社/メーカー: アルファレコード
  • 発売日: 1995/01/25
  • メディア: CD


 人生の折り返しを過ぎてなお,俺は誰の,何の役に立っているかがよくわかっていないすりこぎなのだなw
タグ:左とん平
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中古パソコンを巡る追加購入の備忘録 [日記、雑感]

 何事につけ,中古品というのは素人が手を出すべきではないと俺は常々考えている。

 これまで何度か書いたように,公私ともに俺の常用パソコンはMacだ。
プログラムリレーのラダーを読み書きするためにWindowsの走るパソコンが必要になって中古品を買い込んだのが5月のこと。
 関連記事:windowsパソコンが届く
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-05-18-1

ものはヤフオクで落札した。代金は一万円強。
詳述するまでもなくマシンスペックはお笑いぐさだ。そしてこれは世の常で,俺はこれぞ安物買いの銭失いともいうべき迷走を続けた。

最初の買い物は外付けの光学ドライブだった。
ラダーソフトのインストールをすべくCD-ROMを放り込んだが認識しない。本体に同梱されてきた外付けドライブは一回だけ動作してその後は本体が認識しなくなったので新たに購入することにした。
BUFFALO Boostケーブル搭載 ポータブルDVDドライブ ブラック DVSM-PC58U2V-BK

BUFFALO Boostケーブル搭載 ポータブルDVDドライブ ブラック DVSM-PC58U2V-BK

  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • メディア: Personal Computers


 ラダーソフトのインストールが済むと他にも色々と欲が出てきた。
届いたパソコン本体にはビジネスアプリが一つも入っていない。ないならないで構わないがHDDには結構な空き容量があったので使用頻度はともかく何か入れておくことにした。

 まずは手持ちのデータベースソフトであるFilemaker Pro。せっかく買ったパッケージだし外付けドライブも買ったことだし、あれば色々と活用範囲は広い。

FileMaker Pro 10

FileMaker Pro 10

  • 出版社/メーカー: ファイルメーカー
  • メディア: CD-ROM


 暴れ者の困ったアプリだがこれならではの使い勝手はあり,フリーソフトでは代替がきかない。俺の手持ちパッケージは二つ前のバージョンであり,現在はグラフ機能が大幅に強化されたと聞くがここまで行くと表計算ソフトが不要になってしまうのではないかと思えるくらいだ。

FileMaker Pro 12 Single User License H6316J/A

FileMaker Pro 12 Single User License H6316J/A

  • 出版社/メーカー: ファイルメーカー
  • メディア: CD-ROM


安いパッケージではないので今回は見送り。現行のバージョンでも俺には充分過ぎるくらい高機能だしな。

 ビジネスアプリについては今更MS Officeでもないだろうと常々俺は考えている。
開発費の協力金千円を払ってWindows版をダウンロードすることにした。

URL:http://ja.libreoffice.org/

 既に私用ではMac版を活用しているアプリである。Exel,Wordで出来ることは殆ど全てと言っていいくらい可能だしデータのやり取りにも今のところ不具合はない。
 Libre Officeは手持ちのMacでWindows版をダウンロードして外付けドライブに保存し,PC/ATにインストールすることが出来ない。
 俺には知識がないのでよくわからないがどうも,サーバーに現在どんなクライアントがアクセスしているかを判別してそのOSに応じたもののダウンロードを許可するというシステムのようであり,MacからWindows版をダウンロードは出来なさそうなので、ここで買い込んだ中古パソコンをネットに接続する必要性が出て来る。

 がしかし、ここでまた障壁が現れる。
俺の自宅でのネット環境は現在,無線LANで運用されており、ルーターはお約束のこれだ。
アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

  • 出版社/メーカー: アップル
  • メディア: Personal Computers

 これまた俺には知識がないが、Airmacと新参者のWindowsパソコンの折り合いがどうにもつかない。何をやっても弾かれてネットに繋がらない。
仕方がないので中古パソコン用に無線ルーターを購入。
BUFFALO エアステーション 11n/g Qrsetup対応 無線LAN親機 WHR-300

