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ネットバンクが気になり始める [お仕事上のぼやき]

 月末,月初とドタバタするのはもうすっかり慣れっこだが七面倒くさい時間である事も確かだ。
毎月,月末になると泥縄風に請求書をまとめていそいそと銀行に出向き,ATMから仕入れ先宛にせっせと送金書手続きをとるのだが,毎度頭に来るのが送金手数料だ。

 俺の場合は大体毎月10件から15件くらいの送金を行うが,振込手数料を合計してみるとちょっとした晩酌が2,3回回できるくらいの金額になっているのがどうにも面白くない。
 ただにせいとは言わないが毎月毎月その金額が俺の稼ぎから削られていくわけで,これが12ヶ月累積されると結構バカにならない金額となり更に面白くなくなる。

 俺は偏見抜きに,金融というのはおよそ世の中にあって最もダーティな商売の一つだと常々考えている。理由は長くなり過ぎるのでここでは書かないがとにかく、あんな連中を儲けさせるのは実に不愉快だ。

 今月になってあれこれとネットバンクの事を調べ始めてみると,どうしてもっと早くこれを活用しなかったかと思った。
 そのうち得意先や仕入れ先に案内状でも出して乗り換えてしまおうかと思案中。
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月明け早々弁護士からロクでもない電話 [お仕事上のぼやき]

 体調があまり良くない。先月初めに扁桃腺が炎症を起こして寝込んだ後もなんだか喉の調子はおかしく,扁桃腺の腫れが引いたと思うと間もなくやたらと咳き込むようになったし体温を測ってみると微熱がある。
 どうも風邪らしい。今年始めにインフルエンザで寝込み,今また風邪とは我ながら情けない。比類なく頑健とは言わないまでもおれはもう少し体力があったと思い込んでいたのだがこれは歳のせいだろうか。

 なんだか今年、おれの体調は変な気がする。
ひょっとしてこれは原発事故の産物で、おれは福島から飛散してきた放射性物質を吸い込んだせいで内部被曝でもしてしまったのではなかろうかなどと暗い妄想が湧いてくる。
 どうせ考え過ぎなのだろうがそれくらいひどい咳き込み方なのですよ。

 ただでさえデスクワークの大嫌いなこの俺が,先月同様、月初に寝込んでしまうのはこの零細自営業の経営状態に緊張感をもたらす。しかし何と言っても身体が資本なんである。宿題の残っている客先からの催促には平謝りを繰り返しつつ,パブロンを飲んでからノートパソコンを抱えて寝床にもぐり,腹這いになってちまちまと請求書を書く。いや我ながら何ともぶざまな姿だ。


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 寝床にもぐってたまった仕事を片付ける算段をしながら悶々としていると固定電話がしつこく鳴る。
面倒臭いながらも寝床から這い出して電話に出ると某という弁護士からだった。
 弁護士から電話がかかってくるなんていうのはおよそロクでもない場面しか俺は思いつかないのだが案の定で,売り掛けのある●原商事が破産したという。
 
 某弁護士はつまり、破産管財人だ。
 ●原商事には6月に売り掛けが生じた。某所のパステライザーの蓋が壊れたのでステンレス板金で製作してくれないかとの依頼である。
 パステライザーの製造元はイタリアのBLAVOという会社だ。日本国内では現地法人があるのか輸入代理店が扱っているのかは知らないが今でも普通に輸入されているのではないかと思う。
 蓋の材質はポリカーボネイトなので破損は容易に予想できるだろうし補用パーツとして在庫されていてもおかしくはない。

 製作を依頼してきた●原商事の某氏によればイタリアから取り寄せると時間がかかって得意先に迷惑がかかるから,とのことだったが今にして思えばこの時点で既に●原商事の資金繰りがヤバかったのではないのかと思える。
 そうでもなければ俺みたいなゴミ業者に依頼の声がかかるはずはないのだ。とどのつまり,はめられたのだな,俺は。
 
 生活に甚大な影響を与えるほどではないにせよ焦げ付きは焦げ付きだ。俺だって蓋を製作するにあたっては何がしかの持ち出しが生じているので丸損だ。
 そのようなわけで,俺は風邪をひいて寝込んでいるのみならずふて寝を決め込んでもいる次第。いずれ破産管財人の弁護士からは何かの案内が来るのだろうが俺の売り掛けなどは●原商事の債務額全体からすれば鼻糞以下の小額なので俺は債権放棄して来年度の確定申告には貸倒金として計上する事になる分だけ所得税がちょっと下がるのがせめてもの救いか。俺は今のところ未払いの買い掛けはないし借り入れを起こしているわけでもないので大して儲からないながらも夜逃げをしたり自己破産するような状況ではないが,何というか,世間の闇をかいま見るような気分である。

 とりあえず,身体が動けば金にはなる現況を有り難いと思わなければ。そのためにも風邪はしっかり治さなければならん。得意先の皆々様,ご迷惑をおかけしておりますがもう少々のご辛抱を。
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冷媒に関する俺のジンクス [お仕事上のぼやき]

 冷媒管に関係した修理について言うと,うまくいくときは手際良くパッパと片付くがつまづくと底なしのグダグダ状態に陥る傾向が俺にはあるように思える。
 本日はその,後の方にあたっており,目下俺は汚泥のような徒労感に苛まれておる。

 本日のメニューはイタリア製某メーカーのパステライザーの修理であった。
不具合箇所はレシーバータンクからのガス漏れで,交換作業にあたっていた次第。
冷媒の種別はR-404Aで封入量は2kg、客先末端渡しの金額は恐らく一万円を超える。

 配管溶接を済ませてポンプアウトを行い,冷媒を封入してから試運転を行う,この過程で溶接をしくじってガス漏れが起こっていると封入した冷媒はパーで、この分は請求できないというのが俺が自分に課したルールだ。
 そして,俺の悪いジンクスみたいなものがあって,キロ単価の高い冷媒であるほど俺は溶接をしくじる確率が高そうだ。
 比較的安価なR-22を使った冷凍機のときにはあんまり失敗した記憶がない。
R-134aは値上がりしてから一度,無茶な溶接をして3月に一度失敗をこいた。
普段使用するうちでは最もキロ単価の高いR-404Aはこれまで結構な確率で溶接をしくじってやり直す事があったのではないだろうか。しかも悪い事に封入量の多い冷凍機であればあるほどその確率が高かったように思う。

イヤなジンクスだ。
貧乏神に取り憑かれているのではないだろうかと思うのは年がら年中だが今日のような日には殊更その思いが強まる。

 代替フロンの代表格R-22の製造期限もあと一年ほどであり,R-404Aの活用頻度はこれからどんどん上がっていく。ということは俺の溶接の腕前はどんどん落ちて請求できない冷媒をバンバン使いまくり死ぬまで貧乏で居続ける事になるという事か。
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中西製作所よりオファー来る [お仕事上のぼやき]

 タイトルの通り。一昨日,俺の元上司より『こんな話があるけどやる気あっか?』との連絡あり。
 俺の住む土地では幾つかの学校給食センターを手がけているのだそうだが現地での修理業者を探しているらしく,この会社の支店長と俺の元上役との話の中で俺が浮上して来たのだそうだ。俺は会社員の頃学校給食分野は幾つかの単独校給食以外は縁がなかったので今まで考えた事もなかった仕事だ。

中西製作所のHP
http://www.nakanishi.co.jp/

 学校給食というのは何ともぬるくていい分野に見えたなあ。
一日一食、土日は飯を作らない,おまけに夏休みに冬休みに春休みと来たもんだ。
給食施設の機材は,俺がこれまで長く関わって来た病院給食に比べたら1/4以下の稼働時間なんだから機械にとっては楽な環境だ。
 何度か,専業メーカーからの依頼で集団調理場での仕事をスポットで依頼された事があったが明らかにギャラがいい。同じ機器を同じように修理していて何故こんなにギャラがいいのかと首を傾げたくなるくらい学校給食での仕事は割がいいのだ。

 この分野は役場だの教育委員会だのがあれこれ絡む閉鎖的談合天国体制が未だに堅持されていて関係業者にとってはまさに金城湯池。
 ちょっと意外かもしれないが所謂厨房業界で、一番給料のいい会社がここ,中西製作所である。俺の知る限りでは時間外手当が青天井で支給される唯一の厨房屋が中西だ。

 商業施設や店舗で中西の名前を聞く事は非常に少ないが一般人に馴染みのあるところではマクドナルドの各店舗を手がけているのがここだ。ここ数年はタニコーが食い込んで来ているがまだ地盤はかなり残っていると俺は見ている。何せ,おいしいとこばっかりを持っていく会社で以前の俺の勤務先などは中西製作所に比べたらチンピラとかゴロツキみたいなもんだ。

 来週月曜日に支店長殿と面談の運びと相成った次第。成り行きは分からんが。
一つ心配のタネが元上役である。彼は絵に描いたような悪党なので俺の上前を情け容赦なくはねられる事になりはしないかと,それが心配だ。
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JRコンテナの使い道 [お仕事上のぼやき]

 有力金主であるところの某農協からエアコン工事の依頼が来た。
現調のために訪問したところ,最近,償却の済んだJRコンテナを二つ購入したので保冷庫として使いたいとのご意向だ。
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画像は本文とは関係ありません

