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修理屋の種類を俺なりに分類してみる。 [困った業者]

 お客さんなり同業者なりとこれまであれこれ雑談してきた中で薄々考え続けてきた事を整理してみたくなった。そういう時間が出来る程度には現在,俺のお仕事は暇なんだってことなのだからこれはあまり喜ばしい事ではないのだけれど。

 修理屋には階層があるように常々考えてきた。勿論そんな事は定義づけられているわけではなく、俺が勝手に頭の中で妄想していただけの話だ。

(1)Worker:作業員
最下層の人種である。自分の頭でものを考える事は出来ない。虎の巻に書いてある事とか,上役や先輩からこうしろと言われたことを丸暗記して繰り返すだけの人材で、書いてあった通り,言われた通りに行うが応用は利かない。俺の携帯電話に『冷蔵庫が冷えないんですけどどんな原因が考えられるでしょうか?』などというたわけた質問をしてくる低能共はこの階層だ。

(2)Craftman:職人
 中間層である。一応,自分の頭で物事を考える事が出来るのはここから。どういう場面に於いてどういう対応をしなければならないかは心得ており,その根拠は彼の経験則に基づいている。
 職能レベルは彼の記憶力に比例する。言い換えると経験の引き出しがどれくらい多いか,また,引き出しの活用の仕方の上手下手に依っている。
 応用力はそれなりに備えるが未経験の出来事に直面した場合の洞察力や推論能力には問題がある場合が多い。

(3)Engneer:技術者,技師
 理屈や理論に則って物事を見る。或いは推し量る階層。物理や化学,数学の基礎的な素養があり,現象をある程度は数値の計算によって割り出す能力を持つ。障害に対する解決能力は高いが所見を定めるまでに時間がかかる場合がある。業務用厨房の業界内では現場に従事する現役の人材中には殆ど存在しない。
 (これまで何度か書いてきたように,そんなレベルの人材を業界は必要としていないのでこういう水準の人材はあらかた,あるとき厨房の業界に見切りをつけて他業種へと転出してしまう)
 高い階層にいるからといって使用者にとって優れて都合のいい修理屋とは限らない。障害の発生する現場はどこまでいっても人対人の状況があるので生まれる関係や評価は毎度バラバラであってここには特に法則めいたものがあるわけではない。

 以上,ひまに任せたしょうもない一考察。
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年末のインチキ修理と細山熱器 [困った業者]

 今年の正月は何が何でもひまを作ってゴロゴロする事を決め込んでいるのでこうしてのんべんだらりとブログを書く事にしようと思っている。

 某産婦人科病院の職員食堂には貯湯式のガス湯沸かし器がある。製造元は細山熱器という。
URL: http://www.hosoyama.co.jp/

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製造年度は1988年製だから実に23年の稼働期間だ。幾ら何でも23年も使えば故障の一つや二つは出るわなw
 修理の依頼は月初め頃だったが細山の対応が悪く完了は12月28日となった。以下,その経緯。

 不良箇所は給水用のボールタップであり,弁体のシリンダーに傷がついたせいで挙動に引っかかりが生じて閉じきらなくなり,給水が止まらないというもの。
 弁体を分解して磨いてみたり,シリコンシートを持ち出してポンチで打ち抜き元々のものよりも柔らかい材質のパッキンを製作してみたりするとなんとかボールタップは閉動作するようになったが所詮は応急処置であって,俺の記憶ではこのパーツの交換歴はないのでこの際,新しいボールタップを取り寄せる事にした。

 月半ば頃に細山熱器から届いたボールタップを見て俺はガックリ来た事はここで書いておく。
手配のときには型式から製造番号まで伝えているのに届いたパーツはまるっきりの別物だ。元々の給水接続配管は呼び径が20Aであるのに対して届いたブツは呼び径15Aでこれでは誤摩化しようがない。
 
 俺は得意先に謝ってぶざまに退散し,細山に怒りの電話をかけたがさっぱり繋がらない。何日も電話をかけ続けてやっと繋り、呼び径が違う事を指摘して代品を送らせる手続きをとったが一言も詫びようとはしない態度には結構頭に来た。

 それで,やっと代品が届いたのが12月の27日だ。
ボールタップの交換なんていうのはおよそ修理のうちにも入らないような単純作業である。
おまけに,貯湯式湯沸かし器のボールタップというのはタンクの形状上,汎用品を加工した専用品であって製造元の純正品以外で代用できた例を俺はまだ聞いていない。おまけに末端渡しの標準価格というものが設定されていない。とどのつまり,言い値で販売できる結構いい商売になり得るのだ。

 税金の納付に悩む俺は,ここで少しいい思いが出来るなあ,と,ホクホクしながら某産婦人科病院に向かった。
 事務方にお詫びを済ませてから職員食堂に移動し,届いたパーツの梱包を開けて俺は頭から煙を上げた。なんと,今度は配管接続の呼び径は同じだが全体の形状が違うではないか。
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 画像中,上にあるのが元々ついていたボールタップだ。フロートの大きさが異なっているのと,何より頭の痛いのは給水接続用の雄ねじ部分の長さが全然違う。給水配管は可とう管ではなく実管だからこのままでは取付けられないという事だ。

 一度ならず二度までも,とはこういうことを言うのだろう。因に,雄ねじ部分が長い理由はこの中にストレーナーがねじ込まれる形で納められているからだが全くもって余計な事をしてくれるもんだ。
 頼んだ通りのものを送ってくれよ!と、細山に怒鳴り込もうと思ったが23年も前の製品なのだし、どうせ同じボールタップはもうありませんというにべもない返事が返ってくるのが見え見えだし、ここで再び頓挫して退散するのはどうも俺のメンツに関わる問題だ。

 時刻は夕方近くで既に職員食堂は空っぽだったので俺は一旦自分の作業場に引き返した。
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 余計なストレーナーは抜き取って雄ねじ部分を切り詰める。雄ねじはストレートネジで接続部分にはパッキンが入るので切断面が必ず直角である事とパッキンの当たり面にはきっちり平面を出しておかないと水漏れの原因になるのが切断時の注意事項だ。

 こういう番狂わせがあって困るのは,加工作業分を追加請求させて頂けるかどうかというところだが,某産婦人科病院は大変寛大な得意先で今回は俺のお願いを聞き入れてくださったことには大変感謝している。それにしても細山熱器!俺を試そうとしているのか。
 
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ヤマミズに対する根強い不信感(3) [困った業者]

無意味に長いテキストになりそうだがダラダラ続ける事にする。
(これまでのエントリー)
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-12-01
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-12-02

 俺はこの,どこまでいっても給水圧一点張りで俺の話を聞こうとしない石頭野郎(ヤマミズのサービス担当)と話す事にもいい加減ウンザリ来ていたわけだ。
 それで俺は、こんな内容の事を電話で告げた。
「おまえには現状を掌握して問題を解決しようという意思が感じられない。おまえは俺の話の断片,自分にとって都合の良さそうなところとか,おまえの知能程度で説明の出来そうなことに当てはまりそうな断片だけを拾い出して俺を言いくるめたいとか,言い負かしたいとか,そういう意図で俺と話をしているように思える。それは『サービス担当者』なんていう立場の人物の姿勢だとは俺にはどうしても思えない。とどのつまり,俺にはおまえ以外の誰かにこの問題に当たってもらいたいという考えがある。だからここでは俺はもうこれ以上おまえと話さない。これから俺は,俺の元の職場と連絡を取り,俺の元の上司に今までの成り行きを伝えた上で,彼におまえの職場のおまえの上役とこの初期クレームの対応について協議してもらう方向で話を進めたい。」
 サービス担当者はそうですかと憮然たる口調で答えた。俺には更に一つ,こいつにどうしても言っておきたい事があったので続けた。
 「修理屋の端くれとして,プロの端くれとして,俺はこの給茶機の不具合はCPUボードに原因があって、これを必ず交換しなければならないと考えている。
 そして,さっきからおまえの長くてくだらない屁理屈を聞いていると,おまえはどうしてもそこに触れてもらいたくなく,話を逸らそうとしている意図が感じられる。
 これは正しい態度ではない。機械の不具合なんていうものはいつだって事実は一つなのだ。俺は俺の所見に自信がある。現場を見てもいないおまえがCPUボードの表示に現れた断片的な,上っ面の情報だけで給水給水と喚き散らすのは絶対に誤っている。俺には何故おまえがそんなに給水の事に拘泥して俺の言い分に耳を傾けたくないのかがよくわかる。
  何故ならそれは,CPUボードがおそらく高額なパーツだからだ。売り上げにならない初期クレーム,保証期間内の修理に高額なパーツを無償出庫する事をおまえはケチっているのだ。
 俺とお前の間に信頼関係はない。そして俺にはおまえに対する疑念がある。それはこういう事だ。
今回起きている不具合はCPUボードの不具合で,プログラムエラーだのバグだのといったものは一般に,偶発的に起きて再現性に乏しい性質がある。今ここの設置先で起きている故障だってもしかしたら電源を再投入する動作を何回か行ったら正常動作するのかもしれない。しかしそれは問題の先送りであって解決ではないと俺は考えている。おまえ個人の考えなのか,おまえの所属する会社の考えなのかはともかく,ヤマミズという会社は保証期間中の不具合にはあれこれ屁理屈をこねてお茶を濁しながら,保証期間を過ぎて今回のような不具合が出たら、その時になってやおら高額な修理の話を持ち出す目論見があるのじゃないかと俺は警戒しているのだ。」(これから7年後にこの時の俺のこの言い分は現実の出来事となった)

 大馬鹿者との不毛なやり取りを終えて受話器を置いた俺は消耗していた。元々さほど戦闘的な性質の持ち主でもないので怒るというのは大変くたびれる。
 くたびれるだけくたびれて,問題はといえばさっぱり前進していない。

 俺は元の上役宛にヤマミズとのやり取りを伝え,対応を待った。
翌日,上役から携帯に連絡が来た。
 「おまえ,随分な剣幕だったそうじゃないか。」と,元上役は野次馬気分なのだろうが大笑した。こっちだって好き好んで怒鳴り散らしたわけではない。誰と言わず,自分のバカさ加減を認めないバカというのは頭に来るものだ。
 聞けば電話の相手だったサービス担当者は結構凹んでいるらしい,凹んでも出っ張ってもいいが現場の事を考えて早く対応して欲しい,願わくばあのバカタレではない別の誰かに対応してもらいたい旨を俺は要望した。
 上役の説明するところでは,現地の協力会社を向かわせるとの事だったが、そこにも俺は一つ危惧を抱いた。

 ヤマミズ自体はサプライ商品の提供が主眼なのであって給茶機を製造しているわけではない。だから修理業者を日本国中何社も丸抱えできるほどの会社ではないと俺は考えた。協力会社があるとすればそれは富士電機冷機の自動販売機やサービス機器の修繕を行う業者だろうと予想したのだ。
 俺の住む土地の,それに該当する業者に俺は心当たりがあった。俺だって大した腕の持ち主ではないがそれに輪をかけて大した事のない連中である事を俺はこの田舎町でのその時までの色々な経緯で承知していた。