BUFFALO エアステーション 11n/g Qrsetup対応 無線LAN親機 WHR-300

  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • メディア: Personal Computers

 設定に取りかかってみると,改めてApple製品で固めているパソコン環境はいい意味でお仕着せというかラクチンであることを実感する。

 ネットに繋ぎ,Libre Officeのダウンロード以前にやるべきことがある。
何といってもwebブラウザを決めておきたい。ここ10年近く,俺はFirefoxしか使っていない。Macに最初からついてくるSafariでさえもろくすっぽ使っていないのだ。ましてやWindowsでは標準であろうIEは全く触ったことがない。以前Mac版を少しの間使った時期があったがメモリーリークがひどいのですぐに止めてそれっきりだ。
 余談だが俺のブログはその最初から現在に至るまで全てFirefoxでだけ出来上がりを確認しており、他のブラウザでの見え方は確認していません。不具合のある方は・・・・
 URL:http://www.mozilla.jp/firefox/からブラウザをダウンロードしてみてください。

 こうしてLibre OfficeのHPからダウンロードを済ませ,ようやくこの中古パソコンで仕事の出来る環境は整った次第,と思いきやここでまた問題が発覚した。
 使用状況を想定するに,当然,家の外に持ち出して使用者の現場でPLCに接続するわけだがパソコンに内蔵されているバッテリーは既にへたばっており,絵に描いたような容量抜けを起こしているのでこれを買い直す必要に迫られた。

ThinkPad X60*.X60s*.X61*.X61sの40Y7003対応バッテリー

ThinkPad X60*.X60s*.X61*.X61sの40Y7003対応バッテリー

  • 出版社/メーカー: ロワジャパン
  • メディア: エレクトロニクス


 高価な純正品には目もくれず,ひたすら安いものを探しまくった結果だ。
世間では偏狭なナショナリズムに洗脳されて中国製や韓国製のものは買わんなどとたわ言を抜かす奴がいるが馬鹿も休み休み言えというのが俺の見方で,否応無しに,今日日どこの国製の何を買おうがこれらと無縁でなどいられるわけがない。こういう話題はややこしい展開になるのでこれ以上は書かない。

 このようにしてやっと何とか中古のモバイルノートはお仕事で使える体裁を整えたわけだが、ここに貼りまくったAmazon.comのリンクのうち,俺がネットで購入したものは最後のバッテリーだけだ。
 それ以外のものは全て俺の電材の仕入れ問屋である地元の電器店で購入した。勿論それらは量販チェーン店やネットショップで購入するよりも多少割高なわけだが俺はそれで構わないと思っている。
 可処分な金は出来るだけ地元で回そうと俺はいつも考えている。郊外の大型量販店とネットショップによって俺の地元の商圏は既にズタズタに疲弊しているのだ。俺一人が端金を地元に落とし続けたところで何かが変わるわけなどないのだがしていることには何らかの意味はあるのだと思いたい。
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6年ぶりのやり取りとCSVのお仕事 [日記、雑感]

 俺の携帯電話は仕事と私用を兼用したものだが,見覚えのないところからかかってくることはあまり多くない。公私を含めて個人が築ける関係の数には上限があるということなのかもしれない。

 登録されていない番号表示が着信音とともに現れて電話に出た俺は少しの間誰を相手に話しているのかがわからないままで、相手方にしてみればさぞかしトンチンカンな受け答えに聞こえたと思う。
 相手方が名前を名乗って初めて俺はそれが誰だったのかを思い出した。

 わらべや日洋という社名を聞いて即座にどういう会社であるのかがわかる諸兄はそう多くはないのではないかと思うが,セブン・イレブンの弁当やサンドイッチ,惣菜を製造している会社となると実体が明らかになってくるのではないだろうか。
 電話の主はその会社の工務課長だった。

 6年ほど前まで、俺の住む土地にその工場があった。
俺はあることをきっかけにその工場から声がかかるようになり,担当が上記の工務課長殿だった。
俺が出入りしていたのは3年くらいだったと思うが,この間大変お世話になった。
あるときその工場は移転することになり,当然ながら俺の実入りは落ち込んだ。

 電話の内容は移転先の工場での保全業務についてであり,遠距離となるので大変だろうが金銭的な問題として割り切って受けてくれないかというものだ。
 CVSベンダーの工場は24時間稼働であり,保全業務は殆ど必ず即時対応か,悪くても即日対応を求められる。ギャラは悪くないがスケジュールの組立が難しい得意先だ。

