せめぎ合い [困った業者]
身辺が騒がしい。先日元の職場の上司と会う機会があった。現在俺は、元の勤務先の協力会社としてのお仕事「も」している。
わざわざ括弧書きでお仕事「も」と書くのには俺なりの考えがあって、大体束縛が嫌で、自分のやりたいようにやりたいので俺は開業したのであって、依頼元はなるべく分散させるように心がけているのである。一件に対する依存度が高くなるとその依頼元に対して自分が何だか卑屈になりそうだ。これは開業時の考えにそぐわないありようだ。
鶏頭となるとも牛尾となるなかれ、とかなんとか諺を引くまでもなくその日暮らしの野良犬生活がすっかり馴染んでしまった現在、このままダラダラ生き続けてそのうちどこかで野垂れ死にも悪くはないかと俺は結構真剣に思っており、要するに今の生活が結構性に合っているのである。
そんなところへ元上司の登場だ。
何だか色々探りを入れてくれるなあ、と思っていたら何と、復職する気はないかとのことで、そりゃ旦那、冗談きついですよ。
思い返せば10数年前、別の厨房屋で働いていた俺を引き抜きに現れたのもこの方だった。正直言って給料は大分違ったし、中途採用で同業者からの移籍でもあるから俺は結構ムキになって働いた。
俺が退社した後の営業所はなかなか人材が定まらない状況らしい。
上司はたまに視察に訪れるのだが、どうも思うところがあるらしい様子はこれまでにも薄々感じられた。
しかしよりによって復職とは。止してよ。たのんます。
そりゃ確かに以前はムキになって働いたことはある。手前味噌だけれど宮仕えだった頃の俺は結構頑張ったのだ。しかし必要に迫られて頑張りまくった状態を基準にされるのは今となってはいささかしんどい。今の俺はもう、出涸らしの番茶みたいなもので気力も体力もヘロヘロだ。一人親方の自営業者となった今は怠けの神髄を究めた筋金入りのぐうたらオヤジになり果てていて、しかもそれが結構気持ちよかったりもするのですよ。とか何とか逃げ口上を並べ立てたが元上司は豪腕で名を馳せた名物男でこんな小細工が通用するタマではないのだ。
物価高で経費がかさんで大変じゃないのか?
先行き依頼元の安定確保はできそうなのか?
年金は全部払い終わったか?
体調が悪くなったら仕事は誰に肩代わりしてもらうんだ?
他にも色々、一発一発がバンカーバスターみたいにドカドカ来ることばっかりである。
いやもう、大洪水の鉄砲水の如き迫力で攻め立ててくる。元上司は営業最終兵器とまで謳われた猛者なのだということをこのとき改めて実感した。防御壁の決壊が予感されたので「誰か他の人を当たってくれー!」とか何が何でも自営業は続けるんだー!とか何とか喚き散らしたくなったりもした。
当日の結末は唐突に訪れた。元上司はしたたか酔っぱらって足下がおぼつかなくなったのだった。ちなみに俺は酒が飲めない。在社時もそうだったがこうして真夜中までお供を仰せつかり、泥酔した上司をホテルまで肩を担いで送るのがお約束だった。退社して数年経った今でもこれをやらなければならんとは・・・
俺は次の攻撃に備えて理論武装を迫られている。
わざわざ括弧書きでお仕事「も」と書くのには俺なりの考えがあって、大体束縛が嫌で、自分のやりたいようにやりたいので俺は開業したのであって、依頼元はなるべく分散させるように心がけているのである。一件に対する依存度が高くなるとその依頼元に対して自分が何だか卑屈になりそうだ。これは開業時の考えにそぐわないありようだ。
鶏頭となるとも牛尾となるなかれ、とかなんとか諺を引くまでもなくその日暮らしの野良犬生活がすっかり馴染んでしまった現在、このままダラダラ生き続けてそのうちどこかで野垂れ死にも悪くはないかと俺は結構真剣に思っており、要するに今の生活が結構性に合っているのである。
そんなところへ元上司の登場だ。
何だか色々探りを入れてくれるなあ、と思っていたら何と、復職する気はないかとのことで、そりゃ旦那、冗談きついですよ。
思い返せば10数年前、別の厨房屋で働いていた俺を引き抜きに現れたのもこの方だった。正直言って給料は大分違ったし、中途採用で同業者からの移籍でもあるから俺は結構ムキになって働いた。
俺が退社した後の営業所はなかなか人材が定まらない状況らしい。
上司はたまに視察に訪れるのだが、どうも思うところがあるらしい様子はこれまでにも薄々感じられた。
しかしよりによって復職とは。止してよ。たのんます。
そりゃ確かに以前はムキになって働いたことはある。手前味噌だけれど宮仕えだった頃の俺は結構頑張ったのだ。しかし必要に迫られて頑張りまくった状態を基準にされるのは今となってはいささかしんどい。今の俺はもう、出涸らしの番茶みたいなもので気力も体力もヘロヘロだ。一人親方の自営業者となった今は怠けの神髄を究めた筋金入りのぐうたらオヤジになり果てていて、しかもそれが結構気持ちよかったりもするのですよ。とか何とか逃げ口上を並べ立てたが元上司は豪腕で名を馳せた名物男でこんな小細工が通用するタマではないのだ。
物価高で経費がかさんで大変じゃないのか?
先行き依頼元の安定確保はできそうなのか?
年金は全部払い終わったか?
体調が悪くなったら仕事は誰に肩代わりしてもらうんだ?
他にも色々、一発一発がバンカーバスターみたいにドカドカ来ることばっかりである。
いやもう、大洪水の鉄砲水の如き迫力で攻め立ててくる。元上司は営業最終兵器とまで謳われた猛者なのだということをこのとき改めて実感した。防御壁の決壊が予感されたので「誰か他の人を当たってくれー!」とか何が何でも自営業は続けるんだー!とか何とか喚き散らしたくなったりもした。
当日の結末は唐突に訪れた。元上司はしたたか酔っぱらって足下がおぼつかなくなったのだった。ちなみに俺は酒が飲めない。在社時もそうだったがこうして真夜中までお供を仰せつかり、泥酔した上司をホテルまで肩を担いで送るのがお約束だった。退社して数年経った今でもこれをやらなければならんとは・・・
俺は次の攻撃に備えて理論武装を迫られている。
ログインしてこの記事に当り?ました、、、
いままで存在を知らなかったのですが、大変興味深く拝見し、同意しました!、、、
まあ、”トヨタの下請け”型になったらもう足元診られて、値下げ要請の嵐ですから、分散受注は理想です、、、
・・・でないとコンビニ経営みたいになりますから、。
by 007 (2015-10-17 11:51)