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爆発するテスター [お仕事上のぼやき]

タイトルにある爆発というのは実は嘘である。

本日のメニューはFMIからのご依頼で某レストランにてコーヒーマシンの設置工事である。
機種は以前散々手こずったFlesh-Oneだ。

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 単なる接続工事ならちょろいものだが、いざ現場に入ってみるとコンセントは隠蔽箇所で配膳が切られていて死んでいるわ給水は取出しのバルブがどこにもないわでグダグダな展開となった。俺は腰道具をつけて天井裏を這い回り,これじゃあ一体何屋なんだかわかったものじゃない。若い頃に電気工事士の資格を取っておいて良かったわいとは思うがこの労務は追加請求させてもらえるのだろうか。

 この周辺環境の無茶苦茶さは書き出すとひどく長くなるのでここでは詳述しない。
屋内配線の図面がない上にこれまで何度もわけの分からん増設工事が複数の業者によってバラバラになされてきた結果,このレストランの電気系統は錯綜を極めており、どの線がどの開閉器に繋がっているんだかさっぱりチンプンカンプンで大いに手間取った。
 
 それで、やっとこさコーヒーマシンのためのコンセント回路を一つこしらえて確認のために電圧を測ろうとテストリードを突っ込んだその時,バシーッという物凄い音とともに俺の眼前には直径20cmくらいのアークが炸裂し、爆弾スイッチならぬ爆弾コンセントをこしらえたかと俺は大いに焦った。

 一体何年この商売をやっているんだこの俺はと自分がイヤになった。配線を調べるために一度開閉器を切り,短絡箇所を調べようとテスターを持ち出したところさっぱり表示が動かない。
 変だと思っていテスターを調べているとリード線の根元が焼けている事に気づいた。
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 このテスターは買ってから大体3年くらい使い続けてきたものだ。考えて見ると最近、リード線の根元は被覆が裂けて芯線が露出しており,何かの弾みにショートでもしたらイヤだなあ,と心配しながら使い続けてきたのだ。さっきの短絡事故はその懸念が顕在化した一幕,というわけ。

 問屋に聞くと修理は受け付けるが期日がかかるので多くのお客さんは新調してしまうという。いっそのこと俺もそうしようかと考えるがどうして金のない時を狙い済ましたかのようにこういうハプニングは発生するのだろうかと首をひねる今日の出来事である。
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くるみ

考えてみたら、命懸けのお仕事ですね!?家庭の電気量の比ではないですよね(*_*) 本当にお金に余裕が無い時に出費が増えるのは何故なのでしょう!?余裕がある時には気にならないからとかでしょうか?
by くるみ (2012-04-06 02:17) 

HarryTuttle

 くるみ様,レスが遅れましてごめんなさい。
一般家庭も業務用の厨房も給電される電圧自体は一緒なのですが,後者の,特に商業店舗の場合はオーナーに設備に関する見識がない場合が大変多いので場当たり的に改修工事を繰り返した結果配電系統が無茶苦茶に乱れているケースが少なくないのです。

 私もそれなりにこの商売では年季が入ってきましたからさすがに近年,感電事故はありませんが,時折耳にするケースでは全て作業者の不注意によるものです。数年前には電気フライヤーの取り付け工事中の死亡事故があったと聞いていますが、私たちが接するのはもっぱら低圧電路なのでまだ甘い業種だと思いますよ。


by HarryTuttle (2012-04-09 09:15) 

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