 即応性のある保全業務体制は都市部ならいざ知らず,地方となるとこれはほぼ実現できない。商業店舗のバックヤードなら一件の厨房屋とか一人の修理屋で何とかならないこともないがCSVベンダーの工場は生産量が桁違いであり,食品機材も専用機なので地方営業所の厨房屋程度では解決可能な職能範囲が大変狭い。メーカーのサービスマンを呼ぶとなると地理的な事情で交通費の請求額がバカにならない。機材が一点故障するたびに数万円の出張費がチャージされるわけでここはベンダーの工務課長にとっては頭痛のタネであるらしい。
 更に問題なのはこの手のベンダーはまだまだ若い業種であり,社内での保全業務要員が大変足りない。他の食品メーカーの生産工場を幾つか見てきた経験則から言えば間違いなく足りない。保全業務そのものよりもメーカーに修理依頼の手配をすることが本業になっているようにさえ見える。大手食品メーカーのように限定された商品を大量生産する設備と商業店舗のバックヤードのような手作業中心の多品種少量生産の中間にある微妙な立ち位置にCVSベンダー工場はあって,今のところメーカーの出先が集中する大都市圏近郊以外ではその設備運用には色々と課題が残っている。

 話を俺の視点に移動してみる。
移転前の工場では色々とお世話になった。見たことも触ったこともない機材をいきなり見せられてまともな技術資料もないまま何時までに使えるようにしてくれとかいった依頼が多く,俺はしばしば焦ったものだ。場合によっては手も足も出ずに退散することもあった。
 しかしまあ,地方の工場にあってはその程度の修理屋でもいないよりはマシということなのだろう。移転後6年にして仕切り直しと言うか,再度のオファーとなった。
 俺の住む土地から件の工場までは約100kmの移動距離である。夜中に修理依頼の電話がかかってくることもある。全て金と割り切れば悪くない得意先だが問題は俺の体力だ。

 俺はもう若くない。いつまでも馬力任せの仕事は出来ない。
ここで俺はこの商売を8年前に始めてからこのベンダーが移転するまでの時間のことを改めて思い返した。
移転のあった6年前は,その件以外にも色々なことがあり,俺の商売は危機に瀕したのである。クライアントが倒産したり,事業縮小によって食品関係の分野から撤退したり,たちの悪い得意先に引っかかって売り掛けが焦げ付いたり,俺自身の体調にも問題が出てまともに仕事が出来なくなったりと他にも色々あった。俺の人生が暗転し始めたのが6年前だ。
 開業してから3年くらいの間はまあまあ悪くない生活だった。その期間とわらべや日洋に出入りさせて頂いていた時期とはきっちりと重なっている。

 今こうしてオファーを受けて俺の実入りが劇的に良くなるのかといえばそれは期待できない。所詮,100kmも離れたところにいる業者のなのだから以前のような取引高になることはない。
 良くない性質だが,これは一種,義侠心みたいなところがあってこういうことをしているから俺の商売は儲からないのだろうが,定型業務からはみ出すババ抜きみたいな場面でだけ都合良く利用されるのが俺の運命であり,自分には何とかその場面を解決できる能力らしきものはあり、それによって何とか生活できる程度の収入は得られる。それが自分の一生を通じての立ち位置であり,運命なのだとある時期からは受け入れられるようになった。

 ひとまず,近日中に先方のお偉いさんと面談することになった。
有限会社でさえない単なる自営業の一人親方オヤジが年商一千億の大会社と対峙する構図というのも面白くはないかな?
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仕事先で接した訃報のこと [日記、雑感]

 ブログの更新をさぼり続けている。書きたいことがないわけではなくてその逆だが色々とややこしい出来事がここしばらく俺の周辺には多く,何か書こうにもなかなかまとまりがつかなくて書きかけの記事が非公開のまま積み上がっているのであります。仕事帰りのオヤジが焼き鳥屋のカウンターでグダっている程度の垂れ流しに過ぎないが一旦書きかけたものだからそれらはおいおい文字として公開したいとは思っとります。

 今日の夕方過ぎ,とある病院で食器洗浄機の修理を行っていた時のことだった。
機種はIHIのJMD-4C,今から20年ほど前の機種である。障害の内容はドアスイッチの破損で,磁気近接スイッチのマグネット側のケースが破損し,中のマグネットが転がり落ちてしまったせいでドアを閉じても運転されないというものだ。
 幸い,機体の内部でそのマグネットは発見できたので破損したケーズにシリコンシールを流し込んでそこにマグネットを埋め込むことで応急処置が済んだのが約十日前のこと。今日は補修パーツを調達しての交換でここで一区切り,という日だった。
 その病院との取引の履歴はもう20年以上前にも遡る。俺は転職歴の多い男で開業前の勤務先のもう一つ前の勤務先だった頃からの取引で,有り難いことにこの間,同業者と競合するような場面を迫られたことが一度もない。どの同業者にも声がかかることがない,今日日希有な得意先だ。
 
