業務用厨房業界の駄目さ加減について雑感

　雨で流れた仕事が2件あり、ちょっと時間が空いたので備忘録風にとりとめもないことを書く。

　かねがねこの業界は駄目だなあと思い続けていたわけだ。
それは製造，販売する側にも購入，使用する側にも双方についていえることで，構造的な，という言い方は出来る。

　更に言えば外食産業というのは金のからむ行為であることがその大半なので（金を払わずに食える外食と言えば刑務所の臭い飯くらいだろう）駄目さ加減と言えば喫食者にもその範囲は及ぶ。

　製品の品質は一向に上がらず，いつまで経っても世界の三流品である日本製の業務用厨房機材。技術者の水準にはほど遠く，いつまで経ってもパーツ交換の作業員でしかないサービスマン。定着率はいつまで経っても向上せず，社員の待遇は一向に改善されない状況はいつまで経っても一緒だ。
　使用者はどうか。グルメブームとか何とかいうが全部が嘘寒い。食文化などと言うがほんの一部を除いてそんなものはない。テレビ番組で町のラーメン屋を紹介してうまいのまずいのと口角泡を飛ばして喚き散らすことのどこが文化か。こんなものはスポーツ番組とか芸能ゴシップと同類であって何かの目くらましに過ぎないことも見抜けないようなノータリンが世の中には腐るほどいるのだ。

　途中経過をすっ飛ばしていきなり結論に行く。
俺たちは大変愚かなのだ。業務用厨房機材とはどういうものなのか？誰も，何も，わかっちゃいないのだ。
家電製品とか，住節機器の範疇にあるものなのか、
産業機械の範疇であるのか，
どちらでもないとすればその中間のどこら辺に位置するものなのか。
どんな風に販売され，どんな風に使われ，どんな風にケアされるべきものなのか。どうあって欲しいのか。

　俺はこれまで折りに触れて，使用者にも製造元にもこのことを問いかけ続けて来たが，答えが返ってきたためしがない。
　的外れな答えが返ってくるとかいったことではない。ほんとに答えが返ってこないのだ。殆ど全ての者は言葉を失うのだ。この分野に関わる殆ど全ての者は余りにも自分の職業に就いて無自覚である。それは食べるという行為そのものが無自覚に行われる性質のものであることと何か関係があるのかもしれない。

コメント 1

また深く切ないお話でした(^^; 確かに『グルメ』が氾濫してますね。私個人としてはグルメ番組や雑誌は趣味の範囲で好きです。コレクターが実用性の無い物を集めるような、あくまで実用ない趣味の範囲です。参考にお店に赴く事はありません。業務用厨房機材の立場…。ちょっと遠いですが食材で言えば、最近、ある職人さんの「客に出すのにいい加減な物は使えない！」に感動。…感動とゆう事はそんな当たり前の事をしてない店主を見てきたからなのです(+_+)。主婦でも買わない見切り品を自慢気に購入してきたり。まあ、金銭的な大きな壁があるのでしかょうが。
by くるみ (2012-06-21 11:43)