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何時に来られるの?(その3) [困った客]

 しばらくぶりに続きを書きます。

 時間の見通しが立ちにくい割に時間の約束を強いられることの不条理さを嘆くばかりでは何も改善されることはない。
 ここで頭を冷やしてみる。
そもそも、安易に大体何時にお伺いしますなどという約束をする私自身が迂闊なのだ、
実行の可能性が低い安請け合いをして、それが守れなかったばっかりに「時間にルーズな奴」というレッテルを貼られるのはなんだか心外ではありませぬか、と思い至った。というところで・・・

対策その1:午後からのオンコールに対しては時間単位での返答を避ける。
この時点ではもう、今日中に行けるか行けないか程度の精度でしかないくらい、予測不可能なスケジューリングとなっているのである。

対策その2:予測可能な場合でも、1時間程度は幅を持って回答する。
客先は、無人の施設にわざわざ出向いてくるケースは非常に少ない。ある時刻から時刻までは間違いなくその場所にいるのであるから何分単位までの約束をする必要はほとんどないと言っていいのだ。(事故の発生などは当然例外)

対策その3:回答が苦しい場合は嘘でもいいからとりあえず、先約の予定が入っていると答えておく。
こう言われてなおかつ、後回しにされることに不快感を表明するのは、その修理屋に対して余程上得意であるという自意識の持ち主であるか、さもなくば余程面の皮の厚いお客さんですな。結構な確率で渋々納得してもらえることを発見。

 もっとも、こんな対応を続けていると「時間にルーズな奴」のレッテルを免れることはできるかもしれないが、 代わりに「忙しそうでものを頼みにくい奴」というこれまたあんまり有り難くないレッテル貼りが待っている。
 どっちにしても都合通りに動いてくれなければマイナス評価なのだが、今の私としては相対評価として後者の方がまだ幾らかマシだと勝手に思いこんでいる。

 ここで応用編
 以前勤務していた会社の保守業務を、開業後請け負うようになったある時、元の勤務先宛にかかってきた修理依頼の取り次ぎをソリの合わない元上司が担当することになったのでした。
 この上司が実にもう、煮ても焼いても食えない輩で、リスクは全部他人におっかぶせるくせに、他人を踏み台にしていいところは全部独り占めでかっさらうという男の風上にも置けない(とは言ってもこういう奴って結構ありがちだけど)いや〜な奴だったのだ。
 この人物には、場面によっては良さとも悪さとも解釈できるある属性があった。というのは、身の回りで行うありとあらゆる行為に締め切りを設けたがるのである。○×の書類はいついつまでに、●●の報告をいついつまでに、一事が万事こんな具合で明け暮れていたのである。元来暢気者である私にとっては結構これが苦痛だったが、今考えれば生来のだらしなさを矯正してくれたという意味で、彼には感謝すべきなのだろう。私だって一片の感謝を忘れない程度には分別のある大人のつもりなんですよ!
 それはさておき、この人物が生来の奇妙な律儀さを修理の依頼元に対して何時何分に修理にお伺いさせて頂きます、みたいな対応をしまくって私は大いに閉口したのだ。
 それで私は先に書いたような言い逃れを繰り出して、修理の仕事は時間の予測が立てにくい点を考慮して依頼元に対応して頂きたい旨懇願し、曖昧な返答をするようになった。そうすると今度は「大体でいいから何時になるか今回答せい」ときたもんだ。大体なんていう回答にいったいどれだけ誠意が反映されているのかと私は疑問を持ったのですな。それで、「あなたのいう大体というのは俺の言った時刻に対してプラスマイナスでどれくらいの誤差を配慮してくれているのか?」と切り返してみるとものの見事に彼は逆ギレしてしまった(汗) 

 幸いなことに、こんな不遜な振る舞いに及んでさえ、私と元の勤務先との取引関係は継続されている。何とも有り難いことに私は仕事を干されずに済んでいるのである。しかしこれは、修理依頼の取り次ぎをしていた元上司が寛大だったからでも私がその不遜さを補って余りあるだけの有能な修理屋だったからでもない。
 単に、この商売、厨房機器の修理屋なんていう仕事は不人気でなり手がいないので
私程度の技量の者でさえこういう、ある意味理不尽な尊大さを看過してもらえているに過ぎないというのが実情なのである。やれやれ。


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