 元々は食品の輸送にでも使われていたものらしく,筐体は断熱構造になっているので保冷庫としての利用は可能でありそうに思えるがおよそ3坪ほどの面積はあるのでそれなりの冷却能力を持った冷凍機を取り付けなければならない。
 3馬力程度の冷凍機を選定するのが順当だろうが屋外使用が前提なので夏場,外気温が上がった場合の事を考えるともう少し余裕度を見込んでおきたい気もした。

 そんな風に積算してみると結構な金額になり,これは久しぶりにいい商いになりそうかとほくそ笑んだのだが事業所の決裁枠を超えてしまうので淡い夢はたちどころに潰えて現実と向かい合わなければならなくなった。いつもの事だ。

 中古の冷凍機をどこかで探してはどうかと打診されたが不確定な要因が多すぎるのでこれはボツ。
エアコンで代用できはしないかと持ちかけられたがエアコンだってそうそうお手軽に買えるものではない。エアコンだろうが冷凍ユニットだろうが3馬力は3馬力なのだ。
保管物は荷受けした豆を乾燥工場に持ち込むまでの一時保管で,通例でいけば庫内温度設定は15℃だからそもそもエアコンではこの条件を満たせない。

 話はどんどん萎んでいって保管温度には目をつぶるとして除湿の機能だけでも活かしたいので家庭用のエアコンを取り付けてはどうかと提案された。家庭用の100V電源のものでもそれくらいなら用は足せそうに思えなくもないがやった事はないしそういう施工事例を見た記憶もない。毎度ながらの手探りで出たとこ勝負の始まりと相成った。

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 画像は本文とは関係ありません。

 目先の金に釣られて話に乗ったはいいがイヤな事を思い出した。
これまでエアコンに関わった仕事で俺は儲かったためしがない。全戦全敗で必ず赤字なのだ。わけても新冷媒のR-410Aは頭痛の種だ。これまでにも圧力ゲージだの何だのと中途半端な設備投資をしてきたが他分野でのささやかな利益を食い潰すばっかりでいつまで経っても投資効果がさっぱり出てこない。
 俺は本職の冷凍機屋ではなく、所詮『冷機器もいじれる厨房屋』でしかないので何メートルもの距離を取る本格的な冷媒配管施工に使う道具類にはまだまだ不足があり、これまでは必要に応じてお仕事仲間の冷凍機屋さんに都度都度拝借して事を済ませていたが、この手のお仕事が今後も続くとなるといつまでも借り物というわけにもいかなくなる。
 ここでまた,あれこれ機材を買い込んでこの一件も赤字となってしまうのだろうかと実は暗い予感を抱いているのだが恐らくこれは的中する。
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あけてくれ!(4) [お仕事上のぼやき]

 まとまりもなくダラダラと書き続けているうちに4回目。

あけてくれ!(1)http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-02-08
あけてくれ!(2)http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
あけてくれ!(3)http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-05-15

 重ねて書くが,特段ドラマのような山場があるわけではない。 思いつきの行き当たりばったりで書きはじめただけの出来事だが,顛末について現実の生活に於いて幾人かの方々からのご要望があるので全くの義務感で続けているだけの事でしかない。そろそろ今回で終わりにしてしまおうかと思うが締まらないオチでしかないのでご勘弁願います。

 勿体ぶるつもりはないが本当につまらないオチでしかない。
どうせこんなタイトルをつけるのだったらせめてこれくらいの経験であれば一週間か十日くらいは時の人になれたのかもしれないが。

あけてくれ! part1


あけてくれ! part2


歳がバレるな・・・・ここでようやく本題。

 俺は何とも言えない気分で食器洗浄のおばさん達が廊下を通るのを待ち続けた。
脱水状態というのは辛いものだ。ぐったりしながらでもくだらない妄想は頭の中に湧き出てくる。ふと考えた事は以前どこかで読んだか聞いたかした事のある小便健康法という奴だ。何でも自分の小便を飲むと身体の調子が良くなるらしい。考えただけでも吐き気のしそうな話だが今の状況なら健康増進は別としても尿意の解消と口渇感が解決できる事になるのだから一石二鳥ではないか。
 とは言え小便を入れる器となりそうな4リッター入りのトマトケチャップの缶は先に書いた通りほぼ満杯だからこれは無理そうだ。
 ケチャップの缶の空き容積ぎりぎりのところまで小便をする事で尿意は治まりはしないだろうかという妄想が次に出て来た。しかし一旦始めた放尿を途中で止めるという芸当がはたして可能かと自問してみたが大体生まれてこのかた,大でも小でも排泄行為の最中に意思の力によってそれを中断するなど試した事さえないので全く自信が持てなかった。
 あれもダメ,これもダメ,としょうもない妄想をこねくり回しているうちにも口渇感や尿意はじわじわとエスカレートしてくる。下半身はキリキリと痛さを増す。尿意に耐えきれずに小便を漏らした状態で助けてもらい一生笑い者にされるくらいだったらいっそのことここで突然くたばってしまった方が生き恥をさらさずに済む分マシなのではないかと物騒な事さえそのとき俺はまじめに考えた。

 にっちもさっちもいかないグダグダ状態はしばらく続いた。恐らく数字でいえば10分かそこらだったのかもしれないが臨界状態の俺には数時間にも感じられる時間だった。今だから他人事みたいにいえるが時間の経過というのは心理状態によって長く感じられる時もその逆もあるのだと思う。
 いずれにせよおばさん達の食器洗い業務は終わって前室から出てくる足音やら話し声が伺えた,俺は文字通り小便をちびらせそうになりながら藁にもすがる思いで食品庫の鉄扉を内側からドンドン叩いた。
ひぇえええええっ!


 おばさん達が一斉にわめき声を上げた。仕事が終わって帰る途中の真っ暗な廊下でいきなりなのだからびっくりするのも無理はない。しかし俺だって必死だったのだ。
「あけてください!たのんます!あけてくれ,ここをあけてくれぃっ!!!」俺は乾ききってこわばった舌をもつれさせながら懇願した。
 「何?何なのさ」「誰かいる!(当たり前だ!)」「○○さん(俺の名前)かい?」鉄扉越しに狼狽するおばさん達の様子が伝わって来た。
 そうです,そうです,ここをあけてくださいと俺はからからに乾ききってうまく回らない口舌で訴えた。パニックが少し治まって平静を取り戻したらしいおばさん達はあんた,どうしてそんなところにいるのと鉄扉越しに訊ねて来たが俺の生理現象は悠長な会話を交わしていられるような状態ではなく、それは後から話すからとにかくここをあけてくれと小便を漏らしそうになりながら俺は懇願した。

 「鍵!誰か食品庫の鍵を持って来て!」おばさんのうちの一人が鍵を持って戻ってきたはいいがドアノブは俺が余計な真似をして鉄扉から外れて廊下に転がっているので把っ手がないとおばさん達の間には再びパニックが勃発しはじめた。
 俺は脳天から煙を上げながらドアノブは廊下に落ちているので鉄扉の穴に差し込んでくれと頼んだが廊下は照明を落としているので真っ暗な上にドアノブは俺の予想以上に離れたところにまで転がっていったらしくなかなか見当たらない。
 「どこ?どこに落ちてるのさ」「あったあった、これこれ」物体を拾い上げたおばさんはガリゴリとドアノブの取り付け穴にそれを差し込もうとしたがなかなかうまく刺さらない。俺は小便が漏れそうなので気が気ではなく,早くしてくれとせっつくとおばさんがヒステリーを起こした。
 「何さ!あんたが余計な事をするから手間取っているんでしょう!」確かにそうなんだが俺にはここで口に出して言えない切迫した事情がある事を分かって頂きたい。
 「うまくいかないねえ」と鉄扉の向こうでおばさん達はドアノブをガチャガチャと動かしているうちにドアノブのシャフトが何ミリか,鉄扉の取り付け穴から突き出て来た。俺は道具箱からもぎ取るようにしてプライヤーを引っこ抜くと間髪入れずにその数ミリ飛び出したシャフトを掴んで内側に引っ張り込んだ。
 「鍵!鍵を・・・・・」もはや俺の膀胱に蓄えられた小便はその中に収まりきらずに尿道のあたりにまで達している事がはっきり分かるくらいだった。
 
 そして鍵は開き,鉄扉は開いた。
 築年数の古い病院の地下層はいつも生温く淀んだ空気に満たされている。しかし俺が閉じ込められて四苦八苦していた食品庫からみればそれでもひどく新鮮なものに思えたのはきっと気のせいだろう。
 どうしたの?とか何をしていたの?とか口々に訊ねてくるおばさん達に答えている暇はなかった。すぐに戻ってきますからと言い残して俺はおばさん達をかき分けて、背後にどこへ行くのかねえだとかおしっこをしたかったんじゃないのかねえだとかいった哄笑を聞きながら便所に向かって猛烈に駆け出していた。
 
