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スチームコンベクションオーブンのことなど [修理屋から見た厨房機材]

 スチームコンベクションオーブンはたいした普及ぶりだ。15年と少々前にこの機器が新製品として扱われ始めた頃は一体どんなことに活用して良いのか見当もつかなかったが、今ではちょっとまとまった調理量が予測される施設では当たり前のように原設計に組み入れられるし単品購入の問い合わせも増えた。
 これでホシザキあたりが自社製品を開発して販促に乗り出せば文字通り一件一台現象でも起きるんだろう。(使うんだか使わないんだかわからないような人たちまでもが押しまくりの営業に音を上げてリースの契約書にはんこをつく出来事を俺は勝手にこう名付けた)

 ところで昨日、プリンターのインクが切れたので近所のヤマダ電機にふらりと入ってみたのだが、なんとなく電子レンジのあるあたりを横切ったときに家電製品のスチームコンベクションがどえらい普及ぶりであることを知った。

 機能として業務用と全く変わらないのかどうかは勉強不足のため不明だが、驚くべきはその実売価格だ。これだけのものが実売価格5万円強というところが何と言っても凄いではないか。厨房屋の口車に乗せられてリースの契約書にはんこをつき、5年か6年支払いに拘束されている人たちのうち少なくとも3割くらいはこういう家電製品で事足りる人たちだろうと俺は見ている。しかし現実問題として、外食産業の現場で一万円くらいの電子レンジを見かけることはあっても家電メーカー製のスチームコンベクションを見ることはない。

 常々、外食産業のバイヤー達は本当に勉強不足のバカが多いと俺は思っているのだがきっと彼らの頭の中はオーブンレンジくらいで時計が止まっているのだろう。とにかく外へ出て何かを調べるということを面倒くさがる奴が多い。
 とにかく自分の仕事場でふんぞり返って、訪れる厨房屋の営業マンに揉み手と甘言令色で丸め込まれて契約書にはんこをつき、ろくすっぽ活用もしないでやれ経営が厳しいだの売り上げが上がらないだのとぼやく姿は正真正銘のバカだ。
 言い換えればこういう怠慢なバカ達のおかげで厨房屋の売り上げの結構な割合が形成されているということにもなる。

 翻って製造側だが、製造業の空洞化だとか何とか言われているがやはり日本の家電製造業界は凄い。家電製品を業務用として使用した場合、製品保証は無効となるがそれでも製品の品質は業務用機器など足元にも及ばないくらい高い。
 どこか一社でも良いが、家電メーカーが本腰を入れて業務用食品機械を製造するようになったら既存の厨房機器メーカーなどひとたまりもないはずなのだが現実にそういうことは起こっておらず、またその兆しもない。

 仮に家電メーカーの業務用への参入が本格化しても、おそらくそれは成功しない。したとしても現在の電子レンジやオーブントースターのように、施設がオープンしてから追加購入される単品アイテムの域を出ないだろうと俺は見ている。
 本来であれば優秀な製品を製造し、市場参入を果たすであろう家電メーカーの出鼻をくじいているのは皮肉なことに、粗悪品を乱造して裏道商売を続ける業務用メーカーに目隠しされ続けることを疑問にも不思議にも思わないバカなバイヤー達だとここでは断言しておく。


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