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昨年一年を回顧する間もなく年が明けた [日記、雑感]

 タイトルにある通り,バタバタしているうちに越年となった。そのうち暇を見て書くが年末は本当にとんでもないドタバタが沢山あって俺は心底自分の運命を呪った。

 昨年は偉そうに「今年の展望」みたいなことを書いたが今年も同じような事を書いてみる。手前味噌だが読み返してみると俺の予想って結構当たっているのだ。

 全体の展望としては,外食産業はますます低落傾向が進む。極論すれば外食産業において、安定した運用がなされるのは刑務所の飯だけではないのか。商業施設は全部ダメ、病院や老健のたぐいもみんな金はない。学校給食は少子化の進行で見通しは真っ暗。

 製造業としての厨房屋はもうとっくに頭打ちだ。厨房屋の時代はバブル崩壊とともに終わった。その後未開の大地などどこにも現れていない。馬鹿な経営者たちは『まだこんな販路がある,あんな販路もある』と躍起になって社員のケツを叩きまくったが結局そんなものはどこにもなく,業界内での同業者同士の棲み分けの境界線が消失し,至る所で叩き合いのダンピングが行われたにすぎない。

 何度も書くが,日本製の業務用厨房機材は国内需要にしか対応できていない。そして国内需要はバブル時期とその後のばらまき行政時期に既に飽和状態に達していたのであってこれ以後は単発的な買い増しと入れ替え需要を細々と埋めているに過ぎない。
 製造部門をも含めて,日本の厨房屋がこの先大きく成長するには二つの方向しかないと俺は考えている。一つは外食産業向け以外の機器製造に手を広げる事,もう一つは輸出だろう。
 しかし前者は既にあらゆる分野が埋め尽くされている。どんな分野であれ,新規参入業者として厨房屋には一体どれだけの力量があるのか大いに疑問だ。後者については論外で,日本の業務用厨房機材程度の品質では国際競争力は全然ない。しばらく前,俺の元の勤務先の先輩が自嘲気味に語っていたが,日本製の業務用厨房機材で海外でも間違いなく売れるものは炊飯器だけだ。これ迄散々品質は無視の安かろう悪かろうで,国内のバカ客の顔色ばかりを伺っていた安直なもの作りしかしてこなかったツケとして世界レベルでの品質からは大きく立ち後れているのが現状だ。
 輸出を目論むにしてもこの先どんどん円高は進むだろうから最初から価格面でのハンデがあるし,世界水準のスペックで製品開発を行えば当然高価な商品にならざるを得ないから今度は国内需要での競争力が落ちる。
 国内のバイヤーなど品質については眼力も関心もないバカばっかりだし、メーカー各社の足並みが揃うわけもなく,必ずクソ製品の安売り攻勢で抜け駆けを狙う下衆な厨房屋(業界人の方々には大体想像がつくはずだ)が出てくるから変化の見通しはひどく暗い。

 例年,10月頃というのは必ず年末を見込んで店舗の新築工事や改修工事の仕事があった。どんな厨房屋にも必ず一件はその手の仕事があったのだが昨年はゼロだ。俺のような零細自営業者だけではない。れっきとした上場企業でさえそうだったらしい。前代未聞の出来事だ。
 そしてこれからは恐らく,それが当たり前になっていく。
考えてみれば,日経平均株価が8千円とか9千円というのは大体30年近く前の値段であって,日本全体が当時の経済規模に迄後戻りするのがこれからの成り行きだとすれば,厨房屋もまた後退し,会社によっては消滅していくのは必然でもありそうな気がしている。30年近く前と言えば,ファストフードやファミレスチェーンが何かもの凄くモダーンな商業施設として目に映っていた頃であって,当時の厨房屋など年商百億もあればれっきとした大手だったのだからその頃に戻るだけの話だ。

 というわけで,かような状況を経営者の皆様方はとても受け入れたくはないだろうから,現状に目を背けたい経営陣の皆様方は自分の会社だけは無傷のまま生き残ろうとして,更に言えば自分だけは手じまいの無様な仕事はしたくないだろうからいよいよもって理不尽に,いよいよもって苛烈に,末端社員に過酷なノルマを課して無茶苦茶な運営を加速させるだろう。同業の諸兄,御愁傷様,暗い年明けだなw

俺もキツいんだけどね。
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