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しばらくぶりに物販業務 [日記、雑感]

 某病院は今年の秋から患者給食の調理業務を外部委託することになった。
これまで,下膳と食器洗浄を皮切りに栄養士の業務も一部外部委託とし,5年くらいかけて徐々にアウトソーシングを進めてきたわけだが,これで患者給食は全面的に外注ということになる。

 調理関係の設備機器は現状をそのまま使用することになるのだそうだが貸与となるか譲渡となるかは不明。修理屋の立ち位置からいうと運用後の故障発生に於いて修繕費の負担がどちら側とするかは事前にきっちり取り決めておいた方が後々もめ事を回避できるのだがこういうことは殆どなされないまま業務移行されることが多い。
 まあ,俺の立場でいえばどちらにせよ修繕の依頼が来て金が入ればいいだけの話であって、こんな評論家みたいな能書きを垂れている暇があったら業務委託先に今のうちからPRをしておいて移行後にお払い箱にならないように頑張るのが先決だよな。

 業務移行にあたって病院からは包丁まな板殺菌庫を増設し,炊飯器をリプレースすることにしたのだそうだ。
他にも新規導入やらリプレースする機材の事案はあるらしいがひとまずそういうこと。
 他人事のようにして管財課長殿のお説を伺っていたらなんと,俺にそれらの見積書を提出せいと仰るので驚いた。
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 思い出してみると2年前に何点か,減価償却の済んだ機材についてリプレースの予算要求用の見積書を書いて提出したことがある。
 どうせ予算要求用なのだからと俺はいい加減な気分で全部定価で積算した見積書をこしらえて、おまえは一体商売する気があるのかと病院からは顰蹙を買った。
 正直なところ,俺のような野良犬業者からものを買おうなどというお客様は余程奇特な方だ。
俺の住むような田舎町にさえ,厨房機材のメーカーなど幾つもあるのだから安く買いたいのだったらそういうところに頼めばいいと思う。納めた後から高かっただの何だのとギャーギャー言われるのは面白くないので俺は予めそう言うことにしている。

 自分で言うのもなんだが,この病院に関して俺のグリップは結構効いている。
事務サイドの課長殿は徴収した幾つかのメーカの見積書をデスクに並べてこれより安く納入してくれと仰る。
既に逆さに振っても鼻血も出ないような激安底値の見積書で俺は見ていて胸が悪くなった。
本当だったら勘弁してもらいたいところだがかれこれ20年以上しがらみのある施設なので無下に断るわけにも行かない。
 後々院内の修繕業務で埋め合わせはつけて頂くことにして話はついた。

 それにしてもまあ,市場の砂漠化とはこういうものかと溜め息をつきたくなる。
勤め人だった頃の俺はまさにそういう世界に生きていたわけだが,何とも侘しい,半紙のように薄っぺらい利益で、こうまで無茶苦茶な見積りを書いて納入実績を作りたいものかと今は呆れる。
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まる

いつも拝見させて頂いております。
私のお付き合いのある業者さんも物販は嫌がります。
仕入あっての売値で実際懐に入る銭はたかが知れてるっていわれちゃいます。

by まる (2012-06-14 00:51) 

HarryTuttle

 まる様 コメント有り難うございます。
その業者様の仰る通り,今日日,厨房機材の物販は本当に儲かりません。
付帯工事や撤去品があった場合の処分費用まで考えるとヘタをすれば赤字ですし,納入先が官公庁の場合はマニフェスト伝票の作成など事務手続きも煩雑になります。

 穿ち過ぎの見方ですが,業者としてはバイヤー様には物品購入が心理的な貸借関係に作用するという考えは持って頂きたくないな、とここ数年は思えています。

 


by HarryTuttle (2012-06-14 12:03) 

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