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¥4860の意味するところ [同級生の再起にまつわる話]

 世の中には債権者も債務者もうじゃうじゃいるわけだが,悪質な債務者に引っかかるとどれほど迷惑を蒙るかを俺は本日改めて知った。

 借金踏み倒しの居酒屋店主が裁判所から送達された支払督促に異議申し立てを行ったことは前回記事で書いた。
記事名:債務者の異議申し立てにより調停へ
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-12-14-1

 異議申し立てにより俺の債務名義は一旦なくなり 通常訴訟へと移行する。
今回は債務者が分割払いを希望しているため,支払督促と通常訴訟の間に民事調停の場が持たれる,そういう流れらしい。
 記事名にある¥4860とは何かというと,通常訴訟を申し立てるにあたっての印紙代と切手代の合計金額である。これを債権者である俺が負担するのだ。応じなければ俺の側が支払督促を事実上取り下げたことになる、という解釈が成り立つのだろうか。

 支払督促は架空請求詐欺に悪用される制度でもあるので、その場合については書類上の債務者が異議申し立てを行うにあたって金銭的負担は理不尽である。よってこれには事情に関係なく債務者側の費用がかからないようだ。(この辺は俺の誤認かもしれない)
 しかし今回のケースについては,全くもって泥棒に追い銭みたいな話だと俺はかなり頭にきている。

 時系列で追ってみる。
1:俺の内容証明郵便を受けてきゃつの返事が届いたのは10月16日のこと。返答内容は11月末日から毎月一万円以上,支払回数にして20回以内で返済したいというものだ。

2:返答内容に不服である俺が法的手続に踏み切ることを伝えたのが10月18日のこと。この時その男は電話口で内容証明の事実をなかったことに出来ないだろうかと申し入れてきた。俺は生まれてこのかたこれほど図々しい言い草を聞いたことがない。

3:その後,奴からの入金は一円もないばかりか債権者である俺には何の連絡も寄越さずに店を移転し,対外的には新天地にて新規オープンだとかなんだとか抜かしてのうのうと商売を続けている。

4:裁判所からの支払督促が届いたのは12月7日で異議申し立ては12月13日に行われている。申立の内容は3万幾らかずつを6回で支払いたいとのことだ。

 良くもまあこれほどデタラメな約束を次から次へと並べ立てるものだ。
 俺はここで断言するが,支払督促に対する異議申し立て内容は履行されない。

 支払能力のない正真正銘生粋の貧乏オヤジなのか,根性のねじくれた非常識オヤジが悪あがきでゴネているのかはさておき,調停調書で確定した取り決めは履行されない。出来事は間違いなく強制執行に移行していくと俺は予想している。

 裁判所で申立の手続を済ませた俺は凶暴な気分でそこを出た。もしもそのとき目の前にその男がいたら,或いは少々物騒なことにもなりかねないくらいの気分だ。
 きゃつの真意など手に取るようにわかる。債務の存在が明記され,支払の予定が示された物的証拠が俺の手元にある以上,訴訟を行えば敗訴は確実で,その男は債務の返済を判決として言い渡される上に訴訟費用の全額を負担しなければならない。
 その状況を避ける,乃至は先延ばしして物事を紛糾させるために彼は6回分割などという出来もしない返済計画を提示してきたに過ぎない。強制執行を先延べさせる間にその男は銀行預金を下ろしてどこかに隠匿するといいったような防護策を取る。ついでに債権者であるこの俺に4860円とは言え余計な出費をさせることで回収の意欲を減退させる効果があるかもしれない。全くもってしてせこいというかみみっちいというか,

 首までドブに浸かっているような気分だった。ドブの中を屁生狡く逃げ回るドブネズミを追い回してドタバタしているようで吐き気がする。
 小説やドラマに於いて債権者というのは人情味のかけらもない鬼のような存在として描かれることは多い。確かにそれは一面正しい捉え方だとは思う。しかしあるケースに於いては債務者が債権者を普通の人から鬼に変えていくのである。

 平常心に戻るまでには少し時間がかかった。少なくとも俺は第三者がいる場所で奴の不誠実な態度を糾弾する機会を得た。尤も,それが調停調書にどのように反映されるのかはわからない。
 俺の中ではある種の攻撃性がここで更に成長し,憎悪のような感情が芽生えてくる。感情論で物事を進めるのは良くないと自制し続けていたがそれもそろそろ限度かもしれない。
 来年一月十日が調停の日である。このことは今日,書記官と打ち合わせを済ませてその日のうちに彼に通達されるとの話だった。

 冷静さを取り返してから本業を片付け,夕方過ぎになって帰宅する途中,彼の店の前を通りがかると三件長屋のその連売は彼の店だけが店内の照明も看板も消えていて真っ暗だった。通常,居酒屋であれば営業していてもおかしくない時間帯だし,職業柄ある程度把握しているが木曜日が定休日という店舗は殆ど聞かない。
 どういう事情で彼は店の営業をしていないのかを知る術はないが,相見える日がはっきりしたのは間違いないのでそのときあらためて奴の面付きを俺は凝視することになる。

 奴は正面切って俺と目を合わせることが出来るのか,それは見届けておきたい。
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コメント 2

007

精神的な戦いですね、、、

かなり疲れますよ、身体的にもキツイと思います、、、

特にこの相手は手ごわいと感じています、。
by 007 (2012-12-21 19:23) 

HarryTuttle

 007様,いつもコメントありがとうございます。

そもそも,こうして同級生の借金を踏み倒すなどという不届き千万な行いに及ぶこと自体まともな神経の持ち主では出来ないわけで,手強いのは確かです。

 しかし,最終的には私が勝つのでございます。
これは一種のチキンレースであって、債務の存在を全否定して本訴訟にのぞむクソ度胸まではなかったことが彼の限界を物語っています。
by HarryTuttle (2012-12-23 11:56) 

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