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スズメバチの迎撃に焦る [日記、雑感]

この記事は8月17日に書きかけたものに今日加筆したものです。従って文中の時制が前半と後半では乱れているのでご了解ください。

 本日の俺は厨房屋ではない。冷凍機屋でもないし設備屋でもない。
何と本日の俺は,資格もないのに電気保安技師もどきとして一日お仕事となった。

 弁解めくがそれはあくまで年次点検の作業補助員としての役割なので違法ではない。れっきとした主任技術者は別におり,俺は手伝いだ。
 以前書いたことがあるが,俺は最初の就職先で働き始めてから一ヶ月も経たないうちに自分がとんでもなくDQNな会社で働いていることに気づき,このしょうもない業界からいち早く脱出すべく何か再就職に有利な資格でも取得しておこうと思い立ち,第三種電気主任技術者(電験三種)の資格取得を思い立ってにわか勉強に取り組んだことがある。しかし俺のボンクラ頭ではとても取得は叶わず試験の一日目で俺の不合格は明白なていたらくとなった。
 幸か不幸か本業の会社勤めはそれなりにモノになり始めてもきたので,以後は資格取得のことは考えずにダラダラとこの業界に棲息し続け現在にいたり,とっくのとうに俺は人生の折り返しを過ぎた。

それはさておき,だ。
俺のお仕事仲間の手伝いとして,本日俺は某自動車会社のテストコースに於いて電気設備年次点検の一日作業員だ。
この某自動車会社の研究所は俺が会社員だった頃に手がけた施工現場で、竣工後は修繕の仕事をいただき、独立開業後も変わらずにお仕事をいただいているという何とも奇特な、いや、ありがたい得意先なんである。

 電気保安についてはお約束のごとく電気保安協会が業務受託していたがあるとき俺のお仕事仲間が保安法人を立ち上げたので俺は義侠心を出して修繕ついでに営業をかけてみたところ、意外な事にOKのご返事をいただいた。
 俺のようなどこの馬の骨とも知らん修理屋の言い分を聞き入れてくれるとは某自動車会社も随分と勇気のある、いや、柔軟性に富んだ組織だなあとそのとき俺は仕事仲間と結構素直に喜んだもんだ。

 契約先の紹介だけでどうせ何も金になる話はないだろう、まあ、修繕の以来が続くのであればそれでいいかと割り切っていたところ、仕事仲間からは年次点検の手伝いをせいとの要請が来た。
 繰り返すが俺は過去に於いて電検三種の試験に落ちたぼんくら頭の持ち主で、そもそも無資格なのだしこんなノータリンではとても勤まる自信がないからと一旦断ったのだがとにかくヘルメットと絶縁計をもってこいやと一喝されて出向いた。

 電気保安の点検業務に於いては,すんなりとこなせるものとそうでないものが勿論ある。
俺のように機械の修繕ばかりしていると,接地抵抗の測定方法が頭の中の抽き出しにない。
学生の頃、確かにそれを教わった気はするが頭の中からは完全に消えていた。現場でにわかに管理技術者から教わりどうにかこうにかこなす。他にも色々あるが俺は何といっても電験の不合格者なのだから足手まといにならない程度のお仕事はできたと考えているのでひとまず良しとして頂きたい。

 研究所内には数えるのがウンザリするくらい沢山のキュービクルがある。
kyu_img01.jpg

画像は本文とは関係ありません


 自動車のテストコースは山中の一角に作ることがが一般的で,この某メーカーも例外ではない。
構内を巡回しながら順番に点検を行っているうち、薮の近くのある一箇所で周囲がやけにぶんぶんいう音で喧しくなり,身辺を何かが飛び回り始めた。
 それまでにも虻(アブ)に喰われて忌々しい思いをしていて『うるせえなあ』と言いながら仕事をしていた俺ら一団のうち、1人が痛そうにズボンの裾をまくり上げているのを見てただ事でないことに気づいた。