 俺は元上役に,あの会社を寄越すのはやめて欲しいと伝えたがそれは叶わなかった。元上役にしたところでたかが給茶機一台の修理の事であれこれややこしい交渉をするのは面倒臭いのだろうから,もう仕方がないと俺は観念した。
 協力会社が修理訪問するその当日,俺にも立ち会わせて欲しいと俺は伝え,これは問題なく受け入れられた。なにか消化不良気味の結果で終わるだろう事は充分に予想できたが立場が変わったとは言え俺は一職業人の責任として自分が以前納めた給茶機が誰によってどんな風にその故障を処置されるのかを見届けておきたいと思ったからだ。勿論,それは一円の売り上げにもならないのだが。

 はたして当日,その病院のその病棟,その給茶機の前にいたのは俺の予想通り,『その会社』の人物だった。悪い予測程よく当たるとはまさにこういうことを言うのだろう。
 
 ハッピーエンドは期待できない。
「あの人,大丈夫なのかしら?何だか心許ない感じだけど」
病棟婦長が俺のとなりに来て,現れた協力会社の人物の方を見ながら話しかけてきた。
 相済まないが今回,俺の出番はないのです。メーカーのヤマミズは自分のところの協力業者に一任させてくれという事なのですとだけ答えた。
俺に何か出来る事があるとすれば,客先の代弁者としてこいつに少しでもマシな仕事をさせるように仕向ける事くらいしかないな,と諦念に駆られた。

(この項続く)
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ヤマミズに対する根強い不信感(2) [困った業者]

昨日の続き
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-12-01

 別段自分がブランドミーハーだとは思わないが,何だか直感的に俺はこのヤマミズという会社の対応能力に不信感を払拭できずにいた。何の根拠もなくそう思えたがこれは大当たりだった。
 会社に在籍していたこれより数ヶ月前の俺は確かに販売担当だったが,最初の障害が出た時点では野良犬自営業者だ。得意先は今までの経緯から俺に依頼をくれたのだろうがタダで動いてあげられる程懐具合が裕福なわけでは勿論ない。

それが責任転嫁だとは今でも思っていないが、ここは納入元として元の勤務先に下駄を預けるのが妥当だろうと俺は考えた。給茶機の修理なら幾らか覚えがなくもないので俺が現地で修繕に当たり,元の職場を通じてヤマミズに初期クレーム対応として経費請求をあげるという構図だ。 

 元上司にはそんな風にして話をつけて,俺は現場でヤマミズからの連絡を待った。
そしてしばらくして,NC(ナースセンター)の内線電話にヤマミズのサービス担当から電話がかかってきて俺は受話器を取った。
 俺は場所と状況を説明し,CPUボードの代品を送ってくれるようにと伝えた。それを受けてのヤマミズのサービス担当者の返答は顎が外れそうなものだった。

 なんと,『給水異常』の表示が出ているのであれば給水圧をチェックしてそれを改善してくれ,パーツ交換云々はそこがクリアーできていないと受け付けられないとのたまう。
 俺は瞬間湯沸かし器のようにエキサイトした。何をバカな事を抜かすか!

 ここは検定を終えて竣工したばかりの国立の医療機関で,俺が今いる病棟には手洗い器だの水洗トイレだの風呂だの製氷機だのと給水接続のある設備機器はワンサカあってどれも異常などないのだぞ。給茶機の接続管末だって給水動作を見ている分にはおかしなところなどないのだ。本体に変な表示が出て操作を受け付けないところが問題なのだ,と俺は言って聞かせたがこの低能野郎はサービスパネルに給水異常の表示が出ているのだから給水圧に問題があるの一点張りで譲らない。

 「もしもおまえが言っているような状況だったらだな・・・・」
俺は衆目の前で怒鳴り散らしたい衝動を抑えながら何とか話し出した。
 「風呂の水はチョロチョロしか出ない,トイレのウンコは流れない,氷はろくすっぽ出来ないで病棟中大騒ぎになっているんだよ!だが実際にそんな事にはなっていない。給茶機だって普通に給水動作はされているんだ!本体の表示がおかしくてエラーが出ているだけなんだ。だからとっととクレーム扱いでCPUボードを出荷せい!」
 するとヤマミズのクソ担当は世にも珍なる屁理屈をこね始めた。給茶機の給水配管は特別に長く,曲がりくねっていて流路の抵抗が大きいので設備機器のうち給茶機だけが給水圧が極端に低下して動作に問題が出ているのだと抜かしやがる。現場を見ているわけでもなく,ただ俺と電話で話しているだけのこいつにどうしてそんな事が断言できるというのか?
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 そもそもこのバカ担当には問題を解決したいという思いが鼻糞程度にもあるのだろうか?ただ単に俺を屁理屈で言い負かしたいとか,やり込めたいとかいうくだらない意地を張っているだけなのではないのか?

俺は堪忍袋の緒が切れた。
「貴様!国の医療機関の設備系統に欠陥があると言いたいんだな!?てめえのとこのクソ給茶機には何の問題もなくて厚生労働省の検定がいい加減で満足な給水圧が確保できていない手抜き工事がされたって言いたいんだな!?よし分かった。俺はこれから,給茶機の接続管末で給水圧を測った上で(圧力不足なんて2000%ないに決まってるからな!)てめえの言い分を病院の会計班に伝える事にする。説明書に書かれている範囲内での給水圧があったら貴様のとこ(ヤマミズ)はクレーム処理が面倒で屁理屈をこねて対応したがらない怠慢な会社だって事になるのは分かってるよな?いいか,今だってこの病棟にはお茶が飲めなくて騒いでる入院患者が何人もいるんだ。この話は間違いなく厚生局まで届くぞ。てめえはそこまで覚悟の上でそんなくだらねえ屁理屈をこねて次元の低いクソ意地を張ってるのか!」

 「あのう、それはどういうことなんでしょーか」
電話の向こうでヤマミズのクソッタレ野郎は実に平然とした口調で問いかけてきた。カエルの面に小便とはこういう野郎の事を指すのだろう,拍子抜けした俺はいい加減俺はこんなバカ相手に唸り声をあげるのが虚しくなってきた。
 「それはもしかしたら,日本全国津々浦々の厚生労働省管轄下の病院に於いて,ヤマミズという会社は今後一斉に閉め出しを喰うかもしれないってことなんだけどな,貴様のボンクラ頭で俺の言っている事が分かるかな、あ?」
 「いや,だからそれは給水の圧力が低くて・・・・」
きゃつの言い草を遮って俺はうるせえ!と吠えた。
 「そんなに給水給水言うんだったらてめえ,俺が金を出してやるから今から飛行機に乗って現場まで圧力を見にきやがれ!すぐ来い!今すぐだ!わかったか,この大バカ野郎が!」

 何かが俺の腕に触れたので目をやると,病棟婦長と思しきおばさんが俺の菜っ葉服の袖を掴んで固まっていた。ナースセンターに詰めていた看護士やらその他職員が目も口もまん丸にして無言で俺の方を眺めて硬直していた。
 「ま・・・・まあ,落ち着いて,穏便に・・・」男性の職員が痙攣したような笑いを浮かべて俺を手で制した。
(以下続く)
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ヤマミズに対する根深い不信感(1) [困った業者]

ヤマミズという会社がある。給茶機のメーカーだ。

http://www.kk-yamamizu.co.jp/

『給茶機のパイオニア』などと謳ってはいるが,俺の知る限りここの製品は富士電機冷機が製造しており,別にヤマミズが給茶機の生産設備を持ってるわけではない。

 こういう書き出しだと諸兄はお察しがつくかと思うが,俺はこの会社にかねてから腹に据えかねるものを持ち続けている。
 今は生産が終了してモデルチェンジした新機種が出回っているが,俺が会社員だった7年くらい前にはBHY700TY1Qという機種があった。パウダーではなくお茶っ葉を使うタイプで,何を隠そう俺が会社員だった頃,最後に物販業務に携わったのがこの給茶機を某国立病院に納める事だった。
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 現在,国内での給茶機の製造元は東芝,富士電機冷機(現在は富士電機リテイルシステムズに社名変更)ホシザキの三社である。
 ものの出来について俺なりに順位をつけるとすると富士電機がトップでほんの少し落ちて東芝,そこからぐっと下がってホシザキといった風に見ていた。
 実際それまで,俺が納めた事のある富士電機製の給茶機は時たま思い出して心配になるくらい故障がなかった。大変信頼度の高い製品だったのだ。
 ヤマミズの製品は冒頭書いたように富士電機製のOEMなので、俺は当時,自信満々で売り込んだのだった。実際のところ,電機メーカーがムキになって製品作りに邁進すれば厨房屋の製品なんてメじゃないくらいの出来である事はこれまで何度も書いた通りだ。

 当時の某国立病院は独立行政法人となり、地域での統廃合による改修工事が行われており,新設される病棟のデイルーム設置するために4台くらいの調達を行った。
 ヤマミズなんていうメーカーは聞いた事がないと事務官は訝しげだったが,実は製造元は富士電機でございますという俺の説明で納得して頂いて、申し訳ないがもう一方の候補であるホシザキさんには消えて頂いた。

 それで給茶機を納品後,幾らも経たないうちに4台のうちの一台は不可解な不具合が頻発するようになった。
 この機種は水道直結式だが,コントロールパネルに断水表示が出て取出しスイッチの操作を受け付けなくなる症状が不定期発生するようになった。
 その時点での俺は会社員を辞めて今の商売を開業して間もない頃だった。機体はまだ保証期間中だが俺は既に会社員ではないので何とも微妙な立ち位置だが一職業人としての責任感は一応あるつもりなので病院からの修理依頼は受けてあれこれ調べてみた。

 機体の中を開けると温水,冷水共にタンクは満水で中の水を汲み出して人為的に低水位の状態を作り出してみると給水動作は正常に行われるにも拘らずコントロールパネルの断水表示は一向に消える気配がない。バグが出たのだろうと思って電源を再投入してみたが状態は変わらない。
 それで俺は,これはCPUやら何やらの乗っかった制御用の基盤がおかしいのだろうと考えた。わけの分からない事は何でもかんでも基盤のせいにするのは良くないと思うが,電極だの電磁弁だのあれこれ調べてみても基盤からリレーを潜ってぶら下がってるものにはどれもおかしなところがないので消去法で必然的にコントロールボードに疑いの目が向いてしまう。
 
 安くないパーツではあるのだろうが製造元は何と言っても天下の富士電機だし保証期間内の障害だ。きっと初期クレームとしてきっちり対応してくれるだろう,と,期待を抱いた俺はその後大きくはめられる事になる。(以下続く)
 

