SSブログ

白衣の着用に抵抗する(2) [困った客]

 俺のような労務者もどきの生業の人間にとって調理場に入るたんびに白衣を着ろなどという約束事は本当に面倒臭い話で,言われるたびにうんざりする。大量生産の生産工場とか抵抗力の弱い子供相手の給食センターならまだしも、大して衛生的でもない場所で形式的にこんな不便な服装を強いられるのは絶対におかしいといつも考えている。
 この話題は以前にも一度,記事にしたことがある。
記事URL
記事名:白衣の着用に抵抗する
http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20

 調理員でもない修理屋にとって不便極まりないどころか危険でさえある白衣の着用についてガタガタ抜かずバカ栄養士の思考回路のお粗末さ加減については前回記事でも言い足りないところがあるのでここでやおら続きに入る
 
 20年近く前にO-157という病原菌の騒動があって以来、集団給食調理現場での衛生管理は大変厳しくなった。
 ここで言う「集団給食調理現場」というのは俺の経験則の範囲内での話であって、病院、老人ホーム、養護施設くらいに限定されている事を予めことわっておく。

 「大変厳しくなった」と書いたが、そういう騒動以前にはその施設の一般職員が履物はそのままでどかどか出入りするのが当然のように行われていたのが実情だったので、それまでが余りにもがさつすぎたとも言える。
 二昔前くらいまでの厨房は塗り床やタイル張りでひっきりなしに床放水が行われるのが珍しくなく、調理員はゴム長靴をはくのが半ば当然で、外部の人が入室する際には脚が濡れないように備え付けの長靴に履き替える程度の配慮はあったがせいぜいその程度とも言える。

 その後,ノロウィルスだの何だのと騒ぎが起こるたびに衛生管理は喧しくなっていったわけだが、それとは別に出入り業者の見え方として気づいたことを今回書いておきたい。繰り返しになるが,生産工場とかセンター方式の学校給食だとかいったスケールの現場では俺だってそれなりに配慮しないわけではない。

先日,とある病院の栄養士が北沢産業の社員は白衣を持参して調理室に入室するので好ましく,俺は薄汚い作業着で来るのがけしからんと説教をくれた。
 北沢の社員の修理技術に不満があって俺に声をかけたその者が今度は身なりが汚いからけしからんと抜かす。
白衣を持参せずに仕事に現れる俺は汚い奴で横着者なのだそうだ。修繕の業者にとって重要なことは修繕の腕前よりも白衣を持参することなのだといわんばかりの調子なので聞いていて大いにアホ臭い気分に捕われた。汚い奴が嫌ならとっとと業者を変えて今まで通りに白衣持参で現れるネジ回し屋のワークマン(workman)に高額なアセンブリー交換費用を払い続けてればいい。どうせ自分の金じゃないのだろうし、勝手にしろ。

 作業性からいって白衣というのは全く好ましくないので、その場所用にオーバーオールを着るのは良いのかと俺が訊ねたところオーバーオールはダメだと言う栄養士がいた。
 こういうのは全く思考停止のアホとしか言いようがないわけで,白いものがきれいで紺色は汚いものだと言う根拠のない思い込みというか決めつけがあるようだ。

 大体,外部から来る者が持参する白衣を好ましい準備だなどと考えるところがバカではないか。俺だって人並みの衛生観念がないわけではないし,病院などよりずっと衛生管理の徹底した食品工場にだって何件か出入りしているが、特に文句を言われたことはない。
 全国的に売れているポテトチップを生産している某メーカーの生産工場では業者が持参した白衣を着用することは認められていない。白衣どころか帽子も上履きも持参物はNGでその工場が社内で用意している構内作業用のオーバーオール(使い捨ての白衣みたいな薄い生地のオーバーオールだ)など一式が入室前に渡される。何故ならそれは社内で管理されている衣類だからであって,外部から持ち込まれるものは衛生管理の実体が不明であるから持ち込みを遠慮してほしいのだそうだ。そして俺はこれこそが正しい運営や運用だと思うのだ。

 更に言えば,衣類のことはさておくとしても修繕のために使われる道具類はどうなるのか。どんな衛生管理をしておけと言うのか。
 油染みのある作業着を着た奴は不潔でけしからんから白衣を着ろとバカ栄養士は抜かすが,その人物がぶら下げてくる商売道具のことは何故か一度も問われたことがない。それこそは作業着どころではない,あちこちの現場で油だの薬品だの錆だのにまみれた物体の詰め込まれたツーヅバッグのことは何故か一言も言及されたことがなく、とにかく早く修理してくれとせがむのが一般的な姿だが変な話ではないか。そんなに衛生管理を徹底したいのなら保全用の道具一式を常備しておいて外部から来た業者にそれを使用させるのが筋ではないのか。

