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福島工業の失笑ものアナウンス [困った業者]

前回の続き
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2009-02-28

ブログ更新をさぼっている間に事態は既に打開されていて落としどころも見えたが,一度立ち上げたエントリーなので経過を書いておく。

何が何でも同業者には自社製品の修理をさせたくない福島工業が俺に提示してきた修理見積は消費税別で¥79900だった。コールドテーブルのコンプレッサー交換でこの値段だ。ちなみにこのうち交換作業費は¥35000。通常,俺が同じ作業をするときには間違いなくもう一万円は安い。同業者からの依頼であれば更に安くて2万円くらいを相場としている。補修パーツの出荷を拒否する福島工業が言い値で商売をしたがっているのか,俺がお人好しで安いのかは読んだ方の判断に委ねるが、それでは俺は客先に幾ら程度の金額で話をすればいいのかと尋ねると,福島工業は『そんな事はうちの関知する事ではないので勝手にやってくれ,とにかくお宅に対する請求がこの金額だ』と言い張る。随分無責任というか虫のいい会社だ。

 物品購入にせよ修繕にせよ,お金を出すのはユーザー様だ。これ迄俺が行ってきた修理単価よりも明らかに高価な修繕費に対しては説明を求めたくもなろうというものだが生狡い福島工業はその場面には立ちたくない,それは中間業者がやれ,うちはとにかくこの金額で修理をするだけだと抜かすので俺はだんだん頭に血が上ってきた。
 当事者のいないところで独りよがりな駄々をこねていたって仕方がない。こんな会社が上場企業であるとは全くもってお笑いぐさだが,何よりまず第一に,『何故同業他社に自社製品の修理をさせられないのか』を持ち主にアナウンスする責任があるのではないのか,ユーザー様が日頃常用している同業者には修理はさせられ図,福島工業が言い値で修理をする以外の選択肢をユーザーには与えるわけにはいかないその理由を口頭のやり取りではな、証拠だった文字として提示する責任があるのではないのかと更に問いかけると福島工業社員は面倒臭そうに『ああ,そんなら2,3日中になんか探しておきますよ』と抜かしたので俺は小爆発を起こした。
 冷凍庫が故障するというのは結構待ったなしの状況である事くらいはこの商売をしている人間なら百も承知であるはずのこの場面で何を呑気な事をほざいているのか。福島工業というのはそういう会社な訳だ。俺はこの不真面目な社員を一喝して今すぐ文書でよこせと迫った。

 ほどなくしてファクシミリで一通,文書が届いた。会社としての公的なステートメントがこの程度のものか、と,せせら笑いたくなるこの代物を公開する。(以下示す)

お取引様各位    平成21年2月4日 福島工業株式会社 専務取締役 営業本部長 福島 亮
冷凍冷蔵庫部品の取り扱いについて   
拝啓,時下ますますご清栄の事とお喜び申し上げます。また,大変厳しい経済環境の下,業務用冷凍冷蔵庫をはじめとした機器の販売競争も熾烈を極める中,格別のご高配を賜り,厚く御礼申し上げます。  さて,当社に置きましては,お客様にご愛顧いただいております当社製品のメンテナンスに万全を期すため,年々お客様のサポート力増強に力を注いでいるところでございます。  現在,他メーカーを含め,当社或いは当社指定のメンテナンス協力会社以外の方がエンドユーザー様のお店を直接訪問修理をされる場合も多々ございますが,本来,ユーザー様がお使いいただいている当社製品に関して不具合が発生した場合には,そのメンテナンス対応はメーカーである当社で責任を持って対応させていただくのが望ましいと考えております。  そこで今後は,メーカーである当社が責任を持って対応するために,当社の冷凍冷蔵庫における冷却機能の主要素である冷凍サイクル及び電機部品の出荷を停止する事を決定いたしました。何卒ご理解賜りたくお願い申し上げます。  今後もサービス体制の更なる充実をはかり,お客様に満足いただけるサービスを提供できるよう努めて参りますので,お引き立てのほど宜しく御願い申し上げます。
敬具


