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インチキ中古厨房屋にはめられる [困った業者]

 俺が長年お世話になっている某中華レストランの冷凍庫が先日お役御免になった。およそ30年近く稼働したのではないだろうか。
 稼働年数30年弱のうち、俺は尻尾から数えて20年くらいをサポートしていたことになる。普通で言えば2回くらいは更新しているはずのところをよくもまあこれだけ引っ張ったものだと我ながらちょっと感心してささやかながら感慨に耽ったりもする。

 それはそれとしてレストランのお仕事は続く。冷凍庫をどこかから用意しなければならない。
オーナーは結構な年配の方で、実は中国に永住する夢を長年温め続けてもいる方だ。中国本土の厨司仲間たちからもラブコールが絶えない。
 買えるお金がないわけではないが今から新品を購入したところでこのまま店を続けるにせよ中国に渡るにせよそう長く使う予定があるわけでもないので、安価な中古品でも探そうかということになった。

 仕事仲間の知ったか坊主に話を持ちかけてみるとたちどころに候補を3つくらい拾い出してきた。ネタの数だけは潤沢だがタマの質に問題のある危なっかしい野郎だが何しろ急いでいるので背に腹は代えられない。冷凍庫の更新は毎度スケジュールがキツい。
 札幌の某業者がホシザキ製の冷凍庫を持っているという。4年落ちでコンディションは上々、動作確認も済ませたという。激安供出と聞いたので早速ツバを付けた。オーナーも上機嫌で気持ち悪いくらいうまく事が運んだ。金は知ったか坊主とオーナーとの間で直接やり取りしてもらうことにした。知ったか坊主が札幌の中古屋に半金送金する。俺は親方と搬入工事日を打ち合わせる。トントン拍子に事が運ぶ。

 それで搬入工事の当日だ。
知ったか坊主がトラックに乗せてきた冷凍庫を見て俺は思わず絶句した。4年落ちなど大嘘もいいところで間違いなく13、4年前に生産終了したホシザキ製、故障したときには厄介なことになるな、とか4年落ちの割にはくたびれているな、とか言われたらどうしようとかで気分が沈む。低圧冷媒配管の保温材にはよじれたビニールテープが汚く巻き付いている。これは何か、冷媒関係等の修理歴があったことを表している。俺だってプロの端くれだ。機械を眺めれば修理の履歴くらいはそこそこ推測できるのだ。
 気分が沈む。嫌な予感がした。

 その日はひとまず運転を始めた。そこそこ庫内温度は下がり始めたが気分が晴れない。嫌な予感が払拭できないまま寝付きの悪い夜を過ごした。
 その翌日は今日から数えて昨日だ。朝一で俺の予感は的中した、全く予感というのはどうして良くないことばかり的中するのだろうか。
 オーナーから冷凍庫の運転が止まって表示が消えているとの連絡が入って現場に急行した。冷凍庫の修理は待ったなしがお約束だ。現調すると分電盤のELBがトリップしている、漏電だ。絶縁不良箇所を一発で探り当てられるか、手探りの泥沼にはまり込むか、時間の読めない作業になる。バイアスが一段上がった。

 作業は難航した。霜取り運転中に漏電が発生することはすぐにわかったがどこをあたっても絶縁系の針が微動だにしない。配線を解きほぐしていくとへたくそな結節の跡を発見した。排水ホースヒーターの交換が行われていたようだ。配線の芯線がはみ出していてひげ上にのびている。冷凍機の振動によって配線が微妙に動き、結節されずにはみ出した芯線が箱に触る、俺はそう推察した。
 果たして手直しの後、冷凍庫は無事に起動した。全くとんでもないタマを掴まされたものだと俺は知ったか坊主や札幌の腐れ中古屋に内心毒づいた。絶対に請求書を上げなければならない。
 夕方様子を見に来るとオーナーに告げていったん失礼したがなんだか胸騒ぎがした。本当にこれで解決したのだという確信が持てないでいた。

 夕方の俺は胃に穴の開きそうな気分に捕われていた。どうしようと言う言葉が頭の中で無数に渦巻く。
無情にも冷凍庫は再び止まっていて運転表示が消えていた。『販売責任があるわけでもないのになんで俺が』と頭に来ながらひたすらオーナーに頭を下げまくる。
 そこにいる当事者が俺だけである以上、俺が頭を下げて解決策を示さなければならないのは仕方がないがそれにしても頭にくる。大体件の中古品がまともに動作するのであればこんな目に遭わずに済んでいるはずなのだ。

 とにかく冷凍庫は動くようにしなければならない。それが本当にできるのかどうかの保証などどこにもないのだが何せ試みてみなければならない。結果の確約は出来ず、ことによっては出入り禁止のお払い箱になるかもしれないがとにかく姿勢だけでも見せなければ。
 相変わらず、霜取り運転中に内蔵のELBがトリップする。午前中の俺の措置は本当の解決に至らなかった、踏み込みが甘かったのだ、俺もまだまだだ、20年以上もこの仕事をしていながらなんてザマだ、と、自分を面罵する。どこをどうあたっても午前中同絶縁系の針は俺を嘲笑うように静止し続ける。苛立で頭から煙が上がりそうになる。

 冷却器を見るためにドレンカバーを取り外して中を覗き込むと奥歯が砕けそうになった。乱雑な修理跡が密集している。至る所、配線の結節のし直しがある。闇雲に手当たり次第パーツを交換した跡だらけだ。
 俺は想像した、おそらくこの症状はずっと以前からあって解決されないまま中古市場に出てきたのだ。
こうして盲滅法手を尽くしたが漏電遮断が止まらず、ホシザキのサービスが匙を投げたものがこの冷凍庫なのだ。そしてこれを買い取った中古屋も一通りの動作確認などせずにちょっと運転してみて中が冷えるのを確認しただけで売り物にしたに違いない。要するにこんなジャンクを履歴の確認もせずに売りさばいている、その程度の奴が一端の業界人を気取っているのだ。中古屋なんてみんなこんな具合で詐欺師まがいのインチキ野郎ばっかりだ!

 グダグダ言っても始まらない。勝手に直ってくれる機械はない。幾ら手を尽くしたからといって報われるとも限らないのだが。
 中華レストランのキッチンは暑い、季節外れにも俺は汗だくで冷凍庫の上にしゃがみ込んで配線図を穴があくほど睨みつける。
 数度目の再運転でELBがトリップし、何かがひらめいた俺はすぐさま霜取りヒーターのリード線がつながっているコネクターを制御箱から引っこ抜いて絶縁を計ってみた。絶縁系の針はキロオーダーを飛び越して殆ど振り切れている。『見つけたぞ!』
 再確認のために再度絶縁抵抗を計る。5キロ、20キロ、300キロ、見る見るうちに絶縁抵抗は回復していき、1分も経たないうちに霜取りヒーターは正常値の100メガ以上の値を取り戻す。

 要するにこういうことなのだ。霜取り運転が始まると同時に稼働するヒーターは徐々に絶縁が低下していく。そしてELBがトリップするとヒーターはそれ自体の蓄熱で乾燥が進み絶縁抵抗が回復してくるのである。しかしその間1分とは・・・・一分以内に見つからなければお手上げというわけだ。おそらくホシザキのサービスマンが修理を諦めたのもこのタイミングを捉えられなかったためだろう、無理もないが。