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タニコーの被った風評被害について思う事 [困った業者]

 今年3月にあった震災に関する事を少し書く。
俺の棲息する業界でもちょっとした話題はあった。タニコーという業界では大手に属する会社がある。

(HP)http://www.tanico.co.jp/

 東北一帯に複数の生産工場を持ち,そのうちの幾つかは被災のため一時操業を止めていたが5月頃には概ね全て正常業務に戻ったのだそうだ。
 操業停止中は他の地域にある生産拠点で肩代わりを行っていたりもしたのだそうで,結果として現在は恐らく,被災以前よりも生産力は増強されたのではなかろうか。その企業努力は尊敬に値するものだ。

 俺は以前から俺の棲息するこの業界を唾棄し続けているのだが,こういう過程に於いてこの業界にはやはりガラの悪いチンピラみたいな連中が跋扈し,モラルのかけらもないような言動に明け暮れる。情けないというか残念な体質だ。
 状況が状況なだけに震災後のタニコーは一時的に業務に支障を来す一時期があったらしい。既に受注済みの営業案件については他社製品に差し替えさせてもらう交渉が行われたり,場合によっては受注を辞退する場面もあったとかなかったとか聞く。お気の毒な事だ。
 
 しかしそのような局面で,他人の不幸は蜜の味とばかりにあることないことを吹聴して見込み案件をかっさらっていった困った同業者もいるらしい。工場の生産能力や物流について誇大に尾ひれのついたネガティブキャンペーンが行われた模様で,ここでその名前は挙げないが,同業である某社などは 地域の社員レベルを飛び越えて本体同士で談判と相成っているとかなんとかいう噂も俺の耳には入ってくるのだ。

 今年の夏頃には,俺の元の勤務先にも幾つか,本来であればタニコーの得意先であったはずのバイヤーからの受注があったようだ。幸い,元の職場はタニコーに怒鳴り込まれるような場面は今のところないので当事者ではなく,かの会社が被った風評被害によってこぼれ落ちた得意先のうちの幾つかがたまたま商談を持ち込んでくれた,といった成り行きだったのだろう。一面,ラッキーだが大っぴらにはしゃぎ回れるような事では勿論ない。

 しかし,袋叩きを覚悟で敢えて言うが,この会社の被った風評被害を俺個人はどこかで「ざまあみやがれ」とか因果応報だとか考えている。
 何故ならこの,タニコーという会社にしたところで過去に於いては同業者に対して似たり寄ったりの言動を繰り返してシェアを伸ばしていった姿を俺は被害者として目の当たりにしていたからだ。何の事はない,以前は同業他社に対して行っていた事をこの度やり返されただけの事ではないか,と、本心俺は冷たく捉えている。
 ネジを巻かれた同業の某社の肩を持つつもりが特段あるわけではないが,非難されるとすれば水に落ちた犬を叩くかのようなやり方が道義的にいかがなものかという、一点くらいではないのか。

 個別の事例について書いていくと長くなり過ぎるので省略するが,少なくとも俺の住む土地に於いて過去20数年くらい前にタニコーの営業所が開設されてから行われた営業活動はそりゃもうカルト宗教も顔負けの気違いじみたネガティブキャンペーンだったし、今でも同業者に対して取る理不尽な態度には本当に頭に来る。
 それは当の俺自身に問題があるせいなのかもしれないが,現金を持って訪問し,補修パーツを売ってくれと頼んでも撥ね付けられる唯一の厨房屋がこのタニコーである。他にそんな会社はない。だから同業者とのこういった悶着に対して客観的には気の毒に思える点はあるが俺個人の感情論みたいなものとしては先に書いた通りだ。

 全くもって情けないくらい次元の低い絵面だが,このくだらなさ,この幼稚さはそのまんまこの業界の水準でもあるのだ。その中には勿論俺も含まれるし,業務用の厨房機材なんていうものを買ったり使ったりしている人たちのうちのかなりの部分も含まれていると思っている。
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丸腰バカ [困った業者]

 阪神淡路で被災経験をもつ今村岳司さんのブログを読ませて頂いた。
http://xdl.jp/diary/?date=20110313

 この文中で大変興味深い箇所があったので引用させて頂く。
引用始め
統制もとられておらず装備もなく訓練も受けていない「ボランティア」はただの野次馬観光客です。何の役にも立ちません。 自衛隊は、食糧から水から燃料から寝具から、全て自前で用意して出動します。 しかし、手ぶらのボランティアは、被災者が食うべきものを食い、被災者が飲むべき水を飲み、 被災者が寝るべきところで寝るのです。
引用終わり

 この一節を読んだときに俺の中ではある不愉快な人種の姿が解凍されて腐臭を放ち始めた。
 災害復旧のようにドラマチックな場面ではないが,素人の感情的な思い込みだけでは物事が解決しない,訓練なり経験を積んだプロの手に委ねるしかないという意味で機械の修繕にも似たような性格はある。
 災害復旧であれ機械の修繕であれ,プロは金のために動いている。同情とか義侠心の有無は当人それぞれの意識下の問題なので確かめようはないが,何せそれが仕事だからその場に駆けつけてきて問題の解決に当たるわけだ。

 俺の仕事,修繕だったり施工現場だったりでは人手が必要な場面が当然ある。従業員を雇えるほどの甲斐性が俺にはないのでスポット的に誰かに手助けを頼む事はある。
 そこでだ。当日現場に現れる奴の中には全くの丸腰で現れるバカがいる。生産工場の構内に入るというのに安全靴はおろかヘルメットさえ用意してこないアホがいた。そういう場面でヘルメットを被る事くらい労務作業ではイロハのイのはずだがそんな事も知らないくらい無知なのか,それともヘルメットの一個も買えないほどの貧乏人なのか。あんなものは千円かそこらくらいで買えるはずなんだが。

 立場が逆で,俺が誰かの補助として現場に赴くときには予めどんな作業を行うのか,を聞くのが習慣だ。大体,最低限持参するのは
1:普段持ち歩く手持ち道具,上履き,軍手(予備含む),ウェス(雑巾)
 作業内容、依頼内容によっては
2:電動工具,溶接機材と材料、電材や配管資材
 工場構内や建設現場での作業の場合は
3:安全靴,安全帯,ヘルメット
といったところか。いずれにしても依頼元から道具や資材は全部こちらで用意するので身体一個だけでよい,と言われない限り上記の1、位は最低限持参する。俺が依頼する場合でも大概の人は同様である。

 ところがどんな世界でもある種のバカはどうしてもなくならない。そしてこの種のバカは大変迷惑な存在だ。
 先の引用箇所を思い出して頂きたい。俺が心中,丸腰バカと名付けているこの種のバカ共は俺の道具箱を好き勝手に引っ掻き回しては俺が使うべき道具をどっかに持ち出していき、俺が積算して用意した電線なり配管なりを好き放題にぶった切って無用な端材をこしらえては材料不足になって作業を往生させる。
 道具や材料がなければ仕事にならない,その事だけでも十分迷惑なのにこの手のバカは更に迷惑な事に持ち出した人の道具をどこかに置き忘れてなくす。もしかしたらかっぱらっているのかもしれない。
 丸腰バカと仕事をするときには勢い俺は疑り深くならざるを得ない。現場を撤収するときに忘れ物やなくなっているものがないか、或いは間違って他人の道具を自分の道具箱に入れていないかを確認するのは仕事上の習慣だが丸腰バカと一緒のときには何かがなくなっている事が物凄く多い。そしてこういう時の丸腰バカは俺は絶対に元にあった場所に戻したと証拠立てのしようもない事を言い張り、それどころかあまり根掘り葉掘り追求するとお前は俺を泥棒扱いするのか,と,怒り出す。
 泥棒扱いされるのが不愉快であれば多くの人たちがそうしているように最初っから自前の道具を持ち込んで仕事をすればいいのだし,第一,泥棒扱いも何も,無断で他人の道具箱を引っ掻き回しては何か持ち出していくのだから既にれっきとした泥棒じゃないか。

 先に引用したテキストの丸腰ボランティア同様,俺が出くわす丸腰バカも自分のバカさ加減に呆れるくらい無自覚だ。こういう連中は恐ろしい事に自分が誰かの仕事の邪魔をする役立たずであるという自覚がないどころか,むしろ反対に,自分は随分腕のある有能な人間で俺を助けにきてやっているのだと思い込んでいるフシがある。
 その精神構造が俺には全く理解できないが,傍目から見る限り丸腰バカ共にはある共通項があって、それは待ち合わせた現場で目が合ったその瞬間に察しがつく。このバカ共の物腰は一様に『手伝いに来てやっているんだ』という印象を俺に与える。プロとして金を稼ぎに来ている人間の振る舞いにはどうしても見えない。

 救いようのないバカのうちの一人はある店舗の改修工事で,解体と撤去を行うと予め連絡してあるその現場に丸腰どころか半袖のポロシャツにカジュアルパンツとサンダル履きで現れた。ポケットに手を突っ込んで『おう,何から始めるんだよ?』と抜かしたその大馬鹿者を俺は当然ながら思いっきりどやし付けて現場から追い返した。このバカタレは帰り際に『足代くらいは貰えるんだろうな』とぶんむくれた面付きで捨て台詞を吐いていったが、俺は俺であとから追いかけていってハンマーでこいつの頭を殴りつけたい衝動を抑えるのに努力した。二十歳やそこらのあんちゃんではない,この道数十年,50を過ぎた自称ベテランの同業者のやらかすことなのだから頭の構造を測りかねる。

 よくわからんのは今使おうとする道具を持ち出されて苛立った俺が丸腰バカに「俺は迷惑しているのだ,あんたは自分の手持ち道具も持って来ていないのか」と聞くと決まって黙りこくって俺を睨みつける,または一向に悪びれるふうもなく俺は手ぶらで来たんだとそれが当たり前のように言い放つ物腰だ。ドライバー一本,モンキーレンチの一丁でもいいから手持ち道具は持参してきてくれと事前に何度言っても一向に変わる事がない。余程物覚えの悪いバカなのか,人の言っている事を全然真面目に聞いていない腐った性根なのか,はたまた何が何でも他人の商売道具でしか仕事はしないという何とも不可解な信念の持ち主なのか,いずれにしても普通に考えてそれは依頼を受けて金を稼ぎに来た職人なり技術屋の姿ではないだろう。
 想像するに,これら丸腰バカの意識のありようはこんな風だ。
1:自分は大した腕を持った技術者である。 2:その自分がこいつ(ここでは俺だ)の依頼を受けて「来てやって」いる。 3:だからこいつが俺の仕事のお膳立てをしてくれるのは当然 4:自分は特別な人間なのだから世間の人たちは地のままの自分を受け入れてくれる事になっている。   家でテレビを見ながら横になって鼻毛をむしりながら屁をこいてる自分はそのまんまの姿で世間中   どこにいっても受け入れてもらえるに決まってる。  