 訳の分からん虻かなにかだとばかり思っていたが良く見ると周囲でワンワン飛び回っているのは何とでっかいスズメバチなのだ。
 キュービクルの基礎部分の隙間にスズメバチが巣を作っており,人が近づくとスクランブル発進がかかって迎撃態勢となる。そういうことらしいのだ。俺たちは慌てて退散し,その一名は病院に急行して午後からは離脱することになった。
 日常,薮の中で仕事をすることはない俺のような職種の人間にとってはなんとも物騒な話だ。

 結局その日,問題のキュービクルには手が出せずに後日害虫駆除業者を呼んで,まるで放射線の防護服みたいな物凄いものを着込んでお仕事は完了となったのだそうでまずは目出たし目出たし。
 そういう場面があったにしても,幾らの契約料かはわからないが日常,自分のクソみたいな仕事内容に比べると電気保安のお仕事というのは結構いいものに俺には見えた。
 隣の庭がどうとか言う格言を抜きにしても,やはり厨房機材の修理業者に比べれば世間の見る目や生涯を通じての食い扶持の安定性には格段の開きがあるのは明白だ。
 二昔くらい前,俺がものの見事に不合格だった主任技術者の資格を取得するということはこういう待遇を得られる仮想でないかの境目でもあったわけだ。
 「せっかく認定校を卒業しているんだから資格を取ればいいじゃないの。試験だって昔に比べたらかなり合格し易くなったらしいよ』と言われたが,元々がボンクラ頭である上にこの歳だ。今更どう頑張ったって俺の脳味噌ではもう無理だ。

 決して割は悪くないお手伝いのギャラを受け取り,もっと真面目に勉強しておくのだったと後悔しながら俺はまたイライラする日常に戻っていくのである。
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コメント 4

007

確かに・電気設備精密点検・等の高圧系保守の応援仕事はGOODな御手当が頂けますが、ここにも価格破壊の波が来ていて、元電気主任の年金生活者を再雇用して保安価格をかなり下げた請負会社が幅を効かせています、、、とにかく安いのです、、、

故に・手に負えない・と、小生に依頼が有ったり、知らない御人から技術的問い合わせが有ったりします(^_^;)、、、

不点が無ければ経費は安い方でいい、、、こ難しいトラブルでモタツイタラ>別人に頼む、体勢ですね、、、

昔程は儲からないですね、、、経験者曰く、。
by 007 (2012-09-13 19:15) 

007

PS
昔キュービクルの軒下の蜂の巣を撤去しました、、、

年次点検前日に気付き、早朝の低温時に、動きの鈍い蜂共に・蜂ジェット・をかましてやりました、、、怖い思い出です、、、。
by 007 (2012-09-13 19:21) 

HarryTuttle

007様,コメント有り難うございます。
さすがに本業の方はお詳しいですね。思い出してみると私は単結図の読み方さえも学校では教わっておらず,受験にあたってにわか勉強したっきりで奇麗さっぱり頭の中から消えている程度ですから話になりません。

 蜂は勿論おっかないのですが,LBSを開閉するとかトランスの唸る音とか不慣れな者にとっては少々恐怖感を感じるお仕事ですね。

 文面からは有資格者とお見受けしましたが、不合格者としては無条件に尊敬の念を抱いてしまいます。どうも同級生のうちでは受験して取得した資格でないとこき下ろされる空気があり,卒業証明書を添付しての資格申請には躊躇し続けています。それをやったところでどうせ私程度の者は査問で弾かれそうですが。
by HarryTuttle (2012-09-15 12:54) 

007

恥ずかしながら、、、七回目で合格しました、、、

一時期天狗になりましたが、直ぐにその傲慢な鼻はへし折られ>主任に選任された後、突然の停電復旧に手間取った経験をしました(^_^;)、、、

現在は文書に因る資格取得は審査が厳しくて困難であると聞きますが、、、政治的なコネがあれば簡単?なようです、、、。

資格だけでは喰えないですね、経験に基ずく故障排除能力及び迅速対応が無いと苦しい仕事になります、、、まあドンナ職種でも共通です、。
by 007 (2012-09-15 16:10) 

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