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三洋電機製品に於けるある種の傾向 [含蓄まがいの無用な知識]

 とある学校給食センターでプレハブ冷凍庫修理があって現調に出向いたのは一昨日。
冷えない原因は冷媒のリークで,混合冷媒のR-404Aであるため低圧側からスローリークが発生した場合などは比重の小さな冷媒が先に抜けてしまい,混合比率が変わるため圧力ゲージでそこそこの運転圧力を示してはいても現実には大して冷えないという現象が起きる。

 当然ながら中途半端に冷媒が配管内に残っていても、足し増しを行うと正規の特性が出ない。冷蔵庫のように保管温度が高ければまだ何とか使って使えないこともないが冷凍庫のように蒸発温度が-30℃近辺での運転では無理だ。
 だからといって冷蔵庫としての用途であれば足し増しをしてもいいということでは決してない。残存分は全て回収し,新規にチャージするのが筋だ。

 冷機器の修理を行う以上,ガス漏れの補修と無縁ではいられない。
漏れ方は当然ながら千差万別で,一目瞭然のときも数日かかるときもある。だからこの手の修繕は事前の修繕費の予測が大変立てにくい。
 
 今回の修繕については室外冷凍機の低圧側サービスポートからのスローリークであり,冒頭書いたように一見正常な運転圧力を示しながらも現実には冷えないという事象がここで起こった。
 ここである種,矛盾と言うか不条理と言うか,運転圧力を測るためにゲージホースを接続するその個所からリークが発生していると漏れているその状態が表面化しない。圧力を測るために接続されているゲージホースが漏れ箇所を塞ぐ。皮肉なもんだぜ。

参考画像は全てネット上で拾ったものであり,本文とは直接関係はない。
inst037_b.jpg
室外冷凍機にゲージホースを接続しているところ。

2010050410440355e.jpg
サービスポート接続口を正面から見る。中心部にバルブコアがねじ込まれている。

 バルブコアというのは要するに虫ゴムで,タイヤチューブに使われていたりするものと同じ理屈である。
blog222.jpg
 左側に飛び出しているのはスライドするピンであり,内部のスプリングによって普段は塞がっており,虫押しのついたホースを接続されることで開く。バルブボディには雌ねじが切られており,サービスポートにねじ込まれるのが納まりの状態だ。

 シールするためのゴムやシリコンに傷がついたり,バルブコアの取付け状態が緩むとガス漏れとなるわけだが,俺の経験則として何故かこれが起きるのは決まって三洋の製品なのだ。
 サービスポートというのは冷機器メーカーが内作するパーツではないのに何故か他のメーカー製品では今のところこれに遭遇した経験が俺にはない。
 俺なりの想像としては,製造段階に於いて生産性を上げるために一旦バルブコアを抜き取った上で冷媒を封入しており,その後工程としてバルブコアを取付ける際のトルク管理に問題があるのではないだろうか。日頃,補修パーツとして後付けのサービスポートはよく購入するがこれまで漏れた経験が俺にはまだない。
 また,これは三洋電機の名誉のために補足しておくが三洋の製品でこれ以外の漏れ箇所をこれまで俺はあまり多く見ていない。何だか妙に思う。
タグ:冷媒漏れ
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くるみ

液体、気体、電流…目で見えない、解らない物質を見極めるのは本当に凄い!!と思います。お医者様でいうと 外科より内科or精神神経科ですね(^-^)b(最終的には外科ですね?) 私は食に携わりながらも 入ってる調味料はまだまた全部 言い当てる事が出来ない未熟者ですm(__)m。
by くるみ (2014-06-05 11:48) 

007

・・・この記事深いわ!、、、
と、一言での印象です。。。
by 007 (2014-06-05 16:35) 

あき

とある厨房メーカーのサービスマン、あきと申します

大変、興味深い記事ばかりで参考になります
今はスマホから拝見してますが、今週末パソコンから読破したいと思います

今後も宜しくお願いいたします
by あき (2014-06-06 16:57) 

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