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2013年歳末の状況 [日記、雑感]

 例年になく静かな歳末を過ごしている。
静かである事と仕事が暇である事が同義であっては困るが幸い,そのような事にはなっていない。
これは修繕一件当たりの単価が上がってきている事を表している。

 全体的な状況としては,厨房機材のメーカーはメンテに力を入れており,利益額確保のためになるべく外注による処理を減らす方向で動いている。
 しかし一方で,使用者の側は以前に比べて機材の運用期間を長期化させる傾向があり,中々リプレースに踏み切らない場面が増えつつある。
 加えて,一部では納入業者である厨房メーカーの提示する修繕の所見に疑問を抱かれるケースが増えつつある。そこでセカンドオピニオンと言うか,俺のような野良犬業者の事をどこでどうして知ったのか,お声掛かりが出てくるわけだ。
 好意的に見て,メーカー側からすると既に補修パーツの最低保有期間を過ぎ,その対策もなされない状況下での障害となると改造によらざるを得なくなるわけで,PL法などという法制度が敷衍されている昨今に於いては尚更好き勝手な改造まがいの修繕を製造元の責任で行うのはリスクが高いので足踏みの場面が出てくる。

 ある時期まで、それは所有者がリプレースの決断を迫られている事を表していたが現在は所有者の自己責任で改造もどきの修繕を行う事で延命を計るユーザーも微々たる数だが現れるようになって来て、そこに俺のような者が食い扶持を稼ぐ余地も生まれて来た。
 要するに俺のお仕事の内容はますます裏街道のモグリ業者的性格を強め、メーカーサービスが見放した機材を漁るハイエナ的性格を強めつつある。

 メーカーは内作した故障診断資料の手順に則った定型業務(それはしばしば単なるパーツ交換作業に過ぎない労務だ)の範囲内で、取りこぼしを最小限に留める事に余念がない一方、定型から外れた処置を行わなければならない場面はどのようにして捌くかを未だに定めきれていないように俺には見える。

 しかし考えてみればこれはおかしな話で、通常一般に工業製品の故障に於いて製造元の所見というのは厳然たる規範であり、最終回答ではないのか。
 家電製品や住設機器で言えば、街の販売店や設備業者がご用聞きのようにして提携業務を行い、彼らの手に余るデリケートな所見を要する場面においてお出ましになるのがメーカーだと言うのが一般的な図式ではないのか。そこへ行くと俺のところに転がり込んでくる依頼ごとは上に書いたような厄介ごとが段々増えて来ており、困った時の神頼み的な、何とも虫のいい利用のされ方をしているもんだ。

 これまで色々書いて来たように、メーカーの尻拭いや身勝手な使用者の駆け込み寺のような仕事を積み上げていくうちに俺の人間観は段々、シニカルなものになりつつある。 
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くるみ

穏やかな年末で良かったですね(^_^ゞ。確かに使用者は家電含め、メーカーさんが絶対的と認識してしまいます。買い替えと言われるとそうなのかなと。他に修繕できる手段があるのなら、金銭だけではなく機器への思い入れもあるかと思いますのでHarry Tuttleさんの存在は大切かと。そんな方が私の周りに存在していたなら 様々な器具にサヨナラしなくて良かったなと。重要な役目と思います(^-^)b
by くるみ (2013-12-27 10:33) 

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