 問題はまだ解決していない、回路中から霜取りヒーターを切り離すことで遮断動作は回避できるものの
霜取りの働かない冷凍庫では使い物にならない。屋外に出て頭の熱を冷ますためにタバコを灰にしながら思案した。霜取りヒーターは二本、同時に漏電する確率は際経験上極めて低い。だから発熱量は半分になってしまうがひとまず運転は出来るかもしれない。しかしながら方肺で十分な霜取りは出来るものなのか・・・どこまで冷えるか・・・・・・・

 処置はひとまず成功した。本当のひとまずである。俺の仮処置で庫内温度は−12℃迄を記録した。残念ながら閉店時間になってしまったのでそれ以上の温度降下を確認することは出来なかった。このアクロバットがどれだけの効果を上げたかについては本日これから、定休日のお店でオーナーと待ち合わせの上確認することになる。どんなことになっているのやら。
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月亭可朝から読み解く厨房屋の図式 [困った業者]

名曲。


意味深い歌だ。実にこの業界の有様を的確に表しておる。

ここで、ねーちゃんは大多数を占めるバカなユーザーたちであり、いかがわしい野郎達が厨房屋であることは説明するまでもない。
 この図式、この構図で大事なところはねーちゃんが次から次と同じ手口に引っかかり続け、結局スケベ根性満載の奴らどもがグルッと一巡するところだ。
 道理に適わない無理難題を厨房屋に吹っかけては感情で物事を決めてポンポン取引先を替え、(これがねーちゃん)一方では実績欲しさに出来もしないことを安請け合いしてはやがて馬脚を現して見切りを付けられる阿呆どもという関係が厨房業界の基本なのである。

数日前に政界を引退した誰かの言葉をパクると「感動したっ!」とかな。名曲だわいw
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せめぎ合い [困った業者]

 身辺が騒がしい。先日元の職場の上司と会う機会があった。現在俺は、元の勤務先の協力会社としてのお仕事「も」している。

わざわざ括弧書きでお仕事「も」と書くのには俺なりの考えがあって、大体束縛が嫌で、自分のやりたいようにやりたいので俺は開業したのであって、依頼元はなるべく分散させるように心がけているのである。一件に対する依存度が高くなるとその依頼元に対して自分が何だか卑屈になりそうだ。これは開業時の考えにそぐわないありようだ。

 鶏頭となるとも牛尾となるなかれ、とかなんとか諺を引くまでもなくその日暮らしの野良犬生活がすっかり馴染んでしまった現在、このままダラダラ生き続けてそのうちどこかで野垂れ死にも悪くはないかと俺は結構真剣に思っており、要するに今の生活が結構性に合っているのである。

 そんなところへ元上司の登場だ。
何だか色々探りを入れてくれるなあ、と思っていたら何と、復職する気はないかとのことで、そりゃ旦那、冗談きついですよ。
思い返せば10数年前、別の厨房屋で働いていた俺を引き抜きに現れたのもこの方だった。正直言って給料は大分違ったし、中途採用で同業者からの移籍でもあるから俺は結構ムキになって働いた。

 俺が退社した後の営業所はなかなか人材が定まらない状況らしい。
上司はたまに視察に訪れるのだが、どうも思うところがあるらしい様子はこれまでにも薄々感じられた。
しかしよりによって復職とは。止してよ。たのんます。

 そりゃ確かに以前はムキになって働いたことはある。手前味噌だけれど宮仕えだった頃の俺は結構頑張ったのだ。しかし必要に迫られて頑張りまくった状態を基準にされるのは今となってはいささかしんどい。今の俺はもう、出涸らしの番茶みたいなもので気力も体力もヘロヘロだ。一人親方の自営業者となった今は怠けの神髄を究めた筋金入りのぐうたらオヤジになり果てていて、しかもそれが結構気持ちよかったりもするのですよ。とか何とか逃げ口上を並べ立てたが元上司は豪腕で名を馳せた名物男でこんな小細工が通用するタマではないのだ。

物価高で経費がかさんで大変じゃないのか?
先行き依頼元の安定確保はできそうなのか?
年金は全部払い終わったか?
体調が悪くなったら仕事は誰に肩代わりしてもらうんだ?
他にも色々、一発一発がバンカーバスターみたいにドカドカ来ることばっかりである。

いやもう、大洪水の鉄砲水の如き迫力で攻め立ててくる。元上司は営業最終兵器とまで謳われた猛者なのだということをこのとき改めて実感した。防御壁の決壊が予感されたので「誰か他の人を当たってくれー!」とか何が何でも自営業は続けるんだー!とか何とか喚き散らしたくなったりもした。
 当日の結末は唐突に訪れた。元上司はしたたか酔っぱらって足下がおぼつかなくなったのだった。ちなみに俺は酒が飲めない。在社時もそうだったがこうして真夜中までお供を仰せつかり、泥酔した上司をホテルまで肩を担いで送るのがお約束だった。退社して数年経った今でもこれをやらなければならんとは・・・

俺は次の攻撃に備えて理論武装を迫られている。


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北沢産業の騒動その後 [困った業者]

 北沢産業の株主総会は何とか無事に済んだようだ。当面は一安心といったところだろう。
しかしだからといって先行き明るいのかと言えばそうでもない。これは業界中どの会社についても大なり小なり言えることだが。

資金調達としての株式公開は同時に乗っ取り屋を招き入れる諸刃の刃でもあることを今更ながらこの業界は学びつつある。いや、所詮は他人事として学んでさえいないと見るほうが正しいかも知れない。
俺は件の投資会社が一体全体何が良くて厨房屋などを乗っ取りたいのかと大変不思議だった。ましてや北沢産業だ。一体、この会社のどこにそんな魅力があるのかが実に不可解だった。

北沢産業は製造部門を持たない。幾つかの自社製品は全て協力会社の工場で製造されOEM供給されたものだ。だから少なくとも工場用地を売却して収益を上がるというビジネスモデルはない。各地の支店は自社物件だが一つの支店に社員が何百人も働いているほどの規模ではないので資産価値は知れている。自社物件の不動産運用で上がる利益もあるが燃焼全体の比率で言えばたかが知れている。バブルが弾けて以来業績は凋落の一途で現在の年商は最盛期の70%あるかないか程度だし人材の流失も業界内では結構目につく。

 人材の質について考えても正直言って北沢のレベルは業界内での良くて中堅どころといった程度ではないのか。ナショナルチェーンの店舗企画部門に厨房屋からヘッドハントされるのは一種の勲章だが北沢産業のOBという人にはこれまで一度もあったことがないし、北沢がナショナルチェーンの所謂一流どころに目立った施工実績を残したという話も聞かない。
 地方の営業所レベルでは頑張っている土地もあるのだろうが全体に販路はズタズタと言っていいのではないだろうか。

 実は北沢産業の経営の根幹が変質しそうになったのは今回が初めてではない。詳細を今は書けないがおよそ10年近く前にも業界の一部にはある噂が広がったことがある。
 その時も今回も、俺個人的にはそのアクションは成就されるべきだったと思う。はっきり言って厨房屋の給料は世の中全体の水準から見て大変安いし就労環境も良くない。社員は狭い業界内でのコップの中の嵐みたいな三流ドラマに振り回されて日々汲々としているのが大半だ。社内からの通報で労働条件について労働基準監督署の査察が入り始めるようになったのがたかだか4年かそこら以前で、これが社内で大ニュースになる。北沢産業はともかく、厨房屋というのはその程度の、世間一般の常識から切り離された閉鎖的で盲目的な業界なのだ。

 業界外の人間が取締役になったり代表権を持ったりするのがいいことなのかそれとも悪いことなのかを今の俺は即断できないが、外部の人間がこの業界の内情を目の当たりにしてどう考えてどう行動するのかを見ることにはなにがしかの意味があると考えている。