 排泄の快感については人類共通の認識があるだろうからここでわざわざ,尾籠な話題について詳しく書く事はしない。なにせ一番みっともない状況だけは回避できたのは確かだ。
 しかしこういう出来事には後日談がつきもので,その事は書き残しておく事にする。
あらためて,だが概して女性というのは喋りたがる生き物だ。その翌日,作業の報告と別件の修理のために某総合病院栄養科を訊ねると前日の出来事は既に栄養士と言わず調理員と言わずあまねく知れ渡っていて俺は散々笑い者にされた。必死になって小便を堪えていた様子さえもが面白おかしく広まっているらしかった。事実なのは間違いないがそれにしてもこっ恥ずかしいものだ。

 更に有り難くない付録がある。
そのとき,その場には栄養科長という役職の方がたまたまいらっしゃった。正職員にして病院のみならず地域全ての栄養士ににらみを利かすほどの俺にとっては決して無視できないお方だ。
 「そういえば○○さんは以前・・・・」栄養科長殿はおよそ14,5年ほど前の出来事を語りはじめ、その一部始終は更に居合わせた一同の爆笑を誘った。現在の業務委託に移行する以前の,今回の出来事よりも更にみっともない出来事だ。余りにも下品な出来事なので今回ここでは書かないが,俺は内心,いい加減にその話は忘れて欲しいものだと思うと同時に、何もこんな当時の事情を知らない方々の前でその話をご披露するのは勘弁してもらいたいもんだと内心舌打ちしたのだった。

 住んでいる土地が田舎なせいもあって話が広まるのも早い。「その話」といい今回の出来事といい,他の給食設備のある施設で栄養士と会うとニヤニヤ笑いながら「大変だったねえ」と話しかけられるのにはある種の恐ろしさを覚える。何故あなたはその話を知っているのだ?
 そういうわけで俺はしばらく,うわさ話の沈静化する気配を伺いながらこの種の施設でお仕事をする事になったがこれが初めてではない。
 そして最後に,俺は決して出来のいい頭脳の持ち主ではないが幾らかの学習能力は持ち合わせているつもりでいる。あらためて、だが閉所に入って作業するときには事前にドアが内側から開くかどうかを確認するようになった。事前に排泄行為を済ませておくようになったのは勿論である。
(この項終わり)
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入ってくる金と出て行く金 [お仕事上のぼやき]

 しばらく前に実家から連絡があり,印鑑証明を持ってくるようにとの事だった。
三十年以上前に亡くなった父名義の定期預金口座が解約されておらず,返金したい旨の連絡が銀行からあったのだそうだ。戻って来たお金は息子達で等分するとのことで俺にも幾らかのお金があたる事になる。

 俺は生前の父とは大して折り合いの良くない不肖の息子だったので,こうして実家からお金を受け取る事には複雑な気分である。大それた金額では全くないが多寡の問題ではない。
 しかし断固として受け取りを拒むとなると、これはこれでまた実家との間に角が立つ。既に独りよがりなガキではないし、意地を張り通せるほど裕福な身の上でもないのでありがたく頂戴する事にした。
 素直な心情として,何だかんだいって親というのはありがたいものだと思う。天涯孤独の野良犬生活だったならば手に入らないはずのお金だ。

 さしあたりそのお金は運転資金の足しにさせてもらう事にした。喫緊の出費が必要な際にはあらためて父親に感謝する事になるだろう。
 と、神妙な気分に浸っているのも束の間,情け容赦のない現実は次々に襲いかかってくる。

 まずは開業当初購入した温度計がぶっ壊れた。新しく買い込むとなると3万円くらいの出費になるが目下資金繰りに頭をひねっている最中なのであまり気前のいい買い物をするわけにはいかず,修繕する事にしたが新品を買うより安価とはいってもそれなりの修繕費ではある。
 おつぎ,車のタイヤがかなり減っているので取り替えなければならない。消耗品である以上仕方がないがやはり痛い出費だ。
 他にも色々続くが昨日だめ押しの一発が来た。

 某ホテルの冷蔵ショーケースに鍵を取り付ける加工作業の最中のこと、
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 取り付け例を現地で見た事はなく,製造元でも後づけの事例はないと言う。ない知恵を絞って手探り風にファスナーロックという材料を探し出してこれまた手探り風に取り付けてみたその時,
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 ベースをビス固定する際にピシッとイヤな音がした。見る見るうちにガラス扉にヒビがはいって俺は血の気が引いた。
 確信の持てない作業を安請け合いするんじゃなかったとか何とか色々な事を瞬時に考えたが時間は戻らないし起こった事が変わるわけでもない。
 誤摩化しが効く事象ではないし第一,人様を口先で丸め込めるほど俺は頭が良くない。
正直に白状して弁償するしかない。事情を説明してひとまずその場は収めて頂いた(つもりでいる)。

 しげしげと冷蔵ショーケースの扉造作を見るとこれはただのガラス扉ではない。断熱複層ガラスなので切り出したガラスを一枚買って来て交換という話では済みそうにない。扉をそっくり交換するしか手がなさそうなのだ。
 一体この扉は幾らするものなのかを勘案すると貧乏自営業としてはやはり気分が凹む。ある意味痛い授業料だがこの授業料は後々俺の稼業に活かされてくるのだろうか?このごろつくづく思うのだが俺はいつまで経っても熟練とか円熟とかいった境地に達する事ができずにいる。イレギュラーな出来事にばかり遭遇しては右往左往しているうちに20数年経ってしまった,そんな気分でいる。
 実家から見れば俺のような奴はこの先もずっと不肖の息子であり続けるような見え方かもしれない。大げさに言えばそれは俺の,一種宿命みたいなものなのかもしれないなどとあらためて考える。

そういえば昨日は,13日の金曜日から一週間後だった。
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あけてくれ!(3) [お仕事上のぼやき]

 過去記事はこちらです。
あけてくれ! http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-02-08
あけてくれ!(2) http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23

病院の食品庫に閉じ込められた俺はふと、以前見た事のある映画を思い出していた。

死刑台のエレベーター [DVD]

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傑作中の傑作。サスペンスの金字塔だ。
生来のずぼらさ加減で俺は自動車のドアをロックするのを忘れていた。もっとも映画と違って俺の車は盗みたくなるような立派なものでは全然ないし,車内には金は勿論,ダッシュボードに物騒なものが入っているわけでもない。俺は功績のある退役軍人ではないタダのくたびれたオヤジだし,ジャンヌ・モローみたいないい女にも生まれてこのかた縁がない。ただ,閉所に閉じ込められて焦りまくるというところだけは共通している。

『深刻な出来事』について書くのは,実はいささか気が引ける。特段勿体をつけるつもりはないが,尾籠な生理現象だからだ。
 しかしその事を書かなければこのテキストも先に進まないので俺はここで恥を忍んでそのとき俺に襲いかかって来た尿意の事に触れなければならない。
 
 俺はきっと脱水症状みたいな状態にあったのだろう。その少し前,鉄扉に飛び蹴りを敢行したあたりから下っ腹の当たりに何か変な感覚はあった。
 尿意は急にエスカレートして俺の行動を厳しく制約した。動き回ると,漏れそうになるので俺はイライラしながらうずくまってあれこれ考えた。
 口の中はからからに乾いて舌が棒のようになり、声を出そうにもうまく口が回らなさそうだった。

 場所が食品庫というのが返す返すも俺のツキのなさを際立たせている。
その少し前に煙草を吸ったのも十分不届きな行いだが閉じ込められた食品庫で我慢しきれずに小便を漏らしたとあってはこれはもう,出入り禁止どころか一生ものの赤っ恥だ。
 それだけは回避しなければならない。

 しかし現実問題として,尿意という奴は便意と違って一旦表面化すると小康状態がない。一方的にエスカレートしていくばっかりではなかったか。
 実際,その時の俺は閉じ込められた事を知った時とは別種の苛立を自覚していた。尿意が募ってくるというのはそういう心理状態を惹起するものでもある。何が何でも,少なくともこの状態だけは解決したいものだ,一晩中を食品庫で過ごす事になったとしてもこの生理現象は解決したいと俺は切に願ったがそんな事が無理なのははなっから明らかだ。段々股間が痛くなってきて頭のてっぺんから湯気だか煙だかが上がりそうな気分に捕われた。

 見るともなしにその辺を見回すと4リットル入りのケチャップの缶がまた目に留まった。冷凍庫の霜取り排水をなみなみとたたえたケチャップの缶,さっき俺がタバコの吸い殻を放り込んだケチャップの缶に放尿する事でこの辛さは解決できるのではなかろうかと俺は思いついたのだ。
 ぬか喜びはしたものの,トマトケチャップの缶には霜取り排水がなみなみとたたえられており,はたして俺の一回分の小便がその空き容積にうまい具合に収まるかどうかについては確信が持てなかった。
 平均的に見て,人は一回にどのくらいの量の小便を垂れるものであろうか。
何とはなしに思い出したのが検尿用の紙コップだ。あれはどれくらいの容積があっただろうか。大体150cc位だったかもう少し少なかったか・・・・
 とにかくあれは普通に尿意を催した状態で一回分の小便を収めきれるものではない。だとすると俺の場合,きっと一回で200ccから250cc位の小便をたれているのかもしれぬ。
 さてそこでケチャップの缶だ。霜取りの排水をなみなみとたたえたこの缶には一体どのくらいの空き容積があるのか。腰にくっつけていたスケールを取出してケチャップの缶の外形寸法を測り,円柱の体積πr²hを暗算ではじき出そうとしてみたがちょっと身体を動かしただけでそれどころではない事を嫌というほど思い知らされた。
 そんな悠長な事は身体が普通の状態のときに初めてできるものなのだろう。何せ、ちょっと身体を動かしただけでも尿道がキリキリと痛い。全く尾籠な話で恐縮だが脳天から煙が上がりそうだ。普通に立っているだけでも漏れそうなのだ。小便を堪えながら俺は食品庫の床にうずくまってケチャップの癇を眺めた。俺の膀胱はもはや臨界状態であってどう見ても今,意を決してここに放尿すれば小便は溢れ出して床に無様な水たまりをこしらえるであろう事は計算するまでもなく予想がつく。後々の事を考えれば何が何でもその事態は回避したい。

