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釧路出張方々の雑感 [日記、雑感]

 今年初めての釧路出張作業だ。明日は某大手スーパーのバックヤードでのお仕事が控えている。 

 元々遠出は嫌いな方ではない。会社員だった頃、中間管理職だった一時期の出張は大体経営会議の類であれは本当に気が重かったがそういった例外を除けば出張自体は結構気分の浮き立つところがあった。けしからん話なのだろうが会社の金で遠足させて貰うような感覚とでも言うべきだろうか。
 スーツにネクタイ、革靴を履いてノートパソコンを納めた鞄を提げて飛行機や汽車に乗り込んでシートに腰掛けるとほんのちょっとスパイ映画の主人公気分になったりもしたのが懐かしい。

 出張すると変な癖があることに気付く。繁華街の裏通りにありそうな薄汚れたメシ屋を探してぶらつく。むやみやたらとその辺でタバコを買いまくる。コンビニに寄ってはロクに読みもしない雑誌や普段であれば食べもしない食い物を買う。確たる目的もないのに古本屋を探す。等々。

 道中気付いたが、郊外のロードサイドはにぎやかだが釧路市の中心部は何ともうら寂しい。どこの地方都市も似たり寄ったりの情景なのだろうが釧路はこれが顕著である。
 ロードサイドに出店しているのは飲食店にせよカラオケルームにせよ全国チェーンの店舗が多い。上っ面だけの賑やかさである。雇用の創出だとかきれい事をいうが雇われ口は時給700円とかのバイトやパートの仕事ばっかりだ。こういう職場からは何事かのプロフェッショナルは生まれてこない。用足しをするためにはクルマを利用しなければにっちもさっちもいかないから年寄りには楽じゃない。安売りスーパーは結構だがガソリン代や移動時間を考えれば本当にそれは便利で安上がりなのだろうか。

 車社会、郊外型ロードサイド店のにぎわい等々、こんな生活スタイルや商圏の在りようもそろそろ先が見えてきたような気がする。ガソリン代が高騰し、高齢者の人口比率が上がってくればいずれは廃れていくだろう。しかしその先にある商圏の姿は未だにはっきり見えていないような気もする。
 どこの街も地元の商店街は全滅して郊外にはチェーン店がでっかい駐車場と共に軒を連ねる。そういう風景は一見、単なる商圏の移動や業態の変化に過ぎないのかも知れないが実のところはその地方都市が衰退する過程における、いわばとどめの展開である。

 イオングループや諸々のコンビニはこれからかなりの数の店舗をクローズさせる。
それらの店舗が撤退した跡は文字通り、ぺんぺん草も生えない廃墟である。プロとして何事かのスキルを身につけた人材がその土地に残るわけでもない。涙金でマニュアル通りの単純作業を繰り返すだけ、融通の利かないの役立たずばかりが取り残される。地方はいつも、どこまでも搾り取られ、利用し尽くされて放擲される運命のようだ。

 そういえば出張時の癖の一つを思い出した。投宿先では何か本を読まないと寝付けない習慣が俺にはある。というわけで本日の読書はこれ

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)

  • 作者: 三浦 展
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 新書



自家用車、コンビニ、郊外スーパー、携帯電話、テレビ、考えてみれば我々は生活様式も思考方法も随分こういったものに支配されているのではないか。洗脳と言っても良いほどに、だ。
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