 一つ間違いなく言えることとして、銀行上がりの取締役は百害あって一利なし。これは以前の勤務先でほとほと身にしみた。
タグ:北沢産業
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再び山岡家を叩く [困った業者]

 ラーメン屋のチェーン店である山岡家については以前叩いたことがある。
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2007-11-15

 たかがラーメンくらいでグダグダ言うのは我ながらみっともないとは思うがあまりにも香ばしいバカはやはり晒してやりたくなる。
 昨日の夜は釧路での仕事だった。深夜の作業終了で困るのは飲食店の多くが閉まっていることだ。会計を誤魔化されて腹立たしい記憶があるが他に開いている店もなさそうなのでいやいやながら国道ぶちの山岡家に入った。

 前回、ここのバカ店員に俺は灰皿泥棒扱いされて怒鳴りつけられたことがあり大変クソ面白くない気分だった。
おまけにこいつ等は俺の買った食券を誤魔化して小ライス一個を出さなかった。我ながらいじましい話でみっともないが不正は不正だ。ちゃんと記録しておかなくてはな。

 今回も香ばしいバカは健在だった。ホームページの「お客様の声」から俺は親切にもご意見してあげた。以下はそのコピーである。

引用始め
店舗入り口風除室の引き戸の立て付けが悪い。
更に店員の態度はもっと悪い。
入り口の引き戸が閉まりきらず空いているとこちらを睨み付けながら
カウンターから出てきて聞こえよがしに乱暴に音を立てて引き戸を閉める。
そのくせ入ってきた客が労務者風の厳つい風貌だと
戸は開けっ放しなのに下を向いたままで見て見ぬふりをしている。

オーダーしたラーメンを運んでくるときには一言もなく、
テーブルの上が片づいていないと無言で客を睨み付けて苛立ったように
小上がりの腰壁を蹴飛ばして威嚇的な態度を取る。
よくあんなチンピラまがいのバカを雇っていますね。感動的でしたよ。

引用終わり

前回もそうだったが、当然山岡家からは放置されることになる。別に何の期待もしていないけど。
しかし客の風貌次第でチンピラまがいの威嚇的な態度を取る店員というのは一体何なんだ。こんな店には二度と行く気がしないが今度ふざけた真似をされたら汁の入った丼でも投げつけてやろうかと俺は少々暴力的な気分を喚起されたのだった。

最近暇つぶしで遊ぶうそこメーカーでこの腐れラーメン屋の脳内分析をしてみる。
山岡家釧路店.gif
ちょっと意外な結果であった。おれはまた「愚」とか「荒」とか「糞」とか言った文字が詰まっているものだと予想していたが。
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休日の業務依頼に関した連休中の雑感 [困った業者]

 5月3日からの4連休中、出動は3日、3件の修理依頼があった。一日一件が3日あったということになる。
日頃書いてあるとおり、俺は第一に自分が生活していくためにこのお仕事をしているのであって他人の便宜を図るためというのは2番目以下の理由でしかない。よって、こちらが休日を謳っているところに依頼をねじ込んでくるお方に対してはある代償を覚悟して頂くような姿勢でもって臨むことにしている。具体的には料金の割り増し請求ということだ。安くないぞ、俺は。

 休日中の修理依頼というのはなぜだか無性に頭にくる。深く考えたことはないが反射的に血圧が上がるのがはっきりわかる。電話が鳴るだけで不愉快な気分になる。恐らくそれは本来的に俺が怠け者で面倒くさがり屋だからだ。日々の生活のために仕方なく働いているような手合いでしかないからだ。
 それでもかろうじて対人関係の問題を起こさずにいるのは、いい大人が(少なくとも戸籍年齢上は十分以上に「いい大人」だ)依頼のたんびに頭から湯気を上げるのは大人気ないという自制と、金のためだ。他の要因はない。

 とは言え、不愉快さの度合いも相手によって色々と変化するようだ。長年お世話になったエンドユーザーの方々にはあんまり露骨に不快感を表すわけにもいかない。開業以来の取引高が一定以上であればなおさらだ。俺のようなへそ曲がりに愛想笑いをさせるだけあってやはり、金の力は偉大だ。
 札幌や東京などに事業所のあるメーカーさん達の場合は、休日に遠路はるばる俺の住む田舎町にまで出向いてくること自体が大変な労務なわけでこういった方々からの依頼に対してはある種の義侠心が働くようだ。困ったときはお互い様的な心情がある。あとは金次第なのだけれど。

 腹の中で火花が飛ぶのは同じ町に住む同業者とか地元に出先のあるメーカーからの依頼である。構図は明白で、この人達は自分達の得意先から来た依頼を断ったり先延ばしにしたりができない。そうすることで自分達の評判が下がることを恐れている。だからといって自分達には発生している問題を解決する能力がない。或いは何が何でも自分達の余暇の時間だけは確保しておきたい。それで心当たりのある誰かに問題の解決を転嫁しているだけの連中だ。
 この連中の中には、ことが片づいて金の話になると休日業務の割り増し請求に対して露骨に難色を示すふざけた輩が大変多い。依頼を受けた時点で俺は今日の仕事は割り増しのチャージが発生するがそれでもいいのかと念を押すと何でもいいからとにかく頼むと切羽詰まった声を出していながら事後の精算段階になると割り増しのチャージは勘弁してくれと泣きついてくる。ふんぞり返って”余計に取るのか?”などと気色ばんで居直るバカもいる。
 どうして割り増しのチャージには応じてもらえないのかと問いただすとお客さんに請求できないからだという答えがほぼ全てである。依頼を受けた時点で割り増しの告知をしているのかと更に問いただすと殆どはしていない。
 ”告知をしていない’という言い回しは実は正しくない。実情は’できない’と言うべきだろう。きゃつらは確信犯なのだ。何となれば、得意先からきた休日の修理依頼に対して『今日の修理は、解決の如何に関わらず割り増しの請求が発生しますがそれでも良いですか?』と告知すれば『折角お前の所からモノを買ってやったのにその対応は何だ!』という別の面倒な反応が飛び出してくるからだ。
 大体、モノを売り込むに当たってこの連中は『修理の対応は万全です、いつでもすぐにすっ飛んできますよ』という無責任な安請け合いをいつもしているのだ。しかしその口舌は必ずしも『自分には障害を解決する能力と準備がある』ことを表していない。真実は『問題が発生したら解決を転嫁する誰かの心当たりはあるよ』という程度のことでしかない。ましてや休日や早朝、深夜の労務に関しては割り増し請求があるなどとは150%くらい事前の告知などできていない。そんな話をすればバイヤーはそっぽを向いて自分は切り捨てられ、販売機会を失ってしまうのではないかと恐れているので口が裂けてもそれは言えない。
 要するに何のことはなく、無責任な大風呂敷を広げておきながらいざ面倒ごとが起きると自分達の私生活上の都合だけは確保しておきたいので誰か(たとえば俺のような生業の人物)に責任転嫁を目論み、なおかつ金銭上の面倒ごとからも逃げたいので泣き落としやら居直りやらでことを済ませたい性根の腐った連中がこいつらなのだ。

 割り増しが嫌なら最初から貴様らが処理していれば良かったではないかと切り返すと来客があったから動きがとれなかっただとか遠出をしていたので対応できなかっただとかいった、くだらない個人的な生活模様をグダグダと語り出してきりがない。俺が不毛な時間を過ごすことに嫌気がさして割り増しのチャージを諦めることを狙っているどこまでも狡猾な奴らだ。

