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酸素ボンベは売る程ある [日記、雑感]

 小さい冷凍機器の冷媒管修理のとき、毎度携行する溶接機は酸素ボンベの容積が大変小さいので作業途中にしばしばガス欠となり俺を焦らせる。
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 山間部のベーカリーショップで冷蔵庫の作業途中に酸素が空になって焦った事例を記事にした事がある。
記事名:同類の匂いを嗅ぎ取る
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2013-09-07

酸素の安定器にはボンベの元圧を表示するゲージがついているが、指示値は急激に低下するものなので毎度慌てる。液体充填されているのであれば事前にボンベを揺すってみたりして残量を確認できるが酸素はそうではない。

 毎度このブログに登場する某総合病院にて,今回は外来食堂にある業務用冷蔵庫のコンプレッサー交換である。俺が勤め人だった頃の今から15年前に納めたものだ。
 既に同形のコンプレッサーは製造元にパーツストックがなく,代替コンプレッサーを提供されて配管接続は現場合わせの出たとこ勝負となる。俺の修理はいつもこんなのばっかりで、一本道の作業が中々ない。
 とは言え,以前,某産婦人科病院で行ったようなまるっきり別のコンプレッサーを探してきて自己責任で換装し,回路変更まで伴う作業と異なり,今回は製造元のお墨付きセットなので楽なもんだ。
 緩んだ気分で作業しているうちに溶接のトーチが急に赤火になり,にわかに俺は焦った。酸素切れだ。

 俺は一息つくために一旦作業を中断し,院外に出て煙草に火をつける。何といってもここは二十数年殆ど毎日のように入り浸っている730床の総合病院なのだ。以前記事にした山間部のベーカーショップとは状況が違い,言ってみればここは俺のホームグラウンドだからしてこういう場面での回避措置はちゃんとある。
 タバコを灰にした俺は院内の売店に向かい、缶コーヒーを数本買い込む。次に俺は地下のボイラー室に降り,
 しおらしい顔をしながら技師長殿に溶接作業の最中に困ったことが起きた旨を伝える。
「酸素か?」パソコンの画面をにらみながら技師長殿は野太い声で訊ねてきた。「安くねえぞ』ニヤニヤしながら技師長殿はデスクから顔を上げた。俺が袋に入った缶コーヒーを差し出すと抽き出しから鍵を出して立ち上がり,ボイラー室を出て地下のとある部屋へと向かう。
「早く持ってけ。バレるなよ!使ったらちゃんと封をして戻しとけよ」
ここは総合病院で,しかもかなりでかい施設なので充填の済んだ医療用の酸素ボンベを置いておく専用の部屋があり,7.8坪はありそうな部屋に文字通り酸素ボンベやらボンベカートが売る程沢山溢れ返っている。一度一緒に工事に入ったことのある鍛冶屋の親方は山ほどあるボンベカートをしげしげと眺めていいなあ,と呟き,一台くらい失敬してもわかんねえだろうな,と物騒な事を言った。言っただけで終わったが。 

 それはさておき,このようにして俺はまずい場面を回避して二日分相当くらいの利益を稼ぎ出し,頭の中のそろばん勘定の結果も上々で悪くない気分である。ここしばらくはややこしい修繕で未解決のものが続いているので今日は一発,これからサウナにでも行ってくるかあ。


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コメント 4

くるみ

結果は数字で表れるので 頑張った結果ですね(^-^ゞ 困った時に助けてくれる人が居るのも 人脈と人柄の賜物ですね!! サウナはどうでしたか?よく行かれるのですか? いつも素人の的を外れたコメントで済みませんm(__)m これからも拝見するのを楽しみにしてます(^-^)/ 勉強になるし、息抜きにもなります。ありがとうございます。
by くるみ (2014-04-03 01:42) 

63H

そういう手もあるんですね、というか目から鱗とというか灯台もと暗しというか・・
私が酸素や窒素、アセチレンの充填を頼んでいるところも
9割以上病院と鉄工所で占められていますわw
by 63H (2014-04-03 08:56) 

HarryTuttle

くるみ様,いつもコメント有り難うございます。
 手前味噌ではありますが,缶コーヒーで病院の酸素ボンベを一時的に拝借させてもらえる程度の関係は築けているのだと自負しています。
 配電や配管の材料や機械部品など,大きな病院にはしかるべき工務スタッフがおり,工作のための設備もあるので日頃仲良くしておくと何かの時には助かります。

by HarryTuttle (2014-04-03 19:42) 

HarryTuttle

63H様,いつもコメント有り難うございます。
 確かに鉄工所と病院は確かに酸素の需要先としては大きいですね。用途は全く異なりますが。
 病院によっては屋外に液体酸素のタンクを置き,つららだらけの配管が走り回っているのを見かけますが、幾らヘビースモーカーの私でも近くで煙草を吸うのは何だかおっかないです。ずれた話ですいません。

by HarryTuttle (2014-04-03 19:47) 

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