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一体どうして開業したの? [困った業者]

 超ひさびさの更新。と言ったってどうせ更新を心待ちにしてくれている方などいないのは承知の上ですがね。

 綱渡り自営業は満3周年を迎えた。有り難いことに売り上げは年々増加であり、ほぼ一定の伸び具合である。と言うことで、このまま運良く売り上げが伸び続ければ今年度あたりは消費税の対象業者になりそうなのだがここが思案のしどころだ。

 本音を言えば俺は税金なんぞびた一文たりとも払いたくないのだ。今だって資金繰りは決して楽ではないが税金の支払いなんていつも一番後回しであり、それには何の罪悪感も持っていない。何となれば国であれ自治体であれ市町村であれ、およそ税金というのはロクな使い方をされないからだ。
 しがない自営業ではあるけれど、俺はとりあえず国や自治体から直接コールのかかる業者なのだよ。舞台裏のそしてデタラメさは今まで何度も見てきた。自分の実入りになる分には構わないけれど(いい加減だな、我ながら)総体にやはり、使い道や使い方はデタラメだ。

 対策として、いかにして年商を一千万円以下に抑えてもっとマシな暮らしをするかについてだが、収益率の高い仕事を選ぶに尽きるのだろう。幸いにしてこの仕事には今のところ大した競争相手がいないので、今の俺のようないささか傲慢なスタンスがある程度は通用するのだ。

 利益率を稼ぐためには、エンドユーザーとの直接取引が絶対条件だ。これは俺の信念と言ってもいい。請負仕事で申し分のないギャランティをもたらしてくれるクライアントは数少ない。そういうお客様には多少の無理も聞いちゃうよ俺は。
 開業当初、俺はユーザー直の取引を中心にしていくと公言していたのだが、周辺の人達は「そんなことでやっていけるのか?」と皆訝しげだった。メーカーひも付き請負業務主体の同業者の中には自分にはいかに大きな看板が付いているのかを散々自慢して得意がり、哀れむような目つきで俺を見下していた奴もいた。

 しかし事実はどのように推移したかと言えば、そういうひも付き請負業者は年がら年中メーカーの都合で朝から晩まで駆けずり回り、顔を合わせればやれギャラが安いだの威張り散らされてクソ面白くないだのとぼやく奴もいる。
 対して俺はといえば昼近くにやおら動き始めて暗くなるまで働く、日曜祝日は勿論土曜も休みだ。それでとりあえず借金取りに怒鳴り込まれてもいなければ夜逃げの気配もさしあたりない。税金の督促状は時たま郵便受けに飛び込んでくるがこれは想定内w
 
 一体、この違いは何なんだろうね?内幕をばらしてしまえば、請負業務、特に発注元が総合厨房を手がけるメーカーであった場合、その業務はトンデモ的に割りが悪い。同じ時間を費やして実入りが倍違うことさえあるほどなのだ。俺に言わせれば、一体何が悲しくてそんなに安いギャラの仕事にしがみついていなくちゃならんのか。厨房屋の看板が後ろにあるということがそんなに有り難いか?そんなに嬉しいか?

 請負業務の儲からない理由は実に根深いものであり、これについて考察を始めると長くなり過ぎるので別の機会に譲るが、結論から言えば二つ。
(1)労務コストしか請求できない
(2)請求額を自分で決められない

 
ということになると俺は考えている。先日、某メーカーさんの社員様と雑談していて俺はこんなことを言った記憶がある。会社員をやめて自営(この場合は現場施工や修理に限られるが)に踏み切る人には2種類いると思うのだ。
(1)自分で決断して自分で責任を取る。リスクもリターンも全て自分のものと腹をくくる人
(2)ノルマや書類や社内のしがらみがイヤで逃げ出したくなった人、単なる作業員でいたい人

 経験上ではギャラにブーを垂れる人は(2)に多い。看板を有り難がる人も一緒だ。
他人の人生模様など特段俺の知ったことではないのだが、それにしても虫のいい話ではないか。簡単な算数だ。看板頼みでお仕事をしていれば看板主が頭をはねる分だけ自分の実入りが下がるのは余りにも当然な話だ。自分で営業の話もせず、集金のリスクも負わず、ただ単にねじだけ回して十分な収入を得たいだなんて甘いよ。個人でリスクをかぶりたくないのなら宮仕えをすればいいのだ。

 


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007

ちと古い一連の記事を読ませていただいています、、、
大いにうなずけ、かつオモロイです!

いちいち納得でございます、、、電気屋も同じ構造ですね、。
by 007 (2014-12-11 13:42) 

HarryTuttle

007様,コメントありがとうございます。
 2007年の記事ですね。今から7年前・・・・この頃は開業4年目で結構調子のいい時期でした。今から考えると随分と粋がったことを書いていたものだと恥ずかしくなります。
 この直後,私の商売は暗転してダークサイドに転落していくことを考えるとなかなか感慨深いです。人生,一寸先は闇なのだとつくづく思います。
by HarryTuttle (2014-12-12 09:24) 

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