せこい魂胆を白状する

　この商売を始めた当初，パソコンの環境については随分無駄遣いをしたと今は反省している。
そもそも一人親方の俺が何台もパソコンを所有していたところで無駄だらけなことくらい最初っからわかりそうなものだが開業する時の妙な気負いと退職金やら融資の金やらで一時的に銀行の残高が膨らんでいたので後先も考えずにアホな出費を垂れ流したのだった。

　開業以来八年間のパソコン環境の経緯はさておき，目下のところ仕事用で使うにはMacbook一台で用が足りている。開業当初使っていたのはiBook G3 700MHzで、現在のCore 2Duo 2GHzは4年前に買ったものだ。

　アップルの製品についてうんと以前から言われ続けていたのはハードウェアの造りが悪く故障が多いというものだったが，PC/AT互換機（古臭い言い回しだが，要するにWindowsの動くパソコンだ）が爆発的に普及する過程で必然的に安売り競争が激化し，コスト切り詰めのために粗悪なパーツが濫用され始めたので相対的にアップルのハードウェアは信頼度を増したように見え始めるようになったと思う，あくまで相対評価だ。

近年のマックにしたところで大してご立派な造りというわけではない。
買って二年目にバッテリーのケースが変形して買い替えたことを以前の記事で書いた。

記事名（アップルという会社は）：http://tuttle.blog.so-net.ne.jp/2011-07-17-1

　バッテリーに続いての不具合は電源アダプターである。
俺のパソコンは本体の接続箇所がマグセーフ（磁石でくっつく形式）の初期のもので，プラグ直近のケーブルが屈曲を繰り返すうちに被覆が切れ始めて中の芯線が断線し始め，だんだん充電しなくなってきた。
　自分で断線補修できそうな造りには到底思えなかったので，アップルのHPを見てみるとこれがまた高価なもので、足元を見るとはこういうことかとむかむかしてきた。

　Apple store HP:　http://store.apple.com/jp/browse/home/shop_mac/mac_accessories/power

このことはしつこく何万回でも書くが俺は貧乏自営業であり，パソコンは必需品ではあるが直接金を生む道具ではない。たかが電源アダプターみたいなものに何が悲しくて七千円近くも払えるか！と，持ち前のケチ臭い本性を発揮してオークションで激安の中国製互換アダプターを買い込んだのが昨年8月頃のこと。出品者は香港の商事会社らしく激安で落札し，送料込みで二千円くらいで済んだ。
　
　しかし安物買いの銭失いとはこのことで、買ってしばらくの間はアップルの裏をかいたつもりでいい気になっていたが二ヶ月目あたりで不具合が出始めた。
　プラグとケーブルの接続箇所あたりでぱちぱちと小さい音がし始めた。よく見ると被覆の中で小さくアークが発生している。これまた芯線が露出してシースの中でショートしているのだ。
　それからだんだん充電しなくなり，十二月頃にはこれまた断線して使い物にならなくなった。

　幸い，仕事部屋（自宅の茶の間だけど）と自室のパソコンはどちらも同じ電源アダプターを使うものだったので数日の間は一つの電源アダプターを持って往復していたがいつまでもそんなことを続けるわけにもいかない。
　アップルに七千円払うのは面白くないが安物を買って不燃ゴミを増やす気にもなれない。
純正だろうがサードパーティだろうが中国製であることには変わりない。要は品質管理上の差が価格差なのだと考えていいだろう。
　一年保証付きのサードパーティ製品をAmazon.co.jpから買い込んでから一ヶ月以上経った。

APPLE Mac Book Mag Safe 互換ACアダプタ　60W Mac book Air など 新品一年保証

• 出版社/メーカー: MacBook互換アダプタ
• メディア: エレクトロニクス

ヤフオクで買ったものの使用時間を超えたが現在のところ障害は出ていないのでひとまず良しとする。
　しかし俺のこういう悪あがきはApple社から見れば全くもってせこいというか姑息というかであっておよそ感心できるものではないだろう。俺には俺で4年かそこらで使えなくなるようなACアダプターに誰が七千円も出すもんかという言い分はある。この辺はもう本当に次元の低い話で，パソコンのハードウェアなんていうのは何を選んだっててきとうな代物にしか行き当たらないということだ。

　ロクなものがない。あるのはてきとうな物ともっとてきとうな物ばっかり、そういう構図だ。
そこまで考えたときに何だかこれは身に覚えのある状況ではないかと俺は思い至った。他でもない，おれの棲息するこの業界がまさにそうじゃないかww
　日頃このブログでこすっからい振る舞いかたをする使用者だの同業者だのをこき下ろす俺の視線と同質のものがパソコンについてはアップルから俺に向けられていることを俺は自覚しておくべきだろう。
　俺がもう少し甲斐性のある人物で，金満自営業となりおおせていればこんな風に怪しげなサードパーティ製品を漁るような真似をせずに済んでいるのだけれど，というエクスキューズは業務用厨房機材のリサイクルショップに足を運ぶ金なしバイヤーにも共通していることを俺はここで認める。しかし，人間誰しも自分に都合の悪いことはひた隠しするくせに都合のいいことだけは偉そうな，上から目線の常識的正論をぶちたがるものであって俺も例外ではないのでこのブログはこれから先も相変わらず分野外での自分のせこい了見は棚に上げて業界内のことだけはバンバンけなしまくることにする方針なのですよ。

タグ：ACアダプター Apple MacBook