ステンコロリンの驚異的な効能 [便利そうな商売道具]
本日夕方からのメニューは市内某ホテルのチャイニーズレストランで食器戸棚の加工である。
元々ついていた(フランジ溶接)アジャスト脚を切断し,キャスターのついたアングルフレームに乗っけて可動式のキャビネットとする加工だ。メンツは元の勤務先の所長殿と俺との二名。
アングルフレームに乗っかる箱部分(戸棚本体)はずれ止めのために下のはめ込み部分を数カ所ビス固定することにした。
アングルフレームと戸棚本体をビスで連結するためにはやはりいきなりピアスビスをたて込むなどという虫のいい話は通じないので下穴を開けなければならない。ここで俺はこないだ買い込んできた切削補助剤を持ち出した。商品名は『ステンコロリン』という、大変ふざけたネーミングのブツだ。それを手渡された所長殿は怪訝そうな面持ちでスプレー缶をしげしげと眺めた。
もう一度書く。『ステンコロリン』だ。本当にふざけた商品名ではないか。スプレー缶のラベルを見ると『ステンレスが豆腐になりました』と来たもんだ。また,ラベルには『バサラ製品』とも書いてある。バサラとは一体何を意味しているのかさっぱり見当がつかない,何のこっちゃ。切削補助のためのタッピングオイルはこれまで幾つか使ってみたことがあるが,正直言ってどれもドリルの刃が少し長持ちするもんだな,という程度の使用感であって格別有り難いものだと思えたことはない。幾らなんでも豆腐はないだろう、そりゃ言い過ぎってものだ。こんなものが本当に役に立つのか。何かの冗談ではないのか。
この商品を手にするに至った経緯を書いておく。
以前,某病院でのシンク修理の際に若い衆に俺の虎の子のドリル刃をさんざっぱらへし折られた,というのがその発端である。
題名:あるとき気づいた作業従事者の傾向
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08
元の勤務先では折損分を弁償してくれるとのことだったので懐を痛める心配のないこの俺は意気揚々といつもの機械材料問屋へ向かった。
コバルトハイス、チタンコーティングの錐先が欲しいとフロントで頼むと今は在庫がないとあっさり言われた。通常買っている神戸製鋼製のKMC2を持ち出してきてこれでいいでしょうとにべもない。
せっかく会社の金で買い物をするのだからこんなところでケチる気は全然ない俺が,それはそれで必要だが俺はもっと固いやつが欲しいのだと言うと持ち出してきたのがこのステンコロリンというわけだ。『これでバッチリですよ』問屋の専務殿は自信満々に切り出してきた。『騙されたと思って使ってみてくださいよ。高い錐先なんてもう意味ないですから』
半信半疑のまま俺はステンコロリンを受け取った。(この商品名を一度タイピングするたんびに俺は軽い脱力感を覚える)それで,自分のところの作業場で廃材相手に試してみたところ,驚異的な効果が認められたので今回の実戦投入となった次第である。
「こりゃ凄い!」と所長殿はぶったまげた。錐先に一滴垂らすだけでステンレスアングルが嘘みたいにサクサクと切れる。さすがに豆腐相手とまではいかないまでもステンレスが鉄を相手にしている時と同じかそれ以上に楽々と切削できる。どんな理屈でこんなご利益が出ているんだか知らないが何せ,多少なまくらな錐先でもバスバスと食いついていくし,ボール盤で穴開けしている時みたいなコイル状の切り粉がムリムリと出てくる。ハンドドリルではよっぽど条件が揃わないとお目にかかれない切れ方だ。
錐先に優しい,という効能は同時にワークに与えるダメージの小ささでもある。今まで切削面をチンチンに熱くしながら悪戦苦闘して穴明けをしていたときにはお約束のようについて回っていたワークののかえりやバリが殆ど無視できるくらいにしか生じない。穴明け後にサンダーでこれらを削る手間から解放されるという副次的なメリットも生まれる。
俺はタップやダイスの目立てにも使っているがその効果たるや,嘘みたいに素晴らしい。同業者諸兄よ,これは本当に絶大なる威力のある優れものだ。ステンレス相手に切削作業が多く,本製品を未経験の方は是非試してみて頂きたい。本当に嘘みたいにさくさく切れる。
製造元URL:http://www.r-got.com/cgi-bin/r-got/siteup.cgi?category=3&page=1
店頭で商品名を口にするのはこっ恥ずかしいというナイーブな御仁はAmazon.comでも買えますぜ。
嘘は言わない。騙されたと思って,是非。
元々ついていた(フランジ溶接)アジャスト脚を切断し,キャスターのついたアングルフレームに乗っけて可動式のキャビネットとする加工だ。メンツは元の勤務先の所長殿と俺との二名。
アングルフレームに乗っかる箱部分(戸棚本体)はずれ止めのために下のはめ込み部分を数カ所ビス固定することにした。
