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給茶機の修理でグダグダになる [日記、雑感]

 ここしばらく,頭の痛い出来事が多い。めくるめくばかりの不幸で全く嫌になる。厄年は過ぎたはずだしだいぶ以前に厄払いも済ませているのだが考えてみれば物心がついてから毎年毎年厄年のような気がする。
 ここ一ヶ月ばかり、給茶機の修理でグダグダになり続けているわけだ。場所は某病院で,院内各所に20台近くある。新しいもので稼働歴が6,7年程度,古いものだと大体10年落ちのもので,メーカーの比率としてはホシザキが2,東芝が1くらいの割合で混在している。

 厨房屋で病院となると主体は給食業務だがこれ迄何度も書いたように病院という客先は患者給食などという裏方分野には金をなかなか出してくれない代わりに口もあまり出さない。一方で今回の給茶機のように入院病棟のデイルームにあるような機材になると修理の決裁は比較的簡単におりるし更新頻度も高い代わりに日頃の修理が口うるさい。故障が起きて患者が文句をたれると血相を変えて修理屋のケツを叩きまくる。
 一般的にいわれる耐用年数を過ぎたせいか,院内中の給茶機は目下モグラ叩きゲームのように日々故障しまくっており,俺を忙しくさせてくれている。
 忙しさがそのまま素直にカネに反映すれば良いのだが悩ましい事に現実はそうではない。6年目で大崩れし始めたホシザキ製給茶機については別の機会に譲るとして目下7台程度の東芝製品が俺を大いに苦しめている。
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 大崩れの始まる時期がホシザキの6年程度に比べて10年持ちこたえたのだからその分東芝製の方が出来が良いのではないかという評価は成立するとは思う。
 ついでに言えば俺はかなり長い事給茶機の修理には手を付けていないので忘れている事も多く,サービス資料の開示閲覧など東芝はオープンな姿勢を示しているので色々と有り難い面があるのは事実だ。
 しかし厨房屋の製品作りとは違う性質があるような気もする。
10年ほどは多少のマイナートラブルはあったものの円満に稼働し続けていた機体がここへ来て連鎖反応的にガタガタガタッといかれ始めてきたような様子であって、修理屋としては面食らうような状況が続いている。
 月初めにはお湯とお茶の抽出が出来ないという内容の修理依頼だった。調べてみると取り出し用の電磁弁に電圧がかかっておらず,制御用の基盤の故障と判定できた。
 それで基盤を取り寄せて交換後、試運転をしてみると普通に動くようになったのでそのあと修理の精算書を作って先方の事務屋に提出したわけだ。
 すると2,3日して不機嫌そうな語調の電話がかかってきた。相変わらず取り出しが出来ずにいる,俺の修理はしくじっているのではないのかと詰め寄られて多いに困惑した。
 お詫びかたがた再訪問して調べてみると電源表示灯がフリッカする状態が不定期に現れるとのことで、(この,『不定期に』というのは大いに修理屋を悩ませる)更に困った事にフリッカがどういう状態を表しているのかについては機体の注意書きのどこにも書かれていない。
 またまた困って東芝のESに駆け込んでマニュアルを拝見させていただいた。
給水機能異常があり,30分以上給水動作が継続するような場合には全体が停止状態になって全ての操作を受け付けないのだという。
 病院に取って返し,給水機能を調べてみると確かにお湯のタンクの水位感知をするためのフロートスイッチが劣化している。タンクが満水時でも水位感知が出来ずに給水動作が連続するためエラーが出ると仮定できた。現場の職員に状況を尋ねるとタンクから水がオーバーブローするような障害もやはり不定期に起こっていていたらしいので読みとしてはほぼ間違いない。では,制御用の基盤を交換した俺の見立ては間違いだったのではないかと苦い仮定が湧き起こってきた。が基盤の交換に踏み切る以前の過程で電源表示のフリッカは確認できていないのでやはり基盤は劣化していたのだとどうにか自分を納得させたがどうにも割り切れない。
 誤診は誤診であってとして,とにかく目前で起こっている障害はクリアしなければならない。俺は現場のナースセンターの職員に追加修理が必要なのでパーツの手配日数分だけもう少々お時間を頂きたい旨平謝りしてその場を去った。

 数日してパーツが到着し,だめ押しのつもりでフロートスイッチを交換してみて正常動作したので俺は安堵した。この間の事務屋からの催促もハンパではなかったのだ、ところが,だ。
 それから5日ほどして件の病院の営繕担当職員から電話がかかってきた。今度は同じ機体でお茶が出っぱなしになり使用停止しているので修理して欲しいとの事だった。

 “そんなバカな”とか“もういい加減にしてくれ”といった文言が腹の中で渦巻いた。どうせ壊れるのならいっぺんにぶっ壊れてくれればいいのに一体何故にこうも小出しにあちこちがぶっ壊れるのか。
 再々訪問で見立てたところではお茶の取り出し用の電磁弁が熱劣化で割れており,弁体を正しく押さえられないので閉じきらずにお湯が流れ続けるというものだ。

 修理屋の良心みたいなものとして,出来る限りの応急処置としては,使用頻度の低いお湯の電磁弁は同形パーツなのでこれをお茶用として移し替え,お湯の取り出しは修理完了迄御勘弁願う、お茶専用機として数日使用していただく事にした。

 俺はここで,自分の腕のなさを誤摩化したくてこんなことを言うわけではないが,一つの機体で数日ごとに3カ所も4カ所もが順繰りに壊れるなどというのは全くもって異例の出来事なんである。これはもう本当にひどく低い確率の果てに発生する稀な出来事としか言いようがないというのが俺の経験則であって全くもってへこまされる。

 加えて追加修理の報告も二回目となると大変ばつが悪い。自信喪失もいいところだ。他に腕の良さそうな修理業者なりメーカーなりにお願いした方が良いのではないでしょうかと切り出したい気分である。
 こうして小出し小出しにあちこちが順繰りに壊れるというのは,考えようによっては設計時の最適化がかなりの程度突き詰められているからだと見る事も出来るだろう。短期間のうちに複数箇所が立て続けに壊れるという事はその機体の更新時期である事を示していると見るべきなのだろう。そういうところはさすがに天下の大東芝だけはあるな,と妙に感心したりもする。10年稼働したのだから,確かに給茶機としては既に十分な時間働いたと見るべきかもしれない。
 ただ,修理屋としては目下,そのような機体をいっぺんに4台も5台も抱え込んでいる現状が大変悩ましい。新たな故障箇所の発生とパーツ待ちの催促の対応で毎日毎日朝から晩迄平身低頭するばっかりの日々で大変ストレスがたまっている。
 腹の中のどこかでは俺が売ったわけでもないものの事でどうしてこんなに謝りまくらなければならないか!と,頭に来てもいるのだが,現実問題としてそんな振る舞いに及べばお仕事の依頼もなくなってしまいかねないので日々これを堪える。

 何よりつらい事は今月に入ってから立て続けに修理している5台くらいの東芝製給茶機のスペアパーツは全て現金代引きで購入している事だ。数日ごとに発生する新たな不良箇所のせいで修理代金の精算はなかなか締められず,完了後に請求書を発行しても入金は来月末日である。
 今月に入ってから東芝から買い入れたパーツの領収書金額を合計してみると脳天からキノコ雲が上がりそうになった。見る見るうちに運転資金が削り取られていくのが歴然で,俺は一昨年のガソリン価格暴騰の際に味わった危機感を別の要因によって抱いている。この辺が自営業者の辛いところ。
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