『早く誰かがこの廊下を通ってここをあけてくれ!』俺は床に頭をこすりつけながら祈るような気持ちで時間の経過に耐えた。一秒が一分くらいに感じられるほど時間が間延びして感じられた。
もしかしたら諸兄の中にはご経験のある方がおられるかもしれぬ。あの尿意という奴はどんどんエスカレートしてくると尻の穴の周辺が物凄く痛くなってはきませんかね?(この項続く)
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13日の金曜日(1) [お仕事上のぼやき]

 昨日は5月13日,金曜日だった。
 俺の商売は3月はからっきしダメだったので目下金欠状態にある。但し4月はそこそこ忙しかったのでドタバタ続きだった。
 連休明けで一区切りついたので元の勤務先の後輩達と一丁パーッと飲み会でもやろうか,と,金もないくせに目論んでいたので早めに仕事を切り上げられるようにと調整していたのだった。

 それで昨日のメニューは一件に留めた。某総合病院でかれこれ15年くらい使っているモービルシンクの溶接補修というのがそれだ。
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 俺が会社員だった頃,食器洗浄機の周辺機材として納めたものだ。框部分は20Rのベンダー加工を施して水返しになっているが移動するときにここを掴むと結構具合がいいものらしい。
 しかしそんな使い方を15年も続けていると,幾ら厚めの板で製作しているとはいってもやはり溶接箇所は痛んでひびが入ってくる。
 もう一つついでに脚部分は俺の趣味で38φのパイプ脚とし,シンクボウルとの接合箇所にはガセットを使用したがこれまた長年の酷使がたたって溶接がはがれて来てぐらつく。要するにどこもかしこもガタガタでキャスターと排水トラップ以外は廃物と言っていいくらいのコンディションなのだ。(ここで脱線,そういうものを何とかかんとか延命させようとする俺は現地の同業者や中古品の業者からは大変嫌われているらしいという話を開業以来何人もの人から聞く)
 リプレースするにも目下予算が厳しいとの事情だったので,一日預かり,鍛冶屋に持ち込んで溶接修理する事で話がまとまった。お金的には結構悪くない。

以下,昨日の俺の動き。
8:30 日頃お世話になっている某社長のところにいってモービルシンクを運ぶための軽トラックを借り受ける。
9:00 某総合病院からモービルシンクを搬出,積み込み
9:30 鍛冶屋にモービルシンクを持ち込み,修繕内容の確認

 全てが順調に進んだ。
ここ数日,色々立て込んでいたので少し自宅でゴロゴロしようかと俺は考えた。
飲み会を心待ちにしながら自宅で怠惰に昼寝をしていると15:00頃に鍛冶屋から修繕が終わったので引き取り可能との連絡があった。俺は16:00から17:00くらいの上がりを目安に考えていたのでちょっといい気分でこれを引き取りに出かけた。

 鍛冶屋でモービルシンクを引き取ったときに先方の社長からは思ったよりも手がかからなかったので修理代は最初の試算からちょっとおまけしてもらえるとの耳よりなアナウンスがあり、ここでまた俺は喜んだ。タバコがひとカートンくらいは買えそうな値引き幅だ。本当に全てが順調に進んだ,この辺までは,という但し書きつきだが。

 某総合病院に俺はウキウキしながら向かった。気のせいか軽トラもエンジンの具合が絶好調。
当初の予定より一時間以上早い進行状況に上機嫌な俺は病院についてから鼻歌まじりにモービルシンクを降ろし,ゴロゴロとドライエリアを押していった。こういうときには可搬機器は楽でよろしい。
 
 院内に一歩踏み込むと何か違和感があった。
あんちゃんの頃から通算してもうかれこれ20年以上,毎日のように出入りしている現場なので直感的に何かがおかしい気がした。
 照明が全部落ちていて廊下が薄暗い。搬入口から調理室の中を窓越しに見ると一年365日,ひっきりなしに慌ただしいはずの厨房が漆黒の闇だ。目をこらして良く見ると廊下にはうっすらと煙が漂っていて何やら刺激臭が鼻をついた。離れたところから怒鳴り声の混じったざわめきが聞こえる。

『何だ?今ここでは何が起こっているのだ?』腹の中で何か物騒な予感が湧き起こってきた。
(この項続く)
 
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トンボラックの塗装はがし [お仕事上のぼやき]

 トンボラックという什器の名称はご存知だろうと思う。
ベーカーや製菓のバックヤードではお約束の如く,デッキオーブンの周辺にあるこれだ。
焼成の前後,トレーを一時的に置いておく棚である。
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 食品機械だとか厨房機器のうちでは珍しい事に,俺の知る限りトンボラックの多くは鉄製である。
ステンレス製トンボラックの導入例が少ないのはきっとそれが鉄製に比べて高価だからだろうと思っている。実売価格で確か3倍くらいの開きがあるはずだ。
 幾ら何でも3倍も違えばそりゃあ確かに購買意欲は失せるだろう。

 しかしだ,安物買いの何とやらとは全くこういう事を指すのだろうが,鉄製のトンボラックは導入ごしばらくして多くのオーナー様達を悩ませる事が多い。
 トレーの出し入れを繰り返しているうちに段々塗装面がはがれてくる。そしてはがれた塗料の砕片が落下して下の段の商品にかかってしまう事になる。

 ここに至ってオーナー様はこの事象を何とかしたいと思う。
業者を呼んで解決策を乞う。解決策といってもやる事はあらかたお決まりでグラインダーとかヤスリを持ち出して来て塗装をはがす以外にない。

 本日,俺は日中の殆どを費やして2列13段,合計26枚分のトンボラックの塗装はがしに精を出していた。丸一日かかっても塗装面の半分くらいしか落とせなかったのは俺が要領を得ていないせいだ。
なにしろ段ピッチが狭いのでサンダーを使える箇所が大変少なく、作業の殆どはスクレーパーでごしごしこするくらいしかやりようがない。残り作業はサンドペーパーをかけるのだがこれまた手仕事は大いにくたびれる。
 塗装をはがし終わったあとはウェスでサンドペーパーをかけたあとの屑を拭き取るのだがこれまた骨組みが入り組んでいるせいで手間を喰う。本日の俺はまるっきりの肉体労働に明け暮れていたのでいささか疲れている。
 トンボラックの実売価格はそう高いものではないのでこんな労務をしても一体幾らで請求させて頂いたら良いものか決めかけている。主幹としては大いにくたびれたのだけれど言い値というわけにはいかなさそうで少々困っている。

 帰り際にこの得意先からはお土産にケーキを頂いた。大変有り難いがこうなると余計に金の話をしづらくなるのが俺の良くないところだ。

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あけてくれ!(2) [お仕事上のぼやき]

前回のエントリーはこちらです。
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-02-08

ごくたまに,『あんたのブログを見たよ』と同業の御仁なりお客さんに言われる事がある。 元々他人様に読んで頂く事を意識して書いているわけではないので大変恥ずかしい気分になる。 何度も書くように,元来,物事を継続する意思には著しく欠けており,何をやっても中途半端な尻切れとんぼばっかりだ。 ただ,どうも先のエントリーの続きについては複数の方々から顛末をちゃんと書いてくれという要請があったので半ば義務感で続きを書かせて頂く。

 続き,と言っても大してドラマチックな展開があるわけではない。
現にこうして俺は今,五体満足なままで普通の生活を送っているのだし。
食品庫に閉じ込められた俺は真夏のさなか,冷や汗やら脂汗やら何やらなにせ汗まみれで脱出方法についてない知恵を振り絞って考えた。

 何と言ってもかっこわるい結末は避けたかった。閉じ込められた食品庫から大声を張り上げて助けを乞うような真似はしたくなかった。何とか自力で脱出はできないものかと考えを巡らせたのだった。
 廊下を行き交う調理員のおばさん達の足音が段々減っていく。残った時間はあまりない。夜の9時になれば防災センターの警備員が巡回に来るのでそのタイミングを狙えば間違いなく出られはするのだが繰り返すようになんだかみっともないのでそれまでは待てない気分だった。