 とんだ思い違いもいいところで,この手の丸腰バカで筋金入りのプロなんてこれまで俺はただの一人も会った事はない。俺は若い頃親方に散々言われたが借り物の道具で仕事をするような奴は所詮借り物の仕事しか出来ない。
 この手のバカは折に触れてはこちらが尋ねているわけでもないのにさも自分が大した者であるかのように自慢するが必ず独りよがりな思い込みだ。丸腰バカには共通した性質がある。
1:馴れ合いみたいな人間関係の中でばっかり仕事をしているので物腰が馴れ馴れしい。 2:機械いじりだの工事だのが素手だけで出来るわけはないのでいつも誰かとつるんで歩いており、   つるむ相手の商売道具で自分の仕事を済まそうとする。
 大体に於いて他人の話に素直に耳を傾けるような輩ではないのでこういうバカには直接文句をいっても全く何の効果もない。そのあと仕事の依頼は控える,というのが順当な接し方だろう。
  被災地に於ける自分探しの丸腰ボランティアは独りよがりな役立たずばかりで被災者の方々や救援活動に従事しておられる自衛隊や消防などのプロにとってはさぞかし邪魔臭い有象無象共なのだろうが,俺の接する事のある丸腰バカは一端に報酬を要求してくるのだからもっと始末が悪い。こんな輩こそ津波にでも呑み込まれてとっととくたばって欲しいものだと人格者でない俺は真面目に思っている。
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苦情を鼻であしらうタニコーの尊大さ [困った業者]

 前段は数日前のこれ
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2010-09-29

 後任は俺の目から見て至極常識的な社会人だが,電圧仕様の違うパーツが送りつけられた事はやはり腹に据えかねるようで一言言っておきたいらしかった。(そりゃそうだ)
 実際のところ,マグネットスイッチ2個分は事前の見積りにない持ち出しであって利益計算もすっかり狂ってしまったわけだし。
 何より今回は機体の回路を変更して切り抜ける事は出来たが,場合によってはそういう応用の利かない事もあり得るわけで,そうなれば迷惑を被るのは使用者だ。

 上に書いたような内容の苦情を後任が電話で伝えるとタニコーの担当者は申し訳ありませんの一言もなく,ただ黙りこくって何も言わないのだと言う。彼は大いに気分を害していた様子だった。
 
 この担当者には俺にも覚えがある。
会社員だった頃に,ガス回転釜のバーナーを交換するためにパーツをアセンブリーとして取り寄せると寸法が違って取り付けられなかったので必要部分を取り外して移し替え修理を終了させた。
 当然作業時間は当初の予定よりも大幅に喰ってしまい、俺は何かしら腹に据えかねるものがあった。
それで俺はこのアセンブリーの残骸をタニコーの事務所に返しにいった。請求金額を安くしろとは言わないが送られたものは寸法が違って取り付けられないので返却したいと伝えると担当者の男は『ウソだ!』とでかい声を張り上げていきり立った。

 自分がトンチンカンなパーツを送りつけておいて人を嘘つき呼ばわりとは何とも盗人猛々しい野郎だ。ウソだと思うなら一緒に現場に行って見てみようではないかと言うとその男は黙りこくって挑戦的に俺を睨みつけた。
 こんな程度の野郎がサービス係長などと名刺には偉そうに謳っているんだから会社の程度も知れるというもんだ。一度ならず二度までもだから余程のバカか,余程陰険な体質かのどちらかだろう。何せ迷惑な話だ。

 自社製品を同業者が修繕するとなると,製品のバイヤーがどれだけ迷惑を被ろうが知ったこっちゃねえ,同業者を陥れるためには何だってやってやるぜ,思いっきり困らせて自分のところに修理の依頼をしなかった事を後悔させてやる!ということなのか。何ともまあ幼稚極まりない体質の会社だ。それが個人としてなのか法人としてなのかは知らないがおよそ常識はずれな話だし,こんな会社が一時は業界ナンバーワンでございますなどと吹聴していたのだからこの業界全体が腐っているんだろうな。
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タニコー食器洗浄機修理の落とし穴 [困った業者]

 前のエントリーで俺とK産業とは因縁浅からぬとか何とかいったような事を書いたが,因縁という事で言えばきっと最たるものがタニコーではないかと思う。何と言うかこことは俺が会社員だった頃から実に折り合いがよろしくない。

 大体俺は業界の鼻つまみ者みたいな奴で、俺に接した事のある同業者はタニコーに限らず大体ロクな印象を持たないようだ。勿論それは第一に俺の人格が問題なのだろうが対する厨房屋も随分非常識な対応が多いぞ。

 元の職場の後任サービスマンから食器洗浄機の修理同行のオファーがあったのがしばらく前。製造元はタニコーでアンダーカウンタータイプの食器洗浄機のポンプ2台を交換するのだという。修理というよりちょっとした整備と言うべきか,なんせ儲かりそうなお仕事でご同慶の至り。俺もそのおこぼれに与らせてもらおうと単純にぬか喜びしていた。
 但し俺は以前,某老健施設でタニコーの食器洗浄機を修理するにあたってパーツの調達に手こずった事があるのですんなり事は運ばないような何かが起きそうな予感がしていたわけだ。

http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-03-04
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-03-05
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-03-06

 果たして今回,タニコーからすんなりとブツは提供された。元の職場の後任は俺と違って真面目で大人しそうな人物なので先方のガードが緩んだという事なんだろうか。
 
 アンダーカウンターの食器洗浄機は大体どこのメーカーも整備性はよくない。狭い機械室にあれこれ詰め込んでいるので手が入りにくく,電気や配管を切り離して機体を前に引っ張り出さないと作業できないなんていうケーズはザラにある。今回もまたその例に漏れない上に何せタニコーの製品だ。(こんな事を書くから余計に嫌われるのだろうな)

 力押しでバリバリと作業を進めていき,いかれたポンプを取り外してさあ交換という段になって不審な点が一つ見つかった。
 元々ついているポンプと交換用に調達したポンプには微妙に相違点があるのだ。よく見るとリード線の本数が違う。元々のものは洗浄ポンプのリード線が4本ですすぎ用は2本,電源使用はどちらも単相100Vなのに対して届いた物はどちらも3相200V、後任の顔色が見る見るうちに青ざめていった。『型式も製造番号も伝えてあるのにどうして・・・・・』気の毒なくらい後任が凹む。

 引っかけというのはこういう事なのだろうか。機体をよく見ると2電源だ。どういう事かというとそれは電気ブースター一体型の食器洗浄機で,ブースターのヒーターのみ3相200V、それ以外の機能は単相100Vで動作するようになっていて機体からは4芯のケーブル以外にもうひとつ、単相100Vの2芯ケーブルが生えいてる。
 こんな造作はあまり例がないが、制御ボックスは一つで,中に2種類の電圧が共存する格好になっている。予備知識のない人が一見すれば全部同一の電圧で動いているものだと勘違いするのも無理はないかもしれない。
 それにしてもパーツを提供する側は型式も製造番号も聞いた上での事なのだから違った電源仕様のパーツを送りつけてくるという事は余程うっかりしていたか,さもなければ同業者を陥れてやろうかという陰険な策謀を働かせたかのどっちかじゃないのかと勘ぐりたくなる。
 世間一般の常識ある会社組織ならいざ知らず,厨房業界で,しかもタニコーだ。何だか後の方の思惑と言うか猿知恵を働かせたんじゃないのかと今でも俺は腹に据えかねている。

 俺は頭を冷やしたくなって後任と一緒に一旦持ち場を離れて外に煙草を吸いに出た。
後任は不慣れな他流試合(他社製品)のせいもあってかちょっと意気消沈気味,俺はタニコーの鼻を明かしてやりたい一心で何かうまい方法はないかとニコチンを脳髄に巡らせながら思案した。

 抜け道は比較的簡単に思いついた。分電盤の中にあった洗浄機用のブレーカー容量が30Aと結構なマージンを持っていた事を思い出したからだ。備忘録風に改造の要領を以下に書いておく。
(1)AC100Vコイルのマグネットスイッチを洗浄ポンプ用とすすぎポンプ用に各一個用意する。
(2)ヒーター用の電磁接触器一次側からポンプ用のマグネットスイッチ2個の一次側にそれぞれジャンパー線を渡す。
(3)各ポンプ用のマグネットスイッチのコイルに元々ついていたポンプ用のAC100V電圧を端子台から接続する。
(4)新しいポンプのリード線3本をそれぞれマグネットスイッチの二次側に接続する。サーマルの設定は普通に計算すれば良い。

 以上,改造は一丁上がりで洗浄機は見事にバリバリと動いた。文句あるか!
問題点らしきものとしてはさすがにマグネットスイッチ二個は制御ボックスの中には物理的に収まりきらないので一個はケース入りのものを購入して機械室の空きスペースに取り付ける事になったくらいだ。あとは何の問題もない。

 タニコーの食器洗浄機で意地の悪い対応と言えば他にもまだ思い出す事があるがそれはまた別の機会に書き留めておく事にする。何せ,俺もだてに歳は喰ってないというか、いつの間にか業界人としては結構なすれっからしのうちにはいっているのかもしれない。まあ,野良犬っていうのは結構しぶとい生き物なんだなw
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爆弾スイッチ [困った業者]

 某社よりの依頼で地元スーパーの鮮魚バックヤードに出動。
冷塩水処理機の故障との事で厨房屋K産業では手に負えず退散した後の尻拭いを頼むというのがその依頼内容だ。

 これまで何度か書いたと思うがK産業と俺は因縁浅からぬ関係にある。
あんな連中の尻拭いなどまっぴら御免が俺の本心だが間接的な依頼でもあるし金のためなのでひとまず引き受けた。

 現場に到着して実機に電源を投入してみるとウンともスンともいわない。
冷塩水の循環ポンプは回るが冷凍機が動かない。内部を見ていると配線をいじった跡がある。
電子温調機の配線が幾つか外されており,端子台から配線が数本,外されていて終端をテーピングしてあった。
 前後関係は不明だが,障害の内容と電子温調機には何らかの関係があるものと思われた。こういう曖昧さが他人の尻拭い仕事の面倒臭いところだ。

 電子温調機のカバーにはガムテープが貼ってあり,端子と配線について何やら書き込みがあった。機体に添付されている配線図と照合すると一致しない接続箇所がある。
 K産業に作業履歴を問い合わせたところでひねこびた恣意的対応しかしないのは明白なのでここから先はもう,俺自身の推測で作業を進めるしかないな,と,腹をくくってあれこれ思案した。

 電子温調機の周辺配線には他にも煤けた跡や新しく絶縁閉端子で配線をつないだ形跡があるので,電子温調機の交換を行った後に誤配線かなにかで元に戻せなくなったのではないかというのが俺の想像だった。
 それで電子温調機周辺の配線をし直す事になったわけだが,そこをクリアしてもその先に何か不具合があるのかもしれず、この辺りは全くの手探り状態。手に負えない事を引き受けるから余計な混沌が生まれてくるといういい見本だ。
 