 しかしこの連中はわかっていない。本当に頭の悪い奴らなのである。10数年前とは状況が違う。今や中古市場もあるし修理専業の自営業者も地方都市には散在するようになった。しかもこの業界は先達からの聞き覚えとマニュアルの丸暗記だけで応用の利かないサービスマンしか輩出できていない。人材の質は明らかに劣化している。何よりも俺自身が手の空かないときに話を振る同業者を捜している程で修繕の業務は目下、売り手市場なのだ。納入業者であることで相手構わずふんぞり返っていられる時代などとうに終わっていることに彼らは気付いていない。

 よって、こういう手合いへの対処法はただ一つ、一度は引っかかってやってもいいが2度目はないということだ。得意先には割り増しの交渉をちゃんとやれ。出来ないのなら自分で修理に走れ。それもできなければ不評を買うことを覚悟でばっくれるのも一つの対応かもなw
 
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厨房屋的「不都合な真実」(3) [困った業者]

 厨房機器大手T社製の食器洗浄機の修理パーツは手に入った。
 実は先ほど、その修理が終わったところである。2時間作業で約2万円強の粗利は悪くない。修理主体の自営業の場合、週五日稼動と考えて一日の粗利が2万あれば大体その月は万全である。請負仕事ではこういう金額にはならない。せいぜい一万円と少しだろう。大違いだ。

 自営業者を下請けに使ったときの厨房屋のピンハネは別の話題として、修理は予想通り難航した。T社の食器洗浄機は普段あまり触る機会がないので不慣れということを割り引いても手こずった。ポンプのメカニカルシール交換というのは普段の俺の手順でいけば同時に行うベアリングの交換も含めて長くても1時間強で終了する作業だ。

 ここで少し後悔しているのだが、夕食下膳終了後の老人ホームが今日の現場だったのだから、いっそのことカメラでも持ち込んで内部の実装状態を写真に撮っておけば良かった。
 何故そんなことを思いついたかというと、とにかく出来が悪いのである。整備性など鼻くそほども考慮されていない。めったやたらといじりにくい機体なのである。噴飯ものとはこのことだ。
 通常、ドアタイプの食器洗浄機は一部を除いて筐体の中に洗浄用と濯ぎ用とでふたつのポンプを内蔵している。整備性を考慮して設計された機体はそれぞれのポンプを単独で取り外しできるような実装がなされているものだが今回のT社製は違っており機械スペースの手前に洗浄用ポンプ、奥に濯ぎ用ポンプがそれぞれ横向きにマウントされている。
 つまり、奥に置かれた濯ぎ用のポンプを取り外して整備しようとするとそれ以前に格別悪くもない手前側の洗浄用ポンプを一旦取り外さなければならない構造である。

 弁解めくが、作業時間が長引いたというのはそういうことでもあるのだ。余計な付帯作業が出る分だけでも一時間弱は時間を食っているはずだ。これはそのまま、作業費となって請求金額に反映されなければならないものだからして修理代金を支払う側の持ち主にしてみれば決して看過できる話ではないはずだ。
 安売り王で勇名を馳せる(というよりも悪名を轟かせると言ったほうがいいか)T社だが、こんな造作の機械を買わされたユーザーはまともに作られた食器洗浄機であれば2万円かそこらで済む修理代金にもう一万円近くを余計に払わなければならないことになってざまはない。何社からも見積を徴収して一番安い製品を買った時点では有頂天だったのだろうがそんな成り行きに限って後々落とし穴があるものだ。
 大体の場合に於いて、業務用厨房機器の購入者などというのは知識も見識もないしトータルコストに関して事前の吟味が出来る能力もない。ただ単に声のでかい業者の言いなりになって安い見積に飛びつくだけのバカ者が大半なので俺は今日のような場面にあってもこういう安物買いの銭失いに対して同情的な感情を持つことは一切ない。請求するものは遠慮なくさせて頂く。

 話を本題に戻すと、今日、この作業に取りかかる前に俺は依頼元の事務所を訪問し、ある真実を探り当てた。
打ち合わせがてらの営業訪問で本題を終えて雑談の最中、依頼元の担当者は本当に俺の提示額で修繕は完了するのかとやや訝しげだった。
 俺は今まで、安くて文句を言われたことはない。これでも技術屋の端くれだしぼったくり商売でも何でもない。積算にはしかるべき根拠をちゃんと持たせているのである。「僕は十分儲かりますよ」とまで断言した。
 すると担当者はそうかなあ、と、首をひねりながら一通見積書を取り出して俺に見せてくれた。K社で作成した食器洗浄機の見積書で、俺に声がかかる前に修理下見を済ませてから作成したものだった。
 その見積書を見せて貰って俺はひっくり返りそうになった。見積金額は何と7万円を超える。俺の提示額の2倍以上だ。明細を見ると濯ぎ用ポンプの交換とあった。
 メカニカルシールに損傷があるとK社はポンプを取り外して整備するのではなく、ポンプをそっくり交換するのが通例なのだろうか。いやこれには驚いた。そんな修理ばっかりだったら儲かって仕方がないだろうな。楽だし。うらやましいよ。
 設備保全の心得がある得意先にメカニカルシールが損傷したポンプの修理についてポンプ交換なんていう見積を出した日には怒鳴り倒されるのがオチだがこのケースでは客が無知なのでボロを出さずに済んだというわけだ。

 しかし何だ。今回依頼元は俺に声をかけることで約4万円ほどの修理代金を節約できることになったわけだが、いや、こういう書き方は正しくない。俺に声をかけることがなければ約4万円ほど余計な出費をするはずだったのだが、つまりこういう関係が厨房屋と購入者の真実なのである。
 安かろう悪かろうの粗悪な製品、知識も見識も技術もないハッタリだけのサービスマン、後先考えずに目先の小金に見境なく飛びついて感情で物事を決めたがる購入者、この構図にはどこにも救いがない。
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厨房屋的「不都合な真実」(2) [困った業者]

前回の続き 一つ前のテキストがhttp://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-03-04

 ポンプの補修パーツについて、誰かはともかく何らかの形で手が回っているらしいことはわかった。
別段厨房屋に限った話でもないのだろうが、この業界にはたいしたことをやっているわけでもないくせに勿体をつけたがる手合いが大変多い。
 業務用の厨房機材など別段ハイテクでも何でもない。それどころか工業製品としてはこの日本国で製造される森羅万象のうちもっとも低劣きわまる部類に属するのが業務用厨房機器である。
 根拠をあげつらうときりがないのでこれは別の機械に譲るとして、こうして俺のような野良犬が仕事を拾ってパーツを買いに行くと売り渋る会社が幾つかあるのだ。

 業務用の厨房機器などというのは、別に何らかの資格を有する者でなければ整備してはいけないという法的な規則があるわけではない。高度な知識を有していなければ理解できないような物体でもない。大体、厨房屋のサービスマンに系統だった工学的な勉強をしてきた奴など全くと言っていいほどいない。九分九厘は見よう見まねで断片的な対症療法を丸暗記し続けてきただけの単なる作業員である。作業衣を着て軍手を穿いているから多くの愚かな客には底の浅さが見抜けないだけの話だ。俺はかれこれ25年くらいこの稼業を続けているがこれまで会った厨房屋のサービスマンのうちまともに技術論を語ることの出来た奴など5人もいない。

