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板金製品の価格差種明かしと板厚のこと(1) [修理屋から見た厨房機材]

Amazon.comというのは何とも凄いところで,業務用でないとはいえ流し台まで売っている。

屋外シンク 屋外用 流し台 【ザ・シンク 73160228】

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  • 出版社/メーカー: LOGOS ロゴス
  • メディア: その他



板金製品には特に機能はないので粗い意味では保守を必要としない。長期使用によってシンクの排水トラップが水漏れを起こしたりはするだろうが交換用のトラップなど金物屋で幾らでも売っているし交換はマイナスドライバーとトンカチがあれば誰でも出来るのでこんなものは修理のうちに入らない。
 だとすれば,新築工事の仕上がり寸法に合わせた製作品でない限り標準的な外形寸法の什器は値段さえ安ければネット通販であっても構わないバイヤーだってそのうち現れてくるのではないか。

 そう,バブルが弾けてからこっち,もう20年もの間,何でもかんでもとにかく安けりゃいいのだ。カタログスペックなんて関係ない,厨房機器なんてどこのメーカーだっておんなじだ、安けりゃいいんだ,安くするのが企業努力なんだ,そんな論調に業界は塗りつぶされて久しい。
 複数の厨房機材メーカーのカタログを見比べたことのある諸兄は比較対象によっては同一外形寸法の機材にどうして大きな価格差があるのかを不思議に思われたことはないだろうか?数%程度の違いならいざ知らず,場合によっては20%くらい違ったりもするが決して根拠のない話ではない。

 一般に,トップ(甲板)の厚みはどこのメーカーも1mmである。外寸で言うと間口が1500mmを超えたくらいのサイズからは1.2mmにスペックが上がるメーカーもある。造作によっては面積が大きくなるとトップがベコベコと凹んだり波打ったりすることがあるからだ。
 稀に,標準的なトップの厚みが1.2mmの製作元もある。たかが0.2mmと侮るなかれ。製作してみるとこれが大違いだ。例えばワークテーブル(作業台)としようか。
t010001446625.jpg

画像は本文とは関係ありません


 貼付けた画像にはW1200という表記があり,間口が1200mmであることを示している。最も良く出回る外形寸法だ。
 先に書いたように,この外寸では一部例外的なメーカーを覗いて全て,1.0mmのステンレス甲板が使用される。現物を見る機会のある諸兄にはこのとき,トップを裏側から(つまりしゃがんで下から見上げるようにして)眺めてみることをお薦めする。製造コストを下げるための手抜きが如実に現れるのがこのアングルからの眺めだからだ。(この項続く)
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63H

みんな暇なんですね・・・
by 63H (2012-02-28 09:19) 

HarryTuttle

63H様 コメント有り難うございます。

みんなかどうかはわかりませんが私は暇です。
暇であるということは翌々月が貧乏暮らしであることを予告されているわけで何とかしなければならんのですが、私は元来怠け者なので現在の怠惰な生活をそれなりに楽しんでいるのですよ。
by HarryTuttle (2012-03-01 11:50) 

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