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フードプロセッサー(カッターミキサー)の選定 [修理屋から見た厨房機材]

 偉そうにバイヤーズガイドめいた事を書けるほどの知識も経験もないのだがグダグダな日常のぼやきばっかりが続いているので気分転換も兼ねて半ば知ったかぶりのテキストである。

 業務用のフードプロセッサーといえばロボ・クープとクイジナートが言ってみれば2大勢力である事は諸兄も重々ご承知と思う。前者はフランス製,後者はアメリカ製(設計はアメリカで日本ではライセンス生産だったかもしれない)で,これ以外のメーカーも幾つかあるが無視して良い。一部例外として米国ホバートが一機種だけ製造しているがミキシングボウルの容積が30ℓ近くもある大型機でこれはかなりの特殊用途でしかニーズはないのでここでは語らない。まるっきりの国内製は備品の分厚いカタログなどに掲載されているが品質は最低でおよそロクなものではない。買った人は御愁傷様と言ったところだ。

 国内製のフードプロセッサーについては家電メーカーが家庭用として製造しているものについては悪くないが何せ処理量が少ないし業務用として使用する場合には保証の適用は失効するのでこの事はあらかじめ覚えておいて良い。繰り返すが国内製で業務用と銘打たれているフードプロセッサーは全く使い物にならないゴミばっかりだ。

 クイジナートサンエイのHP
http://www.cuisinart.co.jp/
 
 ロボクープのHP
フランス本国では家庭用として販売されているmagimixシリーズ。ヨーロッパでは嫁入り道具の一つと言われているほどの定着ぶりなのだと誰かから聞いた事がある。日本では業務用として販売されている。勿論保証制度はありだ。
http://www.fmi.co.jp/products/magimix/index.html

 ロボクープRシリーズ
本当の業務用はこのシリーズで,ボウルが同一容積ではあってもモーターがごつい。稼働率の高さを想定するとこのようにスペックは差別化されてくる事になる。
http://www.fmi.co.jp/products/rseries/index.html

 兄弟シリーズのBlixer
粘度の高い(流動性の低い)食材をミキシングする場合には遠心力が働き食材がボウル外周部に盛り上がりカッターは空転に近い状態で運転されるため、蓋にスクレーパーを組み込んで運転中外周部に寄った食材を中央に押し戻せる造作になっている。但しこの動作は手動で行う。
http://www.fmi.co.jp/products/blixer/index.html

 総体に家庭用チックな,稼働率の低い現場や1バッジの量が少ない場合はクイジナート VS ロボクープmagimixという構図となる。
 商売人としての俺はこれ迄ロボクープ一辺倒でクイジナートを売った事はない。使い勝手でいうとクイジナートはピアノキー形状のためユーザーには好評のようだし小型機種ではバリエーションも多い。
但し故障時には(業務用というのは必ずここを想定しておかなければならない)代替機の供給とかサービス体制から言ってロボクープの圧勝。

 ロボクープは機種の大から小迄含めて技術資料の開示やスペアパーツの供給がオープンに行われているのでユーザーは代金が安くて腕の良い修理屋を抱えていればランニングコストの節減になるがクイジナートは代理店経由で機体を丸ごとメーカーに送り返す以外の方法はない。当然往復送料はユーザー負担となる上に修理取り次ぎ代理店のマージンが加算される。

 俺個人の都合でいえばロボクープの方が商売上は有り難いが,これまでそちらばかりを売ってきたのは修理の件ばかりでもない。
 フードプロセッサーはかこ20数年前にさかのぼればロボクープの独壇場だったのであって俺はその頃にこの機材のいじりかたを覚えたせいだ。クイジナートは日本では参入が遅れた上に先に書いたようなサービス体制なのでどうにもなじみが薄いままだ。
 更に言えば,繰り返しになるが業務用の特に5ℓを超える機種になるとロボクープのバリエーションの方が圧倒的に充実している。俺のこれ迄の納入実績は相手が商売用ばっかりで容積は3ℓから10ℓくらいが中心だったのでロボクープ以外の選択肢がない状況が多かったのも要因だろう。

 古い思い出話もなんなのだが,長い経歴の調理師さんたちはフードプロセッサーとかカッターミキサーを「ロボ」と呼ぶ事が多い。ロボクープを縮めてそう呼ぶのだがメーカーに関係なく彼らはそう呼ぶ。携帯型のテープ再生機をメーカーに関係なくウォークマンと呼んでいたようなもので,商品名がそのまんま機器名を指すくらい一人勝ちのシェアを取っていたわけだ。
rseries_main_img.jpg

 全体の図式として小容量とかライトユーザーであればクイジナート、大容量とかヘビーユーザーであればロボクープという色分けが出来そうに俺は見ている。

 注意しなければならないのはどちらも元来西洋の機器なので和食系のメニューをこなすときには不向きな場合がある点で,以前の失敗例では懐石料理の下ごしらえに使ってみたがカッティングの際に発生する摩擦熱で食材に火が入ったような状態になり食感が全然なっていないというNGが出た事がある。
 俺に活用技術の知識がないせいで打開策が見出せなかったが,さほどかさばらない機体でもあるので出来れば購入前にはデモ機の借り出しをして一度テストしてみた上で購入の勘案をする事をお薦めする。
 
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