 そういう世界でありながら、(その程度の世界であるからこそ、と言い直したほうが良さそうだ)この業界の幾つかの会社は同業者に訳のわからない嫌がらせのようなまねをする。
 そもそも機材は買ったお客さんの所有物なのだ。どこの誰に修理を依頼しようがそんなものは持ち主の勝手ではないか。ましてや今回のケースでは10年落ちの食器洗浄機だ。どこに修理を依頼してどんな風に修繕しようがとにかく動きさえすればいいといった状況なんである。これが大人の会社、例えば三洋電機だとか、厨房機器の製造元で言えばマルゼンあたりだと姿勢はオープンでパーツの購入には何の問題もない。
 「パーツの販売はします。あとは自己責任でどうぞ」といった感じだ。あと、あるとすれば「当社の履歴に残らない修理がなされた場合は以後の修理はお断りする場合があります」くらいが汎用機器類のメンテに対する常識的な対処ではなかろうか。

 ところが今回のTとか、製氷機で有名なHとかの対応は全く大人気ないことが多い。なんだかんだとおよそ理由にもならないような理由をつけて同業者への販売を渋る。財布から現金を取り出してさあ売ってくれと言っても渋る。挙げ句の果てには現場名を聞き出しおいてこちらが知らないうちにいつの間にか直接そこへ出向いていって直接修理を済ませているときもある。
 隠蔽体質というのは至る所にあるが、それにしても低劣極まりない姿勢としか言いようがない。

 俺のような、一種の裏稼業には彼らがどうしてこんなに同業者が自社の製品に触れることを疎んじるのかが実によくわかるのだ。まず第一に、製品の出来がひどい。全くもって街の板金屋の工作物程度であっておよそ工業製品とは言い難い。設計した奴の頭の中には電気用品取締法という法律がこの日本国にあることを知らないんじゃなかろうかとさえ思える場合だってある。
 次に過去の修理歴がある機体の場合だが、修繕に来たサービスマンの腕前が全然なっていない。ビスやボルトの欠落は言うに及ばず、頭の潰れたそれらを目にするのは珍しくも何ともない。何かが漏れていれば見栄も何もなく闇雲にシリコンを塗りたくる。配管のねじ込み部分にはシール材も塗らない。何アンペアも電流が流れる電線の結節点にハンダ上げもスリーブのカシメもされておらず配線同士を捩り併せた上からビニールテープを巻いて終わりなんていうのはザラだ。

 考えてみれば、厨房屋などというのは安月給の上に過重労働を絵に描いたような業界だからして離職率は高いしろくな人材が集まらない。俺が見た限りでは先に書いたような同業者に変な嫌がらせをする会社ほどその傾向が強い。
 だから俺が見るところでは、彼らは製品なり雇っているサービスマンの質なりに何か後ろ暗いところがあるのではなかろうか。素人の客を相手にしている分にはボロが出ないで済んでいるが、それなりに眼力のある同業者に見られると自社の胡散臭い側面を喝破されそうで、そういう未熟さやテキトーさ加減が第三者に広まることを気にしているのではなかろうかと俺は勝手に決めつけることにした。

 話は元に戻る。
TだかKだか知らないが、程度の低い猿知恵を働かせてなんとか野良犬稼業のこの俺に製品を触らせまいとしていた節は確かに憶測できた。しかしである、俺だって昨日や今日の修理屋ではないのだ。蛇の道は蛇、設備資材の材料屋からの調達ルートは諦め、別のある方法でまんまとパーツは手に入れちゃったんだぜ!ざまー見ろw     (この項続く)
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厨房屋的「不都合な真実」(1) [困った業者]

 私を含めて、であるが毎度書くとおり厨房屋の修繕業務という奴には胡散臭いのが多い。最近の事例を一つアップする。

(1)某給食委託業者より俺のところに修理下見の依頼が来た。(かつての、といった方がいいのかも知れないが)厨房機器大手K社と現在は全面的に取引しているのだが、ある修理について提出された事前見積の金額がかなり高額らしく素人目にも不信感が払拭できないとのことだった。

(2)現場に赴き故障品を実地調査する。
製品は業界内大手T社のドアタイプ食器洗浄機だった。しばらく前から少量の水漏れが発生し、徐々に増えつつあるとのこと。
機体内部を調べるとすすぎ用ポンプのケーシングから水漏れが確認できた。メカニカルシールの損傷である。
問題の機体はおよそ10年落ち、施設は老人ホームである。稼動時間から考えればあり得ない話ではない。

ついでに書いておくと、業務用の厨房機器メーカー全てについて言えることだが、食器洗浄機に組み込むポンプを社内で製作できるメーカーというのは一つもない。どのメーカーも必ず既製品のポンプを購入して組み込んでいるだけであって彼らは単に箱を作っているだけである。
 例外はIHI(石川島播磨重工)の上級機種だけで、何と言っても三井グループであるからして、ここは食器洗浄機用に特化されたスペックのポンプを兄弟である東芝のグループ会社に製作して貰っている。

(3)今回のケースではポンプの製造元は岩谷電機製作所という汎用機器メーカーだった。
簡単に手配のつくケースである。日頃材料を購入する住設資材商社に問い合わせをしたところ、札幌に在庫があり、メカニカルシールは定価が¥4000で補助パーツとしてOリングがひとつ、これは定価が¥600で俺の仕切が定価の80%とのこと、作業時間は約2時間半を見込んで修理代金は2万円強となるコースが想定できた。

(4)発注を済ませて一時間も経たないうちに材料屋から携帯に連絡が入った。材料屋が発注してからまもなく、一旦受注したはずの岩谷電機製作所から受注を取り消させてくれとの連絡が来たという。理由を問いただすと回答できないの一点張りだったという。俺には不審な気分が湧き起こってきた。たかが汎用品のポンプの部品ではないか。ましてや修理対象は10年落ちの食器洗浄機だ。一体何をそんなに勿体をつける必要があるか。

 すぐに出来事の大枠は察しがついた。同業者には触って欲しくない人たちがいるのだ。
問題なのはそれが誰かである。K社か、それともT社か・・・・・(次回に続く)

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ラーメンの山岡屋を叩く! [困った業者]

 諸兄は山岡屋というラーメン屋をご存じだろうか?

http://www.yamaokaya.com/menu/

 大体ラーメン屋に懇切丁寧な接客など毛ほども期待はしていないが、ときたまラーメンを食いに行くときにも何だか柄の悪そうな店だとは常々感じていた。

 このラーメン屋は店の入り口に券売機が置いてあり、そこで食券を購入してスタッフに渡してサービスを待つことになるわけだが俺は本日、小ライスの食券110円なりをものの見事に巻き上げられた。券売機の設置されている飲食施設はあちこち利用するが食券をパクられたのは生まれて初めてだ。
 たかが110円くらいのことでガタガタ文句を言うのも実にみっともない話だが、過失か故意かは関係なく、手渡された食券をサービスもしないでそしらぬ顔をしているのはやっぱり言語道断だと思う。大体券売機というのはオーダーミスを防止するために導入されるのが存在意義の一つではないのか。

 横柄なスタッフの振る舞いもカンに障ったので、ホームページの「お客様の声」というリンクから苦情のメールを送信させて頂いた。

 以下全文
券売機で味噌ラーメンと小ライスを買いましたが、出てきたのはラーメンだけで結局最後まで小ライスは出てこないままでした。オーダーを取るときに言った、聞いていないの話ではありません。一体何のための券売機なんでしょうかね?たかだか110円のことで文句を言いたくはありませんがサービス業としては論外だと思います。喫煙席の小上がりしか空席がなかったのでたまたま腰壁に積んであった灰皿を取り上げると「そこのテーブルに灰皿はあるんだから持ってかないでくださいよ!」と怒鳴りつけられて灰皿はひったくられました。腰壁に隠れて灰皿が見えなかったから取り上げただけなのにまるで盗人扱い。もとよりホスピタリティなど鼻くそほども期待していませんがそれにしてもひどいスタッフですね。大いに不愉快でした。いつまた購入した食券を誤魔化されるかと思うとあんな店には二度と行く気が起きません。自分のブログで存分に叩かせて頂きます。釈明も謝罪もしなくていいですよ。