 さしあたり判断に迷うのは電子温調機の配線で,機体に添付された配線図での接続状態とガムテープに書かれているものとのいずれが正しいのかというところだ。
 俺は後者を採った。
 電子温調機の機種が変わったので配線も変更されたのではないかという想像にこれは基づいている。
配線を済ませて冷凍機の運転スイッチを投入した,その瞬間,パーン!という物凄い音と青白い火花が出て目が眩んだ。配線がショートした。爆弾スイッチだ。

 配線を調べてみると,ショートしてちぎれた配線はそれぞれ,絶縁閉端子で2カ所接続されていた。
俺の前に手をかけたバカタレは爆弾スイッチを作ってしまって修正できずに仕事はやりかけのまま現場から逃げ帰り,製造元に後始末の修理を押し付けて,それが回り回って俺のところに来たというのがこの依頼の構図らしい。何だかいかにもK産業らしい話ではある。
 愉快な話ではないがプロの端くれとしては引き受けた以上何とか格好をつけて区切らなければならない。製造元から配線図を取り寄せて昼間っから唸り続けている。K産業よ,覚えておけ,安くないのだぞ,こういう修理は。
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中古のコールドテーブル [困った業者]

 某得意先の依頼で中古のコールドテーブルを代理入札で購入する事にした。
出品者は横浜のオリジナルという会社で、特に知識もなさそうなリサイクル屋だった。
落札したのはサンヨーの製品で型式名はSUV-1261CA,出品価格¥48000のところ見るからにボロい外見だったので¥42000まで価格交渉してみた。

 これまで何度も書いてきているように,厨房機器の中古業者などロクな奴がいないが今回もその例に漏れない。値段も値段なので贅沢など言えた柄ではないが以下,ケチのつけどころを列記してみる。

(1)ドアパッキンが裂けていて中身のマグネットがはみ出している。これは出品時の画像にも示されていたのでドアパッキンの交換が織り込み済み。
(2)脚がロングアジャストに付け替えられていて高さが900mmとなっていた。手持ちの中古アジャストに付け替えてとりあえず解決。
(3)ドレンホースはもぎ取られた形跡があり,付属してこないので配管資材屋で調達して取り付け。
(4)センターピラーレスの仕様だが可動部がぶち折られた状態で届いた。これはオークションの画像にも映っていなかったので俺の不覚だった。三洋電機からセット品を取り寄せて補修。パーツ代は¥18000でなかなか安くない。
(5)試運転時に庫内温度が一向に下がらずにコンデンサーがチンチンに熱くなり始めた。冷凍ユニットを引っ張り出してみると機械室にゴキブリ取りみたいなプラスチック製の異物が落ちていてコンデンサーファンに引っかかっておりモーターが回らないためと判明。かろうじて焼損は免れたが動作確認などしていない事は分かった。

以上問題点の解消後は至って好調で目下バリバリに冷えている。使用冷媒はR-22なので修理も当面無茶は効く。補修を終えてみるとさすがに三洋電機の製品だけあって立て付けはバシッとしているし頼もしい。

 ネット上では一部,三洋の製品は出来が悪いなどと陰口を叩く奴もいるがそれはウソだ。(ここ数年の中国製パーツを多用した製品はちょっと怪しいがそれでも腐っても鯛だ)こういう風説を流したがるのは誰なのかおおかた察しはつくがここでは書かない。何せ俺は三洋の冷蔵機器の出来は良いと思っている。イヤなところも結構あるが相対評価として国内メーカーを横並びで考えた場合総合的には未だにトップの品質だろう。

 落札価格と輸送費の合計で約5万円,補修用のパーツ諸々も合計が三万円強,補修に当たった俺の手間賃はムニャムニャで費用総計は9万円前後となった。
 コンディションの良い中古品を買うとなるとそれくらいの価格を考えておくべきなのだろうな,というのが今回の学習成果みたいなものなんだがもうちょっと頑張れば実は新品に手が届く。保証期間もあるので一概に中古が安いとは言い切れない。

 まあ一番の問題はこうして代理入札をして落札代金を立て替えているのになかなか金をよこさないけしからん野郎がたまにいる事だ。以前そういう腐った奴が一人いて、まさかりか何かで頭を叩き割ってやりたい衝動に駆られた事がある。

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何をそんなにがっつく事がある? [困った業者]

 病院のNCには製氷機が設置されている事が良くある。看護士はどこの施設も概ね何だか慌ただしく,刺々しいオーラを放っておる。話しかけるにも少々気後れする事が多い。
 そして食品の設備と違い,こういう場所での厨房機器の位置づけは物凄く低い。大体どこの施設も、例えばコンデンサーフィルターの定期的な掃除などまともにされていたためしがない。それで修理の呼び出しがあったときに『ここは定期的に取り外して掃除してください』と説明しても『私ぁ忙しいんだ!そんなことまでやってられっか、このバカたれが!』みたいな剣幕で怒鳴り返されてたじたじとなる事もあった。同じ施設の職員でありながら栄養士や調理員と比べると看護士の発言力は圧倒的に強く、その生態はきわめて獰猛である。

 そんな調子なので概して製氷機の扱いも荒っぽい。
先日の修理では二重製氷のダメージで製氷水タンクに取り付けられた諸々もパーツが脱落してたり歪んだりで組み立て直しと相成った。更にストッカー内を眺めていると、ぶら下がっている貯氷検知スイッチのレバーがぶち折られていた。大方氷を取り出すときにスコップで思いっきりどついたか何かしたのだろう。二重製氷の原因は結局そこにあったわけだ。
 しかも破損させたレバー部分を保管してくれていたのならばその日のうちに何か応急処置が出来たのかもしれないが既にゴミ箱行きとなっており,俺の訪問時には既にもう回収できない状態となっていたのでその日は処置なし。まあ,補修パーツが届くまでの間は頃合いを見計らって電源を切ってくださいくらいしか言いようがない。
p1040039.jpg

 それで看護士様は平然と『こんなの元々機械の出来が悪いのよ,とっとと新品に更新してくれればいいんだ』と言い放つ。一緒に居合わせた事務方の男性職員を圧倒する。自分でぶっ壊しておいてそんな言い草はないだろう,とは思うが言わない,というか,言えないといった方がより真実に近い。

 これは長い前置きだ。
本当は俺はここでもう一方の[物凄いことを言うお方]のことを書きたいのだ。
破損した貯氷スイッチのレバーはものの3分もあれば取り付けが可能なパーツである。しかも何の道具も必要とせず,面倒臭がりでさえなければ誰でも出来る,およそ作業とも言えないような作業だ。
 今回の修理ではタンク周辺がグシャグシャにばらけてしまった補修作業の行きがかり上,俺は某社からそのパーツを買い込んで取り付けるところまでを請け負う事になった。
 それで製造元であるぺ●ギ●マークの某社にこれこれのパーツ売ってくださいとのファクシミリを流しておいた。しばらくすると俺の携帯にその会社から電話がかかってきた。面識のない兄ちゃんからだったが曰く,『この交換修理はうちが出向いて作業しなくて良いのか』

 おいおいおいおいっ!

 誰にものを言ってるんだ,この糞ガキが!と一発かましてやりたくなるのを我慢して,それには及ばないのでパーツだけ売ってくださいと話をまとめた。

 その後俺はしばらく考えた。あの物言いの真意は一体何なのか?
俺の知る限り厨房屋であれ電機メーカー,機械メーカーであれパーツの発注をしたときに,しかもそれが素人でも交換可能なブツの事でいちいち『それは当社で修理しなくて良いのか?」などとほじくり返してくるような会社はこの●ン●ンマーク以外には一つもない、一つもだ。(おお,そういえば福島工業という三流メーカーもあったな、あそこは補修パーツは同業者に売らない,だったが)
 物言いの背景として想像できる事は二つ。
(1)その会社にとって製氷機の貯氷スイッチレバーの取り付けは社員がわざわざ出向いて行わなければならないほどの重大な作業であるw
(2)世の中不景気で売り上げが足りないのでパーツ販売だけではなく出張費だの作業費だので一円でも多く請求額を増やしたい。

 どっちでもいいが何せ,寒々しくも厚かましいというか,たかだか雇われ人の立場で一体何をそこまでムキになってがっつきたいのかと。或いはそれこそが愛社精神とも見なすべきだろうか、頭に『盲目的な』と付属させるのが順当な位に。
タグ:製氷機
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記事削除のお知らせ [困った業者]

 某社の要請によりいくつかの記事を削除致しました。
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最近の三洋電機は変ではないのか [困った業者]

 厨房屋という業界を巡る諸問題の震源地はそもそも客の劣悪さにあると常々考えているのだが(例外は極小だ),一方でサプライヤー側に何の問題もないのかといえばそんな事は全然なく、中でもホシザキという会社の存在は色々な意味で同業者に影響を与え続けているように俺は見ている。日常の業務に於いて距離を置いておきたいと思われる同業者の方は決して少なくないはずだ。

 そういう人たちにとっての拠り所が三洋電機というメーカーだった。製品のバリエーションはかなりの部分ホシザキと重複する機種があり,価格も似たり寄ったりでその品質は確実にホシザキの上をいく有り難いメーカーだ。やはり業務用の専業とは違って会社のスケールが大きい分だけ開発能力はあるし量産効果も出せるという事なのだ。
 
しかしその三洋電機は最近どうも変ではないのか。
松下との経営統合が噂されていた頃,俺は複雑な気分で色々なニュースに接していた。松下もまた腰掛け程度ではあるが業務用の厨房製品を手がけているが市場はバブル以降冷え込む一方なので業務用冷蔵庫はだんだんそのバリエーションを減らして今はOEMの他社製品を細々と販売する程度だし,継続的に流通している品目といえばせいぜい電子レンジくらいではなかろうか。いずれにしてもあまりやる気は感じられない。
 そんな会社と経営統合されてしまったら現在の三洋電機の製品群はどうなってしまうのか。業務用の厨房機材はダンピングが激しい商品分野なので決して高利益なものではない。不採算な事業分野なので縮小とか切り捨てとかいったことが起こるのではなかろうかという危惧を払拭しきれないでいた。

 その後の動向については俺は不勉強なので現状が把握できていない。
ただ最近,ここ数年の俺の身辺での三洋電機は明らかに動きがおかしい。俺の住んでいる土地は人口17万程度の田舎町だが大手家電メーカー(総合電機メーカーも含む)のうち、明らかな負け組が三洋電機であって出先は真っ先に閉鎖された。日立,東芝,三菱の総合電機メーカー御三家は健在で補修パーツは現地のサービスセンターで簡単に手に入る。家電メーカーでは松下,シャープが継続運営されていて対応は同様。皮肉な事に大手のうち最も業務用厨房機器のラインが分厚い三洋電機のみがパーツの入手に余計な費用がかかる。
 