 食器洗浄機の試運転を終えて,長年勤務している調理員のおばさんとちょっとした雑談をした。
「この食器洗浄機ももう随分働いたしねえ,あとどれくらい頑張ってくれるのか・・・」とおばさんは漏らした。
 この病院の給食室は19年前,増築工事の際に移転し,そのとき俺が納めたもののうちの一つだ。
「増築工事の時の栄養士さんも去年亡くなっちゃったしねえ。随分経ったねえ」感慨深げに彼女が呟いたとき,俺の中では何かしら色々な記憶がいっぺんに呼び起こされて何とも言いようのない気分が湧き起こってきた。

 享年42歳,死因は乳がんだそうで彼女は生涯独身だった。最後に会ったのは6年くらい前だろうか,彼女がその病院を退職して数年経ってから偶然ある食品スーパーで再会し,立ち話をしながらお互いの連絡先を交換し合い,その後一度一緒に夕食に出かけたことがある。通常,俺の流儀として,仕事で関わる,或いは関わったことのある方とプライベートで接することはなるべく控えることにしているのだがこれは例外。

 時系列で遡ると今から23年くらい前,当時の俺の勤務先の事務所に彼女は何の前触れもなく忽然と登場したのだった。
 どこで知ったのか,彼女は俺の名前を告げてその方に相談したいことがあると言った。
一面識もない俺は10歳くらい若いその女性に挨拶をして本題を伺った。彼女は某産婦人科病院の栄養士であり,これからカッターミキサーを購入したいので選定について助言が欲しいとの意向だった。
 男女に限らず,厨房機材の購入は大体感情任せの業者任せか、目先の金だけの中古品漁りが通り相場なので真面目なバイヤーなんだな,と妙に感心した俺は変に張り切って幾つかのメーカーの製品を提示してみせてそれぞれ説明し,FMIで扱っているロボクープが良さそうだとのことだったのでいずれ実機を使っているところを見に行って使用者の方に意見を伺ってみましょう,ということになった。

 そんな風にして彼女の勤務する病院との取引は始まり,その厨房にある機材の修繕の業務は全て俺が手がけるようになり,数年してから増築工事に伴う新しい厨房のプランニングの依頼が来た。
 当時,病院給食の分野では選択メニューの導入が予見されていて、これを前提としたオペレーションとなるように加熱調理のセクションを二つ有し、ホールにはサービスカウンターのあるレストランと病院給食の折衷みたいなレイアウトを俺は計画した。当時としては結構新しい試みで,オープン後も他の施設から見学者がそこそこ訪れたらしい。その基本構想はこの栄養士の発案によるものだ。

 彼女は何というか才気に勝るところがあり,仕事は物凄くできたがその言動はしばしば激越で周囲を狼狽させた。自分の親くらいの年齢の調理員を叱り飛ばすことなど日常茶飯事で,俺などもしょっちゅう罵詈雑言を浴びせかけられ,そんなに頭に来るのならいっそのこと取引先を替えればいいではないかと辟易することもあったが何故か毎度お呼びはかかり,俺がその会社を辞めて別の同業者に転職してからも取引は続いた。

 今から12,3年前,彼女はその病院を退職することになった。
職業人としては大変有能な方だったのでどこかからスカウトでもされたのかと思ったが、もう栄養士の仕事をするつもりはない。栄養士の仕事は自分が納得できるだけのことをここ数ヶ月で充分やり切ったのでこの仕事はもうしないと言う。
 調理のセンスが大変鋭い方でもあったので,そちらの方面で何か思うところがあるのかと言えばそうでもなく,自分の経歴はあくまで栄養士としてのものであって調理師の世界を下積みから経験したわけではないからそれはあり得ない。調理のことはあくまで趣味に留めておくと言う。
 要するに,これまでとは全然関係のない食品とか調理とか栄養管理といったこととは無縁の何かを生業としていくつもりだとのことで,随分思い切った決断をするものだと俺は驚きながらもその才能を封じ込めてしまうの惜しみもした。

