2012年締めくくりの不幸のこと [日記、雑感]
俺は昼近くまで寝坊を決め込む。
12月30日の夜中までドタバタし続けるのはこの商売の宿命であって, 根が怠け者であるこの俺は30日の深夜から明け方までをヤケ食いとどうでも良い暇つぶしで過ごし,翌31日は大抵朝寝坊を決め込み自堕落に過ごすことを習慣としている。
例年,31日の日中は仕入れの支払のために送金を行い,予約していたオードブルを買い込んでから帰宅する。その後,車の中を片付けてから風呂に入るために近くの温泉に出かけ,また家に戻って豪勢なオードブルを一人淋しく食ってからゴロゴロし,日付が変わる頃に菩提寺へ出かけて除夜の鐘を突き,本堂で配られる年越しそばを頂いてからお勤めを行い,正修会(しょうしゅうえ)を済ませてから午前2時くらいに帰宅して明け方まで映画を見る,というのが習慣である。
ところが今年は少々勝手が違う。
銀行に出かけたところでそのハプニングは起きた。駐車場のゲートを通るために発券機から駐車券を抜き取った後,自動車の窓を閉めようとしたが開いた窓が閉まらないのだ。
ドアの中で何やらモーターの唸る音はするものの下がり切った窓が一ミリたりとも動かない。俺は焦った。
車の中の様子が気になりながらもとにかく送金は済ませ,急いで駐車場に戻りもう一度窓を閉めようとしてみたが結果は変わらない。
仕方なしに寒空の中を窓の閉まらない車で次なる用事を済ませるために日頃ご厄介になっているレストランへと向かいオードブルを買い込む。
どこでも良いから整備工場に駆け込んでせめて窓が閉まるような細工をしてもらうことは出来ないかと駆け回ったが何せ大晦日だ,ディーラーはおろか個人の整備工場までが全部アウトで俺は凍り付きそうに寒い車中で困り果てた。
どうせパワーウィンドウが故障するのなら開かない方が余程マシだぜ!と,おれは寒風がびゅーびゅー吹き込む中で震えながら独りごちた。或いはこうも言える,パワーウィンドウが閉じない故障なら何故夏のさなかに起きてくれないのか,何故よりによって真冬の,しかも修理屋がみんな休みに入っている大晦日に狙い済ましたようにこんなことが起きるのか。つくづく不幸の渦の中を生きているのだな,と,俺は自分の身の上を嘆きまくる。
結局,帰宅途中のホームセンターで間に合わせのために透明なビニール製のテーブルクロスを買い,自宅で切り貼りして閉まらない窓を何とか塞ぎ,車に積んであった道具類は全部作業場にしまい込んで今年は外出を諦めた。幾らなんでも窓の閉まらない車では外出先で何が起こるかわからず怖いし,何より移動中寒くてかなわん。
年末年始は家の中にこもりっきりで極力外出は控えることになるが仕方がない。年明けの急な修理依頼に対して車がぶっ壊れているので出かけられないという良いんだか悪いんだかわからない口実が出来たことは確かだ。おとなしく家の中で過ごすとしよう。
ここしばらく年末年始の過ごし方として習慣づいているのは長編の小説を読むことで、働くようになってからはなかなかまとまった時間が取れないので年末年始はいい機会だ。生産的でない時間に長い時間を割けるのはこういう時くらいしかなくなってしまった。
以前も書いたように今年はこれを選んだ。
それにしても,日頃の仕事ではついていないことの連続であるこの俺だが仕事以外でもついていないことを本日は実感した次第。
よりによって大晦日の日に起こったこのパプニングがツキのなさの納めどころなのか,それとも更に不幸な来年のプロローグなのかわからんがとにかく,不幸なこの身の上を嘆き,昨日に続いて本日もヤケ食いを決め込み,怠惰にゴロゴロと本を読みながら俺の冴えない一年は終わろうとしている。
来年は今年よりも幾らかはマシな年でありますように,諸兄にとってもご同様でありますように。イヤなことだらけのこの世界だが,生きていればそのうち何か良いこともあるだろうよ。モンテ・クリスト伯のラストにこんな台詞があった『待て,而して希望せよ』
12月30日の夜中までドタバタし続けるのはこの商売の宿命であって, 根が怠け者であるこの俺は30日の深夜から明け方までをヤケ食いとどうでも良い暇つぶしで過ごし,翌31日は大抵朝寝坊を決め込み自堕落に過ごすことを習慣としている。
例年,31日の日中は仕入れの支払のために送金を行い,予約していたオードブルを買い込んでから帰宅する。その後,車の中を片付けてから風呂に入るために近くの温泉に出かけ,また家に戻って豪勢なオードブルを一人淋しく食ってからゴロゴロし,日付が変わる頃に菩提寺へ出かけて除夜の鐘を突き,本堂で配られる年越しそばを頂いてからお勤めを行い,正修会(しょうしゅうえ)を済ませてから午前2時くらいに帰宅して明け方まで映画を見る,というのが習慣である。
ところが今年は少々勝手が違う。
銀行に出かけたところでそのハプニングは起きた。駐車場のゲートを通るために発券機から駐車券を抜き取った後,自動車の窓を閉めようとしたが開いた窓が閉まらないのだ。
ドアの中で何やらモーターの唸る音はするものの下がり切った窓が一ミリたりとも動かない。俺は焦った。
車の中の様子が気になりながらもとにかく送金は済ませ,急いで駐車場に戻りもう一度窓を閉めようとしてみたが結果は変わらない。
仕方なしに寒空の中を窓の閉まらない車で次なる用事を済ませるために日頃ご厄介になっているレストランへと向かいオードブルを買い込む。
どこでも良いから整備工場に駆け込んでせめて窓が閉まるような細工をしてもらうことは出来ないかと駆け回ったが何せ大晦日だ,ディーラーはおろか個人の整備工場までが全部アウトで俺は凍り付きそうに寒い車中で困り果てた。