とまあ,この程度だ。役職名から察するにこの会社はそこらへんによくあるような同族会社であることがわかる。それはまあいい。厨房屋などどこも同族会社だらけなのでその事自体を問題視はしない。

 問題なのはこのテキストの内容だ。なんとまあ突っ込みどころ満載の駄文である事か。多少なりとも論理的思考の出来る諸兄であれば,上場企業の専務取締役ともあろうお方のしたためる文章がこの程度のものでしかない事に失笑を禁じ得ないであろう。仮にこの文章が専務様ご本人の書かれたものではなく,部下の誰かに命じて書かせたものであったとするならこれはこれでまた失笑もので余程お粗末な人材しか抱えていない会社なのは一読してわかるはずだ。

 全部に突っ込みを入れるときりがないので大事そうなところにだけ触れておこう。
まず,二人称が判然としない文章だ。福島工業は中間業者への卸売りもするし,エンドユーザーへの直販もする。今回の措置が不都合である人も特段問題ではない人もそれぞれにいる。文頭の『お取引先』とはこのどちらに該当する人たちなのかが不明であるし,ケースによっては大変迷惑千万な措置でもある。
 例を一つ挙げてみる。
ある規模の大きな施設で,そこには営繕課とか工務課といった,設備保全を業務とする部署があり,冷蔵機器の修繕については心得のある社員なり職員がいて、外注経費を節約するために冷蔵庫に限らず,様々な設備機器のメーカーからパーツの提供だけを受けて修繕作業は自前で行っている。決して珍しいケースではないが,こういったシチュエーションでで福島工業はある日突然,その得意先への補修パーツの販売を断るのか?

もう一つ例を挙げる。
福島工業の事業所所在地からかなり遠距離に,福島工業製品を取り扱う販売店があり,納入先での修繕はその販売店が行っていたとする。販売店に対して補修用パーツの出荷を停止し,修理業務は遠方の福島工業が出向いて行うものとすれば経費請求は出張費をはじめとして,購入者から見ればそれ迄の慣例よりも高価なものになる。見方によっては損失だ。パーツ出荷の停止措置をとった立場としてはその損失をどのように担保してくれるのか?

このテキストにはそのような場面への言及が全くない。本当にお客様の事を案じているのであればこういった場面を想定し,供給側としてどのような担保措置をとるのかをアナウンスするのが企業責任というものではないのか。

 何よりも,この低劣きわまりない文章には最も重要な事が隠蔽されている。それは以下の一節だ。
>本来,ユーザー様がお使いいただいている当社製品に関して不具合が発生した場合には,そのメンテナンス対応はメーカーである当社で責任を持って対応させていただくのが望ましいと考えております。
 「望ましい」根拠が示されていない。根拠は示せないが「望ましい」のかw
だとしたらそれは何故だ?要するに,自分たちの都合のことしかここでは書かれていないように俺には読める。
 福島工業のサービスネットというのはホシザキは言うに及ばず,大和冷機に比べてさえもかなり見劣りのするものだ。出先が地元にないがために,購入時の製品選定上では候補から除外されたり既存品を同業他社製品にリプレースされてしまったりするケースが結構多く,それが面白くないからではないのかといった想像は成り立つだろう。
 してみると,この措置は万年最下位メーカーの腹いせみたいに思えない事もない。全くもって独りよがりと言うか独善的としか言いようのない態度で,俺としてはせいぜいごまめの歯ぎしりみたいな八つ当たりに精を出すんだな,といったところだw

 所詮この程度の会社なのだ。冷蔵庫の修理くらい,ちょっと腕に覚えのある家電販売店だってバシバシやっているのに一体何を勿体を付ける事があるというのか。

 修理の中間報告として俺はこのテキストと,俺宛に出された見積書を件の病院の事務次長に見せた。
会社としてのステートメントなのだからユーザーに見られて都合の悪いものであるはずはない。(誰に見られる事を意図して書かれているのかが不明という先の指摘はさておき)
 一読するなり事務次長は眉をひそめ、次に笑い出した。
曰く,「要するに,自分たちだけがフリーハンドを持っていたいという事なんですね?医療機器や会計用のコンピューターならいざ知らず,冷蔵庫程度で。面白いじゃないですか。修理しましょう,費用の事はいいから,この福島工業とやらに依存しないで機能を復旧させましょう。やっていただけますね?」
そういう方向性で事は進んでいったのだった。