 はたと気がついたのは現場には手持ちの商売道具を持ち込んでいるのでドアノブを分解して脱出できはしないか,という事だった。
 どうしてそれに気づかなかったか,というご意見はあるだろうが何しろお客さんの建物だ。幾ら閉じ込められたからといってドアノブをばらすのはいかがなものか,という自制が働く程度には俺にも冷静さが残っていたという事になるし、分解したドアノブを元通りに組み立てられなくて弁償する事になったら修理代から出てくる利益なんぞ簡単に吹っ飛んでしまうというせこい計算も働く。
 とはいえ背に腹は変えられない。素人なりの猿知恵でドアノブの分解に取りかかった。

機械いじりは確かに俺の生業だがドアノブの分解となると当たり前だがまるっきり勝手が分からない。分からないが取り付けられた物なのだから取り外す事はできるだろう,ああでもないこうでもないとすったもんだやった挙げ句,食品庫側の把っ手はどうにか外れた。
 外れたあとには四角い断面でギザギザのついた,何と言う名称なのかは知らないが何せドアノブのシャフトが突き出ていた。把っ手はこのシャフトに被さるだけの物でしかないらしい事は俺の足りない頭でも理解できた。

 シャフトはスプリングが利いていてドアノブを捻る時の抵抗感とはこれの事だったのだな,と,大して役にも立たない事を一つ,そのとき俺は知った。
 問題なのはシャフトをいろんな風に捻ってみてもロックは頑として解除されない事だった。何がどんな風になってロックされているのかがさっぱり分からないのでがちゃがちゃとでたらめにいじくり回しているうちにシャフトはぐらぐらと遊びが増え,取り付けが不安定になって来た。
 シャフトは前後方向にガタが出始めて来たので,俺はいっその事,廊下側にシャフトごとドアノブを押し出してしまったらドアが開くようになるのではないだろうかと何の根拠もない素人考えを巡らせ、独りよがりな期待を募らせた。
 室内は物凄く暑くなっていた。俺もドタバタのせいですっかり汗だくで体中がベタベタして大いに不快感が高まっていた。シャフトを廊下側に押し込むとそれは固い音を立てて廊下の床に落下した。ドアノブの地理付けられていたあとには直径4センチくらいの丸い穴が空いていた。何の確証もなく,俺はドアノブを丸ごと外したのだからもうドアは開くものだとばかり勝手に思い込んでドアを押してみた。

 しかしどうだ,無情にもドアは厳然として微動だにしない。廊下側のドアノブには鍵穴がついているのだからそれを外しさえすれば施錠が解けるのではないかと素人考えでドジを踏んだ事を悟って俺は地団駄を踏みたくなった。
 食品庫の中は相変わらず暑い。俺の頭の中はそれまでカッカしていたのにこのとき急にひやっとした。時計を見ると7時20分くらいを指していた。残っている調理員はあと4,5名くらいだろう。その人たちは食器洗浄の仕事をしていて業務終了が8時,後片付けをして休憩室で着替えをして退勤するのが大体8時10分から20分の間というのがいつもの流れだ。
 じたばたせずにその時間まで待って食器洗浄のおばさん達が廊下を通りかかるタイミングを見計らってドアを叩いて大声を出せば,格好悪いながらも廊下から鍵を開けてもらって脱出はできるのだ。
 それがこうしてドアノブを外してしまえばどんな事になるか,食器洗浄のおばさん達には機械の心得などまるっきりありはしないのだ。床に転がっているドアノブを廊下側から取り付けるような事など期待するべくもないのははっきりしている、そのとき俺はどうすればいいのか。

 余計な事をしたばっかりに尚更ややこしい状況になってしまった。なんでこう,何から何まで悪い方にばっかり転がっていくのか。
 頭に来てつい,俺は鉄扉に飛び蹴りを食らわせた。鉄扉はでかい音を立てたが相変わらず厳然としており,廊下は閑散として何の気配もない。ただ,俺が足の裏を痛くしただけだ。
 憔悴気味の俺は気持ちを落ち着けようとしてついついタバコに火をつけていた。病院の食品庫でタバコを吸うとはとんでもない話だが,そんな見境もつかないくらい考えが混乱していたという事なのだ。幾らも経たないうちに俺は少し冷静さを取り戻し,なんぼなんでもタバコはいけないと思い長い吸い殻を霜取り排水のなみなみと溜まった4リットル入りのケチャップの缶に放り込んだ。

 煙草を吸えないのは物足りないが,じたばたしてもしょうがないので道具を取りまとめておばさん達が帰るのを待とうと商売道具を片付けているうちにひどく喉が渇いている事に気づいた。考えてみると夕方からもう既に2時間かそこら,汗だくになってドタバタし続けているのだから喉が渇くのも無理はない。
 最初俺は車に置いて来た飲みかけの缶コーヒーの事を思い出した。どうせ今はすっかりぬるくなってうまくも何ともないのだろうが今ここにそれがあればどんなに嬉しいか。
 次に俺はその修理が冷凍庫ではなくて冷蔵庫だったらどんなについていたかと思い,気分を幾らか凹ませた。冷蔵庫であれば牛乳だったりジュースだったりが入っているのだから、怪しからん行いではあるが一個失敬したあとで食品庫からの脱出後,事情を説明して弁償すれば案外多めに見てもらえそうな気もする。
 しかしここ,食品庫にあるのはさっきまで俺が霜取り解氷のために格闘していた冷凍庫だ。アイスクリームさえも入っていない(病院の給食なんだから当然だが)。入っているものと言えば冷凍かにクリームコロッケだとかいったものばっかりだ。大体冷凍庫なのだから液体がそこにあるわけなどない。
俺はひどく喉が渇いていた。着ているシャツは濡れ雑巾みたいになっていていい加減脱水症状みたいなものが出始めて来てさえいた。頭がぼうっとしかけてやたら口の中が粘ついて何でもいいから液体を口にしたくなっていた。
 
 ここでふと,ケチャップの缶に目がいった。
その中に入っているのは,俺の閉じ込められた食品庫の中にある唯一の液体なのだ。
その液体とはさっきまで俺が解氷していた霜取り排水である。
冷蔵庫,冷凍庫,いずれも運転すれば庫内には必ず,大なり小なり必ずカビが発生する。
そして一般に,この手の冷機器は庫内でファンを回して冷気を循環させる。
従って霜取り排水は必ずカビ臭いものだ。
俺はケチャップの缶に鼻を近づけてみた。予想通りイヤな匂いが鼻を突いた。とても飲めたものではない。ましてやつい今しがた,俺はタバコの吸い殻をこの中に放り込んでいるのだ。タールとニコチンの溶け出したカビ臭い霜取り排水・・・・ふやけた煙草の葉っぱが水面に漂っているのを見るにつけ,俺はここでまた自分の愚行を腹の底から後悔した。頭をかきむしりたい気分だった。
カビ臭かろうがそれはとりあえず水だったのだ。いやだが飲んで飲めない事もないだろう。
しかしタバコの吸い殻を放り込んでしまえばそれはもうとても飲む気にはなれないものだ。
以前、間違ってタバコを一本落っことしたコーヒーをそのまま飲んで具合を悪くした人がいたという話を聞いた気がするのだ。
何ともバカな真似をしたものだ。ひどく悔しい気分を噛み締めながら俺は脱力した。

気のせいか息づかいまで乱れて来たように思える俺は疲労困憊して床にへたり込み、汗でグダグダになりながら少しの間呆然としていたのだが,もっと深刻な出来事が襲いかかっている事に気づき、吹出す汗はたちまち冷や汗に変わった。(この項続く) 
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コーヒーマシンに手こずる [お仕事上のぼやき]

コーヒーマシンの修理は苦手だ。
あんちゃんの頃からうまくいった試しがない。自慢じゃないが俺だって昨日や今日の修理屋ではないのだ。厨房機器とか食品機械とか行った類いについては大概の事は片付けて来たと思うが何故かコーヒーマシンの修理には手こずる。修理屋と機械の相性なんていうものが果たしてあるのだろうかとついつい考えたりする。

エフ・エム・アイからの修理依頼があり,某焼肉店でコーヒーマシンの修理と相成った。
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 Fresh-Oneという商品名のドリップコーヒーの機械だが手元にあるエフ・エム・アイの総合カタログには掲載されていない。何か特化された販路向けのものと思われる。勿論俺にとっては修理した事はおろか現物を見た事もない代物だ。
 担当サービスの方は尻込みする俺に『イヤ大丈夫,大丈夫,簡単ですから」と言ってくださり、その上ご丁寧に交換用パーツと一緒に取り扱い説明書とメンテマニュアルまでも同梱してくださった。いつもながらこの方の親切な事には頭が下がるがしかし,それでも俺は何とも言えないイヤ〜な予感が払拭しきれないでいるのだった。

 現場に到着して現物を眺め,俺の不安は的中していた事を心底思い知らされた。
トルクスドライバーを用意しておくといい,と事前に教えてもらっていたので用意はしていたが、実機を見てみると見た事もないような形状のビスが使われていた。
 おそるおそる持参したトルクスドライバーをあてがってみたがやっぱり形状は合わない。
トルクスネジが使われているという事ではなく,トルクスドライバーで回らない事もないような形状のビスという事なのだ。
 文字では表現しようもないが何というか,妙な形のビスだ。修理屋稼業はもう20年以上にもなるが本当にこんな形のビスは見た事がない。

