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Full Metal Jacket [日記、雑感]

 数日前にあげた記事名,ワタミの裁判で思う事(伝搬するキチガイ菌)記事URL:http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2014-03-28
で大変印象深いコメントを頂いた。ある意味,俺はこのブログを始めて以来こういうコメントをこそ待ち望んでいたのではないだろうか。

 返事をコメント欄に書き込むには長くなり過ぎるのと、その内容はコメント欄ではなく一つの記事として扱わせて頂きたいと俺は考えた。その方が多くの方に見て頂けそうに思えたからだ。コメントを頂いたどなたかに対して記事を書くのはこのブログの開設以来初めてだと思う。

 ご本人の承諾は頂いたつもりに俺はなっているので,以下,全文を掲載する。
初めまして。今厨房機器業界で新卒から働いてちょうど1年が立ちました。 今の仕事に嫌気がさしてぽちぽちと検索したらこのようなブログが。ブロガーの方はいわゆる「外注さん」(個人で機器の修理をする方?)という認識でよろしいでしょうか?

 うちでは外食チェーン、病院、老健、ホテル等様々な取引先ありますが、中でも外食チェーンは結構柱だったりします。会社の売上の核となるだけに、チェーン店の新規一式や改装でも荒利15%なんてとれていれば全然いい方です。
機器の運搬・搬入も本来深夜やるならば割増をしなければならないですが、仮に見積もりでそう謳っても、かなりの出精値引きをかけてあげたり。
 とにかく我々厨房屋が低姿勢でいかないことには受注が取れないのが現状です。 余談ですが、私自身この業界の裏側をよく知らずに入ってしまいました。ホテルや病院の「食」に携われる、食を通じて人々の役に立てる。そんなイメージしか抱いていませんでした。しかしながらいざ厨房に入れば鼻にまとわりつく酸化した油の匂い、汚い、熱い  なのに厨房に入る際はこちらが帽子を被って髪が落ちないように気を遣わないといけない。
 私は営業ですが、ただ製品を売ればいいかというと違う。ガスの接続1つとってもお客さんにお願いするのか、こちらが手配するのか 排水はどうするのか? 汚い床を這いつくばって配管が邪魔してないか見ないといけない。 いざスパゲティ釜を入れたら元の排水経が小さくてジャバラホースが入らないなどなど多々ありました。
 もっと苦痛なのが建築関係の方々と仕事しなければいけないこと。病院の厨房1つやるにしても設計事務所、ゼネコン、内装屋、設備屋等々色々なところと打ち合わせ(定例会議)しなければならない。鳴り響くドリルや工事現場で墨出しや打ち合わせをしなければならない。個人的に煙草吸わないしそういう方々は基本的にたばこやギャンブル好きで話も全く合いませんでした
 そして何より労働時間と給料が全く釣り合わない。4月にもらった労働表?(給料体系とか書かれている紙)見てその段階で唖然としました。基本給がまずとんでもなく低く、残業手当は営業手当の中に含まれているということ。また土日は会社のカレンダーで基本的に休みですが、土日出ようが個人の勝手ともとれる内容が書いてありました。土日出たら代休が申請できますが、無茶な予算があるため実質使えません。有給も然り。もちろん夜現(深夜現場)出ても、朝普通に出社しなければなりません。営業だけど普通に重さ150キロを超える4ドア冷凍冷蔵庫のカウンター越えとかしなければならないときもあります。私自身体重も60キロなく、握力も極端にないため、運搬の兄ちゃんから怒号を浴びせらることもしばしばあり苦痛です。

 この業界のスタイルは昔からこのスタイルでしょうし、今後もこのように細々と続いていくでしょう。私はこのままいけば体と精神病むこと間違いないと自分でわかっていますのでもう辞めるつもりです。
 「とにかく報われない」 これが私が1年間ですが厨房業界で働いてみてのだらだらとした感想です。いきなり長文失礼しました。

 入社一年目にして新築現場の打ち合わせに出されるとはその会社はまあ何とも人使いが荒いのかそれともよっぽど人材が枯渇しているのかわからんが酷い話だ。
 俺はこのコメントをくださった方の来歴や出自は勿論わからないが、恐らく工業系の学部なり学科の履修者ではなさそうに思っている。そうだとするとほんとにこれは会社の定見を疑われるような人材配置で,無茶苦茶としか言いようがない。

 しかしだ。この業界は頭のてっぺんから尻尾まで全てが無茶苦茶なのだ。そういう世界なのだ。

 グリーンボーイの頃に職場では虫けらのように扱われて惨めな思いの日々を過ごすのは誰しも経験する時間であり,俺も例外ではない。職何も業界にもうんざり来る事はあったし,いまだに馴染めない。
 だから俺はここでこの方を取り上げて(今日日の若いもんは・・・)などという紋切り型の上から目線でものを言いたくはない。

 ここで俺は若い頃見たある映画の事を思い出した。
最初の職場を辞めてから2年間くらいの間,俺はフリーターのような時期を過ごしていた。有り合わせの商売道具を安物の工具箱に詰め込んで市内の厨房屋からスポットで修理業務や搬入現場施工を請け負うその日暮らしのてきとうな日々を過ごしていた時期に見たある映画の事に触れておきたい。

お題はこれだ。
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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

 会社勤め,特にブラック企業だったり色々な不条理がまかり通る職場て働いている事にストレスを感じている方には是非一度見て頂きたい。
 長くなりそうなので俺の所感を次の記事で述べておきたい。個人が組織に組み入れられるという事は多かれ少なかれここで描かれるような世界に同化する事を迫られる。それがモチーフであるように俺は捉えている。
続きは次回記事で。

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くるみ

私も その方のコメントを拝見した時に胸が痛くなり涙が出そうでした。他の業界は解りませんが飲食業界は特に…。私は調理ですが、 夢はすぐに玉砕され(若かった頃です) 好きな事は仕事にしない方が良いのかもと。世の中が解ってきて、修行とは言えないいじめが多いし 募集の謳い文句は嘘ばかり!? まだ労働に値する報酬があれば 浮かばれますよね。労働基準法が通用しない世界ですね…。
by くるみ (2014-04-09 00:15) 

HarryTuttle

 くるみ様,いつもコメント有り難うございます。
 彼の境遇には同情すべき点が多々ありますが,この業界の中にあっては決して珍しい話ではありません。
 一つの会社で40年以上を勤め上げて定年退職という話を殆ど聞きません。良くも悪くもこの業界はまだ若いのです。

 雇用する側の就労環境も企業体質も酷いものですが,『食文化』などという上っ面の美辞麗句を鵜呑みにしてこの世界に入ってくる新卒者の見込みの甘さにも問題がないわけではないと私は考えています。
 テレビやマンガで描かれるような調理師の世界が現実にそこら辺にあると思っているのだとすればそれは明らかに誤っています。
 
 思い違いから誤って踏み込んでしまった世界でその先どうするかについて考えてみるのも人生にあっては意義のある時間だと思います。
by HarryTuttle (2014-04-09 10:31) 

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