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お釣りくれよ! [日記、雑感]

 前日の出来事について補足しておく。
記事名:新規開店のツールショップにてガチで凹む
記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2014-05-03

 帰宅してからの俺は腹立ちまぎれに上記のような記事を垂れ流したわけだが、夕食を済ませて家でゴロゴロしていると午後9時近くになって携帯電話が鳴り、見慣れない番号が表示されていた。
 電話をとると日中寄ってみたしょうもない工具専門店からで、声の主は店舗スタッフのお姉ちゃんからだったのだ。

 釣り銭を渡し忘れたのでお届けしたいとの事で、わざわざ来宅して頂くには及ばず、自分は明日、そちら方面に用事があるので受け取りに寄らせてもらうと答えておいた。
 電話を切ってから自分の侘しい財布を覗いてみると、ざっと考えて6千円くらいの金が確かに足りない。4千幾らかの買い物をして百円以下の単位は持ち合わせていた小銭で払ったので渡したお金は1万と幾らかであり、確かに辻褄が合う。

 貧乏人の俺にとって6千円の金は決して無視できるものではない。あるとないでは大違いだ。そんな釣り銭を受け取っていない事を忘れていた俺が筋金入りの大馬鹿者である事は認めよう。
 しかしだ、思い返してみるに俺は会計を済ませてから幾らかの間その店でカタログなんぞを眺めて滞在していたのだからその間に釣り銭を受け取っていてもいいはずではないのか。
 そもそも、俺はレジで会計を済ます時に領収書を切ってもらっているのだ。通常一般、領収書と一緒に釣り銭を渡すものではないのか。

 俺の妄想は悪意を孕んで膨れ上がった。
 あの、顔色の良くないツナギの男の面付きを思い出して段々頭に血が上ってきた。
 ただでさえ、びた一文の値引きもなしに、しかも全額先払いでごくありふれたKokenのソケットを俺は買っているのだ。それでおつりを受け取っていない事を忘れているとは自分の間抜けさ加減がつくづく情けない。
 それはそれとして、あの店のツナギの男はどうして領収書と一緒におつりをくれなかったのかを想像してみると、実のところ、あいつは最初っからああやって釣り銭を誤摩化す気でいたのではないのかという気がし始めてきたのだ。

 こういう成り行きだから余計そう思えるのだろうが、見るからに屁生狡そうな野郎だった。
あいつは俺の釣り銭を誤摩化してから、後日俺が注文したソケットを受け取りに来る時までにその事を思い出して騒ぎ立てる可能性に気付いて慌てて連絡を寄越したのではないのか。
 大体、俺が会計を済ませる時にレジを打っていたのはあの野郎ではないか。それで、過失か故意かはさておくとしても尻拭いを立場の低そうな姉ちゃんに押し付けるとはどういう了見なのかと俺は余計頭に来た。

 ふざけた野郎だ。

 おつりは明日貰えるのだからその事自体はいいにしても、あの顔色の悪いツナギ野郎には何か一言言ってやりたい気分を抱えて俺は寝た。

 それで今日、俺は宅配便の荷物の引き取りがてら不愉快なその工具専門店に立ち寄った。
奥から出てきたのは昨日の顔色の悪い男ではない、無精髭を生やしたやはりツナギの男で外見上はごく実直で朴訥な人物に見えた。
 彼は俺がその本人である事を確かめた上でレジからおつりの入った封筒を取り出し、昨日の手違いを平身低頭して詫びた。
 彼の語るところに寄れば、昨日レジを締めて売り上げを精算してみたところ中のお金が6千円多い事が発覚し、店内の防犯カメラで来客をチェックしたところ社長なる人物が俺の姿を見て自分が6千円のおつりを渡す事を忘れていた事を思い出したのだそうだ。

 ここには二つ、驚くべき事実が含まれている。
一つは、俺が出かけたのは午後3時かそこらであったはずだが、その人物は閉店まで俺に釣り銭を渡していない事に気付かずにいたという事だ。そうだとすれば彼はどうしようもないボンクラだろう。商品を注文した時に俺は連絡先として自分の携帯電話の番号を伝えているのだからもっと早い時点で気付き、すぐさま俺の携帯に連絡を寄越すのが良くある対応だと俺は思うぞ。重箱の隅をつつき回すようなあら探しを俺は好まないが、あの野郎は確信犯であり、時間が経つに連れて良心の呵責が募ってきたから渋々電話をかけさせたのではないかという疑念がどうも払拭できない。
 そして二つ目、あの顔色の良くないツナギの男がこの工具専門店の社長であったという事に俺は驚倒した。だらしない性格について俺は人後に落ちないし年中貧乏でもあるが、仕事の区切りがついてもいないうちから代価の支払を求めたり代金を受け取ってからおつりを渡し忘れたなどという事はまだやらかしていない。そのお店の商売がどれくらい長続きするのかは知らないがとにかく、あんなてきとうな野郎でも社長を名乗って店を構える事ができる程度にはまだこの世間は手ぬるいのだ。