どうせパワーウィンドウが故障するのなら開かない方が余程マシだぜ!と,おれは寒風がびゅーびゅー吹き込む中で震えながら独りごちた。或いはこうも言える,パワーウィンドウが閉じない故障なら何故夏のさなかに起きてくれないのか,何故よりによって真冬の,しかも修理屋がみんな休みに入っている大晦日に狙い済ましたようにこんなことが起きるのか。つくづく不幸の渦の中を生きているのだな,と,俺は自分の身の上を嘆きまくる。
結局,帰宅途中のホームセンターで間に合わせのために透明なビニール製のテーブルクロスを買い,自宅で切り貼りして閉まらない窓を何とか塞ぎ,車に積んであった道具類は全部作業場にしまい込んで今年は外出を諦めた。幾らなんでも窓の閉まらない車では外出先で何が起こるかわからず怖いし,何より移動中寒くてかなわん。
年末年始は家の中にこもりっきりで極力外出は控えることになるが仕方がない。年明けの急な修理依頼に対して車がぶっ壊れているので出かけられないという良いんだか悪いんだかわからない口実が出来たことは確かだ。おとなしく家の中で過ごすとしよう。
ここしばらく年末年始の過ごし方として習慣づいているのは長編の小説を読むことで、働くようになってからはなかなかまとまった時間が取れないので年末年始はいい機会だ。生産的でない時間に長い時間を割けるのはこういう時くらいしかなくなってしまった。
以前も書いたように今年はこれを選んだ。
それにしても,日頃の仕事ではついていないことの連続であるこの俺だが仕事以外でもついていないことを本日は実感した次第。
よりによって大晦日の日に起こったこのパプニングがツキのなさの納めどころなのか,それとも更に不幸な来年のプロローグなのかわからんがとにかく,不幸なこの身の上を嘆き,昨日に続いて本日もヤケ食いを決め込み,怠惰にゴロゴロと本を読みながら俺の冴えない一年は終わろうとしている。
来年は今年よりも幾らかはマシな年でありますように,諸兄にとってもご同様でありますように。イヤなことだらけのこの世界だが,生きていればそのうち何か良いこともあるだろうよ。モンテ・クリスト伯のラストにこんな台詞があった『待て,而して希望せよ』
明けましておめでとうございます(^-^ゞ 大丈夫!!きっと今年は良い年です。また一年が終わる時に、ああ去年より良かったと思えますよ(^-^)b 私自信もそう信じて生きてますf(^_^) 今年も宜しくお願いします。
by くるみ (2013-01-01 02:09)
HarryTuttleさんのブログに接して随分となります。そして、初めてコメントを記します。私も永く「厨房屋稼業」を勤め、そろそろ引退の歳頃となりましたが今だしつこく現役を続けております。その間HarryTuttleさんのブログから幾多の学びがありました。御礼の言葉と共にこれからも続かれん事を
願って止みません。小生大阪に居住しておりますが、過日北海道足寄方面に厨房絡みで行く事がありHarryTuttleさんにも一度おめに掛かれればと願いながら果たせませんでした。本ブログ以外の連絡方法があれば教えて頂きたく存知ます。毎日ブログを拝見させて頂いていますと身近に感じて、不躾なお願いとなっておりますがご容赦下さい。宜しくお願い致します。
by 引退間近の厨房屋 (2013-01-02 17:12)
くるみ様,明けましておめでとうございます。
自動車が壊れたことによって外出を控えるようになり,その分自宅でゆっくり過ごすことでのんびりした気分を満喫しています。
例年になく静かな三ヶ日で,まずはこの三日間は昨年よりも良いように思えています。
今年もよろしくお願いいたします。
by HarryTuttle (2013-01-03 09:06)
引退間近の厨房屋様,はじめまして。コメントありがとうございます。
しがない自営業者のぼやき程度と自分で規定している私のブログから他人様に何かしら与えられるものがあったのだとすれば望外の喜びです。読んで頂いてありがとうございました。
足寄方面は私の活動範囲であり,町立病院の設計施工は私が会社員だった頃の実績です。また,現在でも数件,声をかけて頂く得意先もあり馴染みのある地域ですのでお会いできなかったことは残念です。
私への連絡方法ですが,トップページ左上の『プロフィール』のリンクをクリックするとメールアドレスが見られるように昨日編集し直しました。何かありましたらお手数ですがメールをお願い致します。
by HarryTuttle (2013-01-03 09:16)
もう何年も前から時々拝見しております。 私も既出の方と同じように厨房の仕事に携わっていますので、 ここでの業界内裏事情的な記述は共鳴したり参考になることが多いのです。 それに加えて文章間の語彙の豊富さ 他の人が思いつかないような稀有な描写力に出っくわすこともあります。 読みながらニヤッとすることも再三ありました。 難解な言葉の時には辞書をひくことすらありました。 豊富な読書量の賜物なんでしょう
モンテ クリスト伯 私も小学校の終わりくらいか中学校あたりで読んだことがあります。大昔すぎて中身はかなり忘れました。が 結構面白く一気に読んだように思います。
北海道は一度しか行った事がなくて 定山渓温泉あたりだけが踏破地になります。 足寄は宗男氏 千春氏の生誕地かな?宗男氏の我が道(スポニチ連載)などを読んだところによると尋常でない寒さらしいですね。
私も訪北海道の折に機会があれば拝顔したく思っております。 車の窓を早く直してお健やかに
既出氏に触発された”一読者”より
by 引退が視野に入っている厨房屋 (2013-01-03 13:54)