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コンデンサー清掃の季節 [日記、雑感]

 俺の生息地はこれまで何度も書いたように日本有数の寒冷地だが夏は数日間物凄く暑くなる大陸性の気候でもある。

 例年,気温が上がると俺のような冴えない業者のところにも必ず数件は冷凍機の凝縮不良による不具合のコールが飛び込んできて商売ネタとなる。手慣れた作業で稼ぐのは気楽で良い。

 同業者諸兄にとっては俺みたいな奴の講釈など何を今更の感がおありだろうがコンデンサーの汚れは大別して三つ。
(1)油脂分
(2)砂埃
(3)綿埃

対応としては
(1)薬剤を用いた洗浄
(2)水又は空気圧による清掃 空気圧による清掃の場合はフィンの変形に注意のこと
(3)空気圧による清掃

といったところか。エアーコンプレッサー(空気圧)を使う場合は極力機体は屋外に持ち出して行うのが望ましい。室内で行うとそこら中に埃が飛び散るので養生が大変で,清掃作業以上に労力を要する。

 本日のメニューは某病院でコールドテーブル三台分の作業だ。今月初めて伺いを立てていた見積りの決裁がおりたため俺にとっては有り難い話だ。

 120628_1841~01.JPG


 8年落ちの三洋製コールドテーブル。綿埃による詰まりなのだがエアーコンプレッサーは使いたくないのでウェスをしこたま用意して高圧洗浄機により作業を進める。
 この時期の三洋の製品は熱交換の効率を上げるためにコンデンサーフィンの断面が波うったものを用いて表面積を稼いで小型化を図っている。初期性能としてはそれでいいのかもしれないがこうして綿埃の詰まった凝縮不良を起こすと汚れが落ちにくく作業が難航する。

120628_1948~02.JPG

 画像のブレがひどいが今は亡きレイキ工業製のコールドテーブル。稼働歴17年くらいの製品だ。冷凍機部分が手前に引き出せるような構造になり始めたのが大体この頃ではなかったか。おかげでコンデンサー清掃の作業も随分楽になった。奥行きの浅い形状であるため作業は手っ取り早くて助かる。17年間ノントラブルでここまで来たがさすがにコンデンサーファンモーターの軸受けは参りかかってきてかすかに擦れ音の気配がある。コンデンサーに詰まっていた埃が一種音響フィルターとして働きこの音は感知されずに看過されてきたのである。

 俺は得意先の施設に置いて,保全関係の方々にはコンデンサー清掃の要領はバンバン説明するようにしている。大してややこしい作業ではないし,業者を呼べば結構な額の請求が来るのだからこういう作業はなるべく自分たちでやるべきだ。当然自己責任となるが金が浮くんだからそれくらいはいいだろう。こうして自らのビジネスチャンスを放棄しながら清掃のコツを得意先にタダで伝授する俺は何かしら別の面に於いて報われてもいいじゃねえかと思うのだがこれまでそういう有り難い派生物は一切ない。
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くるみ

フィルター等のお掃除、自分で可能だと知ってる人は少ないのでは?家庭で言うと例えばストーブのちょっとしたメンテ(分解掃除は別かな!?)は覚えると独自で出来るのかも!?業者さんに頼まなければ出来ない事だと思い込んでるのは多々ありかと。でもそれが商売!!HarryTuttleさんはとても良心的な方ですね(^o^ゞ きっと鶴の恩返しのように良い事が困る程やってきますよd=(^o^)=b それにしても人間は困った事になる前に定期的にメンテをせず 結果、機械の寿命を縮めてしまいがちですね…それは自らの身体に置いても^_^;
by くるみ (2012-06-29 11:25) 

HarryTuttle

 くるみ様,いつもコメント有り難うございます。
 最近特に思いますが,使用者は一般に設備機器について人任せであり過ぎるのではないでしょうか?
 例年何件かは冷凍機のコンデンサーを詰まらせたまま放置し続けてコンプレッサーを焼いてしまう設置先が現れます。
 フィルターの清掃くらいはご自身で定期的にやってくださいと言えば,
「そんな説明は受けていない」だとか
「せっかく買ってやったのに納入業者が不親切だ」といった不満をだれる人が未だに後を絶ちません。

『そんな話,俺に何の関係があるってんだよ!』と口に出して言いこそしませんが利便性とリスクはコインの裏表,という鉄則くらいは肝に銘じてもらいたいもんです。
by HarryTuttle (2012-07-02 18:34) 

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