 その病院で最後に彼女と接したのは退職を数日後に控えたある日のことで,俺が何かの修繕を済ませて報告を終え,お別れの挨拶をした後,退勤する彼女が「もうお会いすることもないでしょうけど」と俯き加減で俺とすれ違った。最後に交わす言葉としてはいささかしっくりこないものを感じたが,俺に何かしらその方の要望に応えられないところがあったのだろうな、という気がした。

 それから一年ほどして仕事中に偶然,街中で彼女と再会する場面があった。
俺は当時の上役である支店長と同行しており,三人でランチを取ることにした。彼女は某新聞社の系列会社で出版関係の仕事に就いており,意識がすっかりその分野に切り替わっているようで何とも鮮やかな転身ぶりに見えた。
 俺のように一つのことを延々とやり続けてやっと人並み、というのではない人種がやはりいるのだなと感心したものだ。

それから10年後の現在,こうして訃報に接すると生き急いだ方なのかという思いがある。
かの村上春樹の一節をパクらせてもらうと,「ある種の人生は最初からその長さに耐えられないように出来ている」というのが当てはまりそうにも思える。今となっては確かめようがないが,余りにも大きな才能は必ずしもその人を幸福にしないのではないかと常日頃から俺は漠然と考えている。

 そもそも彼女はどこで、どのようにして俺のことを知ったのだろうか?
これは23年前から今に至るまで明らかでない。今となっては確かめようもない。
タグ:訃報
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「●●祭り」という名の展示即売会 [日記、雑感]

 土曜日の仕事はテンションが上がらない。これは俺が元来働き者ではないことを表している。
しかもここ一ヶ月くらいの間,どういうわけだか土曜日のスケジュールが押し気味だ。別に好き好んで土曜日に予定を入れているわけではなく,ややこしい仕事が続いてその決着が土曜日の、しかも夜間にまでずれ込む。俺はこの間,結構ストレスが溜まっていた。

 残した仕事は午前中に片付く目処が立ちそうだな,と一息ついていると設備資材の問屋から電話がかかってきて会社の軒先で○○(会社の名前)祭りをやっているので焼き肉食いにきませんか?とのお誘いだ。
 ここしばらく,変な仕事ばっかりが続いてモヤモヤしていた俺は単純にタダ飯にありつけるような気がして仕事が一区切りついてから問屋に向かった。

 しかしまあ,この手のお誘いが単なるタダ飯で済むわけはないのは火を見るより明らかなのであって,敷地に入るとテントが設営されていて工事関係の資材がぞろりと並び,メーカーの営業マンが手ぐすね引いて待っている。飛んで火にいる夏の虫とはまさにこういうことでタダの焼き肉に釣られた俺が浅はかだった。
 受付名簿に名前を書いて屋外に設営された焼き肉のテーブルに案内され,辺りを見回すと日頃フロントで顔を合わす設備工事業者が何人も焼き肉をぱくついている。彼らも俺と同様,餌に釣られたわけだ。御愁傷様。

 焼き肉の代償は安くない。
半ば当然のように,このまま帰るわけにはいかないな,という変な義務感が出てくる俺はお人好しだろうか?考えてみれば少し前にもこの手の展示会で商売道具は買い込んでいる。

記事名:今年二度目の日立税
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-06-14

 あったらいいなアイテムは日頃意識の片隅に,それこそ山のように貯め込まれているのだが金はないので物欲を堪えているのだが一旦注文書にサインするとあれもこれもと雪崩を打って欲しいブツが飛び出してきて、後になってから届いた請求書を見て青ざめるのが俺の悪しき習慣だ。
 前回の,日立の特約店の展示会からまだ十日ほどしか経っていないのだからあんまり好き放題に買い物をするわけにはいかないぞ,と自制を働かせながら数点の買い物を済ませる。


ハタヤ 充電式LEDハンドランプ 屋外用 LW-04

ハタヤ 充電式LEDハンドランプ 屋外用 LW-04

  • 出版社/メーカー: ハタヤ
  • メディア: Tools & Hardware


 昨年買い込んで幾らも経たないうちに某リゾート施設に置き忘れてきて,後で気づいて電話したが知らぬ存ぜぬで切り捨てられた。要するにネコババされた作業灯を買い直したのだ。頭に来るが忘れた俺がバカだった。こんな事をやっているからいつまでたっても金がないのだな。