 このリンクからのメール送信は名前とメールアドレスの記入が必須である。どんな反応があるのかを俺は手ぐすね引いて待つことにしたい。


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現場施工の個人的試み(1) [困った業者]

 現在、来月開店予定の飲食店を一軒施工中である。
 新築現場の帳場的な仕事は会社員だった頃に散々やったが、自分で開業するにあたってこれはやらないつもりでいた。建設現場の帳場は基本的に終日、現場にいなければならないし建物の引き渡しまでは当然毎日詰めていなければならない。
 一方で俺には修理屋という稼業がある。これはあんちゃんの頃から20数年続けてきたことであって、いつか足を洗おうと思いながらもままならず、ズルズルと今日に至っているわけだがこちらは突発的に発生する不定期業務であって、即応性を良くするためには日々のスケジュールをタイトにしておく訳にはいかない。
 とどのつまり、建設現場の施工と修繕の業務とは両立しない。

 今の自営業は機器類の修繕に軸足があるので、会社勤めをしていた頃のような何百床もある病院の施工みたいなことはもうできない。世の中はもう、スケールの大きな新築現場を手がけて得意がっているような情勢ではないと俺は見ている。千万単位の受注現場を誇示して得意がっているような厨房屋はすこぶるつきのバカだ。外面では鼻高々だろうが職場のデスクに戻れば赤字の甚大さに青ざめている奴ばっかりなのが実情だ。これは負け惜しみではない。自分がかつてそのような類の仕事を手がけてきたから余計に内実が分かるのだ。

 そんなわけで、開業してから手がける建設現場は個人営業の飲食店に限定するようになった。できるだけ軽い設備を志している。一つは修理の合間を見ながら進行させられるので両立可能なことと、もう一つ、お客様のイニシャルコストをできるだけ下げてあげたいという気持ちもあるからだ。

 所謂外食産業の市場規模は大体四千億強と俺は見ている。これはバブルの時期がそのピークであって今後横ばい、乃至は暫時減少していくことはあっても上向くことはない。そして施設の件数ベースで考えるに最大市場は間違いなく、個人営業の飲食店なのだ。これは今も昔も変わらない。
 どうせ読者もほぼ皆無のこのブログだから手の内をばらしてしまうが、これから先のビジネスモデルのキーワードは
個人営業の飲食店に対してトータルコスト低減の提案能力がどれだけあるかが重要になってくる。

 現在施工中の飲食店物件について俺が試みているのは俺自身が施主の代理人となって報酬をいただき、設備プランと施工管理を行う業務である。既存の総合厨房メーカーは退場して頂く。彼らは単なるサプライヤーでよい、というのが今回の現場のテーマであり、個人的な試みだ。(続く)


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食品工場偽装の問題について偉そうな含蓄を垂れる [困った業者]

 不二屋の騒ぎが収まったと思ったら今度はミートホープ。この手の騒ぎもいい加減にして欲しいもんだ。
俺に言わせれば、こんな事は今まで隠匿されていたことのほうが余程おかしいぜ。

 俺は元来へそ曲がりの天の邪鬼だからしてこういう報道の裏で表沙汰にならずに進行しつつある何かのほうが余程気になるタチだけどね。最近の俺は、報道自体が何かの目くらましではないかと、つまり本当に重大な何事かの偽装ではないかと思っているのでこの手のニュースなど何とも思わない。

 非難を覚悟で敢えて言うが、考えようによってはたいした企業努力ではないか。いささか行き過ぎではあるものの、消費者の懐具合に応えるべく品質管理を追求していけば、程度の問題こそあれ大なり小なりああいう方向に向かうものだ。
 欺瞞性があるとするならばそれは例えばこういう事ではあるまいか。
(1)仮に俺はニンジンが大嫌いだとする。
(2)ある時どこかで出された野菜ジュースを何の疑いもなく飲んだ。
(3)飲んでしばらく経ってから誰かにその野菜ジュースにはニンジンが使われていたことを知らされた。

 食品に限った話ではない。何についても言えるが本物は安価ではないし量産も出来ない。980円で食えるステーキだとか100円以下で買えるハンバーガーなんていうものを胡散臭く思わないほうがおかしい。高価であればいいとは言わないが一体そんな値段で何が出来るのかと思わないほうがおかしいとここでは断言する。

 まー何だ、やばいマンションに住んで、やばいUSビーフ食ってやばい中国野菜食って病気になって、医療費を払ったら生活費がなくなってサラ金から借金してというのが今の下層社会の姿なんだと思うな。勿論俺もそのうちの一人だ。

 


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一体どうして開業したの? [困った業者]

 超ひさびさの更新。と言ったってどうせ更新を心待ちにしてくれている方などいないのは承知の上ですがね。

 綱渡り自営業は満3周年を迎えた。有り難いことに売り上げは年々増加であり、ほぼ一定の伸び具合である。と言うことで、このまま運良く売り上げが伸び続ければ今年度あたりは消費税の対象業者になりそうなのだがここが思案のしどころだ。

 本音を言えば俺は税金なんぞびた一文たりとも払いたくないのだ。今だって資金繰りは決して楽ではないが税金の支払いなんていつも一番後回しであり、それには何の罪悪感も持っていない。何となれば国であれ自治体であれ市町村であれ、およそ税金というのはロクな使い方をされないからだ。
 しがない自営業ではあるけれど、俺はとりあえず国や自治体から直接コールのかかる業者なのだよ。舞台裏のそしてデタラメさは今まで何度も見てきた。自分の実入りになる分には構わないけれど(いい加減だな、我ながら)総体にやはり、使い道や使い方はデタラメだ。

 対策として、いかにして年商を一千万円以下に抑えてもっとマシな暮らしをするかについてだが、収益率の高い仕事を選ぶに尽きるのだろう。幸いにしてこの仕事には今のところ大した競争相手がいないので、今の俺のようないささか傲慢なスタンスがある程度は通用するのだ。

 利益率を稼ぐためには、エンドユーザーとの直接取引が絶対条件だ。これは俺の信念と言ってもいい。請負仕事で申し分のないギャランティをもたらしてくれるクライアントは数少ない。そういうお客様には多少の無理も聞いちゃうよ俺は。
 開業当初、俺はユーザー直の取引を中心にしていくと公言していたのだが、周辺の人達は「そんなことでやっていけるのか?」と皆訝しげだった。メーカーひも付き請負業務主体の同業者の中には自分にはいかに大きな看板が付いているのかを散々自慢して得意がり、哀れむような目つきで俺を見下していた奴もいた。

 しかし事実はどのように推移したかと言えば、そういうひも付き請負業者は年がら年中メーカーの都合で朝から晩まで駆けずり回り、顔を合わせればやれギャラが安いだの威張り散らされてクソ面白くないだのとぼやく奴もいる。
 対して俺はといえば昼近くにやおら動き始めて暗くなるまで働く、日曜祝日は勿論土曜も休みだ。それでとりあえず借金取りに怒鳴り込まれてもいなければ夜逃げの気配もさしあたりない。税金の督促状は時たま郵便受けに飛び込んでくるがこれは想定内w
 
 一体、この違いは何なんだろうね?内幕をばらしてしまえば、請負業務、特に発注元が総合厨房を手がけるメーカーであった場合、その業務はトンデモ的に割りが悪い。同じ時間を費やして実入りが倍違うことさえあるほどなのだ。俺に言わせれば、一体何が悲しくてそんなに安いギャラの仕事にしがみついていなくちゃならんのか。厨房屋の看板が後ろにあるということがそんなに有り難いか?そんなに嬉しいか?

