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ハイエナ行為がメーカーにばれた [日記、雑感]

 数日前に書いた記事で某コンビニでのエアコン修理に触れた。
記事名:ハイエナ
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2014-04-26
その後の進展について書き残しておく。

 冷媒漏れの予測の元に件のコンビニに再訪問となり、試験的に冷媒をチャージしてみると室外機の内部で露骨にリークの反応が出た。
 検知器の感知部分を機械室内部に突っ込んでみたが既に漏れた冷媒が充満しているらしく、内部の冷媒管が入り組んでいる事もあって漏れ箇所の特定が難しい。
 漏れかたが激しい事は察しがついたので、俺はあえて冷媒をどんどん入れて強制的にコンプレッサーを起動させた。
 その状態で機械室内部をあれこれ見ているとある箇所から冷媒が液体に近い霧状になって音を立てて噴き出し始めた。目視で簡単に確認できるくらいの勢いだ。
  その漏れ箇所は、暖房運転を行う際に働くであろうキャピラリーチューブが内部のどこかと接触し、長期間の運転で与えられた振動によって擦れ,表面が削れてピンホールが出来たことによる。
 ピンホール,とは書いたが実際には線上に形成された漏れ個所であり,漏れ方は目視可能な位歴然としている。
IMGP0118.1.jpg

画像の中央よりやや左寄りの個所は内部の冷媒管が白く霜がついてるのが確認できる。高圧配管から大量のリークが起きると大気圧下での蒸発温度(R-22の場合は約-40℃)が発生する事になるので液冷媒のかかった周辺箇所は画像のように氷結する。

 特に縦置きのスクロールやロータリーのコンプレッサーが幅を利かせ始め,アウトドアユニットの機械室部分で冷媒管が入り組むようになってからはこの手の障害が本当に増えた。
 通常の冷媒管で生じた亀裂であればろう材によって塞ぐ処置が可能だが何せ直径1ミリ強のキャピラリーチューブからの漏れで,しかも画像に示した通りの激しさなのでヘタにろう材を盛って溶接などしようものなら溶けた溶棒が内部に流れ込んで閉塞が起き,取り返しのつかない事態になる公算が高い。よって処置としてはキャピラリーチューブ自体の交換となる。

 ここで俺は前回訪問時にFCオーナー殿から伺った話を思い出した。
現調に訪れたこのコンビニチェーンの指定業者は何かがないので修理ができないという所見を残して撤収して行ったというあれだ。
 更にもう一つ、丈夫のバーナーユニットのフレームロッドのリード線が取り外されていた理由だ。
画像を再掲する。
IMGP0116.JPG
 R-22という冷媒は寒冷地で暖房用に使うには吐出温度が高くないため、バーナーによって加温する必要があったと以前の記事で俺は書いた。
 画像に示されているのはバーナーの組み込まれた熱交換器で、銅管部分は内部に冷媒が入っている。俺は普段エアコンの修理をしていないので予備知識がなく、ここは想像だがこの熱交換器は冷媒が入っていない状態でバーナーを燃焼させると冷媒への熱移動が行われないので熱交換器が過熱して変形する恐れがあり、これを案じた指定業者がバーナーへの点火が行われないようにと意図的にリード線を外していったのではないかというのが俺の憶測だ。

 という事は、指定業者はこの歴然たる冷媒漏れをも既に確認しているはずなのだ。
この機種自体がおよそ20年近くも前のロートルである事を考えると、ピンホールの発生したキャピラリーチューブは東芝では既に補修パーツが払底しているのではないか。最低保有年数はとうの昔に過ぎているだろうから製造元としては修理不可能の所見を出す事には確たる根拠があるという事になる。

 それでもなおかつ、何とかならんかというのがFC オーナーの言い分というか、都合なのだ。
消費税の増税後は明らかに売り上げが落ち、そこに加えて業務用のエアコン一台をリプレースするのは経営的に何とも厳しい、本部に対しては独自に修理業者を捜すと既に連絡していて今更引っ込みもつかないので何とか修繕して欲しい。改造だろうが何だろうがどんな手を使っても構わないからとにかくこのエアコンが機能するようにして欲しい、そういう趣旨の事を彼は俺に訴えた。

 困った話だぜ、ほんとに。

 それで本日、5月2日に俺は東芝テクノネットワークの営業所を訪ね、破損箇所であるキャピラリーチューブのパーツストックがまだ残っているかを問い合わせようとしたのだった。