アングルフレームと戸棚本体をビスで連結するためにはやはりいきなりピアスビスをたて込むなどという虫のいい話は通じないので下穴を開けなければならない。ここで俺はこないだ買い込んできた切削補助剤を持ち出した。商品名は『ステンコロリン』という、大変ふざけたネーミングのブツだ。それを手渡された所長殿は怪訝そうな面持ちでスプレー缶をしげしげと眺めた。
もう一度書く。『ステンコロリン』だ。本当にふざけた商品名ではないか。スプレー缶のラベルを見ると『ステンレスが豆腐になりました』と来たもんだ。また,ラベルには『バサラ製品』とも書いてある。バサラとは一体何を意味しているのかさっぱり見当がつかない,何のこっちゃ。切削補助のためのタッピングオイルはこれまで幾つか使ってみたことがあるが,正直言ってどれもドリルの刃が少し長持ちするもんだな,という程度の使用感であって格別有り難いものだと思えたことはない。幾らなんでも豆腐はないだろう、そりゃ言い過ぎってものだ。こんなものが本当に役に立つのか。何かの冗談ではないのか。
この商品を手にするに至った経緯を書いておく。
以前,某病院でのシンク修理の際に若い衆に俺の虎の子のドリル刃をさんざっぱらへし折られた,というのがその発端である。
題名:あるとき気づいた作業従事者の傾向
URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08
元の勤務先では折損分を弁償してくれるとのことだったので懐を痛める心配のないこの俺は意気揚々といつもの機械材料問屋へ向かった。
コバルトハイス、チタンコーティングの錐先が欲しいとフロントで頼むと今は在庫がないとあっさり言われた。通常買っている神戸製鋼製のKMC2を持ち出してきてこれでいいでしょうとにべもない。
せっかく会社の金で買い物をするのだからこんなところでケチる気は全然ない俺が,それはそれで必要だが俺はもっと固いやつが欲しいのだと言うと持ち出してきたのがこのステンコロリンというわけだ。『これでバッチリですよ』問屋の専務殿は自信満々に切り出してきた。『騙されたと思って使ってみてくださいよ。高い錐先なんてもう意味ないですから』
半信半疑のまま俺はステンコロリンを受け取った。(この商品名を一度タイピングするたんびに俺は軽い脱力感を覚える)それで,自分のところの作業場で廃材相手に試してみたところ,驚異的な効果が認められたので今回の実戦投入となった次第である。
「こりゃ凄い!」と所長殿はぶったまげた。錐先に一滴垂らすだけでステンレスアングルが嘘みたいにサクサクと切れる。さすがに豆腐相手とまではいかないまでもステンレスが鉄を相手にしている時と同じかそれ以上に楽々と切削できる。どんな理屈でこんなご利益が出ているんだか知らないが何せ,多少なまくらな錐先でもバスバスと食いついていくし,ボール盤で穴開けしている時みたいなコイル状の切り粉がムリムリと出てくる。ハンドドリルではよっぽど条件が揃わないとお目にかかれない切れ方だ。
錐先に優しい,という効能は同時にワークに与えるダメージの小ささでもある。今まで切削面をチンチンに熱くしながら悪戦苦闘して穴明けをしていたときにはお約束のようについて回っていたワークののかえりやバリが殆ど無視できるくらいにしか生じない。穴明け後にサンダーでこれらを削る手間から解放されるという副次的なメリットも生まれる。
俺はタップやダイスの目立てにも使っているがその効果たるや,嘘みたいに素晴らしい。同業者諸兄よ,これは本当に絶大なる威力のある優れものだ。ステンレス相手に切削作業が多く,本製品を未経験の方は是非試してみて頂きたい。本当に嘘みたいにさくさく切れる。
製造元URL:http://www.r-got.com/cgi-bin/r-got/siteup.cgi?category=3&page=1
店頭で商品名を口にするのはこっ恥ずかしいというナイーブな御仁はAmazon.comでも買えますぜ。
(STRAIGHT/ストレート) ステンコロリン 赤 330ml 36-330
- 出版社/メーカー: (TOOL COMPANY STRAIGHT) ツールカンパニーストレート
- メディア: その他
嘘は言わない。騙されたと思って,是非。
きっと重要な会議で決定されたネーミングなのでしょうね(^o^ゞ 笑える商品名って結構ありますね!虫除けの『コバエコナーズ』とか。商標名かは解りませんが『ねこいらず』て元祖的かなと。ステンコロリンはやはり他のよりお値段も高めでしょうか?畑違いの私ですが驚異的なのが伝わります(^^)d
by くるみ (2012-04-12 11:56)
何故かコメントが書けないのですが、同じ内容が重複して
投稿されていたら、すみません。
僕も「ステンコロリン」買いました。
ただ、「塩素フリータイプの緑缶」です。
・・・社内では評判はイマイチでした。
赤缶の方がやはり強力ですか?
by 中古厨房買取 (2012-05-31 18:52)
先日テレビでやっていました。よさげです。
http://www.bictool.com/gekkou-j/
by 63H (2012-06-27 09:14)