 回路図や組み付け図などの資料は現地では手に入らず(他は閲覧可。コピーをとってもらえる親切なメーカーもある。いずれにしても業務用厨房専用の業者の意地悪さとは雲泥の差だ)ファクシミリでのやり取りであり,パーツの購入は他メーカーであれば現地営業所のフロントで引き取り,送料は社内流通費用負担でタダのところが三洋電機だけは代引き手数料が加算された上に送料は着払いである。

 会社総体から見れば業務用厨房機器などというのはごくごく一部の業務分野でしかないのだから大きな販路を持つ家電製品に比べると継子扱いなのは仕方がないとは言えるが,ホシザキといういささかカルトチックな会社組織への対抗軸として取引を続けてきた諸々の厨房機器がらみの業者に対して何とも冷たい対応姿勢ではないかという感情的なしこりは残る。

 更に加えてこのごろどうも,供給されるパーツそれ自体がどうにも怪しいのだ。
俺は直接関わらなかったが,半年ほど前に発生したプレハブ冷凍庫のコンプレッサー交換の際には届いたコンプレッサーの絶縁抵抗が最初からたった10MΩしかなく,三洋にクレームを入れたら真空引きを一時間以上行えば大丈夫だとか何とか怪しい回答が返ってきてその通りにしたが当初の懸念通り最近またいかれたそうだ。
 俺自身について言えば最近あったウォータークーラーの修理で取り出し口の蛇口組み立てを取り寄せたら交換直後の試運転で早くも交換した蛇口の中間部から水がジャンジャン漏れて得意先に平謝りと相成った。三洋にはクレームを付けて代品を送ってくれと文句をたれた。その場で明確な返事はよこさないで連絡しますとだけ言われて逃げられたがもう三日くらい放置されている。蛇口の組立品などせいぜい三千円程度のさして高価でもないパーツだがその程度でもこのケチ臭さというのはどうしたものか。

 家電業界というのは日本経済の優等生であって世界に冠たる産業分野,というのも過去の話になってしまったのかと残念な気分になる。
 それでこの先,機器のリプレースについてはなるべく東芝コールドチェーンあたりのカタログから拾うのが賢明かと思い始めている。良くも悪くも官僚的というか,頭の堅い企業体質ではあるけれど。
 
 
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福島工業の失笑ものアナウンス [困った業者]

前回の続き
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2009-02-28

ブログ更新をさぼっている間に事態は既に打開されていて落としどころも見えたが,一度立ち上げたエントリーなので経過を書いておく。

何が何でも同業者には自社製品の修理をさせたくない福島工業が俺に提示してきた修理見積は消費税別で¥79900だった。コールドテーブルのコンプレッサー交換でこの値段だ。ちなみにこのうち交換作業費は¥35000。通常,俺が同じ作業をするときには間違いなくもう一万円は安い。同業者からの依頼であれば更に安くて2万円くらいを相場としている。補修パーツの出荷を拒否する福島工業が言い値で商売をしたがっているのか,俺がお人好しで安いのかは読んだ方の判断に委ねるが、それでは俺は客先に幾ら程度の金額で話をすればいいのかと尋ねると,福島工業は『そんな事はうちの関知する事ではないので勝手にやってくれ,とにかくお宅に対する請求がこの金額だ』と言い張る。随分無責任というか虫のいい会社だ。

 物品購入にせよ修繕にせよ,お金を出すのはユーザー様だ。これ迄俺が行ってきた修理単価よりも明らかに高価な修繕費に対しては説明を求めたくもなろうというものだが生狡い福島工業はその場面には立ちたくない,それは中間業者がやれ,うちはとにかくこの金額で修理をするだけだと抜かすので俺はだんだん頭に血が上ってきた。
 当事者のいないところで独りよがりな駄々をこねていたって仕方がない。こんな会社が上場企業であるとは全くもってお笑いぐさだが,何よりまず第一に,『何故同業他社に自社製品の修理をさせられないのか』を持ち主にアナウンスする責任があるのではないのか,ユーザー様が日頃常用している同業者には修理はさせられ図,福島工業が言い値で修理をする以外の選択肢をユーザーには与えるわけにはいかないその理由を口頭のやり取りではな、証拠だった文字として提示する責任があるのではないのかと更に問いかけると福島工業社員は面倒臭そうに『ああ,そんなら2,3日中になんか探しておきますよ』と抜かしたので俺は小爆発を起こした。
 冷凍庫が故障するというのは結構待ったなしの状況である事くらいはこの商売をしている人間なら百も承知であるはずのこの場面で何を呑気な事をほざいているのか。福島工業というのはそういう会社な訳だ。俺はこの不真面目な社員を一喝して今すぐ文書でよこせと迫った。

 ほどなくしてファクシミリで一通,文書が届いた。会社としての公的なステートメントがこの程度のものか、と,せせら笑いたくなるこの代物を公開する。(以下示す)

お取引様各位    平成21年2月4日 福島工業株式会社 専務取締役 営業本部長 福島 亮
冷凍冷蔵庫部品の取り扱いについて   
拝啓,時下ますますご清栄の事とお喜び申し上げます。また,大変厳しい経済環境の下,業務用冷凍冷蔵庫をはじめとした機器の販売競争も熾烈を極める中,格別のご高配を賜り,厚く御礼申し上げます。  さて,当社に置きましては,お客様にご愛顧いただいております当社製品のメンテナンスに万全を期すため,年々お客様のサポート力増強に力を注いでいるところでございます。  現在,他メーカーを含め,当社或いは当社指定のメンテナンス協力会社以外の方がエンドユーザー様のお店を直接訪問修理をされる場合も多々ございますが,本来,ユーザー様がお使いいただいている当社製品に関して不具合が発生した場合には,そのメンテナンス対応はメーカーである当社で責任を持って対応させていただくのが望ましいと考えております。  そこで今後は,メーカーである当社が責任を持って対応するために,当社の冷凍冷蔵庫における冷却機能の主要素である冷凍サイクル及び電機部品の出荷を停止する事を決定いたしました。何卒ご理解賜りたくお願い申し上げます。  今後もサービス体制の更なる充実をはかり,お客様に満足いただけるサービスを提供できるよう努めて参りますので,お引き立てのほど宜しく御願い申し上げます。
敬具


とまあ,この程度だ。役職名から察するにこの会社はそこらへんによくあるような同族会社であることがわかる。それはまあいい。厨房屋などどこも同族会社だらけなのでその事自体を問題視はしない。

 問題なのはこのテキストの内容だ。なんとまあ突っ込みどころ満載の駄文である事か。多少なりとも論理的思考の出来る諸兄であれば,上場企業の専務取締役ともあろうお方のしたためる文章がこの程度のものでしかない事に失笑を禁じ得ないであろう。仮にこの文章が専務様ご本人の書かれたものではなく,部下の誰かに命じて書かせたものであったとするならこれはこれでまた失笑もので余程お粗末な人材しか抱えていない会社なのは一読してわかるはずだ。

 全部に突っ込みを入れるときりがないので大事そうなところにだけ触れておこう。
まず,二人称が判然としない文章だ。福島工業は中間業者への卸売りもするし,エンドユーザーへの直販もする。今回の措置が不都合である人も特段問題ではない人もそれぞれにいる。文頭の『お取引先』とはこのどちらに該当する人たちなのかが不明であるし,ケースによっては大変迷惑千万な措置でもある。
 例を一つ挙げてみる。
ある規模の大きな施設で,そこには営繕課とか工務課といった,設備保全を業務とする部署があり,冷蔵機器の修繕については心得のある社員なり職員がいて、外注経費を節約するために冷蔵庫に限らず,様々な設備機器のメーカーからパーツの提供だけを受けて修繕作業は自前で行っている。決して珍しいケースではないが,こういったシチュエーションでで福島工業はある日突然,その得意先への補修パーツの販売を断るのか?

もう一つ例を挙げる。
福島工業の事業所所在地からかなり遠距離に,福島工業製品を取り扱う販売店があり,納入先での修繕はその販売店が行っていたとする。販売店に対して補修用パーツの出荷を停止し,修理業務は遠方の福島工業が出向いて行うものとすれば経費請求は出張費をはじめとして,購入者から見ればそれ迄の慣例よりも高価なものになる。見方によっては損失だ。パーツ出荷の停止措置をとった立場としてはその損失をどのように担保してくれるのか?

このテキストにはそのような場面への言及が全くない。本当にお客様の事を案じているのであればこういった場面を想定し,供給側としてどのような担保措置をとるのかをアナウンスするのが企業責任というものではないのか。

 何よりも,この低劣きわまりない文章には最も重要な事が隠蔽されている。それは以下の一節だ。
>本来,ユーザー様がお使いいただいている当社製品に関して不具合が発生した場合には,そのメンテナンス対応はメーカーである当社で責任を持って対応させていただくのが望ましいと考えております。
 「望ましい」根拠が示されていない。根拠は示せないが「望ましい」のかw
だとしたらそれは何故だ?要するに,自分たちの都合のことしかここでは書かれていないように俺には読める。
 福島工業のサービスネットというのはホシザキは言うに及ばず,大和冷機に比べてさえもかなり見劣りのするものだ。出先が地元にないがために,購入時の製品選定上では候補から除外されたり既存品を同業他社製品にリプレースされてしまったりするケースが結構多く,それが面白くないからではないのかといった想像は成り立つだろう。
 してみると,この措置は万年最下位メーカーの腹いせみたいに思えない事もない。全くもって独りよがりと言うか独善的としか言いようのない態度で,俺としてはせいぜいごまめの歯ぎしりみたいな八つ当たりに精を出すんだな,といったところだw

 所詮この程度の会社なのだ。冷蔵庫の修理くらい,ちょっと腕に覚えのある家電販売店だってバシバシやっているのに一体何を勿体を付ける事があるというのか。

 修理の中間報告として俺はこのテキストと,俺宛に出された見積書を件の病院の事務次長に見せた。
会社としてのステートメントなのだからユーザーに見られて都合の悪いものであるはずはない。(誰に見られる事を意図して書かれているのかが不明という先の指摘はさておき)
 一読するなり事務次長は眉をひそめ、次に笑い出した。
曰く,「要するに,自分たちだけがフリーハンドを持っていたいという事なんですね?医療機器や会計用のコンピューターならいざ知らず,冷蔵庫程度で。面白いじゃないですか。修理しましょう,費用の事はいいから,この福島工業とやらに依存しないで機能を復旧させましょう。やっていただけますね?」
そういう方向性で事は進んでいったのだった。