 暦の上では明日からが連休な訳だがさすがに超大企業の東芝は今日から既にお休み体制で、当直の社員と思しき人が二人くらいしかいなかった。
 それで私服姿の兄ちゃんに声をかけ、経緯やら状況を説明すると何とも奇遇な事に彼がその現調にあたった人物だった事が判明した。そのコンビニチェーンの指定業者とは東芝テクノネットワークの事だったのだ。こういうところはいかにも田舎町の出来事で、世間の狭さを実感するのだが何せ、そうとなれば話は早いのだ。
 松下のような偏屈な会社とは大違いでさすがに御三家の一角である東芝ともなると対応は紳士的であって俺のような野良犬稼業であっても邪険にされる事はないので議論は見通しが良い。
 問題のキャピラリーチューブがまだ手配可能か否かについては業務が再開される連休明けに判明する。あれば話は簡単だがない場合は設計仕様書からその断面積と全長を教えてもらい、俺が手持ちのキャピラリーから近似した圧力損失が生じるだけの長さを切り出して代用品とする、というところまでの話がついた。勿論これは改造にあたる行為であって東芝には一切の結果責任がない。

 何か先の展望が開けたような気分で俺は帰り道の最中、皮算用を弾いてみていい気になっていた。
しかし少し時間を置いてみるとこの修繕には先々必ず一山あるだろうという予感が働いた。東芝テクノネットワークにしてみれば俺のような者の印象が良いはずなどない。メーカーの所見を覆して改造を試みるハイエナ野郎がのこのこと出向いてきたというのが本日の構図ではないのか。
 これから先に起こる事の予測が結構簡単に成り立つ。

 まず、ストックパーツであるキャピラリーチューブは既にない。あってもない。何しろ製造元なのだからないと言い張ればそれはないのだ。あるとなったら最初に現調に訪れた彼の所見は何だったのか、リプレースを進めるために方便を使ったのかという問題が起きるではないか。単なる個人店舗ならともかく全国チェーンのコンビニでそれが露見するのは大きな問題となるのは明白だ。
 よって現場では、俺は代用品としてのキャピラリーチューブを制作する事になり、帳尻合わせに四苦八苦する。とことんはまる。こういうロクでもない予感ほど的中するのだ、俺の人生は。 
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007

電気的にもこれと同じような事が昔ありました、、、

週に何回も夜間中心に、中央監視で漏電警報が出ては復帰が続き、漏電探査を進めると、冷凍プレハブ室外ユニット内の電装盤にたどり着き、SANYOのSマンを呼び、協力して付き止めました・・・制御ケーブル群の一本が金属フレーム角と擦れ合い、長年の蓄積に因り芯線が1mm幅程露出して接触し、機器運転時の振動具合にて、漏電を発停したらしく、、、
まあ一件落着、Sマンと喜び合いました、、、。

あと修理部品の件は、東芝ライテック製品の修理に祭し、「部品の供給は出来ないし、仮に出来ても定価以上の価格になる、定価は無い」と?言われた事がありました、、、
やはりメーカーは売って儲けて、修理でも儲けての考えで、部外者の存在は煙たいのでしょうね、。
by 007 (2014-05-03 06:16) 

HarryTuttle

007様、いつもコメント有り難うございます。
 私の遭遇するケースだと金属製ボックスの貫通部分にブッシングの取り付けがされておらずに配線被覆が機械振動と摩擦で切れてショートするのですが、業務用の厨房製品には未だにそういういい加減な処理が多くお互い頭が痛いですね。まあそれがある種、飯の種でもあるのですが。
by HarryTuttle (2014-05-05 10:20) 

63H

駄目もとでキャピにロウ乗せてみたらどうですか?
私みたいな素人に毛が生えた程度の技術でも何回かやったことありますよ。

結果報告よろしくお願いします。
by 63H (2014-05-15 08:16) 

HarryTuttle

63H様,いつもコメント有り難うございます。
実は先日,東芝から仕様書のコピーが貰えました。
キャピラリーのパーツストックはまだあるそうですが,使用されているキャピラリーの寸法データ(外径,内径,全長)が貰えまして,それによれば自分の手持ちの在庫品と内径が一致しているので切り出して交換する方向で進もうと考えていました。

 問題のキャピラリーは削れ方が結構激しく,私の腕ではちょっと自信がないので今回は交換と判断したのですが・・・・迷いが出てきました。
 
by HarryTuttle (2014-05-15 08:40) 

63H

あるんなら失敗したとき用に持って行くとかはどうですか?

しかし結構穴なら2分の銅管を半分に割ってそれを被せてロウを乗せるとかも難しいのかな・・・

メーカーが引導渡したのなら好きにやらせてもらいましょう!
by 63H (2014-05-15 22:20) 

HarryTuttle

63H様、返事が遅れました。
私にそこまでの腕はないので結局キャピラリーを二本新しくしました。
取り外したきゃピラリーには83H様がご提案されたように擦れによる筋状の漏れ箇所を溶接によって補修した形跡がありました。
 私以前の(という事は東芝の)サービスマンはそのようにして修理していたという事ですね。

私の補修記事は追って作成しようと思います。
by HarryTuttle (2014-05-30 17:27) 

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