 今日カウンターに現れた人物には結構好感を持ちながらも、俺はこの先この店を利用する事はないだろうと内心醒めた気分でいた。利用する理由がこれほどまでに乏しいお店というのは初めてのように思う。乏しいというよりもないと言った方が正しい。店内を改めて見渡してみると本当に欲しいものがない。ふと考えたのだが、工具というのは俺のような設備機器の修繕業者と自動車整備工では見方や捉え方が違っているのかもしれない。それを酷使し、消耗させる度合いは明らかに後者の方が強いだろうから彼らにとっては結構日常的でお手軽な買い物なのかもしれず、お金のやり取りにしても丼勘定だったりしがちなのかもしれない。

 今回の事は大変申し訳ありませんが以後気をつけますので何かありましたらよろしくお願いいたします、と、社員である彼は丁寧な調子で俺に詫びた。それを聞き流しながら店内の一角にふと目をやるとそこには俺が昨日買ったパーツクリーナーがあった。

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 昨日俺は,ドライタイプのパーツクリーナーはブランドにこだわらなければホームセンターでは200円くらいで売っているものだと書いた。上記リンクのAmazon.comでの売価は400円弱だが俺は昨日同じ商品を半額と言う触れ込みで290円で買った。それが今日,値札を見ると190円となっている。俺の指値はしかるべき根拠に基づいている事をここで証明できたかとは思うが,一日で売値がいきなり百円下がるとはどういう事なのか。

 俺がそのうちの一本を手に取って,自分の購入価を告げるとその従業員は口をぱくぱくさせてしどろもどろになった。
 今から値引きして返金しろなどと言うつもりはないと俺は彼に伝えると少し安心した風ではあったので俺は切り上げる事にした。
 顔色の悪いツナギ男の社長はともかく、彼個人に常識は備わっていそうに見えた。もう一人の従業員である姉ちゃんも恐らく同様だろう。しかしその店舗総体の流儀は俺にとって実に違和感の大きいものだった組織だったものというのは,それがたったの三人程度のスケールでもなんというか、狂気性を帯びるもんだなというのは結論としては大袈裟過ぎるのだろうがキチガイ菌は伝染するというかねてからの俺の持論はここでも確認できた気がする。それが今回の出来事の唯一の収穫ではないのか。4千何がしかの金を使ったにしては余りに虚しい収穫だが。
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コメント 4

くるみ

お釣りを貰っていない事に気付かないとゆう事は…その時点で余程の怒り、不信感が溢れていたのですね!! そのお店、社長さんも胡散臭いけど裏にはもっと胡散臭い黒幕が存在してそうですね。その筋の方の税金対策や小遣い程度の資金稼ぎとか。または全然畑違いの企業が素人の分野に手を出したとか。何故か気になり想像が膨らみます^^;。一応、ダミーじゃない本物の防犯カメラは設置してるのですね(笑)
by くるみ (2014-05-05 15:46) 

HarryTuttle

くるみ様,いつもコメント有り難うございます。
ご指摘の通り,自分では極力冷静さを保っていたつもりで今したが考えてみると結構カリカリ来ていたのでしょうね。

 色々思い出してみるに,不自然なところの多いお店でした。新規開業のはずなのに埃をかぶって色あせたパッケージのカタログ落ちした製品が堂々と定価販売されていたり,製品カタログが一冊ずつしかなかったり・・・・怪しいですね,確かに。
by HarryTuttle (2014-05-05 23:48) 

007

ますます怪しいですね、、、察知?のようですね、、、
”君子危うきに近寄らず!”で行(生)きましょう!。。。
by 007 (2014-05-06 16:50) 

HarryTuttle

007様,いつもコメント有り難うございます。
正直なところ,注文した商品が果たして普通に届くのかも疑問です。
4千円で済んだだけまだマシと思える展開はあり得ます。
しかしまあ,こんな話は普段取引のある問屋には恥ずかしくて出来ません。
by HarryTuttle (2014-05-07 12:04) 

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