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最近の三洋電機は変ではないのか [困った業者]

 厨房屋という業界を巡る諸問題の震源地はそもそも客の劣悪さにあると常々考えているのだが(例外は極小だ),一方でサプライヤー側に何の問題もないのかといえばそんな事は全然なく、中でもホシザキという会社の存在は色々な意味で同業者に影響を与え続けているように俺は見ている。日常の業務に於いて距離を置いておきたいと思われる同業者の方は決して少なくないはずだ。

 そういう人たちにとっての拠り所が三洋電機というメーカーだった。製品のバリエーションはかなりの部分ホシザキと重複する機種があり,価格も似たり寄ったりでその品質は確実にホシザキの上をいく有り難いメーカーだ。やはり業務用の専業とは違って会社のスケールが大きい分だけ開発能力はあるし量産効果も出せるという事なのだ。
 
しかしその三洋電機は最近どうも変ではないのか。
松下との経営統合が噂されていた頃,俺は複雑な気分で色々なニュースに接していた。松下もまた腰掛け程度ではあるが業務用の厨房製品を手がけているが市場はバブル以降冷え込む一方なので業務用冷蔵庫はだんだんそのバリエーションを減らして今はOEMの他社製品を細々と販売する程度だし,継続的に流通している品目といえばせいぜい電子レンジくらいではなかろうか。いずれにしてもあまりやる気は感じられない。
 そんな会社と経営統合されてしまったら現在の三洋電機の製品群はどうなってしまうのか。業務用の厨房機材はダンピングが激しい商品分野なので決して高利益なものではない。不採算な事業分野なので縮小とか切り捨てとかいったことが起こるのではなかろうかという危惧を払拭しきれないでいた。

 その後の動向については俺は不勉強なので現状が把握できていない。
ただ最近,ここ数年の俺の身辺での三洋電機は明らかに動きがおかしい。俺の住んでいる土地は人口17万程度の田舎町だが大手家電メーカー(総合電機メーカーも含む)のうち、明らかな負け組が三洋電機であって出先は真っ先に閉鎖された。日立,東芝,三菱の総合電機メーカー御三家は健在で補修パーツは現地のサービスセンターで簡単に手に入る。家電メーカーでは松下,シャープが継続運営されていて対応は同様。皮肉な事に大手のうち最も業務用厨房機器のラインが分厚い三洋電機のみがパーツの入手に余計な費用がかかる。
 
 回路図や組み付け図などの資料は現地では手に入らず(他は閲覧可。コピーをとってもらえる親切なメーカーもある。いずれにしても業務用厨房専用の業者の意地悪さとは雲泥の差だ)ファクシミリでのやり取りであり,パーツの購入は他メーカーであれば現地営業所のフロントで引き取り,送料は社内流通費用負担でタダのところが三洋電機だけは代引き手数料が加算された上に送料は着払いである。

 会社総体から見れば業務用厨房機器などというのはごくごく一部の業務分野でしかないのだから大きな販路を持つ家電製品に比べると継子扱いなのは仕方がないとは言えるが,ホシザキといういささかカルトチックな会社組織への対抗軸として取引を続けてきた諸々の厨房機器がらみの業者に対して何とも冷たい対応姿勢ではないかという感情的なしこりは残る。

 更に加えてこのごろどうも,供給されるパーツそれ自体がどうにも怪しいのだ。
俺は直接関わらなかったが,半年ほど前に発生したプレハブ冷凍庫のコンプレッサー交換の際には届いたコンプレッサーの絶縁抵抗が最初からたった10MΩしかなく,三洋にクレームを入れたら真空引きを一時間以上行えば大丈夫だとか何とか怪しい回答が返ってきてその通りにしたが当初の懸念通り最近またいかれたそうだ。
 俺自身について言えば最近あったウォータークーラーの修理で取り出し口の蛇口組み立てを取り寄せたら交換直後の試運転で早くも交換した蛇口の中間部から水がジャンジャン漏れて得意先に平謝りと相成った。三洋にはクレームを付けて代品を送ってくれと文句をたれた。その場で明確な返事はよこさないで連絡しますとだけ言われて逃げられたがもう三日くらい放置されている。蛇口の組立品などせいぜい三千円程度のさして高価でもないパーツだがその程度でもこのケチ臭さというのはどうしたものか。

 家電業界というのは日本経済の優等生であって世界に冠たる産業分野,というのも過去の話になってしまったのかと残念な気分になる。
 それでこの先,機器のリプレースについてはなるべく東芝コールドチェーンあたりのカタログから拾うのが賢明かと思い始めている。良くも悪くも官僚的というか,頭の堅い企業体質ではあるけれど。
 
 
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