上がったり下がったりする（３） [お仕事上のぼやき]
ここしばらく思うのだが，言葉を扱う才能というのは詳述することよりも要約することの方により多くを求められるのではないだろうか。
最初のスレ：http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16
二回目のスレ：http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23
一つの出来事を記述することにこうも長引くのは俺の粘着性気質の強さを表すと同時に文才のなさをも示していると考えて良い。
さて本題の続き。
主観や願望で物事が変わるのなら苦労はないのだ。
イカれたコンプレッサーは逆立ちしたって正常にはならない。ここで選択肢が二つ発生する。
（１）コンプレッサーとドライヤーを交換する。
（２）冷凍機をそっくり交換する。
修理業者と依頼元と利益はここでずれを見せる。
修理業者にとっては工程の多い（1）が好ましい一方，依頼元としては売上額の膨らむ（2）に誘導したい。
得意先との交渉過程は省略するが，方向性としては（２）に落ち着いた。
いずれにしてもコンデンサーの洗浄を行った俺の労務経費はお預けであり，ついていない話であることには変わりがない。
実入りの少ない冷凍機交換だが短時間でケリがつくという意味では助かる。何しろ店舗はいつも閉店後の深夜作業がお約束になってしまっているのでいい加減年寄りの俺としてはあんまり長い仕事をしたくないのが本音なのだな。
冷凍ユニットは専用品なので工場在庫がなく，都度製作であり納期がかかる。上がりの時期を確認すると俺の生息地に到着するのが8月14日頃だと言う。依頼元は夏期休暇の真っ最中なのであとはよろしく，とのことで、面倒ごとは協力会社に丸投げで自分たちはいいとこ取りのつまみ食い体質もここに極まれり，いい気なもんだぜ。
果たして冷凍ユニットはおよそ十日の製作期間を経て俺の住む田舎町に到着した。
お盆休みの真っ最中、しかも夜中の労務ではいかに働き者の（嘘つけ！）俺とは言え勤労意欲をかき立てるのにはいささかの努力を要する。
深夜の11時，背中をメキメキ言わせながら車からやっこらせと冷凍機を降ろし、『面倒くせえなあ』とかなんとかブツブツ言いながら俺は届いた冷凍機の梱包を解いて脱骨した。
なんと，届いた冷凍ユニットは冷媒管接続のカップリングがオス，メスあべこべに製作されているではないか！
ここで状況を諸兄にご理解願うために本来的なペアリングの画像を再掲する。
故障品の個体についていたカップリングは以下の通り。
新たに製作されて届いたブツの状況は以下の通り。
並べてみる。
要するに，パスタフリーザー本体側と冷凍ユニット側，どちらも雄のカップリングであるため繋がらない。そういうことなのだ。
「何てこった，バカタレが！」と俺は呻いた。あんまり頭にきて血管が切れそうになった。
自分自身のこれまでを顧みると総じて，ツキのない人生を送ってきたと俺は思っている。どう考えても俺には無用な苦労が平均以上にあったと確信しているのだが今回もその例に漏れない。冷凍機の型式はいうまでもなく製造番号まで伝えていながらこのザマだ。冷凍機を地面に叩き付けてやりたい衝動に駆られたが、ここしばらく背中が痛いことを思い出してこれは踏みとどまった。
何せ，状況は告知しなければならない。割の悪い話だ。
大体，なんで製造責任もなく取引の窓口でもない俺がこんなぶざまなありようを白状して平身低頭しなければならんのか。
しかし，誰かが引っ被らなければ物事は進まない。
俺は大変ばつの悪い思いで，夏の暑いのと出来事のお粗末さとを合わせて汗をかきかき店舗のスタッフに状況を説明した。店主は既に退勤したあとなので翌日の日中，同じ説明を繰り返さなければならない。これまた気の重い話だ。
既に不具合の発生から半月を過ぎてパスタフリーザーは未だに動かない。店主は元々が放電し易い体質の男で俺が会社員だった頃から散々やり合ってきた関係だから馴れていると言えば馴れているが，このていたらくにボルテージを上げることは明白だ。
ポーカーの役でいえばフルハウスくらいのツキのなさだ。何でこんな役どころを務めなければならんかと大変理不尽な気分を抱え込んで俺は退散したのである。（以下続く）
