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選択肢の如何を問わず・・・・(再掲) [同級生の再起にまつわる話]

 この記事は昨年12月12日に作成したものだが、当時は裁判所での調停を控えており,相手方から営業妨害のクレームがつく恐れがあったため一旦非公開としたものである。
 本日現在,相手方の同級生は調停調書をも反古にして工事代金の支払を滞納している。
モラルもルールも通用しないというのは最早まともな人間とは言えない。既に人間とさえ言えないある種の動物といった方がいいかもしれない。
こういうものを相手にするにはこちらもある種キチガイになり切らなければならないようだ。イヤな話だ。仕返しとか復讐の成就には達成感も充実感もなく,ただ虚無感しか残らないのはそういう時間が必然的に過程の中に挟み込まれてくるからだろう。
 金銭トラブルというのはある臨界点を超えると金の回収などよりも相手方をいかにして不幸な目に遭わせるかに重心が移動するものなのかもしれない。そんな意味で一旦は非公開にした記事を再掲する次第。
深夜のある時,帰宅途中の俺はあるコンビニに用事があって車を停めた。
コンビニの隣には3件長屋の飲食店貸店舗があり,そのうちの一件はこのブログで記事を書き続けている俺の同級生が今月6日にオープンさせたものだ。

 コンビニで買い物の用事を済ませた俺は,その新店舗を一つ見ておこうかという気になった。
既にどの店舗も営業を終えていて一棟丸ごと行灯は消えているし店内は真っ暗だ。
 国道に面した行灯は以前の店舗の屋号がそのままで,最初俺はその屋号を引き継いで奴が新店舗を始めたのだと思ったが,工事を通って店の玄関前に立つと以前の屋号ままの看板が掲げられており,店の前の行灯も以前の店から持ってきたものをそのまま使っているようだった。

 これは,奴が往来の行灯を作り替える金もない事を現していると考えるべきだろう。
先週,裏通りから通りすがりに一瞥すると以前の店舗から運んできたらしいワークテーブルが雨ざらしのまま玄関前に積んであった。オープン四日前の事だ。
 
 建家の造作は古ぼけていて,裏側から見ると大変貧乏くさい。きっと家賃も凄く安いのだろう。
玄関前には真冬の寒風に河豚料理ののぼりがはためいている。こんな貧乏臭い店で果たして河豚を食いたい客が一体どれだけいるのかが俺には疑問だったがそれはどうでも良い事だ。
 彼は左半身に障害があり,既に満足に河豚を引ける状態にない。それはきっと魚の卸元で引かれたものを仕入れていると考えるべきだろう。路面の看板もないあばら屋みたいな連売の中に練達の板前の営む和食店があり,そこでは極上の河豚料理が供されており顔なじみの金満常連客で賑わっているなどといった状況は今日日ファンタジーとしか言いようがない。そんな益体もない幻想にしがみついているからその男はどんどん落ちぶれていくのだ。

 俺は玄関の前に立って苦々しい気分になった。
 人の借金を塩漬けにし、嘘と暴言を吐きまくり、債権者に何の連絡もなくこっそり店を畳んでここに逃げてきたその男は言うまでもなくふざけた野郎であって何の罰も受けずにのうのうと暮らす事が許されて良いはずがない。
 被害者である俺は奴を罰する当事者としての立場を欲している一方,どこかでその無益さを虚しく思ってもおり、二つの極の間で揺れ動いている事は以前の記事で書いた通り。
 
 くだらない男だった。
 ガキの頃のその男の色々な振る舞いを俺は思い起こしていた。数え上げるときりがないのでここでそれをつまびらかにはしないが,最初の店舗の開業以来,男の同級生が彼の店の常連客として居着いた事はない。彼の店が同級生の集まりの場所として使われた事はない。店に客として現れる同級生とは殆ど必ず女性であり,偶然居合わせた事のある俺から見ると軽薄に馴れ合い,虚しくはしゃぎ回り,傍観者の俺からは時に女性の酔客から金の匂いを嗅ぎ取ろうとする卑しい根性が見え隠れした事もあった。
 