 展示物中,使わせてもらってこれはいいわいと飛びついたのがワイヤーストリッパーだ。



 近年エコ電線というのが出回り始め,俺のような古臭い人間にはこれが扱いづらくてしょうがない。

エコ電線のこと:http://www.interwired.co.jp/electricwire/product/eco/qa.html

 一見,扱い馴れたVVFとおんなじなのだが被覆を向くのがえらく面倒臭い。今まで通りのカッターナイフとペンチ頼りの作業ではひどく手間取る。本職の電工ではないにしろ,最初俺は自分の腕がここまで落ちたかと大変落胆したのだが,後で電線の素材が変わったと知って責任転嫁することが出来,やや安心したもんだ。
 これから先はこういう配線がどんどん増えてくるわけだからこれは無駄遣いではないのだ,と自分に言い聞かせながら注文書にサインする。

 時代の流れにそって修理屋,工事屋の作業も施工法や処理法が変化していくわけだが,貧乏稼業であくせく働いて生まれたささやかな利益はこうして道具に吸い上げられていき,暮らしは一向に裕福になる兆しが見えない、この構図はいつも変わることがない。作業場の肥やし(大して出番のない道具類)をどんどん増やすために働いているみたいだ。
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Windowsノートパソコンでネットに接続 [日記、雑感]

 仕事の上での必要に迫られて中古のWindowsノートパソコンを購入した件については以前の記事で書いた。
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-05-18-1
 
 img61268300.jpg

 実は購入以来今日までずっと違和感が抜けきらず、ほったらかしのままでいたのだ。
日頃仕事の上では得意先に対して「金がないから中古品という発想はよくない」などと偉そうな事を抜かしているこの俺だが、いざ自分のこととなるとなんだかんだと理由をつけてけち臭い性根を存分に発揮し、かなり痛い目にあって安物会の銭失いを体現したのである。
 それで数日やる気を失い、安物中古パソコンはぶっとばしたままにしていたわけだが、今日は一念発起して夕方からねじり鉢巻でセットアップを行い、こうしてネットに繫ぐところまでこぎつけた。

 この記事は件のWindows XPが納まったパソコンで書いている。そしてこの先俺の記事はこれまでどおりMacによって書かれる。慣れの問題だろうが操作が大変面倒臭い。
 悪戦苦闘の経緯についてはいずれ別記事をアップする予定だが、もうこれから先大して人生時間のない俺がどうしてこういつまで経っても何かの勉強を強いられなければならんのかと俺は今誰かに八つ当たりしたい気分に満たされている。
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windowsパソコンが届く [日記、雑感]

 プログラムリレーのラダー作成のためにwinsowsパソコンの必要性を感じ始めてから2ヶ月くらいが経ち,小金を使って一台買い込むことにした。
 関連記事:プログラムリレーにはまり続ける日々
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-03-10

 用途が限られているので殊更ハイスペックである必要はない。現場に持ち込んで邪魔臭くない大きさでありさえすれば何でもいいんだ,と,とにかく安いものを物色し,一万円かそこらで買えるものを見つけた。
img61268300.jpg

 問題外のスペックなのだろうがラダー作成用アプリの動作条件がwindows98とかいった程度なのでこの際それはどうでもいい。
 使う上での問題は,プログラムリレーのスターターキットに付属してくるパソコン接続用ケーブルはシリアルポート接続用であるが届いた物にはそれがないので、USBに変換するためのケーブルが必要だということだ。

iBUFFALO USBシリアルケーブル(USBtypeA to D-sub9ピン)1.0m ブラックスケルトン BSUSRC0610BS

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  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • メディア: Personal Computers


 幸い,俺の出入りする電材の問屋は家電製品の販売も行っておるので変換ケーブルは予め調達しておいた。シリアルポート(RS-232)などというのは既に過去のインターフェイスであってMacとは違って継続性を重んじるPC/ATとは言っても既に無用の長物なのかもしれない。プログラムリレーをうまく認識してくれるかどうかは今後の課題だ。

 何といっても俺自身,会社員だった頃以来windowsのパソコンからはすっかり遠ざかっているのでこれに馴れなくてはならない。
 Lenovo独自のポインティングデバイスとか,2ボタン操作とか,まあ違和感が大きい。
 ネットへの接続以前のあーでもないこうでもないで週末が過ぎていく。