 請負業務の儲からない理由は実に根深いものであり、これについて考察を始めると長くなり過ぎるので別の機会に譲るが、結論から言えば二つ。
(1)労務コストしか請求できない
(2)請求額を自分で決められない

 
ということになると俺は考えている。先日、某メーカーさんの社員様と雑談していて俺はこんなことを言った記憶がある。会社員をやめて自営(この場合は現場施工や修理に限られるが)に踏み切る人には2種類いると思うのだ。
(1)自分で決断して自分で責任を取る。リスクもリターンも全て自分のものと腹をくくる人
(2)ノルマや書類や社内のしがらみがイヤで逃げ出したくなった人、単なる作業員でいたい人

 経験上ではギャラにブーを垂れる人は(2)に多い。看板を有り難がる人も一緒だ。
他人の人生模様など特段俺の知ったことではないのだが、それにしても虫のいい話ではないか。簡単な算数だ。看板頼みでお仕事をしていれば看板主が頭をはねる分だけ自分の実入りが下がるのは余りにも当然な話だ。自分で営業の話もせず、集金のリスクも負わず、ただ単にねじだけ回して十分な収入を得たいだなんて甘いよ。個人でリスクをかぶりたくないのなら宮仕えをすればいいのだ。

 


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送料に納得がいかない話 [困った業者]

 モノの運搬にコストが発生するのは致し方ない話だが、納得できないケースがあるのも事実である。東芝、三菱電機、松下といった大手電機メーカー製のパーツを取り寄せる際に送料を別途請求されることはない。こういう巨体の持ち主は社内物流が完備されていて他にも送るモノが沢山あるのでパーツ一個でがめついことは言わないのだろう。

 私が以前勤務していた会社は自前の物流機関はなかった(現在はある)が、工場からパーツの送料が一回の発送ごとに振り返られてくることはなかったので客先に渡す際にも送料という請求項目は特に設けていなかった。
 しかし多くの厨房屋については立て替え送料の請求項目は必ずあると言って良い。

 送料の請求が悪いとは言わない。物流業者(運送会社)が無料で動いてくれるわけはないのだからそれは当然の話である。引っかかるのはこれら送料がおしなべて高額なことだ。1000円やそこらは当たり前で場合によっては2000円の請求が来る会社もある。
 手のひらに乗るような小さなパーツなどは定形外郵便ででも送ってくれれば安上がりでこちらは助かるのにそういうことは絶対にしない。何故出来ないのかと尋ねると口をつぐんでどこまでも沈黙して回答を拒否する。私にとっては血圧の上がる瞬間だ。

 大体、世間一般に機能している会社が宅配業者の料金表通りに契約していることなど絶対にないのである。私のような零細自営業者や個人には取り合って貰えないが法人ともなれば宅配料金は必ず割引された金額で取り扱われている。こうして断言できる理由は以前私が宮仕えだった頃にはそうしていたからだ。
 
 みみっちい追求のようだが、ここには確実に差益が生まれている。パーツを発送する側に利ざやが生じているのである。不愉快な話だがこちらはパーツを送ってもらわないとお仕事が進まないので毎度泣き寝入りだ。

 相手のメーカーも小規模ならあまりケチ臭い要望も控えたいが、ある時などは年商千億を超える業界最大手の冷機器の会社が都度都度部品手配料と称して千円の請求項目を付け加えてきた。現地営業所からの出庫にまでこの手配料を適用されて私は大いに頭に来て抗議したことがある。殆ど詐欺ではないかこれは。
 こんな阿漕なまねをする一方でこの会社は値段の叩き合いになれば定価の15%などという無茶苦茶な納入価で実績をさらっていったりもするのである。
 小口のエンドユーザーや同業者は毎度馬鹿を見るわけだが、こんな品性下劣な会社が業界最大手であるところがこの業界の救いようのなさを如実に物語っている。


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不条理を感じるとき [困った業者]

 前回のエントリーhttp://blog.so-net.ne.jp/tuttle/archive/20070426の続き。

 私用のパソコンeMacは本日入院となる。戻ってくるのはおそらく連休明けだろうから少々退屈な日々が続く。

運営体制上やはりそうなるのだろうとは思うが、今回は持ち込み修理となる。回収して貰うと費用発生があるとのことだ。当然の話だ。

 日頃仕事をしていて出張費の請求に文句をたれるお客さんのことを少し考えた。私はあるときから「出張費の請求に納得がいかないのなら次回からは機械を外して俺のところに持ってこい。床固定のアンカーボルトを外して、配電箱のケーブルを外して、配管の接続を全部外して、トラックに積んで、俺の作業場まで持ってこい。修繕が終わったら『終わったぞー』と電話するから、作業場まで取りに来て、トラックに乗せて持ち帰って、接続工事を全部やり直してあんたが自分で試運転をやれ。それだったら私は出張費の請求はしないよ」と言うようになった。我ながらこれはなかなか効き目があると思っている。

 貧乏自営業は経費節減のため、せっせと体を動かしてパソコンを箱に詰めて持ち込み修理へと赴くのである。
アップルケアに加入しておいて良かったとか、箱を投げずにとっておいて良かったとか、自分にも多少の慎重さがあったことに気付く。

 ところで現在、午前10時50分だ。サービスセンターは11時30分までに持ってこいとのことだった。私が修理屋として日頃走り回っているときには客に「何時に来られるのか」と迫られるのに、パソコンの修理品となると持ち主が持ち込みでしかも修理屋に「何時までに持ってこい」と言われるのは何か凄く人生の理不尽さを感じる。

 俺も一度お客さんから修理の依頼があったら「あーそうですか、それじゃあと一時間以内に僕の作業場まで持ってきてください」なんて言ってみたいものだが、そういう場面は間違いなくこの先一生ない。


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携帯電話は優れた管理ツールたり得るか? その1(愚劣な管理職を嗤う) [困った業者]

 前に勤務していた会社では、会社から携帯電話が支給された。その会社に転職する以前の職場では自前だったし、携帯電話の通話料は当時まだまだ高かったので、「こりゃあ何とも気前のいい会社だぜ!」と最初は喜んだものだ。
 
 それから程なくして日曜日のある日、携帯電話が鳴ったので取り上げてみるとナショナルチェーンの某店舗から、冷蔵庫が冷えないだか何だったか、とにかく修理の依頼だったのだ。このとき私は最初のうれしさがぬか喜びだったことを知った。10年以上前のことだ。
 修理というは突発的で、定型化できない業務の典型例だからして、デスクワークを生業としている連中にとっては厄介ごとなのである。

 20と数年会社員をやってきて改めて確信する会社員の作法の一つは、
「厄介ごとは同僚に押しつけて自分は逃げる」というのが社内遊泳術である。変な使命感を持って厄介ごとを山ほど背負い込んだ社員はやがてこの構図がアホらしくなって退社する。同業者に転職するかも知れないし、独立開業するかも知れないがとにかく嫌気がさすのである。