 一つ書き留めておく事がある。
営業所勤務の社員が偉そうに振り回していたPL法,その件については専務様のテキストには一言も触れられていない。あれは一体なんだったんだ?そう言えという社内指示だったのか,それともあの大馬鹿者の知ったかぶり個人プレイだったのかw
初っ端は随分威勢が良かったのになwwww
結局あの大馬鹿野郎はその後,修理の件はどうなりましたかといった連絡もよこさないでいる。ご立派な会社だよ,全くw(この項続く)

PL法を振りかざす福島工業という面白い会社 [困った業者]

 昨日,コールドテーブルの修理云々などと書いたが,その直後,急転直下と言うか製造元からパーツの販売は出来ないという連絡が入った。修理作業全体の受注なら可能だと言う。このコールドテーブルの製造元は福島工業という。

http://www.fukusima.co.jp/

 ホームページではリーディングカンパニーとか謳っているが冗談言っちゃいけない。業務用冷蔵庫のリーディングカンパニーはホシザキに決まっている。シェアから言えば4番目か5番目の言ってみればビリッケツみたいな会社だ。

 返信されてきた書面はこういった文面である。
安全上の理由から消耗品以外の部品のみの出荷は中止させて頂いておりますので製品の不具合など発生時には弊社迄サービスコールお願いします。(原文ママ)

 故障品のコールドテーブルは俺が会社員だった頃にある病院に納めたものだ。当時この会社は俺の住む土地には出先機関がなかった。俺の勤務先も冷蔵庫は製造していたのだがこの会社の営業が業績が厳しいので何とか協力してくださいと泣きついてくるので仕方なく使ってやった経緯がある。
 修理については俺には心得があるのでこの会社にとって、俺を介在させる限り製品は売りっぱなしでよく,あとはパーツの提供をするばかりでおかげさまで助かりますとか何とか歯の浮くような台詞を垂れ流していた。
 納入先の病院では事務方が福島工業なんていう会社は聞いた事がない,そんな会社の製品は信用できるのかと訝しげだった(この病院の給食施設の冷機機は6:2:2で三洋電機と大和冷機とその他メーカで占められている)が当時の俺は何とか拝み倒して納めさせてもらった経緯がある。

 その経緯があるだけに対応の変わり方に少々カチンと来たのは事実である。しかも,今後はこのように対応を変えさせていただきますといったアナウンスが事前にあったわけでもない。俺が会社を辞めて貧乏修理業者になったからもうこんな野良犬野郎に用はないという事か。(それもわかるが)

 とにかく,俺は得意先であるこの病院からは修繕の全般を請け負っている責任があるので,流れに齟齬が生じている事を伝えなければならないし修繕を福島工業に依頼するならするで外注する理由を得意先に伝えなければならない。
 それで、まずは対応の変わった真意を問うべく俺はこの会社に電話をしてみた。知らないうちにこの会社は俺の住む土地に営業所を開設していたらしい。
 電話に出たのは現地駐在のサービスマンとおぼしき男だった。パーツを単売してもらえない理由を尋ねると「PL法の関係で部品の出荷は出来ません!」と確信に満ちた口調でこの男は断言してくれちゃったのだった。

 法律だ。これは穏やかではない。こういう対応をする会社は他にもあって,俺はその時色々とこの法律について調べてみた事がある。ネット上ではこんなあたりでその概要が把握できる。
http://www.consumer.go.jp/kankeihourei/seizoubutsu/pl-j.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%BD%E9%80%A0%E7%89%A9%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E6%B3%95
条文はこちら
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H06/H06HO085.html

 1:ポイントとして,「製造物」として引き渡された動産が対象であって,修繕という業務についての言及はない。  2:過去において,パロマの瞬間ガス湯沸かし器が修理業者の謝った応急処置によって死亡事故を引き起こした例はあるがPL法の適用はされておらず、パロマに対する訴訟も起こされてはいなかったように覚えている。この辺の記憶には自信がないが筋からいえば修理業者に責任があると見るのが常識的だろう。

 ともあれPL法だ。福島工業の社員は居丈高にPL法をがなり立ててくれた。
それで俺が,PL法とはどういう法律なのか,PL法とは製造者以外は修繕業務を行ってはいけないという法律なのか,と問うとその社員はとたんに口ごもったのだった。
 法律を持ち出す以上,それがどういう法律なのか位はわかって話をしているはずだろうからその条文の内容を教えてくれと聞くとこのへ生ずるい男は俺の問いかけには答えずに前々関係ない方向に話を逸らし始めるのだった。

 福島工業の言い分はこうだ。(全然俺の問いかけの回答になっていない)
仮に修理の作業中に感電事故が起きた場合に弊社としてはその責任を取れない。

 面白いことを言うw
1:何も冷蔵庫に限らず電気製品の修理を行うときには無電圧の状態で(ということは電源プラグを抜く,開閉機や遮断器は切っておく),というのは機械いじりのイロハであってこれをやらずに感電するのはその作業員の不注意であり自己責任ではないのか。それで製造元に責任の所在が問われた話など聞いた事がない。
2:電源プラグを抜いてなお感電の危険性がある冷蔵庫など大小含めて俺は今迄ただの一台も見た事がない。福島工業の冷蔵庫には電子レンジ並みの大容量コンデンサーでもついているのか?機体に添付されている回路図にも実装されているパーツにもそんなものは見当たらなかったが。

 そう言うと福島工業社員は再び言葉に詰まって程戻し始めた。
俺は更に続けた。
 問題のコールドテーブルは得意先である病院の所有物である。どこに修繕の依頼をしようが持ち主の勝手というのが世間の常識だと俺は考える。自信のない修理業者は断れば良いのだし,引き受けはしたものの修理をしくじればその修理業者の責任であり,そんな腕のない業者に依頼した持ち主の責任でもあると考えるのが自然ではなかろうか。
 それに冷蔵庫などというものは何かの有資格者でなければ修繕を行ってはいけないなどという決まり事があるわけでもない。それこそそんな法律も法令も条令もどこにもない。あるというのなら教えていただきたいくらいだ。
 それで御社(福島工業)が仰るところのPL法というのは製造物の所有者がその修繕業務に関して製造元以外に依頼する事を制限する法律なのかと問いつめると福島工業社員の声がうわずり始めた。答えられなくなったのだった。訳の分からない話を喚き散らし,とにかく会社がそう決めているのだからなどと抜かし始めた。

 おいおいおいおいおいっ!PL法の話はどうなったんだよ!
無責任な会社だ。自分の方からPL法がどうだのと偉そうな事を抜かしておいてその法律の説明も出来ないとは何てザマだw
これでも一部上場の会社かよw

 俺は得意先に事の始終を説明し,応急的な運用の段取りを済ませた上でこの件に関する交渉のすべてを委任された。得意先は製造元である福島工業の独善的な態度にかなり憤慨している事を書き加えておこう。

 福島工業に限らず,PL法を盾に取って同業者に嫌がらせまがいの対応をする会社は他にもあるがここでは書かない。ともあれ,このようにしてゴングは鳴ったのでございます。同業者の皆様からはさぞかし愚かな振る舞いに見えるだろうがとにかく落としどころは探さなければならない。
(この項続く)

ドリル新規購入 [困った業者]

 仕入れ先の機械商社から案内が来て日立の展示会に行ってきた。
二昔くらい前迄は,日立の電動工具は他社に比べて明らかに出来が良かったがここしばらくは結構マキタにシェアを食われているそうで,確かに使っていても以前ほど明確な使用感の差は感じにくいときもある。製品のラインナップも分野によってはマキタに見劣りするところが所々見えるのはちょっと残念。大日立にとって電動工具は色々やっている事のうちの一つであるのに対してマキタはまさにこれこそが本業なのであって自ずと気合いの入り方も違ってくるというわけか。

 とは言え,腐っても鯛と言うか日立の製品にはやはり安心感がある。最後の一踏ん張りでへこたれないメーカーはというとやはり日立ではなかろうか。何だかんだ言って俺自身の日立信仰は結構根強いもののようだ。
 お布施というわけではないが展示会特別価格という触れ込みに一口乗ってドリルを一丁買った。
23226.jpg

 http://www.dogudoraku.com/catalog/product_info.php/products_id/15823

かねがね13mmドリルを一丁買っておかなければとは思っていたのだが結構多芸な機体だったのでこの際買っておこうと思った次第。

 使用できるコアビットが50mm迄というのは物足りないがボディの大きさを考えれば仕方がない。それを除けばはつりにも使えるしハンマードリルとしては現在使っている振動ドリルよりも使用感は快適だしで万能選手的優等生だ。なんと言ってもSDSとドリルチャックをワンタッチで交換できるところは便利で,アンカー打ちの多い現場では重宝しそうだ。

 但しこういう道具の購入についてまわる有り難くないジンクスとして,せっかく買ってもなかなか活用できる場面が訪れないところが毎度悩みのタネだ。
 
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某社営業の食器洗浄機に関するバカ発言を嗤う [困った業者]

 最近,棚の製作依頼があって出かけた某ビジネスホテルでの事,業務用の食器洗浄機ではトップシェアの某ペンギンマーク様がボックスタイプの食器洗浄機を更新した後だった。努力の成果というか,まあ,ご苦労様といったところだ。

 このお仕事は仲間の某設備屋さんからのご紹介だったのだがユーザー様はペンギンマークに対してえらく不満があるのだそうだ。仔細に見てみればクリーンテーブル(食器洗浄機の取り出し側に取り付けられる水切り台の一種)の有効寸法が400mmくらいしかない。つまり,洗浄機からラックを引き出した状態だとドアが閉まらない事になる。おいおい,それはないだろうと苦笑しながら眺めているとそのお客さんは次から次とホシザキの苦情を垂れ流してくれるのだがそんな話を俺にしたって仕方がないのだよ。文句があるのなら当事者同士でやってくれ。俺には関係ないよw大体,そんな不見識な業者を選んだのはあんたではないかというと大体の人は黙る事になっている。

 同行した設備屋さんは腕組みをしながら不安そうな面持ちで天井を見上げていた。既存の施設に食器洗浄機の強引な売り込みを計る厨房業者の常として,排気フードを設けていないのが気になっているのだ。業者であるホシザキに確認した方がいいのではないかと促して戻ってきた返事は熱源は全て電気であって燃焼排気は出ないのだからフードは不要との事だったそうだ。
 これには俺も設備屋さんものけぞった。凄い返答だ。この見解は記録されて良い。これがホシザキの,会社としての公式見解だとすれば本当にものすごい事だ。

 確かに電気の熱源は燃焼排気を出さないが(出るわけない)、排気フードの責務は燃焼排気の捕集ばかりではない。オイルミストなり湯気なりも排気フードで捕集されて排出されなければならないのだ。当然,食器洗浄機が運転されれば湯気は出る。
 聞けば,食器洗浄機を使うようになってから砂糖や塩が湿気って固まるようになったと言う。原因が湯気にあるのは歴然だ。もうその時点で問題ありではないか。つくづく寛大なお客だと伝えたがもちろんこれはイヤミだよw
 天井を仔細に見ると仕上がり面にわずかな凸凹がある。建築工事の際に発生したものには見えなかったから恐らくこれ迄,更新される以前の食器洗浄機から排出された湯気によって水分を含み変形した結果だろう。天井裏の断熱材が湿気を含んでグズグズになっているのは簡単に想像がつく。天井裏に電気の配線があれば湿気によってショートなどの障害が出る可能性だってある。天井仕上げ面には火災報知器の感知器が当然ついているわけでこれが誤報を出す事だってあり得る話だ。