 これは極論でもなんでもなく,衛生管理を徹底したいのならいっそのこと調理員が自ら調理室に備え付けの道具一式を使ってぶっ壊れた機材の修理をすればいいのだ。調理業務なんていうのは現在,全部と言っていいくらい既製品の組み合わせでしかない上に今日日はカット野菜みたいなもの迄当たり前に使われている。20年くらい前に比べれば遥かにラクチンなうえにあれやこれや自動化も進んで横着三昧の業務形態なのだから楽になった分,機械や設備の勉強でもしてある程度の修繕くらい自分らでやればいいのだ。都合の悪いときだけ不潔な奴に物事をせがみ、しかも上っ面の体裁を取り繕うことに腐心するのはその人物の人間性こそが薄汚いことを表している。
 自分らで故障診断をして必要部材を割り出して手配し,食材の検品みたいにパーツやら材料やらを受け取って調理員どもが自分らで整備すればいいのだ。こんな衛生的な保全業務はないじゃないか。

 交差汚染は激減するぜwww
 修繕費も節約できるしなwww

 そう,とどのつまりバカな栄養士にとって修理業者や工事業者というのは自分が日頃指図している調理員と同列に見えているらしい。
 世間一般の物差しとして,ホワイトカラーは高級でブルーカラーが低劣だという見方は何だかんだ言って根強い。俺はそういうものの見方について大いに異議があるが,ある種の栄養士どももまた例外ではない。

 これ迄から現在に至る迄,日頃出入りする得意先のことを思い出すと,こういう,白衣を持参して現れる修理屋だから立派な業者だ,みたいなトンチンカンな業者観の栄養士は業務委託されている会社の社員に多く、その施設の職員である栄養士には少ない。
 というか,委託会社の栄養士には総じて設備管理とか機器運用について考えたくない者が多く、当然何の知識もない。機材の名称さえもわからないような大馬鹿者も珍しくない。俺などから言わせると良くそんな程度の者が一端の顔をして調理業務に携わっていられるもんだ、と,呆れるのを通り越して感心してしまう程だ。

 考えてみて頂きたい。ステアリングとかシフトレバーだとかブレーキペダルだとかいった名称は知らないがとにかく自動車の運転はしている。俺の知る限り給食委託会社の栄養士という人種にはそういう手合いが大変多いのだ。勿論,燃料の燃焼がどういう風にして機械エネルギーの発生に至るかなど知っているわけはなく,各種の警告灯が何を表していてどういう対処をすればいいのかを知っているわけもない。タイヤの交換もエンジンオイルのチェックの仕方もわからないがとにかくキーを捻ってエンジンをかけ,ステアリングとペダルを操って自動車の運転はしている。委託会社の栄養士は,というよりももっと遡って給食委託会社という企業そのものがそういうありようなのだと俺は思っている。(この項続く) 
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 4

63H

ウォシュレットを修理する際に使ったドライバーやらを
冷蔵庫の修理時にそのまま使用しているぜ・・・
by 63H (2015-02-03 20:55) 

くるみ

外部から持ち込んだのが白ければ良いなんて 本末転倒ですよね。 やはり施設で用意すべきです。私が思うのは 上下に分かれた白衣よりも つなぎの方が本来の意味を考えると ずっと衛生的に思います(^-^)b。 色も…ドラマで観るだけですが手術する医師は青い服着てますよね。
by くるみ (2015-02-04 03:06) 

DW

このような経験は山ほどありますが。。。。結局、先方としても「取引業者へ衛生管理を徹底させてます」アピールなんでしょうね。物事の本質とは乖離した部分で。かく言う私も、各施設の厨房へ白衣持参で入り洗剤装置の点検や機器修理をしていますが、とにかく白衣のクリーニング代がばかにならないです。。。
by DW (2015-02-04 06:52) 

katasugi.senbei

栄養士なんてその程度のレベルですよ。分かりやすく言うと馬と鹿です。
仕事内容もわざわざ資格者にやらせるような大層な内容では無い。
by katasugi.senbei (2015-08-19 14:14) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。