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恐るべき飛行体 2 [含蓄まがいの無用な知識]

 前回記事の中でプロパンガスのボンベに引火して空を飛んだらしいという伝聞(引火による事故があり,警察や消防が出動した事実は確かにあった)について書いたところ,専従の方から貴重なコメントを頂き、改めてガスボンベについてあれこれと考える機会を頂いた。

 無責任に伝聞を書き連ねることで要らぬ誤解を招いているとすれば申し訳ない。

 だからというわけではないがもう一つ,ガスボンベが宙を飛んだ話をもう一つ書いておく。但しこちらは燃料ではなく冷媒,フロンガスのサービス缶だが。
 
 従来からあるような再充填可能なボンベは勿論のこと,ここ10年かそこらで出回り始めた使い切りのボンベにも内圧が上がり過ぎた場合の安全措置は取られており,ハンダのような合金にピンホールが発生して容器内のガスを放出する仕組みがある。

新冷媒 フロンガス R410a NRC容器入り10kg MDF

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 しかし小容量の、所謂サービス缶には特に圧力上昇の保護機能はない。周囲温度が40℃以上になるようなところには置いておかないように,という約束事を律儀に守るに尽きる。

フロンガス R22 サービス缶500g エアコンガス フレオロンガス

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 ではその約束事を守らすにいると何が起きるか,というのがここでの本題。
数年前,炎天下の真夏のこと,現場仕事で一区切りついて撤収に取りかかり、荷物を抱えて駐車場に引き返してたところ,仕事仲間である冷凍機屋の某氏の1ボックスワゴンのリアウィンドウが無惨に割れていた。某氏はたちの悪いいたずらかと大いにいきり立ったのだがよく見るとリアウィンドウの破片は車外に落ちているだけで車内にはなく,どうも通りすがりの不埒な輩が叩き割ったのではなさそうなので首をひねった。

 ガラスの割れた原因は割合簡単に判明した。
車から数メートル離れたところにフロンガスのサービス缶が落ちているのが見つかった。中身はからで,底部分のかしめた部分がめくれ上がったように裂けている。炎天下の車中で周囲温度が物凄く上がったので車内に放置されて内圧の上がり過ぎたサービス缶はシール部分が裂けてロケット弾と化し、リアウィンドウを突き破って車外に飛び出したわけだ。
 某氏が車両保険に入っていたかどうかは不明だが,自分の不注意を後悔するしかないのは間違いないところだ。しかしその後,雑談の最中に少々恐ろしく思えたのだが,もしも幾つもの偶然が重なってこの物体が荷室から運転席に向かって飛んできて頭部を直撃したらどうなるのか。

 俺自身は大変ずぼらで整理整頓が苦手なたちなのだが,この場面を目の当たりにして以後,夏の間は冷媒のサービス缶はむき出しのまま車内に置かないようになった。別の不注意によって自分の車のリアウィンドウを割ったことがあり,その時の修理代が貧乏自営業の俺にとっては結構こたえたので金の被害が発生しそうな場面では珍しく用心深くなる。
タグ:フロンガス
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くるみ

簡素な作り程、恐ろしいのですね!! 様々な物の注意書きは見落としがちですが守らなきゃなりませんね。車内に放置した100円ライターが引火した事件はニュースであったような…。それにしても思いがけない出来事は恐ろしいです。ただ道を歩いてただけで何かが飛んで来てあの世行き…運が悪いのか 確率的に運が良い?のか解りませんね(^^;。
by くるみ (2013-10-20 22:37) 

HarryTuttle

くるみ様,いつもコメント有り難うございます。
 液体が瞬時に蒸発する,というのはかくも獰猛なエネルギーの発散となるわけです。
 これを逆に見立てると,調理加熱機器でも蒸気加熱機器の立ち上がりはガスや電気だと足元にも及びません。

 フロンガスは不燃性ですから引火や爆発の心配はありませんが,カセットコンロのカートリッジなどは炎天下での車内放置は厳禁です。何を今さらの話ではありますが。
by HarryTuttle (2013-10-21 20:50) 

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