 そんな説明を設備屋さんから受けたお客さんはそれで更にいきり立ったが後の祭り。まあ,俺が納めた洗浄機ではないのだし,何が起ころうが俺には関係ない話だが,売り込む営業に見識がないのか売らせる会社が販売実績を上げる事に無我夢中で見て見ぬふりをしているのか,なんせ、凄い構図だ。問題の発生が極小であるような設備にしておくためにはお客さんの側に機械設備の知識がなければならないというのも寒々しい話だ。
 更に言えば,厨房屋という商売が設備業者や保全業者からバカ扱いされる根拠の一端はこんなところにあるわけだが考えてみれば,排気フードの設置もせずに食器洗浄機が運転されているケースなど納入業者がホシザキであるに限らず無数にあるわけで,悲しいかな業界の標準的な見識がそのようなものだという事になる。

書き始めればきりがない,しょうもない話題のうちの一つである。
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ド外道発注業者を晒す準備 [困った業者]

 ごくごく当たり前の常識論を少し書く。

ある他人との仲立ちになるものがお仕事である以上、その人との人間関係とはすなわち利害関係だ。
その人の個性、その人の経歴というのは副次的な要因で、まずは利害関係が最も重要なので。

日常調子のいい雑談でダラダラと時間を消費し、都合の悪いときだけ尻拭いを依頼してきては泣きつき、俺が職業上の責務を果たした後、金の話になるとこれまた調子のいい雑談で話をそらす。
 俺のお仕事についての清算はいつまでたってもなされず、どのように清算されているのかと問いただすとのらりくらり逃げを打って口をつぐんで誤摩化す。

 実にけしからん輩である。
 これが悪徳個人事業主ならいざ知らず(個人だからいいとは勿論言わない)
 れっきとした上場企業の社員なのだから頭が痛い。
 ギャラの踏み倒しなど言語道断の仕業だ。その後の覚悟は出来ているのだろうか。
 こういう不届きな所行は、その社員個人の資質によるものなのか、それとも会社の体質なのか。

 先ほど件の某社に未清算の依頼内容の一覧をFAXで送った。回答期限は本日中である。
対応次第では俺にだって考えがあるぞ。
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知ったか坊主を怒鳴り倒す [困った業者]

 数日前に書いたテキスト「インチキ中古屋にはめられる(だったかな?)』
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-10-29  の続きである。

 翌日昼近く、客先に赴くと冷凍庫はめでたく漏電することもなく稼働していた。庫内温度は設定ー17℃に対して表示は-18℃でまずは御の字だ。前日夜のギャンブルはあたりだったことになる。少々残念ながらLEDディスプレイにはE3の表示が出ていてこれは霜取り終了に問題ありを表している。
 V結線された2本の霜取りヒーターのうち絶縁の悪い一本を回路から切り離しての霜取り運転なので残霜が幾らか発生しているのだろうが、冷却器のカバーを取り外して中をのぞいてみると霜の付着は極小で運転上は殆ど無視できるレベルである。動作としては一安心だがご心配をかけたので親方には改めてお詫びを入れた。

 そんなところに今回の中古冷凍庫を引っ張ってきた解体屋の知ったか坊主から連絡が入った。俺は前日夜の修理の際にこの腐れた中古を引っ張ってきたことをなじり倒して代わりを探しておけと言い渡してあったのだった。
 電話によれば早速代品が見つかったという。今度は本当の4年落ちでメーカーもサンヨー製、動力電源のある場所で現在試運転確認中だとのことだった。場面が場面なら有り難うとか何とか頭を下げてもいいところだがこのクソ忙しい月末にこやつのおかげでまるまる一日を番狂わせの漏電探しに費やす羽目に陥ったこの俺だ。こんなに簡単に見つかるのだったら最初っからそのサンヨー製を押さえておけば良かったではないかと理不尽な気分になった。更に鼻につくのは、この知ったか坊主の口ぶりにはおよそ悪びれた気配がなく得意満面なのだ。

 ところで俺がこの男をここで知ったか坊主と呼ぶ由来について少々書き留めておきたい。彼の本業は解体屋である。解体の傍ら俺の元勤務していた会社の釧路営業所の協力会社として搬入や撤去の労務を請け負っている。一言で言えば典型的ないじられキャラなのだが妙な自尊心はあるらしくとにかく知ったかぶりの多い野郎だ。バカだと思われたくないとか、無知だと思われたくないとかいう気持ちがおそらく人一倍強いのだろう。日頃から背伸び混じりの事情通を気取った物言いの多い男で、たまに『あんたは大した奴じゃないんだ、もっと凄い人がいっぱいいるんだ』と言わんばかりの癇に障る振る舞いがある。
 考えてみれば今回の混乱もこいつの知ったかぶりが発端だ。13年も前に生産終了した、しかも故障箇所の補修もしないままお払い箱になったようなガラクタを4年落ちのバリバリなどといい加減なことを抜かしてこの現場にあてがった張本人がこいつなのだ。

 幾ら中古と入っても最初からこんなケチのつき方ではさすがに納得してもらえない。製品の入れ替えは当然だろう。しかし幾ら良品が見つかったからといってあまり威張ってものが言える状況ではない。

 親方と入れ替え作業の日程について打ち合わせを済ませた。本業以外にも調理師学校の講師とか廚師仲間のやり取りとかで多忙な方なので今日の明日というわけにも行かず、因縁付きの冷凍庫もまずは窮地を脱した状態なので11月の10日頃だと都合が良さそうだというあたりが落としどころになった。

 これで目出たし目出たしとなれば良いのだが最後にもう一山あったことは書いておかなければならない。
 その日の夜、元の職場で用足しかたがた一息ついていると解体屋から電話があった。あろう事か代替品の搬入を明日にして欲しいと抜かしやがる。
 問題の中華レストランは当日は定休日で、しかも夜だ。通常、仮に得意先の連絡先がわかっていても余程緊急の用件でなければ定休日に電話などということは俺は控えることにしている。立場を変えれば当然の配慮だろう。増して、応急処置ながら冷凍庫は目下無事に稼働しているのだ。急ぐ理由など特にないはずではないのか。
 それをこの、たこ焼き的風貌の坊主は今から俺に明日、代替品を入れ替える工事の段取りを取ってくれなどと厚かましい戯言を抜かす。一体何故、そんな無茶を言い出すのかと問いただすとこの野郎はなんと、俺の修理が当てにならないからだなどとほざきやがったので俺は一気に放電モードに入った。もう一回言ってみろこの野郎と怒鳴ると電話の向こうで豚野郎はひるんだ様子を見せた。
 狼狽えた様子でその知ったか野郎は冷凍庫のコンプレッサーが壊れるかもしれないなどと分けのわからないことを喚き始めた。それはどういう事だ、その話の根拠はどこにあるんだ、お前の見立てではそういう事なのか、俺の修理が当てにならないというのはそういう事なのか、と畳み掛けると言葉を濁した。
 日頃から人を小馬鹿にしたような物言いの多い奴だが俺だって昨日や今日の修理屋ではないのだ。確かに処置には手こずったがメーカーのサービスマンがお手上げだった症状をレスキューできた程度のレベルではあるのだぞ。それでもそんなに俺の腕が当てにならないのだったら貴様は日頃、何でも知っているような事を吹きまくって自慢しているのだからお前が来て修理すれば良かったではないか。お前が来られないのだったら、日頃、人前でこれ見よがしに嫌味ったらしくどこそこの誰それは凄い人だ、あの人も素晴らしいなどと俺の同業者の名前をあげつらっているのだからそのうちの誰かに来て始末してもらえば良かったではないか。
 そもそも俺はこの腐れ冷凍庫が売買されるにあたって一円の利益もない立場なのだ。件のデブ野郎には俺にキックバックなどは考えなくてもいいからその分安く納めてやってくれと頼んでいたほどなのだ。それが4年落ちだなどとでまかせを抜かし、おまけにブツは稼働初日から漏電する始末で、尻拭いの応急処置までやらせておいて挙げ句の果てにはお前の修理が信用ならないとはどういう事だ!と、俺は一気呵成に豚野郎を怒鳴り上げた。

 貴様この野郎、人を利用するだけしておきながら何てえ言い草だ!昨日丸一日分の作業費は俺が気分で決めてお前に請求するからな!幾らの請求書が届くか楽しみにしてやがれ、わかったか、この野郎!と吠えると電話の向こうの知ったか野郎が情けない声を出した。
 聞けばこの男は一日でも早くクソ冷凍庫を引き上げて札幌の中古屋に返送したい事情があるらしかったのだ。手付金として払った半金を払い戻してもらうためには現物を返送しなければならないらしい。それで結構資金繰りが切羽詰まっているらしいのだから笑わせる。丼勘定がいいとは全く思わないが中古の冷凍庫を買い付けるための半金だからせいぜい十万円かそこらだろう。その程度の金でも響くという事は、一体こいつはどんな運転資金で動いているんだと怒る気が失せて哀れになった。

 非常識であり、自分の都合だけの虫のいい言い草ではあるが、こいつにはこいつなりの切実さがあるのだと思うともうそれ以上はさすがに怒る気にはなれなかった。しかし自分の窮状を誤摩化して俺の技術力に問題をすり替えるやり方にはやはり不愉快さを押さえきれない。それは実のところ、自分が本当に大した腕前ではない修理屋である事を俺自身が直視したくない気持ちの現れなのかもしれない。どんな出来事にも一つくらいは教訓はあるもので、あるいは修理屋が俺でなければもっと早く不具合は見つかっていたのかもしれないのだ。その可能性は否定できない。

 最後の落としどころとして、腐れ中古厨房機器屋には再度の代替品搬入費などの諸経費、及び応急処置に費やした俺の作業費を請求させてもらう事にした。同額で代替品を用意してもらったのは勿論である。
件の腐れ冷凍庫は送料着払いで返送するつもりでいたが、中古屋からいらない旨の返事があり、貰い受ける事になった。どうせ廃却品を拾ってきたのだろうから金などかけたくないという事だ。ブツの電源使用は3φ200Vなのだが中古屋には動力電源などない事もその後わかった。試運転などしていなかったのだ。
 そんなわけで騒動はどうにか終息したわけだが、業務用の厨房機器などという業界には俺を含めていかがわしい奴ばっかりだという事を諸兄、ご理解いただけただろうか?(この項終わり)


 
 


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