SSブログ

インチキ修理記録もう一丁 [日記、雑感]

 今や当たり前の話だが携帯電話にはカメラの機能がついている。俺がそれを積極的に活用するようになったのは恥ずかしながらやっと昨年の夏頃からだ。

 俺の人生は残り少ない。元々出来の悪いこの頭は昨今,ますます物覚えが悪くなってきているので現場で写真を撮っておく事で作業が助かるケースが結構ある事に気づいた。
 同時にこうしてブログを書く際に,画像がくっついていれば諸兄にも状況がわかって頂き易いかな,と、柄にもないサービス精神も出てくる。

 切羽詰まった場面の連続する例年の年末,これは12月24日の作業だ。
毎度ご厄介になり続けている某総合病院の栄養科から修理依頼があり,フードスライサーのコンベアーベルトがスリップして動かずにパニックが発生しているとの事。

 この時の修理対象はエムラの製品ECAである。
20100622_1239561.jpg


 テンションボルトの調整で解決できないかと電話で指示したがうまくいかないらしく出動と相成った次第だが,現場に乗り込んでベルトを取り外してみてたまげた。
111224_1712~01.JPG


 積層構造の食品ベルトは貼り合わせ面が剥離している。要するに,運転時にベルトテンションをかけても剥離した内側だけがズルズル回転していて外側はまるっきり動かないので搬送もされない理屈だ。野菜くらい手で切ればいいじゃないかと諸兄は思われるかもしれないがここは病床数が700を超えるでかい病院なのだ。幾らなんでも股間用の食品ベルトが届くまでの約一週間、700人分を毎度手切りではかなわないだろうから応急で何とか使える状態にしなければならない。

 以下,インチキ修理の手順
(1)ベルトは清掃後で濡れている状態なので近間にあった調理器具の消毒保管庫に放り込んで乾燥させ,水分を飛ばす。温度設定80℃,時間は20分程度で十分乾燥された。
 (2)ベルトの剥離面にシリコンを塗りたくる。塗付量が少なければ貼り合わせ面が弱いし多すぎればはみ出して汚らしい。要するにヤマ勘と目検討でてきとうにやった。
(3)コンベアーフレームに取付けてこれまたヤマ勘でてきとうにテンションをかけて一晩放置する。気を利かせて抗菌剤入りのシリコンを使おうかとも考えたが硬化時間が恐ろしく長く,翌日の朝食までには固まりきらない事態が予想できたので敢えてごく普通の安物(硬化時間約2時間)としている。

剥離の仮処置を終えてフレームに取付けたところ。
111224_1719~01.JPG

 これを書いている現在,一週間ほどが経過したが今のところ運転に支障はなく、俺のインチキ修理もひとまず功を奏したと言えそうではある。
 しかしまあ,このフードスライサーは今から12年前に俺が納めたものだがこれだけの期間ベルト交換なしで使い続けるのは勘弁して頂きたいっ!過去数年にわたって毎年次年度の予算要求にあげ続けてきた事案だがベルトがちぎれてでもしまわない限りどこまでも使い倒すと言わんばかりのケチケチぶりには参る。いざこんな風にして剥離が起こってしまえばパニックが必至である事は伝わっているはずだと思っていたのだが。

 そして俺だ,俺にはどうしてこんな風に一筋縄でいかないような珍妙な場面が多いのか。いつも書くが対症療法の丸暗記を繰り返しているだけで食い扶持が稼げるような境遇にあやかりたいのだがこれはいつになっても叶えられそうにない。



nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 1

くるみ

病院の給食の膨大さは解ります(^-^;確かに手切りでは。これを機会に今度からは定期的にベルト交換等をしてくれたらよいですね!それにしてもご自分の勘でシリコンの量を配分するとはさすがですね(^3^)/ 私なんかはお料理の味付けをレシピに頼りがちです(*_*)
by くるみ (2012-01-10 01:42) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。