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ついに女性サービスマン登場 [日記、雑感]

 このタイトルにはいい加減なところがある。
女性であるならサービスウーマンではないのかというご指摘はあるのかも知れんがお許しを。  

 昨年終わり頃のこと,用事があってホシザキの営業所に立ち寄ると丁度サービスチーフ殿の運転する社用車が出先から事務所に戻ってきたところだった。
 
 車の助手席には同乗者がおり二人一緒に降りてきた様子を見るとそれは小柄な体格の人物で,真新しい作業着からしていかにも新入りらしく見えたのだが,こういう体つきでは先々色々と苦労があるのではないかと俺は余計な心配をしたりもした。
 それで用件を済ませ、ホシザキの社員たちと少しの間立ち話の雑談に興じたわけだがこのとき俺はふとさっきの小柄な体格の人物に眼がいってたまげた。

 なんとその人物は女性ではないか。
一体全体どういうわけで女性が菜っ葉服を着ておるのか。

 いつごろからだったのか良く覚えていないが、ホシザキが間接部門以外で女性社員を採用するようになったという風聞を耳にしたことはある。 
 それは職種としてはおそらく営業職ではないかと俺は想像した。ただし、ホシザキ名物の雑居ビルが密集する繁華街での飛び込みセールスとかではなく、例えばショールームでの接客とか展示会やデモクッキングのイベント要員とかいったソフトにしてライトな業務に従事する人たちではなかろうかと考えた。
 俺は別段、男尊女卑とかいう考えは持っていないつもりであるが、自分が見てきた地方営業所での営業職の日常業務は一般的な女性にとって、とてもじゃないが我慢しきれるものではなかろうと思う。但し、上記のような業務内容であればまあ新卒女子であってもあまり心理的な抵抗感やストレスに見舞われることなくお仕事を続けられるのではないか。

 何せ、男女雇用機会均等法という法制度があるとは言え、ホシザキという俺の経験からすればまるで軍隊か新興宗教みたいな社風の会社がこの業界ではいち早くこういう雇用形態に取り組んだことに驚いたり感心したのは確かだ。

 ところで、俺の経験する限りだが厨房屋の業界は大都市の支店くらいのスケールであっても営業職が菜っ葉服にヘルメット、安全靴に軍手で納品現場に出ることは珍しくない。人手不足やら予算不足やらで営業職だからといって年がら年中スーツ姿でスマートなお仕事に終始させてもらえるほどこの業界は寛容じゃないのだ。もっと事実に近い言い方をするなら、人使いが荒い。
 だから俺は冒頭見かけた菜っ葉服姿の女性社員はきっと本来営業職であって、社内研修の一環としてたまたまサービスチーフと一日同行して修理屋の業務実態や稼動中の得意先の設備を見学するために作業着を着ていたのだろうとばかり思っていた。
 しかしサービスチーフや営業所長の話を伺うに何と、彼女は技術職として採用されたのだというではないか。これには本当にぶったまげた。昨年最も驚いたのがこれだと言ってもいいくらい驚いた。

 要件を済ませてホシザキの事務所を出てから俺はあれこれ考えた。
 まず第一に、ホシザキという会社は一体いつからこんな時代の風潮をスマートに反映するカルチャーになったのか。俺の知っているホシザキという会社はおよそ洗練とはほど遠い、何とも泥臭くて脂っこい、もろに体育会的体質だったはずなのだが。事務員以外には女子社員など不要というのがホシザキではなかったか。
 更に、というかそれよりも、一体女性に修理屋が勤まるものなのかという疑問が俺の中ではどうしても解けなかった。
 重ねて書くが俺は男尊女卑の考えを持つ者ではない。それどころか思考力や得意先とのコミュニケーション能力の問題であれば特に性別上の差はないとさえ考えているくらいだ。
 単純明快にそれはフィジカルな問題として女性に修理屋は勤まるものかという点に俺の疑問は集約される。この稼業は結構馬力勝負の場面があるからだ。

 しかしここ10年くらいの俺自身の仕事を顧みると、馬力勝負の場面は段々減ってきているのも事実だ。配管でいえばパイプレンチを持ち出す場面は段々減ってきているし、電気配線でも被覆電線をペンチで剥いて端子をカシメる作業は減ってあっけなくプラグインさせる構造とかが増えた。電動工具は小型ハイパワー化が進み、修理の場面でも活用頻度が上がってきているし、大体、ボルトやナットにしても対辺17mm以上のサイズ(M10以上)のものを扱う機会はこれまた確実に減ってきている。それはつまり,機器を開発する側があまり筋力を酷使しなくても済むような,言い換えれば普通の女性程度の筋力やリーチでもいじれるような機構設計を志向するようになりつつあるということではないのか。

 そうなってみると、女子が機械の修理をすることへの疑問や懸念は杞憂であって,それどころか俺自身が過去の人になりつつあるのではないかという,何というか寂寥感のようなものに捕われるのは事実だ。
 漠然とだが,厨房機材の修理業務に女性が携わる流れはこれから加速していきそうに思う。今から20年以上前にダンプカーや建設機器の運転に女性が従事することを予測していた人はごく少なかったと思うが今となっては全く珍しくない光景だし、スーツを着込んだ外回りの営業職は保険の外交くらいしか意識していなかったのに今では色々な業界にそういう女性がおり,むしろそれはごく普通の見え方になっている。