 考えようによっては,この男は既に罰を受けているさなかであって,悪あがきの真っ最中と見て取る事も出来る。市内の繁華街から郊外へ,そこでもうまくいかずに今度は隣町のボロ長屋へという推移は敗走の構図と見えなくもない。
 しかしだからといって俺は奴の現況に同情するつもりもないのだ。ここで俺は自分の眼力のなさを反省しなければならない。再起に賭けるこの男の思いに共感し,移転にあたって出来る事はしたがそれは間違いだった。その男にとって料理とは,調理師として身を立てていく事は目的ではなく手段に過ぎなかった事を俺は誤解していた。
 
 金も時間も無駄だった事を俺は受け入れるべきで,そもそもこの出来事から実利を得ようと考える資格はないのかもしれない。法的な解決などと一時的に思いはしたもののそれは債務者にとって一体どれほどの実効性を持つものなのかも今は疑わしい。
 立て付けの悪そうな玄関引き戸を眺めながら俺は自分の中で何かが萎えそうになるのを堪えた。
法的な権利である債務名義を得るまでにはまだ少し時間があり,そこから30日間、俺にはそれを行使する権利が与えられるが放棄する事も可能だ。

 ただ,いずれを選択するにせよ,適法違法はさておき,俺はこのうらぶれた居酒屋に債権者として乗り込み,クズの見本みたいな債務者と一度は対峙しておく必要がある。詐取に対して何ら悪びれる事もなく人前で俺を愚弄し,暴言を吐き散らかし,嘘八百を並べ立てて行き先も告げずに店を畳んで逃げ出したこの卑劣漢の面を今一度凝視しておく必要がある。

 少なくともその一点に於いて,俺が揺らぐ事はない。いつ,それを実行するか。

(追記)ネット上で奴の店舗についての紹介記事を発見した。借金や従業員に支払う給料を踏み倒して逃げた事をこの男は『新天地にて移転オープン』などと抜かしている。それはこの男のある人間性を大変良く表しているとは言えないか。 
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007

不正な言動が出来る人間は、精神もそれに対応出来る構造に成っています。
他人から不正を指摘されても何も感じていません、基より道徳感が欠落しています、例えば前職場の小生の後任者もそうでした。

しかしながら、注意深く診ていると不可解な部分を呈していることが分かります、例外なく・口が上手い・のが最大の特徴で、斜に構えた姿等にも現れています、、、表は温和を装い、裏で鉄砲を撃つ奴もいたりします、、、

一般的に晩年は不幸に成る場合が多いようです、、、罰が当たる等という非科学的な事象では無く、人間関係が正常に構築されない蓄積の結果であると思います。
by 007 (2012-12-12 19:25) 

くるみ

毎回この話題の記事は、とんでもない人が居るもんだと信じられない気持ちになりますm(__)m 『新天地』…これから切り開いていく新しい世界。だそうで。でも『天地』は上と下の意も。なのでその居酒屋さんの店主は『下の世界』への階段を降りて行く事になるのでは( ̄▽ ̄)? 行き着く所は相応しい世界かと…。
by くるみ (2012-12-13 00:46) 

ぴよんきち。

お店、確認しました。
北海道O市、セブンイレブンの隣で、
オリジナルメニューの居酒屋をやってるみたいですね。
若い女性客の感が凄いようです。
店主がそれなりの経験を積んでるだけに、
ファンの女の子も多いみたいですね。
ファンの人の文章を読めば、共依存の状態になってると思いますが
by ぴよんきち。 (2012-12-14 03:11) 

NO NAME

つーか、クリムゾンキングの鼻の穴の管理人さまは
屋根に登ってエアコン修理したり、
天井のランプを慌てて付け替えたり
善人の限りを尽くしているので、
身体的にあ大丈夫だとおもいますよ。

精神的に言うと
普通の人間は、「どうしても許せない人間を良心の呵責が全くなしに
「地獄の外まで落とす資格」を得る為に、普段は人に大して
全力で誠実に行きているんだと思います。

by NO NAME (2012-12-14 03:30) 

ぴよんきち。

>少なくともその一点に於いて,
>俺が揺らぐ事はない。いつ,それを実行するか。
ニコ生。またはニコニコ動絵
「巧」の店主とあなたは左手使わずに、
どっちが旨いメシを作れるか競い合う。
by ぴよんきち。 (2012-12-14 03:45) 

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