 見た事がないとはいっても一応,手持ちの道具で何とか回るのだからそれはいいとして,支給された部品の取り付けられている箇所がどういう分解手順で現れてくるのかが分からない。
 以前にも書いた事があるが,ヨーロッパ製というのはこういうところが厄介だ。外見上はスタイリッシュでかっこいいのだがいざ修理となるとビスだのボルトだのが何とも分かりにくいところについていて(多分,その製品の研修を受けた人でないと分からないような箇所),それを探し当てられないとそこからは一歩も先に進めない,といった具合だ。

 今回もまたその例に漏れない。
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 本体のドアを開けてみたはいいがどこから手を付けていいのかさっぱり見えてこないので俺はなす術もなく呆然としたまま時間は虚しく過ぎていく。お客さんから見ればその時の俺はさぞかし役立たずのボンクラ修理屋に見えただろうが全くその通りだ。
 
 コーヒーマシン本体を一旦取り外して背面の外装板を外せば問題の箇所に辿り着ける,という事に気づいたのは中を覗き込んでから実に数十分後の事だった。何でそんな事にも気づかないのか,お前は正真正銘のノータリンじゃねえのか、という罵倒は甘んじて受け入れるがしかし,俺の日常には本体をずらして何かをする場面というのが実はあんまりないのでそういう発想も出てきにくい事は苦しい弁解として一応書いておく。

 本体を外して裏側をあけてみると問題の箇所はここで初めて見えたわけだが,交換パーツであるところのお湯のノズルを動かすギヤードモーターは更に側面の化粧板を外さないと取り外せない事が分かり,化粧板を取り付けているビスを探すのにここでまた時間を費やす羽目になった。
 ヨーロッパ製の何か,というのをいじる度に毎度思うのだがボルトやビスというのはそんなに何が何でも見えないようにしておきたいものなのだろうか。

 なんとかかんとか問題のパーツを交換し終わり,試運転を行う段になってからも災難は続いた。運転表示のディスプレイにはけったいな表示が現れ,なかなかスタンバイの状態にならない。あまり期待もしていなかったが恥を忍んで同梱して頂いたマニュアルをめくってみたが案の定,その状態に関する記述はどこにも見当たらない。
 教えてちょうだいの電話をかけてみたり何だりとドタバタしているうちにどういうわけだか正常な表示が現れて胸を撫で下ろしたが,一体何故その状態が現れたのかはさっぱり分からないまんま。『そんな事は後から考えりゃあいいんだ!とにかくコーヒーが出せるようにするのが先決だ!』と気負い込んで動かしたがそこでまた躓く。
 外装板を取り外したままの試運転だったので抽出用の機構を動かすためのモーターについている羽根に電源ケーブルが絡まり,その機構がロックして動かないのを機械の不具合だと勘違いして慌てる。これに気づくのにまた幾らかの時間を潰す。もう,グダグダ状態である。書いていて自分でイヤになる。

 そんなこんなでとにもかくにも動くようにはしたけれど気づいてみると取りかかってから3時間以上も時間を喰っていた。日常,修理作業をし慣れている輸入元のサービスマンだったら一時間もかからずに片付けているはずだ。
 こんな風に手間取ってしまうと,なんだか金の相談もしづらくなってしまう。依頼元はご親切な事にかかった時間だけの経費請求はしてくれと言ってくださるがプロの端くれとしてはそんな虫のいい話ができるわけはない。

 こういう苦労が報われるとすればこの先,同じ機種の修繕が何度かある事で今回の学習効果みたいなものが生かされるのではなかろうかと愚考するが,あまり時間を置いてしまうと修理のコツというか注意点みたいな事を忘れてしまいそうだし,それ以前に輸入元は今回の俺の無能ぶりに愛想を尽かしてそもそも修理の依頼自体がなくなってしまうのではないかと気分が沈む。 
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禁を破って仕事をおっぱじめる [お仕事上のぼやき]

 毎日寝床で横になっていると本当にくさくさしてくる。
 医者の指示するところでは大体一週間くらいは家の中で安静にして外出はしないようにとの事なんだが一週間も横になんかなっていられるかよ!と,二日かそこらで医者の指示に背いてちょっと体調が良ければ寝床から抜け出して居間兼事務所(と言えば聞こえがいいがただ居間に机が置かれているだけだ)で見積書だの報告書だのを書いたり買い出しにこそこそ出かけたりし始めた。
 それで回復が遅れているのかと言えばそんな事もない(はずだ)。俺は職人なので寝床で横になっていたのではおまんまの食い上げだ。たまたまちょっとライト気味の修理依頼が飛び込んできたのをいいことに、喰っていくために背に腹は変えられないのだと妄想上で医者に弁解をして午後からホイホイ出かけた。

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某食品スーパーの惣菜バックヤードにてスチームコンベクションの修理。俺にとっては自家薬籠中のラショナル製なのでどんと来い,ってとこだ。作業内容は軸受けのいかれた排水ポンプの交換である。機体の熱源はガスなので内部がかなり密集した実装であり配管や配線などなどが錯綜している。同業の依頼元ははらわたを見てすっかり面食らい戦闘意欲を喪失したらしく俺の携帯に駆け込みでSOS,という成り行きだが,まあ俺にとってはちょろいもんだぜw
 病み上がりのウォーミングアップとしては悪くない。

 何日も寝床で横になってはお茶だの白湯だのをダラダラ飲んでいたせいなのだろうがこうして現場に出てちょっとした役務に従事すると普段になく汗だくになっている。
 はたと気づいたが,外出を止められるのは外の空気が呼吸器に良くないとかではなくて自分の持っている病原菌(ここではインフルエンザのウィルス)で他人が感染しないようにという事なんだな。こんな事に今更気づくとは俺の脳味噌にはいい加減黒カビでも繁殖しているのかもしれん。
 しかしまあ,大した修理代金にはならないのだが寝床に転がっているのに比べればよっぽどマシだ。

帰宅してから修理の報告書を作り,プリンターがいかれてまともに印字でいない事に気づいた。
ヘッドクリーニングを何回繰り返してもロクな印字結果にならず、しまいにはインク切れのため印刷できません,と来た。安物インクジェット複合機は机の脇にあるのだが、何度も立ったり座ったり複合機を開けてどうたらこうたらをイライラしながら続けているうちにこれまたいつの間にか身体が汗ばんでいる。頭に来たので仕事は中断していっそ風呂にでも入りにいこうかと思いついたがこれこそは御法度だろうな,きっと。もう何日も汗ばっかり書き続けていい加減気持ちが悪いのだがここは我慢(臭そうだ)。
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あけてくれ! [お仕事上のぼやき]

 訳あって寝込んでいる上に、予定していたどさ回りは延期となり,元々勤労意欲に欠けるこの俺は本日,大変やる気がないので昨年の夏に遭遇した災難の事を書き残しておきたい。

 その某総合病院にはプレハブ冷凍庫があり,昨年の夏は調子が悪かった。俺が会社員だった頃,改修工事の際に造作したもので昨年で丁度10年目になる。
 これまでは一年に一度の周期で冷却器の凍り付きが発生して,解氷作業があった。ドア周辺にカーテンの造作をしていないので湿度の高い夏期には食材の出し入れの際に外気の庫内への流入が影響するのだろうと考えられた。

 ところが昨年,夏期に於ける凍り付きの発生頻度が上がった。後にそれは霜取り設定のコントローラーの不具合だと分かるのだが原因が特定できるまでのある期間,凍り付きの連絡が入るたびに解氷にお邪魔する事になったわけだ。

 ある日の事,この問題が持ち上がってからもう2週間くらいは経過していたと思う。昨年の夏はやたらと暑く,ただでさえ出来の悪い俺の脳味噌は殆どサーマルトリップ状態で参っていた。なかなか原因が特定できないので正直,ウンザリ来てもいたのだ。
 なんだか面倒臭いので今日は冷却器の氷結を溶かすだけにしておこう,問題の先送りにしかならないが頭が回らないので仕方がない,そんな調子でダラダラとヒートガンをあてがった。

 霜が段々解けてきて,庫外に置かれたドレン受けの缶、それは元々トマトケチャップの入った4リッターの缶なのだがかなり一杯に近づいてきたのでそろそろ一回捨てておこうかと俺は考えた。
 
 前置きみたいな話を更に続けると現場状況はこうだ。そのプレハブ冷凍庫は食品庫の中に造作されていた。元々はドライストレージの場所で、改修工事の際に設営したので排水配管が取れていない。よって排水は外にケチャップの缶を置いてそこに溜まった霜取り排水を調理員の方が定期的に捨てるというものだ。

 冷却器の解凍にそろそろ区切りがつきそうになり,排水を捨てておこうと時計を見ると午後7時を少し過ぎていた。撤収にかかるには悪くない時間だ。ケチャップの缶を取り上げて食品庫を出ようとドアノブに手をかけて俺は凍り付いた。
 ドアが開かない?まさか。

 その総合病院に出入りするようになってからかれこれ20年以上が経つが、考えてみると工事期間以外には食品庫で長時間,夕方に作業する事は全くなかったのでドアロックの状態もまた頭の中には入っていなかった。
 外側から施錠すると内側からは開かない、そういうドアノブなのだ。そして俺は室内の冷凍庫の中で作業していたので施錠された事を分からずにいた。一方で調理員は一見,室内には誰もいなかったのでいつもの業務通りにドアをロックしたという事なのだろう。