最初のスレ：http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16
二回目のスレ：http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23
一つの出来事を記述することにこうも長引くのは俺の粘着性気質の強さを表すと同時に文才のなさをも示していると考えて良い。
さて本題の続き。
主観や願望で物事が変わるのなら苦労はないのだ。
イカれたコンプレッサーは逆立ちしたって正常にはならない。ここで選択肢が二つ発生する。
（１）コンプレッサーとドライヤーを交換する。
（２）冷凍機をそっくり交換する。
修理業者と依頼元と利益はここでずれを見せる。
修理業者にとっては工程の多い（1）が好ましい一方，依頼元としては売上額の膨らむ（2）に誘導したい。
得意先との交渉過程は省略するが，方向性としては（２）に落ち着いた。
いずれにしてもコンデンサーの洗浄を行った俺の労務経費はお預けであり，ついていない話であることには変わりがない。
実入りの少ない冷凍機交換だが短時間でケリがつくという意味では助かる。何しろ店舗はいつも閉店後の深夜作業がお約束になってしまっているのでいい加減年寄りの俺としてはあんまり長い仕事をしたくないのが本音なのだな。
冷凍ユニットは専用品なので工場在庫がなく，都度製作であり納期がかかる。上がりの時期を確認すると俺の生息地に到着するのが8月14日頃だと言う。依頼元は夏期休暇の真っ最中なのであとはよろしく，とのことで、面倒ごとは協力会社に丸投げで自分たちはいいとこ取りのつまみ食い体質もここに極まれり，いい気なもんだぜ。
果たして冷凍ユニットはおよそ十日の製作期間を経て俺の住む田舎町に到着した。
お盆休みの真っ最中、しかも夜中の労務ではいかに働き者の（嘘つけ！）俺とは言え勤労意欲をかき立てるのにはいささかの努力を要する。
深夜の11時，背中をメキメキ言わせながら車からやっこらせと冷凍機を降ろし、『面倒くせえなあ』とかなんとかブツブツ言いながら俺は届いた冷凍機の梱包を解いて脱骨した。
なんと，届いた冷凍ユニットは冷媒管接続のカップリングがオス，メスあべこべに製作されているではないか！
ここで状況を諸兄にご理解願うために本来的なペアリングの画像を再掲する。
故障品の個体についていたカップリングは以下の通り。
新たに製作されて届いたブツの状況は以下の通り。
並べてみる。
要するに，パスタフリーザー本体側と冷凍ユニット側，どちらも雄のカップリングであるため繋がらない。そういうことなのだ。
「何てこった，バカタレが！」と俺は呻いた。あんまり頭にきて血管が切れそうになった。
自分自身のこれまでを顧みると総じて，ツキのない人生を送ってきたと俺は思っている。どう考えても俺には無用な苦労が平均以上にあったと確信しているのだが今回もその例に漏れない。冷凍機の型式はいうまでもなく製造番号まで伝えていながらこのザマだ。冷凍機を地面に叩き付けてやりたい衝動に駆られたが、ここしばらく背中が痛いことを思い出してこれは踏みとどまった。
何せ，状況は告知しなければならない。割の悪い話だ。
大体，なんで製造責任もなく取引の窓口でもない俺がこんなぶざまなありようを白状して平身低頭しなければならんのか。
しかし，誰かが引っ被らなければ物事は進まない。
俺は大変ばつの悪い思いで，夏の暑いのと出来事のお粗末さとを合わせて汗をかきかき店舗のスタッフに状況を説明した。店主は既に退勤したあとなので翌日の日中，同じ説明を繰り返さなければならない。これまた気の重い話だ。
既に不具合の発生から半月を過ぎてパスタフリーザーは未だに動かない。店主は元々が放電し易い体質の男で俺が会社員だった頃から散々やり合ってきた関係だから馴れていると言えば馴れているが，このていたらくにボルテージを上げることは明白だ。
ポーカーの役でいえばフルハウスくらいのツキのなさだ。何でこんな役どころを務めなければならんかと大変理不尽な気分を抱え込んで俺は退散したのである。（以下続く）
お久しぶりにコメント失礼します。
カップリングがオンタ・オンタ・・・
最悪ですね。