 少し触ってみて思うのは、アップルという会社は大した技術力があるわけではないがインターフェイスの作り方は上手いな,ということだ。常々思うがOSはやはりハードベンダーが作るべきだ。トラックパッド上のゼスチャーで殆ど全てのファイル操作が片付いてしまうMacに馴れ切ってしまった俺は当惑しながらThinkpadの操作に慣れるべく週末を過ごす。
 そのうち小金が貯まったら常用のMacbookもそろそろくたびれてき始めているので、新機種での二重ブートでも試みてみるか。

APPLE MacBook Air 1.8GHz Core i5/13.3/4GB/128GB MD231J/A

APPLE MacBook Air 1.8GHz Core i5/13.3/4GB/128GB MD231J/A

  • 出版社/メーカー: アップル
  • メディア: Personal Computers


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怒濤の年度末ラッシュと確定申告 [日記、雑感]

 これまで3947回くらい書き続けて来た事だが俺は怠けの神髄を究めた怠け者のくせに一旦何かに没頭し出すと寝食を忘れて耽るというけったいな傾向を有する。
 
 記事を書き始めるとなかなか止まらず無意味に長いテキストになるのも困った傾向で、落第坊主だった学生の頃から教官の方々の顰蹙を買い続けながらも一向に改まる事はなかったのである。
 そんな風にしてここしばらくのテキストを書き続けていると携帯が鳴って仕事の催促が来ることが当月は多い。
 元々頭の交通整理が上手にできる性分ではないのでてきとうに生返事をしておいてこのしょうもないブログを書き続ける事を続けているうちに催促は激化し、何となく商売ネタが累積し、内緒の商売ネタ帳を開いてみると貧乏稼業の俺にしては一体何事かと思えるような見込み案件がいつの間にか貯まっている。

 請求書もろくすっぽ書かずに(これが俺の最大の悪癖だ)てきとうなその日暮らしを続け、来月は金欠に頭を悩ましそうだがどうにかなるべえ、と、能天気な今月だがここへ来て色々と金の入り用が出て来てこれに呼応するかのように商売ネタが貯まり始めて来たというわけ。人生は案外、周期的に帳尻が合うように何かしら大いなる意志が働くものなのだろうか。

 なんだかんだ言って金は必要だから俺は働かなければならん。
俺は怠け者だがお仕事の依頼を無下に蹴飛ばすほどのご身分では全然ない。
家でゴロゴロしながらこうしてブログ記事を書いている間に依頼の電話が鳴るのだからこれは本当に有り難い話なのだ。

 年度末の三月に依頼のラッシュが発生するのは勤め人の頃からの習慣だがこれは官公庁関係の発注が中心である事を表している。俺は真面目な納税者なのだが、今のところ夜逃げや自己破産はせずに済みそうな経営者でもあるので投下資本の回収には真面目に取り組む。すなわち、官庁関係からのお金は遠慮なく頂くのだ。勿論感謝はいたしておりますよ、公務員の皆様。

 これから月内、俺はキチガイみたいになって働くのだが一方で年間売り上げの計算にも猿知恵を働かす。
 そして今年度の確定申告は昨年度同様赤字とすべく稼いだ金は無駄遣いとこじつけの経費で散逸すべくこれ務める。入ってくる金など所詮あぶく銭だ。俺はいつかどこかで野垂れ死にする運命なので何も残す気なんぞないし、国税などというものは俺のような貧乏人をいじめて乾いた雑巾を無茶苦茶に絞り上げるような真似をせずにもっと取るべきところから取ればいいではないかという怨念を抱いて日々生きているのである。
 *売り上げは断固として一千万円以下を守る。
 *年間所得は必ず赤字とする。
 これは俺が開業した翌年から打ち立てたモットーであり、信念である。
どうにかこうにか食いつなぎ、適当にチンケな物欲を満たしつつ腹立たしい税務署にはアッカンベーをし続けるグレーゾーンが俺の居場所である。勤め人の諸兄にはなかなか実感が湧かないと思うが世の中何が頭に来ると言って税務署くらい頭に来るものはそう滅多にないのだぞ。

 絵に描いたような支離滅裂、いい加減そのものの書き飛ばしだが明日日曜日早朝からは某公立病院の冷媒管工事となり三日ほど缶詰となる。手元に残る金は内緒だが今年度も俺は税務署の網を巧くすり抜けてやるぜ!
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