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側湾 [日記、雑感]

 気付いたのは数年前の事だが、俺の脊椎は右側に湾曲しているのだそうだ。
健康診断の際にレントゲン写真を撮って医師に指摘された時、あらためて俺はこうして歳を取っていくのかなあと暗い気分になった。

 完全にまっすぐというのは現実にはなく、誰でも多少は湾曲はあると医者は言ったが俺の脊椎は指摘が出る程度の曲がり具合ということだ。
 障害が出る心配はない程度なので特に治療は必要ないとのことではあったが、歪んだ背骨の写真を目の当たりにしてこれが俺の身体なのだと思うとあまりいい気分ではない。

 仕事仲間にその話をすると、どうやら脊椎の即湾は俺だけではなく結構多いらしいことがわかった。
共通して言えることは現場施工よりも修理に従事する人に多い。それも定型作業が少ない人ほど多いようだ。
 
 改めて医者に聞いてみると、俺のように年がら年中道具箱をぶら下げて歩く人種の、一種職業病みたいなもので大体かばんは利き手で持つのでその方向に曲がってくるものらしい。
 ためしに俺が普段持ち歩くツールバッグの目方を量ってみると大体15kgあった。年がら年中、朝から晩まで、そういうものをぶら下げて歩き回る生活を30年も続けていればそりゃあ背骨だって歪もうというものではないか。

 身体をすり減らして働くというのは言葉の上だけの話ではない。
実際,俺の周囲を見回してみると仕事仲間は爆弾持ちだらけだ。やれ膝が痛い,腰が痛い,他にも色々ある。これまでの記事で何度か書いたと思うが俺は両側の手首で腱鞘炎がしょっちゅう起き,左側は7年ほど前に手術して腱鞘を切除してある。年に一度,一ヶ月程度は両手首の筋が炎症を起こして仕事に不便をかこつ。

 話題は少し飛躍するが,俺はきっと年金の恩恵にあずかる事の出来ない世代なのではないかとかなり前から確信に近いものを抱くようになった。
 社会保険庁から送られてくる案内を見るたびにこれこそ国家的な詐欺行為ではないかと腹立たしい気分になる。年金の積み立てなど本当に馬鹿馬鹿しいとしか思えないのだがサラリーマン時代から通算すれば鼻先に人参をぶら下げられた馬のような状況にあるので受給資格が得られるまでは我慢しいしい払い込みを続けておいた方が良いのだろうな,とは渋々思う。
 しかし,結局俺のような底辺層の住人はまともにおまんまを食い続けていこうと思えば受給される年金だけでやっていけるはずなどないのであって死ぬまで働き続けていかなければならないのは明白で,そうするとこうして日々,劣化していく身体がどこまで持ちこたえてくれるかが気になりはする。

 いずれどこかで野垂れ死に,というのが恐らく俺の終わり方だろう。
それがいつの事なのかを知る術はないのだが,とりあえず明日の飯の種のために壊れつつある身体をすり減らす毎日。そういう日常がこれから先も続く。
タグ:脊椎
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くるみ

職業病とゆうのは勲章の様な物!!と言い聞かせてはみるものの、何の解決にもならず日々体を酷使し悪化の一方ですね(ToT)。私の場合は調理師としては静脈瘤らしく、軽く患ってます。支障ない範囲ですが。年金は…若いころから疑ってその分貯金してましたが年金受給者の親が心配するので安心させたく今は払ってます。もっとも払って無い期間が長かったので受ける時には雀の涙…。しかも受給年齢も上がってゆき、恩恵は受けれない気がします。あの世には届きませんから(^^;(笑)私も命尽きるまで働かなきゃならない人生です(^^ゞ。
by くるみ (2013-12-18 08:32) 

HarryTuttle

くるみ様,いつもコメント有り難うございます。
気づいてみればいつの間にか底辺層,というのが私のありようなわけです。
しかし,だからと言って社畜そのものだったサラリーマン時代に戻りたいともさらさら思わないわけで,結局今の生き方を続けていくしかなさそうです。
by HarryTuttle (2013-12-21 22:52) 

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