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北沢産業の騒動その後 [困った業者]

 北沢産業の株主総会は何とか無事に済んだようだ。当面は一安心といったところだろう。
しかしだからといって先行き明るいのかと言えばそうでもない。これは業界中どの会社についても大なり小なり言えることだが。

資金調達としての株式公開は同時に乗っ取り屋を招き入れる諸刃の刃でもあることを今更ながらこの業界は学びつつある。いや、所詮は他人事として学んでさえいないと見るほうが正しいかも知れない。
俺は件の投資会社が一体全体何が良くて厨房屋などを乗っ取りたいのかと大変不思議だった。ましてや北沢産業だ。一体、この会社のどこにそんな魅力があるのかが実に不可解だった。

北沢産業は製造部門を持たない。幾つかの自社製品は全て協力会社の工場で製造されOEM供給されたものだ。だから少なくとも工場用地を売却して収益を上がるというビジネスモデルはない。各地の支店は自社物件だが一つの支店に社員が何百人も働いているほどの規模ではないので資産価値は知れている。自社物件の不動産運用で上がる利益もあるが燃焼全体の比率で言えばたかが知れている。バブルが弾けて以来業績は凋落の一途で現在の年商は最盛期の70%あるかないか程度だし人材の流失も業界内では結構目につく。

 人材の質について考えても正直言って北沢のレベルは業界内での良くて中堅どころといった程度ではないのか。ナショナルチェーンの店舗企画部門に厨房屋からヘッドハントされるのは一種の勲章だが北沢産業のOBという人にはこれまで一度もあったことがないし、北沢がナショナルチェーンの所謂一流どころに目立った施工実績を残したという話も聞かない。
 地方の営業所レベルでは頑張っている土地もあるのだろうが全体に販路はズタズタと言っていいのではないだろうか。

 実は北沢産業の経営の根幹が変質しそうになったのは今回が初めてではない。詳細を今は書けないがおよそ10年近く前にも業界の一部にはある噂が広がったことがある。
 その時も今回も、俺個人的にはそのアクションは成就されるべきだったと思う。はっきり言って厨房屋の給料は世の中全体の水準から見て大変安いし就労環境も良くない。社員は狭い業界内でのコップの中の嵐みたいな三流ドラマに振り回されて日々汲々としているのが大半だ。社内からの通報で労働条件について労働基準監督署の査察が入り始めるようになったのがたかだか4年かそこら以前で、これが社内で大ニュースになる。北沢産業はともかく、厨房屋というのはその程度の、世間一般の常識から切り離された閉鎖的で盲目的な業界なのだ。

 業界外の人間が取締役になったり代表権を持ったりするのがいいことなのかそれとも悪いことなのかを今の俺は即断できないが、外部の人間がこの業界の内情を目の当たりにしてどう考えてどう行動するのかを見ることにはなにがしかの意味があると考えている。

 一つ間違いなく言えることとして、銀行上がりの取締役は百害あって一利なし。これは以前の勤務先でほとほと身にしみた。
タグ:北沢産業
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