ドアは非常なくらい頑健な鉄扉でとてもじゃないが蹴破れるような代物ではない。
ドアロックも閂状の角棒が飛び出してシリンダーに刺さり込む式でこれまた頑固極まる。
弁償覚悟でドアを叩き壊して脱出するという手はハナっから通じない。
どうしよう・・・午後7時過ぎという時間もまずい。栄養士や調理員が徐々に退勤し始めて食品庫に面した廊下を通行する職員が見る見るうちに減っていく。食品庫内からドアを叩いてみたが一向に反応がない。俺は段々焦燥感が募ってきた。

 ここで皆様は俺の事をさぞかしトンマな野郎だとお思いだろう。携帯電話で院内の誰かに電話して外からロックを解除してもらえばいいじゃないか,と。院内での携帯電話使用は本来御法度だが緊急なんだから仕方がない,しかしそれも通話が可能ならばの話だ。
 築30年の総合病院で場所は地下だ。そして同じフロアーにはMRI室だの放射線治療室だのといった部屋も同居している。受電室だとかボイラー室だとかいったエネルギー系統も地下フロアーだ。床の厚みは何と1メートルにも及ぶ二重スラブと来る。全体にそんな建築造作であって,とどのつまりこの病院は,院内全体がほぼ携帯電話の圏外なのだ。
 もしかしたらと祈るような気分で携帯を取り出しディスプレイを見てみるとやはり圏外の表示だった。悪あがきのように病院に向けて発信してみたが呼び出し音は鳴らない。食品庫に面した廊下はますます閑散とした気配で静まり返っていく。

どうすれば外に出られるか。
何をやったら外に出られるか。
換気のない地下食品庫で汗だくになりながら俺は行き詰まっていた。時間は無情に過ぎていく。
(この項続く)
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冷塩水処理機修理のその後 [お仕事上のぼやき]

 インフルエンザに感染して高熱を出し,唸り続けたここ2,3日な訳だが今朝あたりからは平熱を取り戻しはじめたのでいい加減寝床の中でじっとしているのが苦痛になってきた。
 本来,完治までの間は外出禁止(そりゃそうだ)なのだが3日も家から一歩も出ずにいると,かえってその方が精神に悪影響を及ぼしそうな気がしてくる。

 たまたま,先日の冷塩水処理機修理の依頼元から連絡があり,俺は時たまゲホゲホ言いながら少し話し込んだ。某スーパーで改造した個体のその後についてだ。

過去記事はこちら http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30(爆弾スイッチその後)

 ぶっつけ本番と言うか出たとこ勝負みたいにしていじり倒した機体だが製造元がHPを作成していた事を知らないでいた。
  http://www.jp1.co.jp/tony/b.html

 自己流の制御回路で動いた事でいい気になっていたが,内心,本当にあのまんまでいいのだろうかという自分に対する疑念が少しはあるのも事実だ。
 依頼元の主旨は運転状態自体は全く問題ないのだが,日常使わないからという理由で省略したタイマーの回路を追加できるだろうかという問い合わせだった。
 勿論それは可能で,大きな回路変更もなく済むだろうと回答させて頂いた。
俺なりの考えではDIN規格の48mm x 48mmデジタルタイマーが元々の実装だが中の従業員が直感的に操作や設定できる形式としては旧来のタイムスイッチを外付けしておく方が分かり易いのではなかろうかという提案をさせて頂いた。
CJ352637-01.jpg

 不格好な上にでかいので実装するにしてもうまく空きスペースを探さなければならないが提案としては悪くないと思っていて,これは依頼元の同意も得られたつもりになっている。
 それで,静養中の身の上だがこの件について追加改造費の見積りと修正した回路図を書き起こすお仕事が生まれてきたというわけ。
 俺は目下,寝床で布団をかぶり,腹這いになって回路図にあれこれ追加変更をしながら外出したい欲望を何とか押さえ込んでいる。

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爆弾スイッチの顛末 [お仕事上のぼやき]

 思い返してみると俺にやる気がないせいで随分引きずってしまったという事になるのだろうか。その分,お客さんにも迷惑がかかっていたわけでその事自体は大変申し訳ないと思う。
 結果を先に書いておく。昨年9月末以来,俺の中でしこりになって燻り続けていた某スーパーの鮮魚バックヤードにある塩水処理機の修理を十日ほど前に俺はきれいさっぱりケリをつけた。

そのとっかかり http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2010-09-28(爆弾スイッチ)
再燃のごたごた http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-01-17 (ババ抜き)

 結局,当てにならない配線図はこの際全部放棄して俺は全く新しく回路図を書き起こした。もう,何でもありだ。こういう展開になると俺は強いぞ。
KICX0331.JPG
 はらわた全部曝け出し状態だ。
クソ忌々しい配線を全部むしり取ってまっさらの状態から再度配線作業途中の図。
俺の設計した回路図は可能な限り単純化したものの上に16Pの端子台が二つもついているので大いに助かった。元の回路上にあった2回路と3回路のパワーリレーは無用に回路をややこしくするだけだという判断で撤去!

KICX0333.JPG
 こういう構図はテンションが上がるぜwww

 頭の中に配線の一本一本がチカチカしながら書き起こした回路図がある。接続を終えた配線はその都度マーカーペンで配線図のチェックしながら作業はガシガシ進む。医者になれるほど上等な頭は持ち合わせていないがなんだかブラックジャックみたいな気分だ。

 果たしてその結果はと言えば,試運転は一発で成功した。俺も捨てたもんじゃねえな,とか,本気を出せばこんなもんよ,とかいったくだらん自己満足に浸りまくる。循環ポンプとエアポンプと冷凍機の三つともが起動した瞬間、バックヤードのスタッフは目ん玉を見開いて俺の肩を掴んで揺すった。俺の鼻は5ミリくらい伸びていたかもしれん。これだけ感激されるとこのクソみたいな稼業でもちっとは張り合いが出てくるってもんだ。
 出来上がりの画像を写真に撮る事を忘れていたのが悔やまれる。これは本当に,ウソでもなんでもなくこの世にただ一台の冷塩水処理機である。

 かくして、すったもんだしながらひとまずケリはついて俺も多少は寝付きが良くなったわけだが幾つか言いたい事がある。(うまくいったものだから調子づいて吹き上がっているのだろうがそこはご容赦願います)

1:製造元,もっとスマートな回路を考えたまえ。ややこしく作る事はかならずしも高級なお仕事ではないのだよ。俺の回路の方が断然美しいな,ま,センスの差って事だw

2:店長,こんな筋の悪い他人のたれたクソの始末みたいな仕事を依頼しといて俺の作業中に「お金は幾らぐらいかかりますか?」だとか『今日は絶対に動きますよね?」だとか「あと何分くらいで終わりますか?」だとか厚かましい事を抜かすな!俺は作業中に何度となくお前の口の中に半田ごてを突っ込んでやりたくなったぜ!修理代は安くないぞ,覚悟しとけ!

3:K産業,迷惑だからつまみ食いみたいな仕事をすんな!いじったものはちゃんと元に戻せ!仕事ができないのは仕方がないけど嘘はつくな!配線はどこもいじっていないなんてバレバレのウソだ。バカな嘘つきくらい始末の悪い奴はいない。(とある無能社員の事を思い出すな)

あーここまで書いて清々した。そのうち誰かさんから抗議が来るかもしれないが。(この項終わり)
タグ:短絡 修理 配線
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ババ抜き [お仕事上のぼやき]

 某スーパーの鮮魚バックヤードにある冷塩水処理機修理についての続きを書く。過去記事はこちら。

http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2010-09-28(爆弾スイッチ)

 お恥ずかしい話だが,この件について俺は途中でお断りを申し入れた。他人のやらかした誤配線の修理となると時間が読めない。
 その上,あれこれ調べる途中で判明した事だが製造元の配線図自体がどうにも怪しい書式なのだ。きちんとしたメーカーはパーツの端子記号(番号)と配線それ自体の記号(又は色)の両方を配線図に明記してあるものだ。
 ところがこの製造元から送ってもらった配線図には至る所端子なり配線なりの空白があるばかりか、配線図上に記述されている記号なり番号がごちゃ混ぜで配線の記号なんだかパーツの端子なんだか判然としないので俺としてはマーカーペンをくわえて実機の配線を一本一本辿りながら配線図と照合するなんていうややこしい手順を踏まなければならない。

 かてて加えて他人様のやらかした誤配線だ。制御回路のどこかを間違って短絡箇所をこしらえたらしいというところまでは分かったがこの先には付録がある。
 機体にはやけに新しいサギノミヤ製の電子温調機がついていた。しかしその温調機はメーカーがくれた実体配線図に謳われている温調器とは製造元も型式も別のものだ。当然,端子の記号も接続要領も異なる。 俺の出来の悪い頭はいよいよもって混乱した。