 一つ書き留めておく事がある。
営業所勤務の社員が偉そうに振り回していたPL法,その件については専務様のテキストには一言も触れられていない。あれは一体なんだったんだ?そう言えという社内指示だったのか,それともあの大馬鹿者の知ったかぶり個人プレイだったのかw
初っ端は随分威勢が良かったのになwwww
結局あの大馬鹿野郎はその後,修理の件はどうなりましたかといった連絡もよこさないでいる。ご立派な会社だよ,全くw(この項続く)
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チョロ2

お世話になります。ブログを読ませて頂き、業界内の事がとても参考になりました。そこでお聞きしたい事があるのですが・・。新品で7年前に購入したナショナル業務用コールドテーブルを2年前に冷媒補充し、(内訳:レイバイ R134A  3,000円 チャージグチ 2,000円 作業費 10,000円 出張費 4,000円 計 19,000円也)この時は、” 漏れ箇所探すと高くつくから補充だけしました。2、3年後にまた補充する必要があるかも ”とアドバイスされました。最近また冷えなくなり、冷媒補充を依頼、前回と違う人間が来て作業は10分程度で終了。請求金額:41,000円(内訳 技術料ガス込み 36,000円 出張費 5,000円)納得がいかず、社長宛に請求拒否する報告書を送付。一度出した請求書は変更してこないだろう。できないはずと予測。どんな内訳で返答がくるかと思ったら、前回と同じ金額つまり19,000円に致します、との返事。益々不信感が募ってしまいました。どう思いますか? 季節柄お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。


by チョロ2 (2009-06-21 23:24) 

HarryTuttle

チョロQ様 コメント有り難うございます。
レスが遅れまして申し訳ありません。

第3者である私が同業者の請求金額について高い安いを色々言うのは越権行為であって,日頃そのようなお問い合わせにはコメントを控えさせて頂いております。

 但し,今回の請求金額¥19000には疑問があります。初回修理費のうち,チャージグチ(サービスバルブとか呼称は色々ですが)¥2000という項目があります。
 これは小型冷凍機に冷媒を補充するときに取り付けるバルブですから一つの個体について一度取り付けるだけのものです。

 つまり,2回目以降の冷媒補充については使用していないパーツであって初回の修理費精算に則れば,2度目の冷媒補充の請求額は初回の額から¥2000を差し引いたもので,¥17000が順当ではなかろうかと考えます。

 2回目冷媒補充の最初の請求額については何ともまあ,羨ましい限りですね。こんな請求がまかり通るのなら冷蔵庫の修理屋は今頃左うちわの毎日ですが・・・
 あくまで憶測ですが,減価償却期間を経過した機材のリプレースを促すために,故意に高価な修理見積を作成してユーザーを誘導しようとする行為は厨房機材に限らず色々な業種で見受けられる手口なのでそれに該当しているのかもしれません。繰り返しますがあくまで憶測です。
 
by HarryTuttle (2009-08-06 15:28) 

チョロQ

ご返答誠にありがとうございます。あれから「?」の部分があったのですが¥19,000円を支払い、この業者とは手を切りました。ちなみにメーカーは◯◯◯ンです。冷蔵庫など自社生産しておらず、他社まかせのようで業者選びを失敗したようです。次回購入はサ◯◯ーにする予定です。来店した◯◯電気の作業員がピンハネしたのではなく、作業を頼んだメーカーの取り分が多かったのではと勝手に想像しております。業務用製品を判断するのは素人にはなかなか難しいですね。これからもこちらのブログを読んで勉強させて頂きます。

by チョロQ (2009-08-15 08:06) 

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