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少しは予習しろよ!(グダグダ焼き鳥屋シリーズ その2) [困った客]

前回http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2010-02-14の続き

 中古のハムスライサーの問い合わせが出し抜けに来た,というところから話がさっぱり進まずに大きく脱線したのは俺の文才のなさを物語っている。

 問い合わせの主に俺が幾らくらいの予算で考えているのかと尋ねると全く要領を得ない。帰ってきた答えは『安ければ安いほどいい』というものだった。アホか。
 俺は物販を生業としているわけではないが,一般論としてこういう考えで何かを物色している客というのは冷やかしでしかないというのは業種を問わず共通して言える事ではないだろうか。

 一円でも安い買い物がしたいというのならリサイクルショップを回って歩くとかネットで調べてみるといったようなコストカットのための努力はしているのかというと殆どの場合そんな事はない。
 自分は今まで通りの生活をしながら誰かものの言い易い奴に何か探せと伝えれば(この場面では俺だ)もみ手でハイハイ言いながらお望み通りの掘り出し物を探し出してくれると考えているのだとすれば随分怠慢にして横着な姿勢だ。問いただしてみると案の定,自分では何もリサーチしていない。スライサーといったって多種多様だし手持ちのスライサーを売りたいという人にも心当たりがないと伝えると電話の主は
相場ってえものがあるだろうが!

と,怒鳴り声を張り上げた。

ふざけた男だ。

 今まで何度も書いたように俺もさほど人間が出来ている方ではない。こういう場面ではついつい売り言葉に買い言葉になる。俺は雑品屋じゃねえ!安い買い物をしたいんだったら自分で勝手に探せ!と怒鳴り返すと相手が少し怯む様子が電話から伝わってきた。
 俺の考えとして,お客様というのはこれから金をくれる人の事を指している。冷やかしは客ではない。ましてや繰り返すが,俺の本業は物販ではない。この男に限った話ではないが,厨房屋というのは言えば何でも愛想笑いをして言いなりになる便利屋だと思い込んでいる奴は多い。自分の知人がその範疇だという事実には大変残念なものがある。

 最初っからこんな調子でこれはもう,商談以前のレベルだ。
そもそもこの男は一体,何が欲しいのか?繰り返すがスライサーと一口に言ったて大から小まで色々だ。それに加えてどうにも不審な事があった。oms-930c.jpg

 冷蔵庫やガステーブルではない。仮に卓上タイプのハムスライサーとはいってもそれはどんなキッチンにでもあるという機材ではない。精肉店であれば当然一店舗に最低でも一台は必ずあるが精肉店の食肉機材くらい中古品の放出がない業種もまたないのだ。
 加えてこの人物は和食畑の人だ。通常一般、和食の下ごしらえでスライサーだとがミキサーだとか言いった電動式の調理機器を使う事は殆どない。あるとすれば宴会場や旅館などでの大量調理であってこのお方の本業である個人経営,数十席規模での調理業務でスライサーが必要になる場面はないと言って良い。

 俺は人が良い。知らない人物ではないので無料コンサルタントを請け負ってやったのだ。
何故スライサーが必要なのかと問いかけると手で切るのが大変だからだという。そもそも貴殿の職種でスライサーを使う場面などないではないかと言うと,いや,実は欲しいのは俺じゃないんだという答えが返ってきて力が抜けた。どういうお仕事をしている方がどういう事に使いたくてそれを欲しがっているのかと更に尋ねると言えないという。
 それなら話はここで終わりだ,勝手にせい,と切り上げようとしたらその男は小出し小出しに渋々話し出した。(以下続く)
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