 私は地方営業所の所長止まりで、お世辞にも出世できたなどとは言えない程度でしかなかったが、在社中はこの、日曜日の修理依頼に辟易した。代休なり時間外手当なりを制度化するとか、人員を増員して24時間365日体制の組織作りを標榜している厨房屋などない。金がかかりすぎるのでそんな勤務形態や組織形態は絵空事だ。
 とにかく支店とか本社とかで面倒ごとが起きると、連絡を受けた本社なり支店なりの日直の社員は思考停止の条件反射よろしく連絡元の営業所員の携帯を鳴らしては対応をごり押ししてくる。何とも見事な責任回避ツールとして携帯は機能し続けた。

 たまの日曜日にのんびりしたい私のような不精者にとっては何ともはた迷惑な話である。即日修理の対応が出来ないと会社の信用度が落ちるという都合だけで、一体何故俺のプライバシーが侵害されなければならないのかと腹立たしい思いを何度も味わった。

 もっとも、解決策はその後身につけた。私はこれを退社する間際になってからやっと実行するようになったので、今考えると愚直というか、バカだった。
 何のことはない。プライベートを満喫したければ携帯電話を取らなければいいだけの話なのだが。

 一個人、職業人としての矜持とか使命感にやましい物は残るかも知れないが、所詮は月給取りでしかないのだ。会社の利益活動の結果生じたトラブルに個人として責任を取らなければならないような道理などあるわけがないのだ。(この項続く)


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パラダイムシフトを受け入れられない人たち [困った業者]

 会社員であった頃から、繰り返し言い続けてきたことだが当時、社内では誰も耳を傾けてはくれなかったことをここでは書く。

 バブルがはじけた90年代冒頭で、業務用の厨房機材の普及は頭打ちとなったのだ。
 あとは落ち穂拾いがあるだけであって、未開の大地はもう日本国には存在しない。

 例えに出して悪いが、繁華街の小路でひっそり営業しているような個人経営のラーメン店で食器洗浄機だのアルカリイオン整水機だのが設置されているのだ。客単価が1000円にも満たないような業種がである。
 この上一体何を売り込もうというのか。

 一種、思考のトレーニングとして、この業界に携わっている人たちに考えてみて頂きたいことがある。
 そもそも、外食とは何ぞやというあたりから考えてみる。広義の外食とは・・・
「住宅の外で食べる食事全般」というのが私なりの解釈だ。
 飲食店、ホテル、宴会場から始まってやれ病院だ、老人ホームだ、学校の給食もそうだし会社の社員食堂も軍隊の食堂も、挙げ句の果てには刑務所の臭い飯も修道院の食事もある意味外食だ。
人が生きていく以上、食事は必ずついて回る。
 そして日本国に於いては、目下のところ飢え死にするような境遇の方々は非常に稀な存在だろうと思う。
 法則というほどのものではないが、上限と下限を示せば
(1)人は生きている以上、必ず飯は食う。   が下限であり
(2)だからといっていきなりそれまでの何倍もの飯を食うようにはなれない。
が上限である。

 ここから家の中で済ませる食事を減じたものがつまり外食向け、ということは業務用厨房機材のマーケットサイズなのだ。業務用厨房機材のコレクションが趣味であるなどという奇特な人の存在はついぞ耳にしたことがないので、市場規模がこれ以上になることは絶対にない。そして既に箱物がバンバン建つご時世ではない。市場への浸透は既にピークアウトしているのであって、あとは落ち穂広いと同業者間の共食いがあるだけだ。
 
 ホイホイ機材が売れるとすれば、こんな現象が現れたときくらいしかないと私は考えている。
(1)家のキッチンが消滅して全ての人が三度のオマンマを家の外で済ませるようになる。
(2)全ての外食の食費に今までの五倍くらいの金を使うようになる。

 どちらもまず、思考実験の域を出ない状況だ。

以前にも同じようなことを書いたがここで改めて繰り返す。
この業界では未だにデフレスパイラルが横行しているのだ。製造原価と涙金で済めばまだ良い方で、赤字をどれだけ小さくとどめるかに四苦八苦するような営為が後を絶たない。あまりにも不毛である。

 何の世界であっても共通していると思うが、一度下げ止まった実売価格の相場は余程のことがない限り上昇には転じない。

 未だに販売目標何台とか、前年対比何パーセントアップの売り上げ目標とか喚き散らしている会社は最早救いようがない。訳のわからないノルマやら締め上げやらに嫌気がさして社員がどんどん離脱して形骸化している組織がいっぱいある。値引き合戦に勝ち残ったところで、終わってみればあたりは一面砂漠であるのに。そんな場所でその先どうやって生きていこうというのかねえ。


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厨房機器の耐用年数 [困った業者]

 一昨日、某レストランよりスポット的な修理依頼があった。
チップアイスディスペンサーという名称の機材で、こういう形状をしている。

 客単価がさほど高くなく、30席前後の小規模店舗やセルフサービスの店舗で見かける。
 状態としては全く動かずウンともスンとも言わない。メーカーのサービスマンは古いからもう更新しなくてはいけない旨を言い残して帰ってしまい、あとからすかさず営業さんがカタログとクレジットの申込用紙を携えて登場したとのこと。

 私のような野良犬稼業にケツが持ち込まれるのはえてしてこういう場面である。
溺れる者は藁をも掴むというわけだ。自営業の修理屋など普段は鼻も引っかけられない存在だが、人間、都合が悪くなれば形振り構わなくなるもんだ。

 触ったことのない機材なので少々おっかなびっくりで中を開けてみる最中、外装板のビスを緩めた形跡がないことに気付いた。メーカーさんは中も開けずにどうやってご臨終の見立てを行ったのだろうかと訝しく思い、オーナーさんに尋ねてみると確かに触りもしないでそういう診断を下したそうだ。ただ単に「耐用年数を過ぎている」とだけ言ったのだそうな。

 「耐用年数って何年なの?」という問いかけ対して、私は「知らん」と答えることにしている。
 会計業務上、固定資産としては6年が減価償却期間だったように憶えている。機能してるいないに拘わらず、購入後6年経過すると資産価値はなくなるという考えであって、強いて言えばそれが耐用年数の基準ではあるが、あくまで事務屋の発想だ。
 
 物理的機械的な問題としてどこまで使えるかという問いかけは漠然としすぎている。
 個体差、稼働率、周辺環境によって製品寿命は想像以上に大きくばらつく。そして当たり前ながら機械は有機生命体ではない。空から隕石が降ってきて機械がぺっしゃんこにでもならない限り、スペアパーツの供給さえあればどこまででも修理はきく。では、その機材の終わりはどういうときかと言えば「修理屋が見切りをつけた」ことを持ち主が納得したときである。

 技術論として語るならば、機械の運転に何年という時間区切りを設けるのはかなり大雑把なとらえ方でしかない。厳密に言えば「運転時間●●時間」とか「動作回数●●回」と捉えるべきであって、業者の側が「もう●●年経って古いから更新を・・」という言葉を鵜呑みにするのは所有者側の勉強不足もある。機器の寿命や消耗度合いについて安直に何年などという物差しを持ち出してくるのはハンチクな業者であって、そういう手合いの口車に乗って無用の更新をしている例は多いようですね。

 今回のケースについては給水制御を司るスイッチが機械振動のためにずれてしまい、誤動作を起こしての全停止であった。初めて触るこの私が、その箇所を発見して無事氷が出来るまで所要時間は30分。修理代金は5千円なりであった。高いか安いかは別としてひとまずチップアイスディスペンサーは継続稼働となった。

 それにしてもこのメーカーのサービス、中ぐらい開けてから所見を述べなさいよ。

 

 
 

 


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