 製造元に問い合わせたところ,元々ついていた温調器はパーツメーカーが生産終了としたため代替品として(これは正しくは「だいたいひん」と読むのだよ,俺の周囲には「だいがえひん」と発音するアホな奴が実に多いが送り仮名というものを知らないのか?一体どこの国の人間なんだかwww)サギノミヤ製の温調器を使っているのだそうだ。
 そんなこんなで身悶えしながら知恵熱を出してああだのこうだの配線を調べているさなかにも得意先からは後回しになっているお仕事の催促が携帯電話にギャンギャン飛び込んできて腰の据わる暇がない。ここに至って俺は残念ながらある事を決心せざるを得なかった。

 こんな調子ではそのスーパーは勿論の事,他のお客さんにも迷惑をかける事になる。この仕事は余りにもゴールが読めなさすぎる。何日でもかかりっきりになって取り組めば或いは解決できそうでもあるが目下の俺はそれが出来る状況にないので中途で大変申し訳ないがどこか他の業者に依頼していただけないか。当然ながら,障害を解決出来ずにいるのは俺の力不足なので金額請求は一切しない。時間を浪費した事は大変申し訳ないがこの修繕からは手を引かせて頂きたい。
 
 俺は平謝りに謝った。スーパーの店長はK産業の不手際をひとしきり嘆いてから何とかならないですかと食い下がってきた。何とかしてあげたいのは山々だが如何せん俺にはそれを即日で解決してあげられるだけの技量がないのだと詫びた。
 その場は何とか納めてこの件の依頼元にも同様の旨を伝えて一区切りつけたつもりになっていたのだ。商売人としての経歴上,汚点ではあるが力量不足としてそれには甘んじなければならない。何と言ってもこの一件にはまりまくって他の取引先に迷惑をかけるわけにはいかないのだから仕方がない。

 ところが,だ。
 一体全体どういう風の吹き回しなのか,先日その依頼元から再度同様の依頼が来た。
電話の口調は格別腹立たしいとか苦々しいとかいったふうもない、俺は何とも奇妙な気分でやり取りしていた。
 もう一度調べてみてくれと言う。俺は汚名返上のつもりで,しかし、いささかばつの悪い気分を抱えて数ヶ月ぶりにそのスーパーのバックヤードに向かった。
 奇妙な事に店舗の方々は何やら融和的な態度で接してくるので少々面食らった。嫌味の一つも出てくるのかと覚悟していたがそんなふうがないのは有り難い事とは言え腑に落ちなかった。
 数ヶ月ぶりに外装板をあけて機体の内部配線を調べ始めると、俺が手を引いた時とはあちこち違っていた。現場のSVの方に伺ったところ,その後入れ替わり立ち替わり三つくらいの業者が現れては配線をいじり,ことごとく退散に至ったらしい。それで俺の敗者復活戦という成り行きらしいのだ。

 ババ抜きみたいな仕事だ。
ババは一巡りしてまた俺のところに回って来たというわけか、しかも同業者が爆弾スイッチの操作回路を更にいじくり回した痕跡がありありで機体の内部は混乱の極みだ。頭が痛い。本当に頭が痛い。
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連鎖する車上荒らしの被害 [お仕事上のぼやき]

 絶縁計が盗難に遭った。三年前に新調したものだ。
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2007-04-13

 ない金をやりくりして買っただけに大変悔しい。小金の工面がつきそうなのでそろそろリーククランプでも買おうかと思っていた矢先で尚更頭に来ている。
 あんなものを盗んで一体どうしたいのか盗人の了見は想像がつかない。何せ迷惑な話だ。
ともあれ,現在の俺は身辺にいる手癖の悪そうな数人の輩について猜疑心を募らせているのである。
7203663.jpg

 最後に使った記憶があるのは先月の末頃だ。紛失に気づいたのが今月の中頃。
絶縁計を使いそうな,或いは欲しがりそうな,
それでその輩は絶縁計を買えるだけの金がなく,手癖が悪く,顔見知りだとすればそいつはもしかしたら俺には大していい感情を抱いておらず,或いは何を盗んでも泣き寝入りするに決まっているだろう,みたいな高のくくり方をしている・・・・そんな野郎に何人か,心当たりがある。

 毎日使うものではないにしろ,ないのはやはり不便なので仕方なしに同じものを再度購入する事にした。
 そしてお盆の休みが明けて,お仕事の打ち合わせのために元の職場に顔を出すと後任のスタッフの方々が憮然とした面持ちで煙草をふかしていた。
 聞けば社用車から給油カードとインパクトドライバーが盗まれているのだという。車内は荒らされた形跡が全くなく,まるで予めそれらがどこにあるかが分かりきっていたかのような手口だったのだそうだ。

 俺は数年前に一度,通りすがりとおぼしき車上荒らしに遭っている。貴重品や金目のものは車内に置いていなかったのが不幸中の幸いだったがそのときにはただでさえ乱雑な車内が滅茶苦茶に荒らされていろんなものが散乱していたので、今回,俺や彼らが遭った手口はどうも,同一人物とは限らないが顔見知りの誰かが確信犯的にやったのではないかという疑念が払拭しきれない。盗まれた後が奇麗すぎる。

 俺は彼らと少しの間,あいつが怪しい,こいつが臭うといった会話を交わした。
自営業の俺はさておいても,会社員である彼らは警察に届け出を出したり車内連絡をしたりで業務時間を忙殺される。何とも気の毒な情景だ。

 それから数日して,俺はお仕事仲間の冷凍機屋さんと某スーパーでジョイントする事になった。
作業の区切りがついて冷凍機の真空引きをしながら撤収かたがた一服していたとき,冷凍機屋さんは最近車上荒らしに遭って運転席の脇に放り出していた小銭入れをがめられたと漏らした。あと被害に遭ったのは奥様に内緒で釣り銭を貯め込んで結構な額になっていたタスポカード。
 冷凍機屋さんは当然だが憤懣やるかたない。俺や元の職場の社員と同じように車内が荒らされた形跡は全然なく盗難に遭った事には気づかなかったという。

 『なんか最近,物騒だよね』と言いながら俺は冷凍機屋さんの車内の片付けを手伝っていた。と,あるツールボックスに見覚えのあるケースがあった。

 盗まれた俺の絶縁計が入っていたのと同じケースだ。
そういえば少し前,冷凍機屋さんは最近一個,メガテスターを拾って今は二つ持っているという話をしていたっけな・・・・・
 瞬間,俺は考えたくない事を考えた。
しかし,おそるおそるその絶縁計を取り上げてしげしげと見ているとケースも本体も結構くたびれていて俺が盗まれたのと同一機種だが個体は全くの別物だったので俺は心の中で数秒にせよ疑念を持った事を社長に詫びた。

 社長はその絶縁計を某所の天井裏で拾ったのだそうだ。
紛失された方はさぞかし悔しがっているだろう,お気の毒な事だ。
「別の個体だけどこれ、俺が盗まれたのと同じ機種なんだよう」俺がぶちまけると社長は少し湿った表情をした。
「俺もおんなじくらいいいものを持っていればこれ,内緒で譲ってもいいんだけどさ、元々持っていたやつっていうのが・・・」と苦笑いしながら取り出してきた元々の持ち物はかなり使い込んだ単レンジ、試験電圧500Vの古めかしい絶縁計だった。

こっちでよければずっと使っていていいよ,と,社長には言っていただいたが既に買い直した後だったので俺はお気持ちだけは有り難く頂いて辞退した。

 何と言うか,俺の周辺ではこのように,胸くその悪い悪意が蠢いているようでここしばらくは精神衛生上大変良くない。お仕事仲間と顔を会わせるたびに胡散臭い誰かさんの事が話題になっておる。
 あいつと,こいつと,ああそうだ,俺の所から黙ってあれを持ち出していって一向に返そうとしやがらないあの野郎も何だか・・・・ 
 
 


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しばらくぶりに現場施工 [お仕事上のぼやき]

タイトルの通り。
とあるパティスリーの新築現場を施行中。
最近は何だか修理の現場でわけの分からん難癖を付けてくるバカどもが多いせいでくさくさしていたところなので現場施工はちょっとした気分転換になって精神衛生上はなかなか悪くない。

 但し,建設現場というのは,これはこれでまた荒々しく理不尽なところのある場面だ。修理の現場は陰湿な理不尽さを味わう場面であって,要するにどっちにしても理不尽である事には変わりはない。理不尽さの種類が変わるだけの話だ。
タグ:新築現場
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金欠妄想 [お仕事上のぼやき]

 フロンガスは目下世界的に供給不足で値上がり傾向にあるのだそうだ。
そんな中で先日,俺は自前でR-404Aの10kgボンベを一つ持つ事にした。
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 現行価格のままで一本手に入れる事が出来たのはラッキーだった。
しかしここから先がいつものように俺のドジなところで,とある冷凍庫の修理で10kgのうちの殆ど半分を浪費してしまい目下大変凹んでいる。無惨な事に現在ボンベの残量は1/4程度だ。支払いは来月であって請求書を見ると頭痛が起きる。

 どこかで岩盤を掘削しているといきなりフロンガスが地中深くから吹き出してきて、俺はそれをボンベに詰めて売り捌き大もうけするというしょうもない妄想が頭のどこかにへばりついているが勿論そんな事があるわけはなく,とどのつまりそれくらい浪費した5kgのことを後悔しているわけ。
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