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コンボスターのにわか勉強 [修理屋から見た厨房機材]

 これまでスチームコンベクションオーブンと言えば俺の場合はもっぱらラショナルの製品ばっかりだった。これは俺の職業人としての出自上仕方がない。
 もう一つ言えば、スチームコンベクションオーブン(長過ぎるので以下、業界の慣習によってスチコンと略す)は例えばガスレンジのように一つのメーカーをきっちり覚えれば他社製品にも応用が利くことはない。制御の中心はカスタムボードだし最近は特に製品作りの顕著な傾向として、特に欧州系のメーカーは自己診断機能がどんどん発展しているのでエラーコードを覚えていないと手も足も出ないケースが多い。
 更に言えば,これは缶切りの入った缶詰みたいな話で,故障診断のためにはLCDパネルで診断モードを表示させなければならず,そのためにはパスワードを入力させなければならない仕様も増えてきた。こんな風な,ある種蛸壷化はこれから先どんどん進んでいくように予想している。

 最初にこういう,弁解めいたことを書くのは俺にとっての他流試合が控えているからだ。
いつか手がけてみたいとはかねがね思っていたが,コンボスターの製品をいじくり回すことになった。

メーカーURL:http://www.convotherm.com/

 スチコンの開祖と言っていい、由緒あるメーカーなのである。他についても言えることだが開祖の悲劇は安売り競争の二番煎じメーカーにどんどんシェアを喰われていくことだ。 とは言え,ラショナルと並んでワールドワイドでは標準の地位を固めているのは事実だ。
もう一方のスタンダードについて覚えておきたいと考えていたわけだ。

 輸入元は(株)エフ・エム・アイであり、俺のお仕事のクライアントでもある。

輸入元 URL:http://www.fmi.co.jp/products/convostar/index.html

安価なインジェクションタイプであるUNOXを併売するようになってからそちらばっかりが売れると所長殿はこぼす次第。
 以前の記事に書いたことがあるが,インジェクションタイプにれっきとした存在意義はあるが所詮はライトユーザー向けというのが俺の味方である。輸入元が本当に使ってもらいたいのはコンボスターである。

 修理にあたって輸入元からは分厚いメンテマニュアルが届いた。分解図抜きでも優に50ページを超すボリュームで,とてもじゃないか俺の低劣な脳味噌では一晩で覚えきれるような代物ではない。明日はお客さんの前で虎の巻と機体を交互に見ながらぶざまな姿を晒すことになるだろう。

r_027.jpg

 コンボスターの優れた点は多々あるが,目立って優れているのはドアの立て付けである。ヒンジで開いたドアが本体側面に収納できる構造になっており,食材の出し入れの際には大変作業性がいい。この一点だけを取り上げてももっと売れて良いメーカーである。
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