そういえば、昔のルームエアコンもカップリング接続がありましたよね！
僕が鼻タレ小僧の時に何回か取り付けた覚えがあります。
配管長さの調整がめんどくさかったですが、接続は本当に簡単
だった覚えがあります。
カップリング接続の冷凍機・・
実物を見てみたいです。
by 中古厨房買取 (2012-09-11 22:43)
届いた部品がダメな場合は在りますね、、、
例えば小生はインバータ等を割に多く扱う方なので何回も在ります、、、
完成後にスイッチONで動作しないと冷汗、ガッカリです！(-_-;)
返品し再注文ですが、出直し経費などは自腹ですからキツイです、、、
マイナーなメーカー品の代理店には「本当に不良品なのか？、チャンと調べたのか？」と疑問視する処が在るそうです、、、
海外生産・部品現地調達は安価に製造出来るが、代わりに品質に問題はある、、、と聞いていますが。
電材屋の担当者が同情しその代理店に意見したそうで、、、「現場で苦労して取り付けて、挙句に不良品で出直しする者の苦労と経費を如何するのだ、、、」と、、、有難い事です。
まあ、・現場が一番苦労する・構造は修理者の宿命ですね、、、？
自身はサラリーマン時代の奴隷の生活から比べるとかなり改善された今日とは思いますが、、、。
by 007 (2012-09-12 08:10)
中古厨房買取 様，コメント有り難うございます。お元気でしたか？
実物はMD（ミスタードーナツ）向けの専用機であり、一般に販売はされていませんから製造元関係者以外はなかなか現物を見る機会はないと思います。
画像から把握して頂けると思いますが，冷媒はR-134aですから一般的な冷凍庫の温度帯で使用する機材ではありません。あくまで対面販売での冷凍麺保管に特化されたもので，加熱機器のスチーマーとセットで初めて意味の出てくる冷凍庫ですから買い取りや販売の際にはご注意願います。
by HarryTuttle (2012-09-13 18:39)
007様、コメント有り難うございます。
型式は言うまでもなく，製造番号まで伝えていながらこんな代物が出来上がってくるところに私は大いに頭にきているわけです。
こういう適当さ（いい加減さ，という意味です）を『厨房屋クォリティ』とでも命名するのは悪くないかな，と考えたりもします。
by HarryTuttle (2012-09-13 18:43)
いつも畑違いからのコメントをお許しくださいm(__)m そのパーツは同じのが対になる場合もあるのですか？まるで靴を買ったら両方同じ足だった!?みたいな(^^; 百歩譲って万が一、発注を誤ったとしたとしても…おかしいと思わないのがおかしいですよね!? どちらにしても仕事怠慢で 私はなかなか許せません(+_+)
by くるみ (2012-09-15 01:21)
くるみ様，いつもコメント有り難うございます。
仰るところの比喩は大変的を得たもので，その通りです。
本来的には，機体の製造番号は生産ロットを特定する手がかりですからこれが正しく伝わっていればパーツはおろかビス一本まで仕様や規格が特定できていなければならないのですが，そうとはならずにその都度行き当たりばったりで現場の修理屋が帳尻合わせに四苦八苦を余儀なくされる，しかも製造元の出先担当者はこういう場面は協力会社に丸投げで自分はどっかにトンズラする体質が何とも厨房屋クォリティな訳でございますよ。
by HarryTuttle (2012-09-15 12:17)
まったく同じ経験あります。
電話で苦情入れてもゴニョゴニョですし、
対応にまた時間掛かるんですよね。
僕の時は翌日まで治せばOKだったので
雌の受け手を2つ持って帰り、
自宅で100Wのハンダゴテを使い
雌を2つ繋いで凌ぎましたが。
でも、結局泣き寝入りに終わったかと思うと
今でも納得いかないです。
by ぴよんきち (2012-09-20 14:24)
ぴよんきち様，コメント有り難うございます。
もしかして同じ機種でしょうか？
接続箇所は低圧側ですからハンダもあり，ではありますね。
私の場合は溶接しました。
何せ，こういう労務はきちんと代価を払って頂きたいところです。
by HarryTuttle (2012-09-20 17:43)