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現場施工の個人的試み(1) [困った業者]

 現在、来月開店予定の飲食店を一軒施工中である。
 新築現場の帳場的な仕事は会社員だった頃に散々やったが、自分で開業するにあたってこれはやらないつもりでいた。建設現場の帳場は基本的に終日、現場にいなければならないし建物の引き渡しまでは当然毎日詰めていなければならない。
 一方で俺には修理屋という稼業がある。これはあんちゃんの頃から20数年続けてきたことであって、いつか足を洗おうと思いながらもままならず、ズルズルと今日に至っているわけだがこちらは突発的に発生する不定期業務であって、即応性を良くするためには日々のスケジュールをタイトにしておく訳にはいかない。
 とどのつまり、建設現場の施工と修繕の業務とは両立しない。

 今の自営業は機器類の修繕に軸足があるので、会社勤めをしていた頃のような何百床もある病院の施工みたいなことはもうできない。世の中はもう、スケールの大きな新築現場を手がけて得意がっているような情勢ではないと俺は見ている。千万単位の受注現場を誇示して得意がっているような厨房屋はすこぶるつきのバカだ。外面では鼻高々だろうが職場のデスクに戻れば赤字の甚大さに青ざめている奴ばっかりなのが実情だ。これは負け惜しみではない。自分がかつてそのような類の仕事を手がけてきたから余計に内実が分かるのだ。

 そんなわけで、開業してから手がける建設現場は個人営業の飲食店に限定するようになった。できるだけ軽い設備を志している。一つは修理の合間を見ながら進行させられるので両立可能なことと、もう一つ、お客様のイニシャルコストをできるだけ下げてあげたいという気持ちもあるからだ。

 所謂外食産業の市場規模は大体四千億強と俺は見ている。これはバブルの時期がそのピークであって今後横ばい、乃至は暫時減少していくことはあっても上向くことはない。そして施設の件数ベースで考えるに最大市場は間違いなく、個人営業の飲食店なのだ。これは今も昔も変わらない。
 どうせ読者もほぼ皆無のこのブログだから手の内をばらしてしまうが、これから先のビジネスモデルのキーワードは
個人営業の飲食店に対してトータルコスト低減の提案能力がどれだけあるかが重要になってくる。

 現在施工中の飲食店物件について俺が試みているのは俺自身が施主の代理人となって報酬をいただき、設備プランと施工管理を行う業務である。既存の総合厨房メーカーは退場して頂く。彼らは単なるサプライヤーでよい、というのが今回の現場のテーマであり、個人的な試みだ。(続く)


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