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ラチェット式片口メガネレンチを新調する [便利そうな商売道具]

 機械いじりを生業とする者としては,スパナやメガネレンチの選定は毎度ながら思案ごとが多い。お座敷芸者的にあちこちを走り建物の中をうろうろ歩き回る業態なので現場に持ち込める道具には限度があるのは仕方がない。

 建設現場の施工であれば道具を一揃いカートに積んで施工場所迄押していって後は一日そこで作業をするのだが修理となると毎度そのような事をしているわけにもいかない。何せ,作業途中に携帯電話が鳴って新たな修理のSOSが飛び込んでくるような日常なので手っ取り早く手仕舞いにかかれるような装備である事を余儀なくされる。
 
 常々同業者には話す事だが,一概に技術職とは言っても現場施工と修理とでは全然別物だ。よく手持ち道具の多さを自慢する修理屋がいるが勘違いもいいところで,修理屋はそもそも機動力が勝負なのであって使用する道具など少ないに越した事はないというのが俺の持論だ。ロクに使いもしない道具をあれこれ道具箱に詰め込んで道具箱を重くする事は建物の中で歩き回るにあたって腕や肩への負担がいたずらに大きくなるだけだし,作業の現場でごちゃごちゃ道具を詰め込んだ道具箱を引っ掻き回すのは時間のロスでしかない。

 手持ち道具を整理づけるにあたって毎度考えのまとまらないのが俺の場合はスパナやメガネレンチだ。ソケットレンチ1セットをケースごと常時乗り込みの道具箱に入れている人をたまに見かけるがとても真似する気にはなれない。機械の内部にはスパナやメガネレンチでは入るがソケットレンチでは入らないスペースがある事などザラだし、ボルトやナットで日常使うサイズなどせいぜい4,5種類だ。ただでさえ重いラチャットハンドル類に加えて使いもしないコマを満載して携行した上に内部の作業スペースが狭くて使えなかった経験は俺にはウンザリするほど多かったので現在ソケットレンチのセットは予備工具として別の道具箱に分け,車中に放り込んであるが格別不自由はない。

 仕事を続けているうちに片口メガネのスパナの所持量が増えてきた。緩めや本締めをする上ではやはりメガネレンチは欠かせない。Snap Onのスパナは精度や強度が高いので本締めでもOKで,そうなればメガネレンチは無用という事になるのかもしれないが、以前書いた通り,ピットや配水管に道具を落っことして回収不可能という出来事が日常頻発する貧乏家業の俺としてはたかがスパナにあんな高価な買い物をするわけにはいかないのだ。

 片口メガネレンチが一揃いだけでは共締めやダブルナットの扱いに問題がある。片方をスパナやメガネで押さえておくのはいいとしてもう片方がモンキーレンチではやはり心もとない局面が結構多いからだ。そんなわけで場面ごとに必要になる同一サイズのレンチ類が闇雲に増えていく事になる。やれロングだ,ショートだ,柄の確度はどうだ,15°,30°,45°,いやいやフラットヘッドでなくては入らない場所がある、等々きりがない。

 そんな中でかねがね気になっていたのが京都ツール(株)の首振りラチェット式片口ショートメガネレンチというたいそう長い名前の道具だ。
http://ktc.jp/catalog/html/msr2s-08f~19f.php

 俺個人としては仕上げは梨地が好みで,理由は油手の場合には滑りづらいからだ。だがその一点を除けば便利な事この上ない道具で、あらゆるディティールが狭い場所での使用を考慮している。大きく上げればラチェット部分はギヤ数が72山で最小振り角が5°、板ラチェットレンチの1/4の振り角で作業が出来るのは助かる。また,スパナ部分はよく見るとヘッドの形状が絞り込まれていて良く見かける他社製のスパナのヘッドと比較して明らかに小さいのでこれも入り組んだ場所での作業には有利だろう。
 よく使うサイズを数本買って実戦投入してみた結果としては大変便利である。乗り込み用の道具箱からは大小併せて10本近くのレンチ類がお役御免となったが業務には全く支障はない。残念なのは対辺7ミリ(M4)サイズがない事だが造りから考えるに8ミリが強度を保てる限度なのかもしれない。ちょっと高いが久しぶりに誰にでもお薦めできそうな便利ツールだ。
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