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タニコー食器洗浄機修理の落とし穴 [困った業者]

 前のエントリーで俺とK産業とは因縁浅からぬとか何とかいったような事を書いたが,因縁という事で言えばきっと最たるものがタニコーではないかと思う。何と言うかこことは俺が会社員だった頃から実に折り合いがよろしくない。

 大体俺は業界の鼻つまみ者みたいな奴で、俺に接した事のある同業者はタニコーに限らず大体ロクな印象を持たないようだ。勿論それは第一に俺の人格が問題なのだろうが対する厨房屋も随分非常識な対応が多いぞ。

 元の職場の後任サービスマンから食器洗浄機の修理同行のオファーがあったのがしばらく前。製造元はタニコーでアンダーカウンタータイプの食器洗浄機のポンプ2台を交換するのだという。修理というよりちょっとした整備と言うべきか,なんせ儲かりそうなお仕事でご同慶の至り。俺もそのおこぼれに与らせてもらおうと単純にぬか喜びしていた。
 但し俺は以前,某老健施設でタニコーの食器洗浄機を修理するにあたってパーツの調達に手こずった事があるのですんなり事は運ばないような何かが起きそうな予感がしていたわけだ。

http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-03-04
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-03-05
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2008-03-06

 果たして今回,タニコーからすんなりとブツは提供された。元の職場の後任は俺と違って真面目で大人しそうな人物なので先方のガードが緩んだという事なんだろうか。
 
 アンダーカウンターの食器洗浄機は大体どこのメーカーも整備性はよくない。狭い機械室にあれこれ詰め込んでいるので手が入りにくく,電気や配管を切り離して機体を前に引っ張り出さないと作業できないなんていうケーズはザラにある。今回もまたその例に漏れない上に何せタニコーの製品だ。(こんな事を書くから余計に嫌われるのだろうな)

 力押しでバリバリと作業を進めていき,いかれたポンプを取り外してさあ交換という段になって不審な点が一つ見つかった。
 元々ついているポンプと交換用に調達したポンプには微妙に相違点があるのだ。よく見るとリード線の本数が違う。元々のものは洗浄ポンプのリード線が4本ですすぎ用は2本,電源使用はどちらも単相100Vなのに対して届いた物はどちらも3相200V、後任の顔色が見る見るうちに青ざめていった。『型式も製造番号も伝えてあるのにどうして・・・・・』気の毒なくらい後任が凹む。

 引っかけというのはこういう事なのだろうか。機体をよく見ると2電源だ。どういう事かというとそれは電気ブースター一体型の食器洗浄機で,ブースターのヒーターのみ3相200V、それ以外の機能は単相100Vで動作するようになっていて機体からは4芯のケーブル以外にもうひとつ、単相100Vの2芯ケーブルが生えいてる。
 こんな造作はあまり例がないが、制御ボックスは一つで,中に2種類の電圧が共存する格好になっている。予備知識のない人が一見すれば全部同一の電圧で動いているものだと勘違いするのも無理はないかもしれない。
 それにしてもパーツを提供する側は型式も製造番号も聞いた上での事なのだから違った電源仕様のパーツを送りつけてくるという事は余程うっかりしていたか,さもなければ同業者を陥れてやろうかという陰険な策謀を働かせたかのどっちかじゃないのかと勘ぐりたくなる。
 世間一般の常識ある会社組織ならいざ知らず,厨房業界で,しかもタニコーだ。何だか後の方の思惑と言うか猿知恵を働かせたんじゃないのかと今でも俺は腹に据えかねている。

 俺は頭を冷やしたくなって後任と一緒に一旦持ち場を離れて外に煙草を吸いに出た。
後任は不慣れな他流試合(他社製品)のせいもあってかちょっと意気消沈気味,俺はタニコーの鼻を明かしてやりたい一心で何かうまい方法はないかとニコチンを脳髄に巡らせながら思案した。

 抜け道は比較的簡単に思いついた。分電盤の中にあった洗浄機用のブレーカー容量が30Aと結構なマージンを持っていた事を思い出したからだ。備忘録風に改造の要領を以下に書いておく。
(1)AC100Vコイルのマグネットスイッチを洗浄ポンプ用とすすぎポンプ用に各一個用意する。
(2)ヒーター用の電磁接触器一次側からポンプ用のマグネットスイッチ2個の一次側にそれぞれジャンパー線を渡す。
(3)各ポンプ用のマグネットスイッチのコイルに元々ついていたポンプ用のAC100V電圧を端子台から接続する。
(4)新しいポンプのリード線3本をそれぞれマグネットスイッチの二次側に接続する。サーマルの設定は普通に計算すれば良い。

 以上,改造は一丁上がりで洗浄機は見事にバリバリと動いた。文句あるか!
問題点らしきものとしてはさすがにマグネットスイッチ二個は制御ボックスの中には物理的に収まりきらないので一個はケース入りのものを購入して機械室の空きスペースに取り付ける事になったくらいだ。あとは何の問題もない。

 タニコーの食器洗浄機で意地の悪い対応と言えば他にもまだ思い出す事があるがそれはまた別の機会に書き留めておく事にする。何せ,俺もだてに歳は喰ってないというか、いつの間にか業界人としては結構なすれっからしのうちにはいっているのかもしれない。まあ,野良犬っていうのは結構しぶとい生き物なんだなw
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