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自衛隊の電話に関する奇妙な出来事 [お仕事上のぼやき]

 午前中に駆け込みの修理依頼があり,陸上自衛隊の某分屯地糧食班がその現場とのことだった。本日中に修理訪問してもらいたいと依頼主は希望する。

 予定は押し気味なので訪問時間を確約できない,と俺は予防線を張った。当然のことだが。
いつもおんなじことを,これは何万回でも書くが修理屋は宅配ピザ屋じゃねえんだ。取りかかる前から所要時間の読めている修理など幾らもない。そんな用事が一日複数件あれば終盤の訪問予定時刻など読めたものではない。
 これについては書いているうちにだんだん頭に来てとりとめがなくなるのでここではこれ以上書かないが,恐らく夕方,午後5時過ぎのどこか、と答えておいた。

 分屯地は山奥にあり,俺はこれまで一度も訪問したことがない。道を間違ったりして時間を食うと困るので以来元には訪問先の電話番号を聞き出しておいた。
 それで夕方、案の定土地勘のない俺は道順を教えてもらおうと午前中に教えてもらった番号宛に電話をかけた。

 呼び出し音の後、電話に出たのは中年の女性とおぼしき声の持ち主だった。
何故かその女性は「はい」としか言わない。公僕の分際で随分態度のでかいババアだと俺はかちんと来ながらも自分の身分と用件を伝えた。
 「はあ?」と中年女は不審そうな声を出した。陸上自衛隊の分屯地ではありませんかと俺が問いかけると言下に否定されたので俺は間違いである事を詫びて電話を切った。かけ間違いかと依頼元に聞いた電話番号をメモ帳で確かめ,携帯の発信履歴と照合したが相違はない。 

 ばつの悪い気分で依頼元に電話をかけ直し,改めて分屯地の電話番号を教えてもらったが伝わっている電話番号に違いはないので俺はだんだん訳が分からなくなってきた。
 教えてもらった電話番号にかけると全然関係なさそうな誰かさんのところに繋がってしまう旨を伝えると、やっぱりそうなんですかと依頼元が応えた。
 彼の言うところによれば、分屯地からは毎度その番号で着信があり、男性の声で連絡が来るのだがこちらからかけると何故か決まって件の中年女が電話に出てうちは違いますよと無愛想な受け答えをするという。

 たまたまこの時は依頼元の所長殿が俺の居場所の近くにいたので落ち合い,問題の分屯地まで先導してもらうことでことは済んだ。
 しかし電話の件は何だか釈然としないままだ。

 この分屯地は弾薬庫であり,当然ながら外部に対しては警戒を要する物騒な場所な訳だが電話の回線も繋がりにくくなるようなわけのわからん細工がされているということなのだろうか。
 間違って電話が繋がる先のおばさんは一体どのような人物かについて妙な関心が湧く。もしかしたらこういう間違い電話をさばくことをお仕事とする防衛省職員なのではないのかなどと俺の妄想はダラダラと展開される。

 自衛隊の電話といえばもう一つ思い出したことがある。
考えてみると,キャンプの中で仕事をしている最中は携帯電話が鳴らない。衛門を出てから携帯の着信画面を見ると表示が出ていることがあった。
 嘘だかほんとだかわからないが,キャンプの敷地内は圏外となるような,ジャミングというか何と言うかそういう仕掛けがあるとかないとかいう伝聞を耳にしたことがある。いずれ機会があれば待ち受け画面を見て確かめてみたい。

 付録でもう一つ。
施設の性格上これは当然だが,自衛隊施設内で写真撮影をするにあたっては当然ながら事前許可を要する。俺が勤め人だった頃に隊員食堂のカフェテリアを施工し,カメラマンを雇って竣工状態を撮影するときには結構ややこしい手続があったように覚えている。
 しかし,今日日,携帯電話にはお約束のようにカメラ機能がついているわけだが入門時にこれをチェックされたことはない。職員に見つからなければ携帯電話で部隊内は幾らでもこそこそと撮影できる。自衛隊もお役所の一つであり,時代の流れの遥か後ろの方で動いている業務形態なのだな。
タグ:自衛隊 電話
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コメント 6

ひとりIT親方

いつも拝見させていただいています。
さて、ナンバー通知の番号が実際の相手先電話番号と違うという現象。
これは相手がPBX(構内交換機)を使用している場合にありえます。
通知番号を自由に設定できるので、設定ミスあるいは故意で間違った通知番号になるので、通知された番号では相手につながらないことになります。

それにしても、おばさんが関係者なのか単なる一般人なのか謎ですな。
by ひとりIT親方 (2013-03-14 11:22) 

007

上手く説明出来ませんが、電話回線が多くなると、電話基本料が高く成る為、減らして、、、
代わりに、込み合う時に空いてる番号を探し用いる方法、だと記憶してますが、、、

一例で、小生も着信あり、折り返すと同じ会社の・総務課・に繋がり、その会社の誰が掛けたかは不明の時があります、、、まあ付き合いがある程度あれば想像出来ますが、初めてならば困りますね、、、

オバサンは融通効かないDQNな公務員気質なの?でしょう、、、官庁仕事は決まれば支払い確実で継続性ありGOODですね!
by 007 (2013-03-15 04:34) 

くるみ

自衛隊は別世界で不思議な場所です。入り口には鉄砲(玉は入ってないとか!?)を持った隊員がいて厳重かと思えば…糧食班にはパートのおば様らしき人々がエプロン姿で自転車で出入りしてたり(多分、隊員の妻でしょうか)。風邪で寝込んだ隊員がいたら飯ごうに詰めて届けたり。私が一番不思議なのは、ほふく前進の訓練ですが(>_<)。話がどんどん外れましたが、電話は不可思議ですね!!駐屯地内に電話交換手さんの役職はないのでしょうかね(^^; 大分昔ですが隊員のお友達へのメールは駐屯地内でも見れてたみたいです。中には飲み処もあったり、まるで一つの都市ですね(^^)d。
by くるみ (2013-03-17 00:47) 

HarryTuttle

ひとりIT親方 様 コメントありがとうございます。
私の関心もおばさんが一体何者だったのかにあります。
手慣れたあしらい方ではなく、だからといってかけ間違い電話の連発に戸惑っている風でもなく、何とも形容し難い不思議な対応だったのです。
by HarryTuttle (2013-03-19 16:47) 

HarryTuttle

007様,いつもコメントありがとうございます。
今回の状況は先にコメントを頂いたひとりIT親方様の見方に該当しそうに思えます。
私は通信関係はさっぱり知識がありませんが恐らく,電話の交換機に何かそういう乱数を発生させて相手方に表示させるような機能があるのではないだろうかというのが私の空想です。
by HarryTuttle (2013-03-20 20:11) 

HarryTuttle

 くるみ様,いつもコメントありがとうございます。
自衛隊もまたお役所のうちの一つ,というのが日頃仕事で関わる私からの見え方です。
 ということはあのキャンプの敷地なり周辺の官舎はあまり外に向かって開かれていない一つのコミューンでもあると私は見ています。
 今ではそんなことはないのかも知れませんが,キャンプの周辺にはしばしばお水さん関係の店舗があり,スナックの姉ちゃんだった女性がいつの間にか防大あたりを出た幹部隊員に見初められて玉の輿なんていう今の状況でいえばシンデレラストーリーを以前は結構耳にしました。
by HarryTuttle (2013-03-20 20:19) 

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