 女性の従事者が増えていくことでこの稼業にどういう変化が起こりそうなのかが今の俺には見えていないが、
こうして所謂現業職に女性が増えてきた背景というのはつまり,それまでは電卓を叩く手計算だったり1台のオフコンに何人もがぶら下がってきた事務職が安いパソコンが大量に出回り、表計算アプリの定型フォーマットで升目に数字を打ち込んでいくだけで一般社員が難なく事務計算をこなせるようになったり,小売店鋪はチェーン店の大型店舗や通販が販路を拡大する過程で店舗スタッフが少人数化,あるいは不要になっていった状況の推移の反映ではないだろうか。
 要するに,そういう働き口が減少したり消失することで女性の就職先も新たに作り出すことをこの社会は余儀なくされているわけだ。
 しかしまあ,デフレがどんどん進み,所得はどんどん落ち込み,年金制度は破綻が見え見えで,何だかんだ胡散臭い理由付けをしてやれ扶養控除は廃止するとか何とか,とどのつまり日本国の成人は男女の別を問わずつべこべ言わずに黙って身体をすり減らして死ぬ迄働き続けろ,税金を納め続けろと。働いて,テレビを見て,ジャンクフードを食って酒を飲んで車を買って35年ローンで家を建ててその中でせっせとセックスしてガキを作って新たな納税者をどんどん増やせと、この国の政府が大多数の国民に望んでいるのはそういう生き方であるらしい。
 
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007

小生の付き合いのあるリフォーム会社に、シャッター(電動、手動、サッシ)屋の女子社員がいます、、、
トラックには、ボッシュのハンマードリル、マキタのインパクトドライバーなどが無造作に並んでます、、、

ばりばりの体育系で、筋肉もりもり、女子プロレスラー風で頼れる風体です。

H崎は、修理可能でも少し古いと買い替えを推進してるらしく、最早面倒な修理より即利益がでる販売を重視してるみたいですが、。
by 007 (2015-01-26 04:43) 

63H

ダイキンにも女性サービスマンが二人いるようです。
ダイキンなので強力店の娘だと思うのですが、
その一人と研修所で一緒になりました。
PACのコンプ交換やビルマルもやっているみたいでした。
冷媒回収の手際のよさは私なんか足元にも及ばない感じでしたw

その人は007さんが書いたような体育会系ではなく、
普通の女性でした。女女はしてませんでしたが。
by 63H (2015-01-26 08:32) 

49C

建設現場にも図面片手にやってくる女性代理人や腰袋下げて幹線引っ張っている電工女子なんかもう10も前から見かけるよ
おかけで昔のように現場で怒鳴り声が飛び交う何て事は少なくなったな
by 49C (2015-01-26 21:31) 

厨房二年目

ふと見てみたら最近また更新されてるんですね。前に長文のコメントを残した者ですが、厨房業界からは足を洗いました。

記事の事ですが、某大手のガス会社の新卒女子が自社のイベントにスーツできたんですが話を聞くと営業ではなくサービス・メンテ職でした。自分も目を疑って「作業着着るんですか?実際厨房に入るの?」と聞いたら答えはyes
今は男性社員と同行して日々技術をつけてるとのことでした。
書かれているように、修理作業は例えば間口2000の3口レンジを持ち上げることもあれば、汚い脂まみれの床を這いつくばらなきゃいけない時もあるし、女性には馬力的な意味できつい仕事であると思います。

またとある厨房屋の女性社員は営業職なんですが、ゼネコン現場にバリバリ出ているとのことでした。ヘルメット、安全靴、安全帯、軍手、スケール、カッターはすべて常備していたと思われます。
自分も割と規模がでかい営業所にいましたが、営業はもう半分「設備屋」でしたね。車の中はサンダー、インパクト、ジャバラホース、耐震金具、青ビ等々  車の後方がそれらで覆いかぶさっていて運転時正直とても危険でした。(1人に1台なく先輩の車のため)

違う記事にも書かれていますが、業界的に午前・深夜納品は当たり前。
コーキングも自前で当たり前、つかの間の休みに携帯着信も当たり前
ほんと業界の闇というか、悪循環というか 
厨房屋はとある所を除いて社員の幸福なんて考えてないんでしょう

さらには厨房の多様化(オールIH、涼厨の取り入れ、複雑な調理提供携帯(クックチル、クックサーブ等)によりお客さんのクオリティは年々高まる一方で、我々は人の出入りを繰り返し、結局搬入も撤去も設備も人の手でやるわけですから益々大変な方向に・・・。
学校と病院はまだましだと思いますが、営業的には一度キチ○イ栄養士に関われば、配膳カートの温度が一定にならないなど吠えられましたね。

まあ私は手を切れてよかっと思ってますが、今後このしょうもない業界を目にいれつつ、過ごそうと思ってます。
このブログは率直な意見、思いが書かれていますので、とても想像しやすいですし、気になった記事にはコメントさせて頂きたいと思っております。
長文失礼しました。


by 厨房二年目 (2015-01-27 00:17) 

くるみ

男性の職場と思ってた場所で働く女性は格好良く見えます。目にするのが多いのは工事現場です。今は厨房で働く女性も珍しくなくなり 私としては嬉しい流れです。とは言っても身体の作りも違い 力仕事ではあるので 人一倍の根性は必須ですσ( ̄∇ ̄ )。男性に勝とうとは思いませんが「女だからな~」と言われるのは悔しいです(笑)。
by くるみ (2015-01-28 12:12) 

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