新しいビジネスモデルに取り組むことにする

　別段，この商売を廃業するつもりはない。
俺のような野良犬稼業は世間の景気が冷え込むと真っ先に切り捨てられる運命にある事くらい開業当初から覚悟は出来ていた。

　実のところ一昨年がキツかった。良くない事がウンザリするほど積み重なって俺の商売はかなりヤバくなりかけていたのだった。およそ立て直しには２年近くを要した事になり，ここ数ヶ月はまあまあの業績だが代償も大きく、大穴を開けた事をつくづく実感する。
　生活の根本から見直す必要があり，新規事業を立ち上げた。手応えはかなりある。

　捲土重来，心機一転といったところだ。ビジネスモデルの内容はここでは書かない。会社員だった頃から手探りで思案していた事がやっと実現できる状況になってきた。
　今回の新規事業を立ち上げるにあたって，俺はあるチームに合流させて頂いたのだ。これ以後，食品機材関連の修繕は相変わらず俺一人での仕事だがこの新規事業は４人がセットで行動する。第２種電気主任技術者ありエネルギー管理士ありで技術的には鉄壁の布陣だぜ。

　週に一度のミーティングがある。先日メンツのうちの一人が嘲笑的に語っていた。
「厨房屋なんてもはや雑品屋並みじゃないか，ネットを見てみろよ，新品の業務用冷蔵庫が定価の20%で売っているものなw」
　そうなのだ。これ迄何度も何度も書いたように，イニシャルコスト以外に頭の働かないたわけたバイヤーとこれに見合ったように底なしの安売り王しかできないサプライヤーの程度の低い駆け引きの果てがこれなのだ。黴びて固くなったチーズをいつまでも後生大事に抱えるのもいいだろうがもっと他にも目のつけどころはあるはずなのにw

まあ，負け犬の遠吠えと嗤いたい奴は嗤えばいい。とにかく俺の仕込みは済んだ。あとは生育状況を見るばかりとなった。